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日産 リーフ G新車試乗記(第636回)

Nissan Leaf G

(モーター+リチウムイオン電池・406万0350円)

EVに乗るということ、
それは航続距離と充電施設をめぐる
現代の冒険だった!

2011年07月02日

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キャラクター&開発コンセプト

目標は「ゼロ・エミッション車で世界のリーダーになる」こと


新型リーフ
(photo:日産自動車)

予約受付を2010年4月1日に国内で開始、12月3日に正式発表。12月20日に発売された「リーフ」は、日産初の量産型EV(電気自動車)。国産大手メーカーの量産EVとしては、三菱のi-MiEV(2010年4月に市販開始)に次ぐ2番手だが、リーフは5人乗りの普通車で、EV専用車となる。

リーフはフロントにモーター、キャビン床下にリチウムイオン電池を搭載。航続距離はJC08モードで200kmを達成。加速性能は排気量3リッター並みをうたい、最高速度は145km/hとなる。フル充電に掛かる時間は200Vの普通充電で8時間、急速充電では約80%まで30分だ。

日米欧でほぼ同時に発売。生産も世界3拠点で行う予定


日産のリチウムイオン電池は、最小構成単位の「セル」が、薄型のラミネート構造なのが特徴。セル4枚=バッテリーモジュール1個で、それが48個集まって一台分の電池パック(写真。右手前が進行方向)となる
(photo:日産自動車)

日産・ルノー連合は、「ゼロ・エミッション車で世界のリーダーになる」という目標を掲げており、新型リーフはそのための大々的なグローバルモデルでもある。日本同様、2010年12月に北米、ポルトガル、オランダで、2011年2月には英国とアイルランドでも発売され、今後さらに販売地域は拡がる予定だ。

生産は神奈川県横須賀市にある追浜(おっぱま)工場で、2010年10月にスタート。ジュークやキューブと同じラインで混流生産され、年間5万台の生産が可能だという。当分はここが海外向けも担うが、2012年後半には米国テネシー州のスマーナ工場(生産能力は年間15万台)で、2013年初頭には英国サンダーランド工場(同5万台)でも生産が始まる。

リーフに搭載されるリチウムイオン電池は、日産とNECの合弁会社であるオートモーティブ・エナジー・サプライ株式会社(AESC)の座間事業所が供給。ここでセル4枚を1つのモジュールに組み込む工程を行ない、その後に追浜工場で48個のモジュールを一つのバッテリーパックにまとめ、車両に搭載する。リチウムイオン電池についても、2012年から海外拠点での生産が始まる予定だ。

■過去の参考記事
・モーターデイズ>新車試乗記>ベクトリックス VX-1 (2010年5月更新)
・モーターデイズ>新車試乗記>三菱 i-MiEV (2009年12月更新)

■外部リンク
・日産>プレスリリース>欧州カー・オブ・ザ・イヤー2011受賞(2011年01月25日)
・日産>プレスリリース>リーフの国内第一号車を神奈川県に納車(2010年12月22日)
・日産>プレスリリース>リーフがワールド・カー・オブ・ザ・イヤー2011を受賞(2011年4月22日)
・日産>プレスリリース>米国にてリーフの納車を開始(2010年12月11日)
・日産>プレスリリース>リーフを発売(2010年12月3日)
・日産>プレスリリース>賃貸集合住宅の駐車場における充電設備に関する共同検討(2010年11月25日)
・日産>プレスリリース>EV専用情報通信システム(ICT)を「日産リーフ」に導入(2010年11月01日)
・日産>プレスリリース>追浜工場でリーフの生産を開始 (2010年11月01日)
・日産>プレスリリース>「日産リーフ」の国内予約状況について (2010年04月22日)
・日産>プレスリリース>リーフの日本での予約注文を4月1日より受付開始 (2010年03月30日)

価格帯&グレード展開

購入補助金で実質300万円を切る


テーマカラーのアクアブルー
(photo:日産自動車)

グレードは「X」と「G」の2種類だが、装備に大きな差はなく、後者にバックビューモニター、オートスピードコントロール、ソーラーセルモジュール(補器用バッテリー充電用)、ETCユニット、6スピーカー(標準は4スピーカー)などが付く程度。ボディカラーは全5色で、アクアブルーとホワイトパールが特別塗装で4万2000円アップになる。ちなみにゴーン社長が乗っているのは黒(スーパーブラック)らしい。

価格は376万4250円~だが、EVのリーフには国から購入補助金が78万円出るので(2011年度)、実質的な車両本体価格は以下のように300万円前後だ。ただしこれは6年間、乗り続けることが条件となる。

また少なくとも2011年6月現時点では、取得税と重量税も免税(0円)となるし、翌年の自動車税も半額になるので、普通のガソリン車よりも諸経費はかなり安くなる。ちなみにリーフの自動車税は1000cc未満の普通車と同じ2万9500円だ。ただし、リーフの場合は購入時に200Vの充電設備を自宅に設置することになるので、これの費用が10万円ほど掛かる。

 

