新車試乗記 第11回 スズキ ジムニーワイド JZ Suzuki Jimny Wide JZ

 

日時: 1998年02月13日

     
     
     

    カーデータ

    ●カテゴリー:小型クロカン四駆
    ●クラス(排気量):1300cc
    ●キャラクター:10月からの軽自動車の新規格を前に、オーバーフェンダー、1.3リットルエンジンのジムニーシエラの後継としてジムニーワイドの名でデビュー。ワゴンRに対するワゴンRワイドと同じネーミングで、シエラよりわかりやすくていい。軽自動車ジムニーのワイド版という性格が明確になった。ライバルは当然パジェロJr.、ダイハツテリオス。
    ●コンセプト:三菱がパジェロブランドでその小型版を出しているのに対し、スズキはジムニーブランドのワイド版として対抗。小型四駆は元々スキマ産業だから、ブランドは大事にした方がいいという判断だろう。1981年デビューの先代があまりに古くなったことで、軽の規格変更を気に一気に若返りを図るのがねらい。ただし本格的なクロカン性能重視の姿勢は変わっていない。
    ●注目度:もはや若い人にはこの手のクルマへの関心はないといってもいい。ただ、セルボ同様の織田裕二起用のCMは若い女の子に周知できて正解。
    ●特筆装備:背もたれを倒すと荷室に段差ができるが、これを埋めるため背もたれにあるプラスチック板を引き出して箱をつくるという仕掛け有り。奥行き78cmのフラットなスペースを作るための細かいワザである。
    ●燃費:10・15モード14.6km/L(JZの5MT車)と優秀。エアバッグとABSをつけると1km/L悪くなる。
    ●価格・販売:JM(5MT)の129万8000円~JZ(4AT)149万6000円。JZはAC、カセット、PS、PW、リモコンロック、フォグランプ、リアヘッドレストまで標準装備だが、エアバッグ、ABS、シートベルトプリテンショナーは全グレードでオプション(セットで7万円)。

    スタイル

    あまりに古くさかった旧型(それが故に個性的で人気も高かったのだが)に比べ、ぐっとモダンになったエクステリア。特にスクエアながら角をとった面構成、独自な5穴のグリル、隅を斜めにカットしたリアサイドガラスなど個性的で、オーバーフェンダーが妙に強調されてないのにも好感が持てる。よくまとまったすばらしいデザインと思うがいかがだろう。

    パッケージング

    ホイールベースが22cmも延び、リアの足元はぐっと広がって4人乗りしやすくなった。頭上空間は昔から十分あるし、室内幅も30mm広がっているから軽自動車ベースとは思えない余裕ある空間が広がっている。2人乗り状態なら荷室も広い。真四角の勝利。

    内装(質感)

    photo_3.jpg先代があまりに古くさかったため、すっかり質感が上がったように感じてしまうが、実は普通の小型車並になったというところ。一番上にエアコン吹き出し口、その下に空調パネルがあり、モニターディスプレイを取り付ける余地がないのはスズキの新型車全般の欠点。

    シート・ステアリング・シフト感触

    ずいぶん良くなったシート。座り心地もイイ。ただし、筆者は小振りなシートが好きなので、少し好みも入っているかも。ステアリングは全車パワステ、36.5mmの小径、エアバッグなし。マニュアルシフトのストロークは長めだが、スコン、スコンと確実に入り、グッドフィーリング。

    動力性能(加速・高速巡航)

    5速マニュアルを使って必要なだけ引っ張りながら走れば、軽快で不満のない走りをみせる。高速は乗れなかったが、100km/h程度ならおそらく何ら問題ないだろう。

    ハンドリング・フットワーク

    コーナリングが意外に安定しているのに驚く。オフロード重視の3リンクリジットアクスルながら、コイルスプリングとアブソーバを分離マウントし、ソフトかつ安定感のある足とした、とメーカーは説明。確かにしっかりした足だと感心。

    乗り心地

    その足のおかげで乗り心地も悪くない。ラダーフレームにリジットサスと聞くと、絶望的な感じがしてしまうが、オンロードではほとんどそれを感じさせず快適。フルフローティングボディが効いている。こうなると本格オフロード性能を持つジムニーの方に、ライバルよりぐっと魅力を感じてしまう。

    騒音

    新車だったせいもあるが、このてのクルマとしてはこれもほとんど気にならないレベル。

    安全性

    エアバッグ、ABS、シートベルトプリテンショナーはなぜか全車オプション(セットで7万円)。これらが安全性に不可欠かどうかは論議があるにせよ、リモコンキーまで付けるならどうして安全装備くらい標準化しないのだろう。オフロード走行のためには必要がないというなら、レスオプション化した方がいい。カセットのオーディオなんか要らないからエアバッグをつけて欲しいところ。

    環境対策

    エアコン冷媒にHFC134aを使用、製造工程でもすべてのフロンやトリクロロエタンを全廃。アスベストの使用廃止。オールアルミエンジンなどリサイクル容易な材料を使用、回収バンパーを使った再生部品も採用。以上資料から抜粋の全て。

    ここがイイ

    軽量ボディを生かしたオフロード性能を残したこと。基本的には何も変わっていない。そしてそんなジムニーのアイデンティティを守りながら、女の子がファッショナブルビークルとして乗っても文句が出ないように快適にしたこと。これならまたマイナーチェンジだけで10年保つでしょう。

    ここがダメ

    正直言って2人乗るだけならエスクードより良かったので、何となくエスクードの影が薄くなりそうなこと。もちろんマーケティング的にも輸出商品としてもジムニーワイドとエスクードはバッティングしないのだけれど、いざ国内市場でみると、現実にはこの2車は競合するのでは。しかもジムニーの方がかわいらしくて商品性が高く見えるので、エスクードが食われる?!

    総合評価

    photo_2.jpg
    その昔、ジムニーにもうちょっとパワーと快適性があったらベストバイなクルマだと思ったが、それを今回のワイドがほぼ実現している。とり回しが楽な、うんと小さなボディで、高速から超オフロードまでも走れ、荷物も乗って、快適で燃費がいい。おまけにあまり貧乏くさくない。それじゃ今ベストバイかというと、例えばワゴンRみたいな、全く違う性格ながら競合する商品が他にもあって、迷ってしまう(もちろんオフロード性能を重視すれば比較にならないのだが)。新規格軽のジムニーは、よりオフローダーな方向へ振るのだろうが、ワイドの方はファショナブルなシティコミューター路線。ライバルのテリオスやパジェロJr.が露骨に女性狙いなのに比べ、ジムニーにはまだ男が乗る意味みたいなものが残っているのが救いではあるが。

    お勧め度(バリューフォーマネー)

    また10年以上モデルチェンジしないとすればものすごい経済車かも。10年前のジムニーでもいまだに人気があり値が付くのだから。この人気が続くとすると、150万円で買って10年10万Km走ると月1万円ちょっとの償却。セカンドカーとしてなら超お勧め。ただし10年後のことは誰もわからない。

     

    公式サイトhttp://www.suzuki.co.jp/dom4/index.html

     
       
       
       
      Google

      トラックバック

      このエントリーのトラックバックURL:
      http://www.motordays.com/days/adm_tools/mt/mt-tb.cgi/617

       

       

      現在の位置:ホーム > 新車試乗記 > スズキ ジムニーワイド JZ