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新車試乗記 第753回 ホンダ N-BOX スラッシュ Honda N-BOX Slash

(660cc 直3・CVT・165万円~)

合言葉は“ファンキー”!
マジメに遊んだ
軽スペシャリティに試乗!

2015年02月06日

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キャラクター&開発コンセプト

N-BOXより110mm低く、リアドアをヒンジ化

2014年12月22日に発売されたホンダの「N-BOX SLASH(エヌボックス スラッシュ)」は、N-BOX(2011年12月発売)ベースで開発された新ジャンルの軽自動車。ホンダの新世代軽自動車「N」シリーズとしては、N-BOX、N-BOX +(プラス)、N-ONE、N-WGNに続く第5弾になる。

全高はN-BOXに比べて110mm低く(うち最低地上高が-10mm)、いわゆるチョップドルーフ風のスタイリングを採用。リアの両側スライド式ドアは、ヒンジ式に変更されている。

 

上級グレードにオプション設定される「インテリアカラーパッケージ」(写真はダイナースタイル)
(photo:Honda)

「N」シリーズ共通の「センタータンクレイアウト」(燃料タンクを前席シート下に配置する)によって、広い室内空間や多彩なシートアレンジは依然備えるものの、スラッシュで優先されたのは広さや便利さではなく、クーペ風のスタイリングや遊び心。2トーンカラーや計5種類の内装カラーを用意するなど、カラーリングにこだわるほか、新開発のオーディオシステム「サウンドマッピングシステム」をオプションで用意するなど、カスタム感のあるモデルになっている。

月販目標は2500台

パワートレインはN-BOXのものを踏襲。エンジンは自然吸気(NA)とターボの2種類で、トランスミッションは全車CVT。JC08モード燃費はNAが最高25.8km/L、ターボが最高24.0km/Lを達成している。

新機軸としては、直動式ドラムブレーキでは世界初となる「電子制御パーキングブレーキ」を全車標準装備としたほか、パワーステアリングのアシスト力を切り替えられる「モード切替ステアリング」を新採用。また、N-BOXシリーズで初めて後席に前後スライド機構が備わった(普通のN-BOXにも2月5日発表のマイナーチェンジで採用)。

月販目標は2500台で、N-BOXシリーズ(従来の月販目標は1万5000台)に加勢する狙い。発売からお正月をはさんで約40日後の1月31日時点での累計受注台数は約6,500台。なお、N-BOXシリーズの2014年(1~12月)の販売実績は17万9930台だった(軽自動車ではタントに続き2位)。

生産拠点は他のNシリーズ同様に鈴鹿工場。組立ラインは工程の関係で4枚ヒンジドアのN-WGNとの混流になる。

 

2011年から2014年までの軽市場におけるホンダのシェア推移。N-BOX登場以前(2011年)の8.4%から20%前後に急上昇している。ちなみにダイハツ、スズキはそれぞれ約30%で首位を争う
(表:Honda)

■参考記事
ニュース>ホンダ、N-BOX スラッシュを発売 (2014年12月掲載)
新車試乗記>ホンダ N-WGN (2014年6月掲載)
新車試乗記>ホンダ N-ONE (2012年12月掲載)
新車試乗記>ホンダ N BOX (2012年2月掲載)

■外部リンク
ホンダ>プレスリリース>新型軽乗用車「N-BOX SLASH(エヌボックス スラッシュ)」を発売(2014年12月22日)

 

価格帯&グレード展開

138万円からスタート。2トーンは151万9400円~、ターボは159万円~


ボディカラーは全18色(モノトーンが8色、2トーンが10色)。写真はプレミアムイエローパールIIとホワイトルーフの2トーン
(photo:Honda)

計5グレードを設定。自然吸気エンジンのベースグレード「G」(138万円~)、装備充実の「G・Aパッケージ」(146万円~)、そのターボエンジン仕様の「G・ターボ Aパッケージ」(159万円~)があり、さらに上級グレードの「X」(165万円~)、そのターボエンジン仕様の「X・ターボパッケージ」(176万円~)がある。約30km/h以下で被害軽減を軽減する自動ブレーキを含む「あんしんパッケージ」は、ベースグレードを除いて標準装備になる。

