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スバル レガシィ B4新車試乗記(第69回)

Subaru Legacy B4

 

1999年04月09日

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キャラクター&開発コンセプト

ワゴンを上回るポテンシャルを手に入れたスポーツセダン

レガシィといえば国産ワゴンの立役者。それだけに、ワゴンの方が圧倒的な販売台数を誇っている。何でも先代のワゴンとセダンの構成比は9対1らしい。いや、街中で見る限り、この差はもっと大きいと思う。ましてレガシィの場合はインプレッサのようにWRCで活躍しているわけでもない。そんなカルト・カー的な存在を自ら悟ってか、従来までのフツーの4ドアセダンというキャラクターを捨てて、新型は「4WDロードスポーツ」のコンセプトを全面に打ち出すこととなった。そしてスバル伝統の水平対向4気筒+フルタイム4WDを誇示する「B4」のネーミングが加えられている。

セダンの次にワゴンを出す、というではなく開発設計がより困難なワゴンを出した後にセダンの登場となったわけで、今回のレガシィB4、剛性や走りの方はもう保証済みといっても過言ではないだろう。

またターボモデルにはワゴンには採用されていない待望のスポーツシフトが採用されたことも話題のひとつだ。

ライバルは、ターボモデルだと、マークII ツアラーV、スカイライン 25ターボ、ギャラン VR-4あたりの280馬力セダンといったところか。ただ、これらが3ナンバーボディとしているのに対し、レガシィは先代同様、5ナンバーボディを 踏襲している。このあたりは生真面目なスバルらしさが伺える。となるとNAモデルを含め、やはりアルテッツァあたりが最大のライバルだろう。そしてレガシィは4WDというのが最大の武器だ。

価格帯&グレード展開

全て4WDでグレードを整理、価格は215.5~269.8万円

前述のように、新型レガシィのセダンに付く「B4」の由来は、ボクサーエンジ ンの「B」と4WDの「4」。つまり全車4WDモデルであり、先代まであったFFモデルは姿を消している。グレードも整理され「RS」と「RSK」の2つのスポーツグレードのみ。排気量は同じ2リッターで、RSがNAモデル、RSKがターボモデル。いうまでもなく走りをより重視しているのはRSKだ。価格はRSが215.5万円/224.8万円(5MT/4AT)、RSKが258.8万円/269.8万円(5MT/4AT)。これはワゴンよりも 約25万円も安い値付けである。ただ、これまでのレガシィセダンのリセールバリューを考えると決してお買い得とは言い難い。アルテッツァ人気でセダンスポーツの人気が高まることを期待したい。

パッケージング&スタイル

ベースはもちろんツーリングワゴン、ボディサイズは先代とほぼ同じ

全長4605mm×全幅1695mm×全高1410mmと、ボディサイズは先代から全高が5mm高くなっただけで、これほど変更の小さいことも珍しい。ホイールベースはベースとなった新型ワゴンと同じ2650mmだ。

バンパー、フェンダーパネル、フードパネル、フロントドアなど、フロントセクションにおける外装もワゴンと共通。セダンのグリルには「B4」のエンブレムが付いているので、ワゴンかセダンかの区別は結構容易だ。

従来から続くシックスライト(片側3枚×2)のウインドウ構成を継承し、リアは骨太なCピラーとハイデッキのトランクが特徴。悪っぽくブラックアウトされたテールランプを除けば、オーソドックスな仕上がりだ。しかし、レガシィーリングワゴンとアルテッツァという超人気モデルの要素を兼ね備えていることも確か。考えかた次第では、B4は一粒で2度おいしいクルマなのである。

メーターからシートまでB4専用アイテムを数多く揃える、ダークな内装にブラックフェイスメーターが華を添える

内装もワゴンと”基本的”には同じ。とはいえども半年遅れの分だけ、セダン専用のパーツが施されている。特にRSKのスポーツシフトAT車に採用されたスバル初のブラックフェイスメーターはセダン自慢の品。キーをひねると暗闇から文字が浮かび上がってくるという他社ではお馴染みの演出だが、スバルでは初。1・橙色のメーターリング→2・赤い指針→3・白い文字盤の順で浮かび上がってくるという、スバルらしからぬお遊び的な演出が面白い。それがどうした、といってしまえばそれまでだが、走る気分を盛り上げてくれるのに一役買っているのは確かだ。この他、セダン専用としては、黒い色調の木目(マーブル?)調パネル、両脇にレザーを使用したバケットタイプシートなどが採用される。全体の雰囲気は 暗めの落ち着いたもの。

内装でもうひとつ忘れてならないのが、RSK専用に設定されるスペシャルレザーパッケージ(10.0万円)。シート表皮やドアトリム、ステアリングに鮮やかなブルーとオフブラックの本革を組み合わせ、さらにメタリック調センターパネル を装備したものだ。こちらも”らしからぬ”センスだ。