Gグレードのリアスポイラーには12Vバッテリーへの補充電を行うソーラーセルモジュールを装備

■X       376万4250円 → 298万4250円
■G       406万0350円 → 328万0350円 ※今回の試乗車

また、リーフには「日産ゼロ・エミッションサポートプログラム」と称したサービスパックを月々1500円で個人向けに用意している(法人用サービスも別にある)。内容は、「カーウイングス for EV」などの「EV-IT」の通信料、各ディーラーでの充電サービス、日産レンタカーの割引サービス、エマージェンシーサポートなど。申し込みは新車購入時のみで、5年間の利用が可能だ。内容的にとりあえず加入した方がいい、という判断になると思う。

また日産によると、同クラスのガソリン車と比較した場合、6年間に払う燃料代はガソリン車が67万円なのに対して、EVの電気代は8万6000円となり、結果として車両価格込みの総支払い額は同クラスのガソリン車と同等になるという。実際には使用状況や比較するガソリン車の種類などによって、経済性の高低は変わってくるはずだが、EVが性能的にも経済的にも、ガソリン車と比較できるところまで来たのは確かだ。

パッケージング&スタイル

ボディサイズは3代目プリウス並み、デザインは新幹線700系?

ボディサイズは全長4445mm×全幅1770mm×全高1545mm、ホイールベース2700mm。だいたいティーダくらいかな?と思っていたが、リーフの方が195mmも長く、75mmも幅広で、ホイールベースも100mm長いなど一回り大きかった。サイズ的に近いのは現行プリウス(4460×1745×1490mm、ホイールベース2700mm)になる。

 

デザインは車名の通り、Leaf(葉っぱ)のようなエコで優しいイメージ。エンジンのないノーズは新幹線700系のように平べったく、ラジエイターはないから当然グリルレス。カエルの目のように突きだしたLEDヘッドライトは日産コンパクトカーでおなじみの形状だが、リーフのそれは「サイドミラーに当たる風をコントロールし、風切り音と空気抵抗を低減」するらしい・・・・・・。逆にボディサイドは割とアッサリ。プリウス的な「派手な」空力デザインに見慣れた目からすると新鮮。

 

「SMART FLUIDITY=賢い流動体」をテーマにしたスタイル。空気抵抗係数は0.29

ボディ後半は、エコカーの場合だと空気抵抗値を減らすために「後ろ下がりのルーフ+コーダトロンカ(垂直に切り落とす)」になりがちだが、日産は大型リアスポイラー、細長いリアコンビランプ、ディフューザー形状のバンパーなどによって、独特の空力処理を行っている。

 
    全長(mm) 全幅(mm) 全高(mm) ホイールベース(mm) 最小回転半径(m)
■日産 ティーダ 4250 1695 1535 2600 5.2
■日産 リーフ 4445 1770 1545 2700 5.2
■トヨタ 3代目プリウス 4460 1745 1490~1505 2700 5.2~5.5

インテリア&ラゲッジスペース

未来的なインパネ。上下二段の「ツインデジタルメーター」を採用

インパネや操作系のデザインは期待通りに未来的。シンセティックレザー(合成皮革)やスエード調生地を内装に採用するなど、質感も日産車らしくイイ感じだ。

上下2段のデジタルメーター(液晶パネルではない)は、ちょっぴりホンダ風だが、EVゆえに回転計はない。見る頻度が多いのは、駆動用バッテリーの残量を示すバーグラフと航続可能距離だが、面白いと思ったのは、それと同じくらい大きく表示される駆動用バッテリーの温度計。いちおう気を使ってくださいね、ということか。

シフトセレクターのデザイン・操作性も秀逸

操作系で特殊なのは、球状の電制シフトセレクター。操作方法はプリウスの電制シフトに似ていて、中立位置から右側に倒すとN、そこから手前に引くとD、もう一度引くとエコモード。逆にNから奧に押すとR(リバース)という具合。そして頂点を上から押せばPに入る。マニュアル車の感覚だと、バックしたい時についついDに入れてしまうが、慣れてしまえば問題ない。パーキングブレーキも電動になる。

エンジン始動に相当するパワースイッチは、「START」ではなく、デジタル機器のような電源ONの絵文字。起動音は3種類から選ぶことができる。

後席の座り心地は独特


(photo:日産自動車)

後席は床下に駆動用バッテリーを搭載するため、床が高く、また座面が少し短めで、太ももが座面から少し浮いてしまう。一方、荷室の拡大機能を犠牲にし、シートクッションを2代目キューブ並みに分厚くしている点は、あえて評価したい。小柄な人なら、とても座り心地がいいと感じるはずだ。ドア開口部も広く、開口角度も大きいので、乗降性もいい。

荷室容量は330リッターだが、拡大は限定的


トノカバーを外し、後席の背もたれを倒したところ

荷室容量は330リッターで、VWゴルフ(350リッター)には及ばないが、Cセグメント車としては平均的で、9インチのゴルフバッグを2個積めるという。

しかし実際のところは、後席背もたれと荷室の間に堤防のような仕切りがあり、荷室はいかにも狭そうに見える。この中には車載充電器が入っているようだ。よって後席の背もたれを畳んでも、荷室はそう大して大きくならない。ハッチバック車でこんなに荷室拡大性が低いクルマも珍しい。