ボディカラーはモノトーン(全8色)のほか、G・Aパッケージ以上で2トーン(全10色)を選択できる。さらにXとX・ターボでは、テーマごとに内外装をコーディネイトした3種類の「インテリアカラーパッケージ」が選べる。2トーンの場合は、自然吸気なら151万9400円~、ターボなら164万9400円~。

4WDは全グレードで選択可能で、それぞれ12万円高。

専用設計の上級オーディオシステムも用意


「サウンドマッピングシステム」のバックロードホーン型サブウーファー

スラッシュでは軽自動車では難しかった重低音・高音質サウンドを実現すべく、XとX・ターボに、新開発のオーディオシステム「サウンドマッピングシステム」を標準装備した。これは4個のケブラーコーンスピーカー、4個のアルミドームツイーター、ダッシュボード下から前席まで低音増幅用のダクトが伸びる“フォステックス”のバックロードホーン型サブウーファー、そして高性能出力素子MOS-FETを使ったパワーアンプ(7ch、360W)で構成される。加えてXとX・ターボには、クリアなサウンドを楽しめるようにルーフやフロントドア内に防音材が追加されるほか、置くだけでスマホを充電できる「Qi(チー)」規格のワイヤレス充電器も装備される。

 

バックロードホーン型サブウーファーの構造

これだけでも軽のオーディオとしては豪華だが、さらに販売店オプションでは、スピーカーのビビリなどを抑えるデッドニングキット「ピュアサウンドブース」(3万8800円)が用意されている。内容は吸音シート2枚、吸音ウレタン2枚、制振シート2枚で、これらを装着するとドアの閉まり音も良くなるという。ただし、サウンドマッピングシステムに対応するナビゲーションシステムやオーディオはオプションになる。

なので、「やっぱり2トーンカラーがいいし、ターボやナビも欲しいし、オーディオにもこだわって……」などと言っていると、車両価格だけですぐに200万円を越えてしまうのが悩みどころ。

 

パッケージング&スタイル

合言葉は“ファンキー”


ボディサイズは全長3395mm×全幅1475mm×全高1670mm、ホイールベース2520mm

N-BOX スラッシュの開発が始まったのは、デザイナーが遊びで書いた1枚のスケッチ(下に画像)が発端だという。それがやがてNシリーズ開発チームの間で盛り上がり、ホンダ定番のノリで上司に断りなく1/1のモックアップを製作。結局、Nシリーズ全体の開発責任者である浅木泰昭氏の後押しもあり、通常より短かい開発期間で市販に漕ぎつけたという。開発時の合言葉は、型破りを貫く、という意味で“ファンキー”だったのこと。

 

全高(FF車の場合)はN-ONEより60mm高く、N-WGNより15mm高く、普通のN-BOXより110mm低い

大ざっぱに言えば、N-BOXの屋根を切ってヒンジドアにしたのがスラッシュだが、デザインに関しては「軽いノリを大切にした」と言う通り、随所に遊び心や工夫を盛り込んでいる。ルーフの周囲に走るクロームのモールはスラッシュ独自で、パッと見で「N-BOXとなんか違うぞ」と思わせる。しかもこのモール、2トーン塗装する時の、境い目の処理にも便利という一石二鳥。

他にも、Cピラー上部のビレット調リアピラーガーニッシュやメタル調フューエルリッド、メッキ樹脂キャップ付のディッシュホイールなど、アメリカンなカスタムテイストが随所に散りばめられている。

N360からZ、N-BOXからスラッシュ?