サポート性を重視した結果、乗り降りしずらくなってしまったシートは、実用セダンとしてはマイナス要素

シートは張りのあるもの。座面両脇が大きく張り出しているが窮屈な感じはなく、ほどよくサポートしてくれるものだ。しかし乗り降りの際は必要以上にひざ を持ち上げなければならないので、その度に苦労する。このあたりは一考の余地がある。後席はリアウインドウがわずかに頭にかかるものの、広さは全く問題ない。トランク容量は先代から10%ほどアップの464リッターとなったが、剛性確保のためかトランクスルーはアームレスト部のみ。欲張ったユーティリティーは望めない。

基本性能&ドライブフィール

スバリスト待望のマニュアルモード付きAT、足回りはポルシェチューン?

今回試乗したRSKに搭載されるエンジンは、ワゴンで「ボクサーフェーズII」と銘打った2リッター水平対向4気筒エンジンにツインターボを組み合わせたもの。最高出力&最大トルクもワゴンと同じ、5MTが280PS/35.0kgm、4ATが260PS/32.5kgmだ。NAモデルのRSの最高出力&最大トルクは、155PS/20.0kgmとなっている。そしてRSKの4ATには、待望のスポーツシフトが採用される。これはワゴンにはない、セダンの最大の武器。Dレンジの横の+/-ゲートの他に、ステアリングの+/-スイッチでもシフトが可能だ。また4WDシステムは、AT車が前/後35対65から50対50の間でトルク配分を行うというものに対し、MT車は50対50の固定式が採用されている。なお、足回りのチューニングはポルシェが担当したと非公式ながらいわれている。

ワゴンとはかなり異なる印象、日常的な扱いやすさを重視した走り

メーター、パネルの柄の違い、室内空間の違い、セダンになったことによる剛性の向上など、ワゴンと違う要素はいくらでもあるが、走りの方もワゴンとここまで違うとは正直、驚き。ATは260馬力(MTは280馬力)。前後のトルク配分を走行状況に応じて35:65~50:50に可変するフルタイム4WDが採用されており、パワーを余すところなく路面へ伝えるため、体感的な加速そのもの は、ツインターボというパワフルな印象からすると少し物足りないほど。ステアリングなどの操作系も、拍子抜けするするほど軽い。それでいてフルロックは3回転とクイック。4WDの「重い」イメージはなく、2駆に近い軽快な走りを再現している。

また17インチタイヤを履いている割には、路面からの突き上げは小さく、しなやかな乗り味となっている。直列系とは異なるかすかに聞こえる独特のサウンド、黒系統の内装からくる落ち着いた印象からすると、全体的にはスポーツというよりも4ドアセダンらしさを表現した仕上がりとなっている。高速巡航時では極めて疲労が少なく、さらにB4の魅力を知ることができるだろう。ただ後方から聞こえるこもり音が気になった。

スポーツシフトのタイムラグが大きくスポーティさに欠ける、ステアリング上のシフトスイッチの配置に一考の余地アリ

マニュアルモードは他車の同様のシステムに比べると、スベリやタイムラグが大きく感じられ、やや違和感があった。ステアリングから手を離さずにシフトチェンジができるシフトスイッチの方も、ステアリングを8時20分の角度で持つことを強いられ、やはりやや違和感がある。4速であることも気分を削ぐポイント。とはいえ、ないよりはあった方がいい装備。更なる充実を望む。

ここがイイ

4WDスポーツセダンとしての理想型だろう。スーパースポーツでありながら日常ユースの快適性が高く、その気になって走れば、文句なく速い。安定性も2WDの比ではなく、高出力を高剛性ボディと4WDでがっちりうけとめ無理がない。走りは2WDのように軽快で、内装もしっとり大人のムード。ランエボやインプレッサが欲しくてもガキっぽくて買えなかったお父さんのクルマ。乗り心地とリアの居住性がいいから、家族のウケは悪くないはず。

ここがダメ

強いていえば華がないことか。しかし知る人ぞ知るというクルマでいくというのはこのクルマの生きる道ではある。また安定感が高く、どんな状況でもすばらしい性能を発揮するという4WDの完璧さに、やや退屈な感じを持ってしまうのは贅沢なのだろうか。

総合評価

スバルのクルマはスバリストが支えているというのがかつての常識だったが、レガシィのヒットで普通の人々が乗るクルマになった。しかし、このセダンはまたスバリスト好みのマニアックな魅力にあふれている。アルテッツァのようなわかりやすさはないが、スポーツセダンとしての実力は明らかに上。楽しいとか、凄いとかいう前に、まず「ウンチク」を並べたくなるのはいかにもスバルのクルマらしいところ。現在考えられる最高の「四駆」セダン。

●車両協力:名古屋スバル自動車株式会社

公式サイトhttp://www.subaru.co.jp/legacy/

 
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