 

標準装備の200V普通充電用ケーブル。専用のバッグで、本来は荷室右側に置く

荷室には専用のバッグに、標準装備の200V普通充電用ケーブル(ケーブル長:7.5メートル)が入っている。接続そのものは簡単だが、ケーブル自体と付属するコントロールボックスがけっこう重く、充電の度に出し入れするのはちょっとたいへん。掃除機のコードみたいに充電リッドからスルスル出てきてくれると助かるのだが。

 

床下はすぐに鉄板。左側にパンク修理キットとジャッキを収める

荷室フロアの吸音材付きボードを持ち上げても、その下には何もない。マフラーやスペアタイヤもないが、ボディ後端の下面はディフューザー形状になっているので、大したものは入らない、ということか。荷室左側にはコンチネンタル製のパンク修理キットとパンタグラフジャッキが押し込まれている。

バッテリーはキャビン床下に配置


衝突からリチウムイオン電池を守るボディ構造がよく分かる
(photo:日産自動車)

バッテリーパックの重量は294kgあり、その全てがキャビン床下、つまりホイールベース内の最も低いところに搭載される。重量物を出来る限り低く、中心に集めるためと、衝突時にリチウムイオン電池にダメージが及ぶのを防ぐためだ。

基本性能&ドライブフィール

スポーツカーに一泡吹かせることも可能


シリンダーヘッドに見えるのはインバーター(直流DC→交流ACに変換)。手前は補器用の12Vバッテリー

今回試乗したリーフは日産ディーラーのデモカー。2011年4月登録で、車台番号は4700番台。走行距離は試乗時点で約1700kmに達していた。試乗は6月下旬の、最高気温が連日35度前後に達する時期に行った。

とりあえず通常の「D」で走り出すと、最初のアクセル一踏みで、「これは確かに3リッター並みの動力性能だ」と分かる。グゥン!とレスポンスし、ヒューンというモーター音をかすかに響かせながら、抵抗感なくどんどん加速する様子は、予想の5割増くらいパワフル。

 

ボディ前端・下部に搭載されるモーター。変速はないが、複数のギアで7.9377まで減速される
(photo:日産自動車)

モーターの最高出力は109psに留まるが、最大トルクは排気量3リッター並みの28.6kgm。ちなみにi-MiEVはそれぞれ64ps、18.4kgmなので、パワーはほぼ1.5倍となる。そう言えば、リチウムイオンバッテリーの総電力量もi-MiEVの16kWhに対して、24kWhとちょうど1.5倍だ。車重はi-MiEV(110kg)の1.4倍となる1520kgなので、パワーウエイトレシオはリーフが少し上回る。

i-MiEVを明らかに上回るのは出足の力強さ。100km/hまでなら、下手なスポーツカーに一泡吹かせることも十分可能だ。最高速度は145km/hとのことだが、実際にはそれを上回る勢いで加速してゆく。十分過ぎるほどパワフルというのが、Dでの走りだ。このあたりの様子は、後でまた触れる。

 
    最高出力 最大トルク 車重 バッテリー 総電力量 交流電力量 消費率 航続距離
■三菱 i-MiEV 64ps(47kW) /3000-6000rpm 18.4kgm (180Nm) /0-2000rpm 1100kg 16kWh 125Wh/km (10・15モード) 160km (10・15モード)
■日産 リーフ 109ps(80kW) /2730-9800rpm 28.6kgm(280Nm) /0-2730rpm 1520kg 24kWh 124Wh/km (JC08モード) 200km (JC08モード)

一般道ではエコモードで十分

それでは、と今度はエコモードで走ってみると(Dへ入れる操作をもう一度行うとエコモード)、一般道ではこれがまったく問題なし。むしろこれが普通の「D」で、さっきまでのDは「スポーツ」や「パワー」モードだったのでは?と思うほど。スバルのSIドライブで言えば、「S」か「S♯」に匹敵する、と言ったら大げさか。

というわけで、試乗後半は、ほとんどエコモードで走った。まあ、日産にしてみれば、「まずはEVならではの力強い走りを味わって欲しい」というサービス精神なのだろうが、エコで十分だと思う模範エコドライバーにとっては、いちいちシフト操作を二回繰り返して、エコモードに入れるのは面倒かも。

乗り心地、静粛性はOK。ハンドリングは独特

乗り心地はとても良く、最近の日産車、例えば新型ティアナとか新型キューブ風。静粛性も高く、EVで目立ちがちなゴロゴロ、ゴトゴトといったロードノイズもないし、風きり音もない。またi-MiEVではモーターが高速・高回転・高負荷域で、「キュイィィィン」とジェットエンジンみたいな音を発するが、リーフのそれはかなり静かだ。

何より、アクセルを床まで踏もうが、60km/h以上出そうが、モーターだけで走ってくれるのがいい。いくらプリウスが静かでも、アクセルを踏み込めばエンジン音がブォォォンと加わり、未来感を削いでしまうが、リーフにはそれがない。モーターライドの快感がずっと味わえるのは、まさにEVならでは。

