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新車試乗記 第754回 スズキ アルト Suzuki Alto

(660cc 直3・5速セミAT/CVT・84万7800円~)

好きになるのに、1秒もいらない。
いやいやホントに惚れるのは
走らせてからでも遅くない!


2015年02月27日

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キャラクター&開発コンセプト

先代比-60kg。最軽量モデルで車重610kgを実現


初代アルト(1979年)。東京モーターショー 2009にて

スズキ アルトは、1979年に登場した軽自動車。初代は47万円という低価格で大ヒットし、以後はスズキ軽のベーシックモデルとして、時代に合わせて進化。1990年代以降はワゴンRに主役の座を譲ったが、過去35年間の国内累計販売台数は約483万台に及んでいる(2014年11月末時点、アルトラパンを除く)。

そのアルトの8代目が2014年12月22日に発売された。技術的トピックは数多く、車体ではロングホイールベース化や前後サスペンションの一新を図った新世代プラットフォームを採用(今後、他のモデルにも展開される)。これにより車重は先代アルト エコ比で60kg軽くなり、最軽量モデルで610kgと、現代の軽自動車としては驚異的な軽さを実現している。

5速セミAT「AGS」も用意


8代目となった新型スズキ アルト
(photo:スズキ)

また、個性的な外観デザインも大きな話題。“目力(めぢから)”のあるヘッドライト形状、グリルレスの顔、全高を抑えたスタイリングなどが目を引く。広告キャッチコピーは「好きになるのに、1秒もいらない」。

パワートレインには、定評あるR06A型エンジンと副変速機付CVT(無段変速機)の改良型、スズキ車でお馴染みの「エネチャージ」、「新アイドリングストップシステム」、「エコクール」を主力グレードに搭載している。CVTのFFモデルの場合、JC08モード燃費は純ガソリンエンジン車でトップの37.0km/Lを達成している。

一方で、スズキの国内向け乗用車では初となる5速セミAT「AGS(オートギヤシフト)」を、ベースグレードと商用バンに設定。AGSの採用は、昨年発売された新型キャリイ(軽トラック)に続くもので、今年2月には新型エブリイにも採用されている。

 

月販目標台数は7000台。

■外部リンク
スズキ>プレスリリース>新型「アルト」を発売(2014年12月22日)

■参考記事
新車試乗記>スズキ アルト エコ (2012年2月掲載)
新車試乗記>スズキ アルト (2010年1月掲載)
新車試乗記>スズキ アルト (2004年10月掲載)

 

価格帯&グレード展開

5MT/5AGSは84万7800円~、CVTは89万4240円~


試乗したF(AGS)。写真のボディカラーはシフォンアイボリーメタリック

乗用のアルトと商用のアルト バンがある。

乗用は安い方から「F」「L」「S」「X」の4グレード。エントリーグレードのFは5MTと5AGSで、それ以外の上位グレードはCVTのエネチャージ付。オーディオは全車標準(レスも選べる)。ESPはバンを除いて標準装備になる。

価格は、Fの5MTと5AGSが共に84万7800円(4WDは95万3640円)で、CVT車は89万4240円~122万9040円(4WDを含む)。また、レーダーブレーキサポート装着車は2万1600円高。諸経費込みでも100万円前後の予算で検討できる。

ボディカラーは全8色。また、Xではバックドアがミディアムグレー、アルミホイールがガンメタ塗装の「2トーンバックドア仕様車」が1万6200円高で選べる。

バンは69万6600円(5MT)からスタート


アルト VP。バンのボディカラーはスペリアホワイトのみ
(photo:スズキ)

4ナンバーのアルト バンは「VP」グレードのみで、ボディカラーはソリッドの白(スペリアホワイト)のみ。

価格は5MTが69万6600円(FFのみ)、5AGSが77万7600円(4WDは88万5600円)と、乗用のFグレードより10万~15万円ほど安い。

ただし、バンの後席は4ナンバー用の簡素なもので、前席のパワーウインドウも省略。オーディオはスピーカー内蔵タイプのAM/FMラジオだし、ESPどころかABSも標準ではない。また、このバンと乗用Fの5MTでは、吸・排気VVT(可変バルブタイミング機構)も外されるため、最高出力は3psダウンの49ps、最大トルクは5Nmダウンの58Nmになり、JC08モード燃費も1割ほど落ちる。一般ユーザーは、Fを選んだ方が無難。

ただし、バンにも軽商用車で初のレーダーブレーキサポート装着車が用意されている(5AGSのみ)。これはESPやABSとセットで4万8600円高と割安だ。

3月には「ターボRS」も発売予定


アルト ターボRS コンセプト。東京オートサロン 2015にて

2015年1月に開催された東京オートサロンでは、高性能モデル「アルト ターボRS コンセプト」が発表されている。発売は3月の予定。普通のアルトは自然吸気エンジンだが、こちらはターボエンジン(64ps、98Nm)を搭載する。かつて人気を集めたアルト ワークスの再来と言えるモデル。

