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トヨタ ランドクルーザー100新車試乗記(第8回)

Toyota Land Cruiser 100

 

1998年01月23日

 
 
 

カーデータ

●カテゴリー:大型オフロード四駆
●クラス(排気量):4700ccラージクラス
●キャラクター:トップ・オブ・SUVというスタンスで、SUVの中で最高の品質を目指したモデル。ヘビーデューティーなだけでなく、ラグジュアリーで、さらにプレステージ性までを持たせSUVの頂点を目指す。
●コンセプト:トップ・オブ・SUVばかりでなくキング・オブ・4WDとしてオフロード四駆で世界一がとれるクルマとしている。明確なライバルはレンジローバー。新開発5.7リットルV8エンジン、豪華な内装、高い走破性と快適な走りで、実質的にレンジローバーを抜き去ったといえるだろう。
●注目度:SUV自体そろそろ飽きられている傾向にあり、一般的な注目度は高くはない。かなりマニアな人にしか注目されないだろう。ただし販売は日本の1万8000台/年に対し、世界150ヶ国で7万台/年となり、世界市場での注目は高い。
●特筆装備:ほぼシトロエンのハイドロニューマチックと同じ構造のAHC(アクティブハイトコントロール)により、車高を3段階に切り替えられる(上下50mm)。さらに電子制御のスカイフックTEMSと融合させて、柔らかく、しかも安定した乗り心地のサスとした。フロントは新設計のダブルウイッシュボーン+ロングトーションバーの独立懸架。
●燃費:従来車に比べガソリンで約7%、ディーゼルで約8.8%向上。ガソリンの10・15モード燃費は6.1Km/リットル。ただし無鉛プレミアムを使用。レギュラーガソリン料金に換算した実際の燃費は3Km/リットルくらいか?
●価格・販売:ワゴンはV8ガソリンで8人乗り、バンは直6ターボディーゼルで5人乗り。価格は全く同じでVX372万6000円、VXリミテッド399万8000円、Gセレクション443万円。ただしバンにはVXに5速MTがあり、358万3000円。8ナンバーのキャンパー仕様は15万円ほど高い(が税金が安い)。

スタイル

80で特徴的だったオーバーフェンダーが無くなったこともあって、平ぺったい感じで、かっこよさはいまいち。立派さを強調するためのグリルも妙にでかい。

パッケージング

室内幅が105mmも拡大した(1620mm)こともあって、横方向は広大。センターコンソールの幅はメガクルーザーみたい!? リアシートなどは最初から3人掛けを前提に作られている。ただ、運転席は意外にタイトで、広々感はない。後席の頭上スペースもACのダクトやサンルーフのせいでそんなに広い感じはしない。

内装(質感)

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試乗車はルーズフィットのベージュ本革電動シート仕様。木目パネル、照明で浮かび上がるオプティトロンメーター、コンソールセンター上部の幅広画面カーナビとまさにセルシオを意識した豪華な内装。

シート・ステアリング・シフト感触

滑らないし、文句なし。シートヒーターがあるので冬でも許せる。

動力性能(加速・高速巡航)

今回はディーゼルにチョイ乗りしただけなので、あまりはっきり言えないが、加速は人並み(そんなに速い感じはしなかった)、振動は普通のディーゼルよりちょっといいくらい(アイドリング状態で、ステアリングに微振動がある)。音はさすがに静かだが、ディーゼルであることはよくわかる。

ハンドリング・フットワーク

あまり走ってないので…。5メートル近い巨体だが、小回りはよくきいた(最小回転半径5.9m)。

乗り心地

確かにいい。なんだか四駆じゃないみたい。

騒音

ディーゼルはエンジンブロックの剛性アップ、燃焼音の低減、各種カバー類の採用で低騒音化を実施。

安全性

8年ぶりに変わったボディはもちろんGOA。またフレームにも衝撃吸収の工夫が。ピラーに衝撃吸収用樹脂リブを内蔵、エネルギー吸収構造のルーフサイドレールなどで頭部衝撃緩和策も。

環境対策

ディーゼルはデンソーと共同開発した電子制御式高圧分配型燃料噴射ポンプを採用、噴射口を細径化して燃料の微粒子化を実現。さらにインタークーラーターボを追加してして燃焼を効率化し、黒煙をほとんど目に見えないレベルにまで低減した。そのため、エンジン内部へのカーボン進入も減り、さらに高性能オイルフィルターでカーボンを吸着させるため、オイル交換期間が1万Kmから2万Kmへ延長。結果、その分環境に優しくなった。

ここがイイ

トヨタ最大、5.7リットルV8エンジン。このエンジンはレンジローバーを上回り、ランクル100は四駆のトップに立った。いよいよトヨタはハイブリッドに限らず、すべての分野において明確に世界のトップを狙い始めたと思う。例えば新型センチュリーに載せているV12にしても新開発エンジンだ。あのエンジンをずっとセンチュリーのためだけに使うのだろうか。トヨタ版Sクラス、トヨタ版ダブルシックスの出現は近いのではないだろうか。それがイイのかどうかはよくわからないが。

ここがダメ

ボタン一つで車高が変わり、乗り込みやすくなるという触れ込みのAHCだが、もう少し大きく下がってくれないと乗りやすさには貢献しないだろう。シトロエンくらい下がれば確かに乗りやすくなるのだが。それとワゴンではサードシートが取り外し式でなかなかいいのだが、どうせならセカンドシートも取り外せるようにして欲しかった。

総合評価

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いまさら全長約5m、全幅約2m、重量約2.5tという巨体の自動車が世の中に必要なのか。しかも高級・高価すぎてとてもオフロードへは持ち込めない四駆という矛盾(持ち込もうとしてもそんな場所は日本には数えるほどしかないが)を孕んで。また、ハイブリッドでエコを叫ぶメーカーが、今度は5.7リットルV8?とは思うが、クルマにはこういうムダも必要。すべてのクルマが品行方正なエコになったらちょっとファシズムの臭いがする。クルマ全体がエコに向かう中、こうしたある種ばかげたクルマが存在していることは、それはそれで正しいことではないだろうか。こういうクルマが好きな人は自信を持って乗るがいい。ただし、威圧的な運転だけはくれぐれもしないで欲しい(無理だと思うけど)。

お勧め度(バリューフォーマネー)

これはいまや趣味のクルマなので、好きな人以外にはもちろんお勧めできない。まあモデルチェンジサイクルも長いから(80は約8年)簡単に古びないことはバリューだろう。ただ、これからはガソリン価格も高くなるだろうし、ディーゼルは先の不安がある。そのあたりを納得ずくで買うなら止めはしない。

 

 

 
 
 
 
 

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