 

リーフはいわゆるFF車(フロントモーター・フロント駆動)だが、鼻先の重さは皆無。車検証によると、車車1520kgのうち、前軸には870kg(57%)も掛かっているのだが、それでも通常のFF車に比べればフロント荷重は軽め。しかも296kgもの駆動用バッテリーを床下に集中して置くため、低重心感も強い。ステアリングを左右に切ると車体は大きくロールするが、その割に挙動が安定しているのは、前輪に「のし掛かる」ような動きが生じない重量配分のせいだ。素性がいいだけに、ホイールベースを短くして運動性を高めたスポーツモデルを作ったら、そうとう面白そう。

ただ、ワインディングでは専用のエコタイヤ(試乗車の銘柄はブリヂストンのエコピア)が大してグリップせず、前後の姿勢変化が少ないせいもあって(コーナー侵入時に前輪に荷重がのらない)、ズバッと車体の向きを変えることはできない。また後ほど触れるように、飛ばすとどんどん電池が減ってしまうのがEVの宿命。近くに充電スポットがあれば別だが、そうでなければ見る見るうちに減ってゆく走行可能距離に不安を覚えることになる。

【航続距離・その1】 満充電から、まずは一気に84km走行


モニターにはこんな情報も表示できる。エアコン(AC)使用時の消費電力は意外に少なく、暑いのを我慢しても1割程度しか航続距離は伸びない

かように走りは素晴らしいリーフだが、気になるのは航続距離と充電の問題。今回は2泊2日というスケジュールだったので、多くのパターンを試すことは出来なかったが、とりあえずどんな具合だったか、順を追って報告しておく。

最初に受け取った時は完全に満充電で、この時点で表示されていた航続可能距離は、Dで173km、エコモードで153kmだった。ここからいつもの高速道路・一般道を使ったコース(約90km)で試乗開始。前半はDで、なるべくいつものガソリン車のようにハイペースで走った。

 

満充電からの走行距離が83kmで、残り走行可能距離が38kmの表示

ところが、この走り方では電池の消耗が激しく、結局83kmを走った時点での航続可能距離がDで残り35km、エコモードで残り38kmになった(画像)。つまり実質、こういった電費に良くない走り方でも、トータルで約120kmくらいは走れた、ということになる。途中、航続距離が心配になり、エコモードでエコ運転もしているのだが、とりあえずはまあ、これが航続距離の最低ラインに近いのではないか、と思う。

【航続距離・その2】満充電1回+急速充電1回で、トータル190kmを走破


返却直前のメーター。走行可能距離は残り16km。一桁になるとバーが消えて、数字の点滅が始まる。2泊2日の試乗で、192kmを走った

翌日、急速充電を一度行い、残りの撮影を実施。その時点で走行可能距離はエコモードで残り79kmとなった。そこから車両の返却までは燃費運転に徹して(ただしACはオン)、約50kmを走行。やや予想より多めに電池を消耗し、走行可能距離が残り16km、「バッテリー残量低下」と警告が表示されたところで、無事日産ディーラーに返却できた。

この経験からすると、一般道であれば、割と表示通りの航続距離で行ける、という感じ。つまりJC08モード走行での200kmは無理だが、エコモードで一般道だけなら150kmくらいは行けそう、という感じだ。ちなみにリーフの経済速度(最もエネルギー効率の高い速度域)は約50km/hだそうなので、そのあたりを越えないのがコツとなる。

【充電あれこれ・その1】 AC100V対応の充電用ケーブルがなく、会社での充電を断念


フロントフードにある充電ポート。左が急速充電用、右が200Vの普通充電用

本来の予定では、初日の夜に、デイズ社屋のAC100Vコンセントでじっくり充電するはずだった。これは過去に試乗したi-MiEVやベクトリックス(電動の大型スクーター)でもやってきたことだ。

ところが、いざ充電しようという段になって、試乗車にはリーフに標準装備される200V普通充電用ケーブル(3極コンセントに対応)しか積まれていないことが判明。これでは家庭用のAC100Vコンセント(2極タイプ)に差し込めない。結局、朝までじっくり100Vで充電する、という当初の予定は諦めることになった。

ちなみに100Vの2極コンセントに差せる充電ケーブルは販売店オプションで用意されているのだが、これが8万4000円もする。ちなみに現在のi-MiEVには、200V普通充電用ケーブルに加えて、AC100V用のアダプターが標準装備されているので、日産も倣って欲しいところ。

 

急速充電中のイメージ。普及型の急速充電器はこんなにスタイリッシュではないようだ
(photo:日産自動車)

もちろん、電池が残り少ない場合は、最寄りの日産ディーラーで充電してもらうことも可能だ。全国に約2200店舗ある日産ディーラー全店では、すでに200Vの普通充電が可能で、そのうち約1割の200店舗では、30分で約80%まで充電できる急速充電器も設置されている。しかし、残念ながらその日(水曜日)は、名古屋市周辺の日産ディーラーの定休日。今回は他を当たるしかない。

