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新車試乗記 第 回 日産 ローレル Nissan Laurel




日時: 1997年08月07日

 

新エンジン「NEOストレート6」搭載!高級感たっぷり、静かで軽快な走り、美しいハードトップスタイルと完成度が高いローレル。ただし、何かが足りない。

先代の販売は月2200台程度(昨年実績)とたいへんだったローレル。RVの影響ばかりでなくルックスの悪さ、どことなくコストダウンされた感じのインテリア等、クルマ自体の魅力が足りない感は否めなかった。今回のフルチェンジではこの点を反省して、スタイリッシュで高級で、なによりカッコイイクルマの復活を目指したようだ。

ローレルホームページによると、ライバルのマークIIと比較して15馬力上回る155馬力のパワーながら、10・15モード燃費は10.4Km/リットルと全く同じ数値。トランク容量は60リットル多い460リットルあり、装備も緊急ブレーキ補助装置のブレーキアシスト、事故の際にシートベルトの締め付けを必要に応じて緩めるロードリミッターを装備、さらにハンドルなどの抗菌処理・空気清浄用特殊フィルター・ミクロガードピュアトロン(これらはインナーグリーンとよばれる)、ハンドルのオーディオスイッチも標準装備される。しかも価格は約9万円安い(以上2000ccメダリストの場合)。さすがに後発分だけあってローレルの方にかなりの分があるのだ。

試乗車したのは25クラブS。クラブSシリーズは走りに振ったタイプで、日産の伝統に基づき4灯となる(セドリックと同じ手法だ)。ボディデザインは古典的ともいえるハードトップルック。Aピラー、Cピラーをぐっと寝かせ、流れるようなラインで結び、ボディサイドのキャラクターラインで印象的づける。前、横、後ろ、どの角度から見ても破綻のない形で、かなり美しくまとまっている。スリーサイズは旧型より10~50mm程度大きくなったものの、横幅は30mm小型車枠をちょっと超えるだけ。立体駐車場も利用可能なコンパクトさだ。

ダッシュボードまわりは、2段になったインパネの下段・左右いっぱいに幅の広い木目パネルが広がり、ドアにまで回り込んでいる。しっとりとなじむ内装の質感も高く、ライバルのマークIIより確かに上級に見える。またこのスタイルから考えるとさぞや室内は狭いだろうと思われるが、リアシートがぐっと落とし込まれて膝まわりは37mm広がり、ヘッドクリアランスも十分確保され、4人がくつろげるスペースが確保されている。

ローレルには日産車として初の、既存エンジンパーツの70%までを設計し直した直列6気筒「NEOストレート6」が載る。可変吸気コントロールシステム(NICS)と高応答可変バルブタイミング機構(NVCS)を採用して旧モデルより10馬力アップの200馬力を発生。これから日産の直6はこのエンジンに変わっていくはず。

このエンジンの鋭い吹け上がりはなかなか気分がいい。エンジン音は低く、室内は非常に静かだ。FRなのでコーナーでの走行感覚もナチュラル。ただステアリングは軽く、もう少ししっかり感が欲しい。ガソリン車には全車標準装着の機械式ブレーキアシストは操作フィーリングに違和感がなく、非常に自然にサポートしてくれる(実際にはほとんど効きを体感できない感じ)。

試乗してみて「特にいうことなし」というのが実感だ。高級感も十分あるし、室内もそこそこ広いし、静かでよく走るし、乗って何も不満がない。いや、普通に乗るならこのクルマで何にも文句はない。10年前だったらおそらく爆発的にヒットするだろう。ただ、現在では「もういいでしょ、こういうクルマは」という感じは否めない。何一つ不満がないかわりに、何一つおもしろくないのだ。一言でいえば保守的。そうとうな数の代替需要があり、当面一定の数は販売されるはずだし、ローレルからの乗り換えならきっと満足度も高いはず。だが、積極的に乗り換えをお勧めするには何かが足りない。セダンの復権をうたうほどの志もなさそうだし、「現在の自動車の一番難しい問題」が露出してしまっているクルマといえるだろう。

公式ページhttp://www.nissan.co.jp/

 
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