N-BOXより屋根が低い分、フロントウインドウはより寝かせられており、ドライバーからの上方視界を確保。また、ルーフラインを後方で緩やかに低くしつつ、サイドウインドウは逆にキックアップさせ、さらにリアドアハンドルを窓枠と一体化して隠すことで、2ドアクーペ風に見せている。このあたりは、往年の軽スペシャリティ「Z」(1970~74年)みたい。

 

ホンダ Z(1970~74年)。写真は1972年に登場したハードトップ
(photo:Honda)

開発のきっかけになったという最初のスケッチでは2ドアだった
(photo:Honda)
 
    全長(mm) 全幅(mm) 全高(mm) WB(mm) 最小回転
半径(m)
ホンダ N-ONE (2012~) 3395 1475 1610~1630 2520 4.5~4.7
ホンダ N-WGN (2013~) 3395 1475 1655~1675 2520 4.5~4.7
スズキ ハスラー (2014~) 3395 1475 1665 2425 4.6
ホンダ N-BOX スラッシュ (2014~) 3395 1475 1670~1685 2520 4.5~4.7
ホンダ N-BOX (2011~) 3395 1475 1780~1800 2520 4.5~4.7
ダイハツ ウェイク (2014~) 3395 1475 1835 2455 4.4~4.7
 

インテリア&ラゲッジスペース

視点はN-BOXと同じで、天井は低め


横長のフロントウインドウ。助手席側のAピラーには左側の死角をカバーするミラーが備わる

インパネも基本的にN-BOXベースだが、ドア内張りのビレット調ガーニッシュなどでカスタム感を盛り上げる。また、普通のN-BOXだと天井が高く、フロントウインドウも縦に長い印象だが、スラッシュの場合は視点の高さはそのままに天井が低く、チョップドルーフ車らしい囲まれ感がある。直立したフロントガラスなどは、何となくスズキのハスラーとかにも通じる眺め。

ちなみに試乗した上級グレードのXは、装備がやたら豪華。例のサウンドマッピングシステムに加えて、クルーズコントロール、ステアリングヒーターと運転席&助手席シートヒーターが標準装備される。

 

初めてチップアップ&ダイブダウン式リアシートで前後スライド機構が採用された(写真は最後端)。N-BOXでもマイナーチェンジで採用

運転席ハイトアジャスター(50mm)とチルトステアリングは全車標準だが、テレスコはなく、ハンドルがやや遠い
 

アメリカンテイストで5パターンの内装を用意


「ダイナー スタイル」の内装
(photo:Honda)

標準内装はベージュ基調の「ブライトロッド スタイル」か、黒基調の「ストリートロッド スタイル」(試乗車)。どちらも1950~60年代のアメリカをイメージしたとあるが、どちらかと言えば一般的なベージュ内装とブラック内装という感じ。

目玉は、メーカーオプションで3種類用意された「インテリアカラーパッケージ」。1つ目は映画「アメリカン・グラフィティ」に出てくるカリフォルニアのドライブインをイメージした「ダイナー スタイル」。赤基調にチェッカーフラッグの合皮シートがいかにも“Mel's Drive-in”。

 

写真はテネシーのライブハウスをイメージしたという「セッション スタイル」
(photo:Honda)

そしてハワイをイメージしたのがホワイト&ライトブルー内装の「グライド スタイル」。また、米国南部のテネシー州(州都のメンフィスはブルース発祥の地と言われる)にあるライブハウスをイメージしたのが、渋いブラウン&ブラック内装の「セッション スタイル」になる。

 

チップアップ&ダイブダウン式リアシートに、前後スライド機構を追加


荷室容量は4人乗車時でも後席を最前端にスライドさせればフィット並みの296Lになる

シートアレンジでの注目点は、ホンダ自慢のチップアップ&ダイブダウン機構付のリアシートに、初めて前後スライド機構が加わったこと。これにより後席を前に出して、前席との距離を少し詰める、荷室容量を必要な分だけ拡大する、といったことが可能になった。スライド量は190mm。この機構もN-BOXやN-BOX+にマイナーチェンジで採用されている。

 

センタータンクレイアウトならではのチップアップ機能。後席は左右別々に190mm前後スライド可能
(photo:Honda)

後席ダイブダウン時の荷室容量は最大743L。リアゲート開口部の天地は120cmで、自転車の縦積みは少々やりにくい
(photo:Honda)
 
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