【充電あれこれ・その2】 公共200V普通充電器では、コンセントの規格違いで充電できず


アピタ千代田橋店(名古屋市千種区)の200V充電施設にて。使用料はタダだが、結局は充電できなかった

実は、そんな状況でも全く焦りがなかったのは、デイズの近所に民間の200V公共充電施設があるのを知っていたからだ。

それはユニーグループが東海地区を中心に展開する大型ショッピングセンター「アピタ」の駐車場にある200V普通充電器。i-MiEVの販売が本格化した1年ほど前に作られたものだ(実は10年ほどの前にも一度作られたのだが、当時はさすがに利用者がいなかったのだろう、間もなく撤去されている)。

翌日、さっそくアピタの200V充電器があるEV専用スペースに駐車。そこから店内のサービスカウンターまで歩いて行き、書類に名前や車名を書き込んだ後、鍵を拝借して再びクルマにとって返す、というローテク感あふれる手続きが面倒ではあるが、電気代は「タダ」であるから文句は言えない。だが、車載の充電ケーブルを取り出し、片方を200V充電器につなごうとすると・・・・・・つ、つながらない。え、コンセントの形状が違うじゃんか!

 

同じ200V普通充電用でも、コンセントの形状が違う。奧が丸形、手前(リーフの充電ケーブルの先)が平型

すでにご察しの方もいるだろうが、ここで初めて200V普通充電のコンセントに2種類の規格があることに気付いたというわけ。実は、i-MiEVの標準充電ケーブルに先にあるコンセントは、3極の端子が円を描く「丸形」と言われる従来タイプ(つまり旧型)で、ここの200V普通充電器はそれに対応するもの。実際、アピタの担当者に後で利用履歴を見てもらうと、過去に利用した車種は全てi-MiEVだった。

一方、リーフの200V普通充電ケーブルのコンセントは、「平型」と呼ばれる新型タイプ。これでは丸形の充電器に差し込めない。後日、確認したところ、案の定ここの充電施設でも、過去にリーフやプリウスPHVのユーザーが充電を断念した履歴がそれぞれ一件ずつ残っていた。

ちなみに、i-MiEVの場合は、標準装備の200V普通充電用ケーブルが従来の丸形コンセントなので、現在では新規格の200V平型コンセントと100Vコンセントに合うアダプターを標準装備している。三菱はわざわざ、これを「3WAY充電システム」と呼んでいるくらいだ。

なので、リーフの場合も同じように、単にアダプターを使うことで解決すると思うのだが、今のところ日産の純正アクセサリーとしては、丸形コンセントに合う充電ケーブルやアダプターは用意されていない。平型は新しいのだから、わざわざ旧規格など不要ということか・・・・・・。しかし現状、巷には丸形コンセントの200V充電器が多数あることを考えると、ちょっともったいない話だ。

■外部リンク
・三菱自動車 公式HP>i-MiEV>充電について

【充電あれこれ・その3】日産のオペレーターは三菱ディーラーを案内した


現在地に近い充電施設を検索中の図。この時にはすでに三菱ディーラーの近くまで来ていた

こんな時、リーフで頼りになるのが、EV専用に開発された情報通信システム「EV IT」による充電施設案内だ。専用車載通信ユニット(TCU)を標準搭載したカーウイングスナビのタッチパネルをパパッと操作するだけで、最寄りの充電施設がすぐにリストアップされる。

そのほとんどは最寄りの日産ディーラーだが、前述のように今日は定休日。さっさとそれ以外のリストを探すと、4kmほど先に民間コインパーキングに付属する200V普通充電器があった。航続可能距離は残り9km。そこで充電できないとガス欠ならぬ電欠する可能性がある・・・・・・。

そこで念のため、移動する前に日産のカスタマーセンターに電話した。後から考えると、車載システムでオペレーターを呼び出すことも出来そうだったが、その時は手っ取り早く、手持ちの携帯電話でカスタマーセンターのEV専用ダイアルに電話した。炎天下の駐車場で、電池の乏しいリーフの電装を使いたくなかった、ということもある。

 

無事、中部三菱自動車販売・長久手グリーンロード店で、急速充電中のリーフ。奧に見えるのは200V普通充電中のi-MiEV

女性のオペレーターに事情を話すと、最寄りの充電施設を調べて、折り返し電話をくれるという。待つこと15分。「8km先の三菱ディーラーに急速充電器があります。リーフに充電可能なことを確認したので、大丈夫です」とアドバイスがあった。おそらくこの時点でオペレーターは、試乗車の位置情報や充電状態などを、車載通信システムでも正確に把握していたはずだ。

オペレーターによると、カーウイングスに表示された民間の200V普通充電器は、端子が旧型か新型か確認できないが、その三菱ディーラーの急速充電器なら確実だという。急速充電器の規格は、幸い三菱だろうと日産だろうが共通らしい。

電池がそこまで持つかどうか心配だったが、オペレーターが電話で先方に確認してくれたことや、急速充電で短時間に80%まで充電できるのは心強い。「何とか行けるだろう」と踏んで、そこから炎天下の中をカーウイングスの指示に従って三菱ディーラーに向かった。