 

パッケージング&スタイル

欧州車テイストが漂う、個性的なデザイン


全長3395×全幅1475×全高1475mm(ルーフアンテナ付は1500mm)、ホイールベース2460mm

新型アルトが発表された時、最も話題になったのは外観デザインだろう。フロントはスズキ言うところの「目力(めぢから)」を感じさせる異型角型ヘッドライト、そしてグリルレスという構成で、超個性的。スズキによれば、100m先からでもひと目でアルトと分かるデザインにしたかったという。

ちなみにヘッドライトを囲む枠は、左右が眼鏡のように繋がった一体モノで、「めがねガーニッシュ」と呼ばれ、各色が純正アクセサリーで用意されている。CMキャラクターのベッキーが眼鏡をかけているのは、そのへんが理由。

 

Xの2トーンバックドア仕様車

後ろ姿もユニークで、リアコンビランプを商用車や昔のジムニーみたいにバンパーレベルで低く配置。これは、S字にうねったバックドアパネルの面をきれいに見せるためだという。ここも個性的だが、造形そのものはシンプル。

デザイナー陣の本意はともかく、全体的には1970~80年代の欧州車テイストが強く感じられる。角型ヘッドライトは、往年のフロンテ71(1970~72年)風とも言えるが、グリルレスはフィアットの126(1972~85年)や初期のフィアット パンダ(パンダ45)あたりを連想させる。

クオリティ感はup!に張る?

 

全高は先代より45mm低く、1475mm(ルーフアンテナ付は1500mm)で、VWのup!(1495mm)と同じくらい。加えて均整のとれた縦横比、短い前後オーバーハング、リアサイドウインドウのキックアップ具合、Cピラーの形状、質感などの点で、VWのup!に近いものが感じられる。

ホイールベースは先代より60mm伸びて2460mmになり、ここはup!(2420mm)より40mmも長い。全幅は軽の枠いっぱいの1475mmだが、これは全高とほぼ同じで、軽自動車としては近年まれな安定感を見せる。

 

フィアット 126(1972年)

こちらは2トーンではないFの後ろ姿
 
    全長(mm) 全幅(mm) 全高(mm) WB(mm) 最小回転
半径(m)
スズキ アルト (2014~) 3395 1475 1475~1500 2460 4.2~4.6
VW up! (2012~) 3545 1650 1495 2420 4.6
スズキ アルト エコ(2011~2014) 3395 1475 1520~1530 2400 4.2
ホンダ N-ONE (2012~) 3395 1475 1610~1630 2520 4.5~4.7
スズキ ハスラー (2014~) 3395 1475 1665 2425 4.6
ホンダ N-BOX スラッシュ (2014~) 3395 1475 1670~1685 2520 4.5~4.7
 

インテリア&ラゲッジスペース

「白いご飯」のシンプルさ


ワゴンRのような“豪華さ”はないが、“素の良さ”が感じられるインパネ

内装は基本的には簡素だが、安っぽくならないよう、注意深くデザインされている。アイボリーの横長ダッシュボードパネル、ヘッドランプと同じ異型角型のメータークラスター、ライトブルー地で白いパイピング付のシートなど、シンプルながら主張のある意匠が気持ちがいい。つまりコストがかけられないことを言い訳にしていない。デザイン開発においては、“白いご飯”のような日常における美しさ、クオリティ感を大事にしたという。

 

左右席間は+30mm、前後席間は+85mm


上位グレードには運転席シートリフター(S、X)、チルトステアリング(X)が標準だが、下位グレード(F、L)でも割と違和感のない運転姿勢が取れる

室内空間は新型になってさらに広くなった。前席では、運転席と助手席の距離(カップルディスタンス)が30mm増えて620mmになった。二人で乗ることが多い場合、これはありがたい。室内幅は+10mm (1215mm)なので、ショルダーまわりは差し引き10mmほど狭くなったはずだが、全く気にならない。

また、前後乗員感の距離(タンデムディスタンス)は、ホイールベースが一気に60mm伸びたことで、85mm増えた。天井はワゴンRより明らかに低いが、後席は足をまっすぐ伸ばせるほど広くなった。ワゴンRと比べるとクッションが平板で、座面も短く、前後スライド機能もないが、短時間なら大人でも快適に過ごせる。一つ残念なのは、5速AGSの設定がある下位グレードには、後席ヘッドレストがないこと。

 

足もとは十分過ぎるほど広いが、座面は短かめ。サイドウインドウのキックアップ部分はボディパネルむき出しになる

助手席の下にはエネチャージ用のリチウムイオン電池がある(CVT車のみ)
 

後席使用時の荷室は、18Lポリタンクが2つという感じ。床下にはパンク修理キット、ジャッキ、小物収納スペース

後席の格納は、左右一体の背もたれを倒すだけ。バンのカタログ値は、奥行き1350mm、荷室高855mm
 
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