【充電あれこれ・その4】 三菱ディーラーで急速充電。80%まで復活


三菱・グリーンロード店の急速充電器は、この分野では大手の高岡製作所によるもの。リーフの80%充電には1時間掛かるが、それでも頼もしい限り

幸い、電池はぜんぜん足りて(メーター表示の残り航続距離は最後の方でサバを読んでいるのでは?)、8km先の中部三菱自動車販売・長久手グリーンロード店に到着。さすがにi-MiEVで経験が長いだけに、同店のスタッフは「どうぞどうぞ」と手慣れた感じ。そこにあった急速充電器で、さっそく急速充電が始まった。結果から言うと、急速充電器のある三菱ディーラーを紹介してくれた電話オペレーターの対応は、ベストアンサーだったと思う。

急速充電の場合は、施設側の充電ケーブルを使用。ケーブルを接続すると、残り充電時間が「55分」と出て、三菱の方に「いやあ、ギリギリでしたね」と言われる。日産は、電池切れから30分で80%まで急速充電できる、としているが、これは日産の急速充電器(出力電圧:最高500V)を使用した時のものだろう。あるいは急速充電器側の仕様や設定次第か。

1時間経って、リーフのところに戻ってくると、すでに急速充電は終了しており、約80%まで充電されていた。Dでの残り航続可能距離は117kmまで復活。ちなみに今回の充電は無料だった。

 

急速充電器の操作パネルを見ると、出力電圧は363Vとある

帰り際には一宿一飯の恩ではないが、充電のお礼を兼ねて? 三菱の販売スタッフの方にリーフにプチ試乗してもらった。感想をお聞きしたところ、「i-MiEVに比べると、まず内装の質感がいいですね。でもステアリングはウレタンだから、ここは革巻きのi-MiEVの勝ちかな。それからリーフは乗り心地がいい。出足の加速も力強い。でも中間加速はi-MiEVも速いですからね。ちょっとその辺で、競争してみますか(笑)」とのことだった。加速感の違いに関しては、まさに同感だ。

【充電あれこれ・その5】 愛知県には急速充電施設が極端に少ない


カーウイングスで名古屋近郊の充電スポットを検索したところ。急速充電施設(充電スタンド型のマーク)が少ないことが分かる

今回お世話になった急速充電施設について、日産は前述の通り全国200店舗に設置したことで「急速充電器設置店だけで、半径40km円でほぼ日本全国をカバー」としている。また手元のリスト(2010年12月編集)によれば、三菱ディーラーや民間のものを含めれば、東京都や神奈川県(日産のお膝元)ではそれぞれ40ヶ所以上とかなり普及しつつあるようだ。

一方、デイズのある愛知県はと言うと、自動車王国であるにも関わらず、急速充電施設の普及率が非常に低いのが気になるところ。先ほどのリストに新しい情報を加えても、県内すべてでたった10ヶ所程度に過ぎない。これは北海道、新潟、大阪、京都、岡山より少なく、兵庫、広島、愛媛あたりと同じレベルだ。急速充電器自体が150万~200万円、周辺の工事費を含めると300万円くらい掛かるということもあるだろうが、要するに愛知県は某ハイブリッド車メーカーのお膝元だから、公共の急速充電施設は要らない、ということもあるかも・・・・・・。

ちなみにその夜、もう一度最寄りの充電施設をカーウイングスで検索してみると、例の200V充電施設付の民間駐車場は引っかからないようになっていた・・・・・・。ITの方も日々、改善中ということか。

ここがイイ

動力性能、快適性、「カーウイングス for EV」

これまで乗ってきたEVの中で、最高の出来。驚くほどパワフルな走りは、過剰性能とも思えるほどで、エコカーにあるまじき高性能ぶり。乗り心地もいいし、一般的な状況での操縦性もまったくもって自然。航続距離と充電という問題をのぞけば、ほとんどガソリン車と同じ快適な自動車になっている。

NTT FOMAの通信モジュールを使ったメモリーナビ(クラリオン製)は、ムダなHDD等のドライブがなくて、現状では理想のものといえそう。月額1500円というテレマティックスの使い勝手、オープンシステムによる将来性、全世界・全車装備という点でも、画期的なことだと思う。

ここがダメ

発展途上の充電インフラ。全幅の大きさ、今ひとつ明るくないLEDヘッドライト

想像以上に、充電インフラが整備されていないこと。急速充電施設がまだ普及していないのは仕方ないとしても(日産ディーラーでも200V充電は全店で可能だが、設置費用が高価な急速充電器は、約1割の店舗にしか普及していない)、民間の200V普通充電器で、コンセントの規格が新・旧入り乱れているのはかなり残念。今回リーフが充電出来なかった公共200V普通充電器は、わずか1年前に設置されたもの。i-MiEVに合わせたものだったとは言え、これほどメディアで騒がれているリーフに対応していないとは・・・・・・。こういった状況が、日本のEV普及を阻害していると言われても仕方ない。乗る側にも、サポートする側にも「人間力」が問われるという点で、まだまだEVは発展途上の乗り物という認識を強くした。

充電ケーブルのロック(3000円)や充電ポートのいたずら防止カバー(1万8000円)がオプションであること。充電が基本的に屋外である以上、こういったものは標準装備すべきでは。

意外に大きいボディサイズ。小回りは問題ないが(最小回転半径は5.2メートル)、全幅が絶対的に大きい。ティーダ(5ナンバーサイズ)から乗り換えたら、家のガレージで乗り降りがたいへんになった、ということは十分あり得る。ボディサイズもあくまでグローバル基準だ。

 

消費電力はハロゲンに比べて約60%、HIDより約50%少ないというLEDヘッドライトだが、これが思いのほか明るくない。LEDだけに光が拡散せず、最近のHIDヘッドライトや他車のLEDヘッドライトに比べると明らかに暗い感じがする。また、白っぽい光なので、雨天の時の見え方もやや心配。オプションのフォグライト(LED式リング付のハロゲン式)は欲しいところ。ただしハイビームはハロゲンなので問題ない。

カーウイングスがタッチパネル操作であること。流行りのスマートフォンもタッチパネルだが、自動車の場合はやはり遠隔コントローラーでの操作がいい。従来のカーウイングスは早い時期からコントローラーを採用していたので、これはちょっと退化では。

EVに共通する弱点として、高速走行時の電費の悪さ。また冬場や寒冷地では、冷房より消費電力の大きい電熱ヒーター使用時の電費が気になるところ。

総合評価

EVという乗り物の遊び方

半年前に発売されたものの、ちっとも話題になっていないリーフ。思えば初代プリウスもそうであった、などと思いつつ、EVであることを無視して、今回もいつもの走り方をしてみた。エアコンはちゃんとつけて、オーディオも鳴らす。エコ運転を特に気にすることなく、通常モードで本来の走行性能を堪能する試乗だ。こうするとガソリン車でもハイブリッド車でも、だいたい最低の燃費になる。

今回のリーフ、まずは何といっても走りが凄い。3リッタークラスという加速感はつなぎ目がないから、まさにジェット機のよう。パワフルでウルトラスムーズ。それでいてモーターにありがちな唐突なトルク感がないのも新鮮な驚きで、これはとても心地良い。例のモーター音もほとんど聞こえない。ただしそうやって楽しでいると、電気はどんどんなくなるのだが。

高速道路でこんな風に加速を楽しんでいたら、表示されている航続可能距離がどんどん減ってゆくので、ちょっと焦ってエコモードに入れると、いきなりアクセルが重くなった。ガクンと力が無くなる感じだ。とはいえ100km/hまでの巡航なら、まあこれでもいいだろう。エコモードでは電気の減りはやや少なくなったようだが、いずれにしても高速道路ではどんどん減ることになる。電気が減る=残り走行可能距離が減るということ。例えば走行可能距離が残り100kmなら、高速道路では1時間も走れないわけで、これは精神衛生上、どうにも良くない。各SA、PA、さらには全国のあちこちで確実に「急速充電」できる環境が整わない限り、遠出は全く無理だ。

逆に走行可能距離が減らないのは長い下り坂。ここではむしろ表示距離が増えていく。つまり走り方や道路状況で、残りの走行可能距離が変わるわけで、そういったことを楽しむのがEVという乗り物の遊び方だろう。

したがってガソリン車のようにワインディングを楽しもうとすると、そんな呑気なことも言っていられない。直前数百メートルの電気の減り方をベースに、残りの走行可能距離を計算して表示する仕組みだから、いきなり距離が減って、山の中で取り残される恐怖を味わうことになってしまった。またかなり速いクルマだけに、同じようにパワフルなガソリン車のつもりで走ろうとすると、乗り心地重視の足まわりやタイヤの接地感の無さなど、そうとうに厳しい。そんな走りはしないという前提のクルマなのだろうけれど。

複数所有なら、一台はEV

とはいえ、乗り心地が重厚で、音も静かだから、ガソリン高級車から乗り換えても、快適性においてはひとまず不満は出ないだろう。このあたりは軽自動車ベースのi-MiEVではマネのできない「大人のクルマ」になっている。これなら買ってもいいか、と思うお金持ちは少なくないはずだ。

そんなお金持ちはだいたいお金にシビアなものだが、補助金やら税金やらが厚遇で、もちろん走行コストも安いから、計算してみるとリーフはかなりお買い得なクルマだ。例えば6km/Lのハイオク高級輸入車を月に1000km乗る場合、150円/Lとしても2万5000円ほど燃料代がかかる。そこで、そのうち800km分はリーフで走るとすると電気代はタダみたいなものだから、月額2万円は浮く計算だ。つまり燃費の悪いクルマを2台維持できる経済力があれば、リーフはずいぶん安く感じられる。一台をリーフにすれば、もう一台の高級車も距離が伸びないから資産価値が下がらないし、EVならそれなりに所有する言い訳ができるから、2台所有に関しても悪いことは何も無いだろう。

とはいえ、いずれにしてもこの航続距離では遠出ができないから、デイズが定義する「クルマ=自由のための移動道具」としては役に立たない。しかしリーフでの遠出さえ諦めれば、ものすごく安いコストで乗れる。さらに性能も快適性も言う事なし。さらに今後、急速充電設備がどんどん増えたなら、自由のための移動道具にもなり得る。複数所有するなら、一台はEV、という選択はこれから増えるはずだ。

とはいえ補助金をもらうつもりなら、6年乗るのが条件。そこは覚悟しておく必要がある。6年もの時がたったら、普通の電化製品は陳腐化するもの。EVの場合は果たしてどうなるのだろう。プリウスのように追従するクルマがないまま、評価を落とさないでいけるのか。あるいは画期的なEVが出てきて、先駆者はその価値を失ってしまうのか。5年乗ってもバッテリ性能が80%残ると日産は言うが、この手の話は、「話し半分」で聞いておいたほうがいいように思う。バッテリーリサイクル(性能の落ちたリーフのバッテリーは、家庭用などに転用可能という)も考えられているそうだから、その時点で何かいい方法が提示されれば幸いだが・・・・・・。

100年を経て、クルマはまた面白くなってきた

そこで思うのは、やはり電池が交換できる仕組みだ。最新のニュースでは、EVのサービスプロバイダーであるベタープレイス社とルノーが、バッテリー交換式のEV「ルノー フルエンスZ.E.」を2012年中にオーストラリアで発売するという。モバイルPCでも電池のもちを重視して選んできたデイズだが、それでも出先で電池がもたないことを考えて、予備の電池を買ってきた。発展途上にあるスマホも、交換電池を持つのは今や当たり前だ。スマホの場合、サードパーティーからラージサイズ交換電池などが発売されるのでありがたいのだが、EVもそんな風にする訳にはいかないものだろうか。

それが無理なら、外付けバッテリーが発売できないのだろうか。トランクに積んでおいて、いざとなったら30kmだけ走れるというサブバッテリーだ。サブバッテリーがあれば、心理的に相当ちがうと思う。電池が交換できないという意味では、iPhoneやiPadみたいだが、iPhoneだって外付け電池はある。普及のためにはその発想がEVにも必要なのではないか。インフラの整備を待つより、その方が手っ取り早いと思うのだが。

しかしまあリーフは、本当にまるでスマホのようだ。コンセプトとしては正しく、とても良く出来た機械だが、完璧ではなく、人によっては使いにくいだけの機械。出来上がってしまって、どれも同じようでつまらなくなったガラケーが今のガソリン車だとすれば、未完成だから面白いのがスマホとEV。ちょっとしたトラブルを楽しめる人なら、こんな面白いものはない(もちろん実用性も十分ある)。思えば20世紀初めの頃、登場したばかりのガソリン車も、そういうものだったのだろう。100年を経てクルマはまた面白くなってきたと、リーフにエンスー心(というよりは家電好き心か)が刺激された。

 

原発事故以来、節電ヒステリーともいえる世間では、EVで盛り上がること自体、はばかれる風潮があるが、スマートグリッドの端末としてのEV普及に、水をさすことはやめてもらいたいもの。電気をどう作るか、そしてどう送るかは、今後皆で考えていくべきだろう。しかし電気で動くもの(クルマもスマホもロボットも)の進化を止めることは、人類の退化につながると思う。そこを一緒にしてしまう風潮には、警鐘を鳴らしたい。また少し前に、中国で現地のEVに試乗したリーフ開発者が、その出来に焦るという番組がNHKで放映された。EVも、スマホやPC同様、いずれは中国製になってしまうかもしれない。でもそれはガソリン車と違って、抵抗が少ないことなのかもしれない。いずれにしろ、未来はけしてバラ色ではないかもしれないが、いまここに留まってるわけにはいかないと思うのだ。初代プリウス同様、リーフは相当エンスーなクルマである。まずはクルマ好きこそが乗るべきだろう。

試乗車スペック
日産 リーフ G
(モーター+リチウムイオン電池・406万0350円)

●初年度登録:2011年4月●形式:ZAA-ZEO
●全長4445mm×全幅1770mm×全高1545mm
●ホイールベース:2700mm ●最小回転半径:5.2m
●車重(車検証記載値):1520kg(870+650) ●乗車定員:5名

●モーター形式:EM61 ●モーター種類:三相交流同期型 ●定格電圧:-V
●最高出力:109ps(80kW)/2730-9800rpm
●最大トルク:28.6kgm(280Nm)/0-2730rpm
●バッテリー:リチウムイオン電池
●総電圧:360V ●総電力量:24kWh
●JC08モード交流電力量消費率:124Wh/km
●JC08モード充電走行距離:200km

●駆動方式:前輪駆動(FF)
●サスペンション形式:前 マクファーソンストラット+コイル/後 トーションビーム+コイル
●タイヤ:205/55R16 (Bridgestone Ecopia)
●試乗車価格:406万0350円 ※含むオプション:パール塗装 4万2000円、フロアカーペット 2万8400円
●ボディカラー:ホワイトパール
●試乗距離:192km ●試乗日:2011年6月
●車両協力:日産プリンス名古屋販売株式会社

 
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