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レクサス GS430新車試乗記(第382回)

Lexus GS430

(4.3リッター・6AT・630万円)

2005年09月10日

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キャラクター&開発コンセプト

まずはGSとSC、そしてIS

1989年に米国で始まったトヨタの高級車ブランド「レクサス」がついに故郷に錦を飾った。2005年8月30日に全国 143店舗(年内に151店舗)で開業したレクサス店に並ぶのは、同日に発売されたGS430/350、SC430(ソアラのレクサス版)の2モデル。さらに9月28日にはコンパクトスポーツセダンのIS350/250が発売される。

「ダイナミズムの完結」

今回のGSを大きなくくりでハードウエア的に説明すれば、ゼロクラウン/マジェスタから発展したシャシーに4.3リッターV8(3UZ- FE)もしくは新開発3.5リッターV6を搭載したもの。先端技術では、世界初のアクティブ・スタビライザー・サスペンション・システムをはじめ、マジェスタのものを進化させたVDIM、G-BOOKをレクサス用に高サービス化した「G-Link」、そしてレーダークルーズやプリクラッシュなど既存技術の最新バージョンを搭載。コンセプトとしては、「絶え間ない予見(Seamless Anticipation)、つまりドライバーの気持ちを先読みする「もてなしの心」を掲げている。

「Grand Sedan」たるGSの月間販売目標(国内)は1100台。ニューLSが出るまでしばらく、このGS430がレクサスのフラッグシップとなる。生産はトヨタ自動車・田原工場(愛知県田原市)。上の画像は2003年東京モーターショーで展示されたGSのデザインコンセプト「LF-S」。

価格帯&グレード展開

520万~630万円(+オプション)

GSは「GS430」(630万円)と「GS350」(FR:520万円、AWD:560万円)の2グレードで、いずれも6ATのみ。GSにはハイテクオプションが豊富にあり、今回の試乗車はほぼフルオプションで814万円もする。来年春にはV6・3.5リッターとモーターのハイブリッド車「GS450h」が登場する。

パッケージング&スタイル

ボディサイズはゼロクラウンに近い

ボディサイズ(カッコ内はクラウン・アスリート比)は全長4830mm(-10)×全幅1820mm(+40)×全高 1425mm(-45)と外寸はゼロクラウンに近い。ホイールベースは同じ2850mmで、ここはより大きなマジェスタも共通だ。トレッドもほぼ同じだが、タイヤ幅が30mmもワイドで、その分全幅も広い。

淡白だが、独特の存在感

レクサスのデザイン哲学「L-finesse(エル・ファネス=Leading-Edge<先鋭>と Finesse<精妙>)を合わせた造語」を形にしたスタイルは欧州車と違って淡白な味わいだが、独特の存在感がある。ドアは微妙にネガティブ面になっていて、下にメッキの装飾が付く。たまたま5シリーズと並ぶチャンスがあったが、存在感でも品質感でも負けていなかった。屋根のシャークフィン状のアンテナはBMWを真似たようにも見える。

始動スイッチとPブレーキ解除の「方針転換」

意匠は別として、全体の雰囲気はマジェスタ(のブラック内装)に近いインパネ回り。レクサスゆえの特別な高級感はここからは感じられない。ステアリングの巨大な「L」マークがなければ、新しいトヨタの高級車かと思ってしまう(実際、そうだが)。スイッチにも日本語のレタリングが付いて親切だが、輸入車のような非日常感はない。

エンジン始動ボタンはゼロクラウンのステアリング右から、左に移動。BMWと同じ位置であり、左手なのでちょっとやりにくい。左ハンドルなら右手なのでOKだろうが。また、ドアミラーの調節/格納や給油口のオープナースイッチ等は、ステアリング右下の収納式パネルに普段は隠されており、最初はかなり探してしまう。

もう一つ戸惑うのが、足踏みパーキングブレーキの解除をハンドレバーではなく、二度踏みで行うこと。ここは意見が分かれるところだが、GSが二度踏み式を選択したのはスペースや操作性など、それなりに理由があってのことだろう。今回は同時に試乗した SC430が足踏み・ハンドレバー解除式だったので、この「方針転換」が余計に目立った。

オプションのベンチレーション機能付きシート

メーターは黒の文字盤の金属感が面白い。その手前の透明パネルは光透過率を自動調整するECD(Electro Chromic Device)レンズを採用したという。シートはオプションのレザー仕様(27万3000円)で、電動ランバーサポートのほか、クールベンチレーション機能もある快適なもの。サポート性はないが、左足で抑えが効くので一般道で味わう横Gなら十分に耐えられる。

乗り降りしやすい後席

広さは十分。頭まわりから足元まで開口部が広いので、乗り降りもしやすい。上にレクサスLSが来るので、後席専用のオーディオ・空調コントロールパネルが無いなど、豪華さはそこそこだ。

荷室の底にDC/DCコンバーター

荷室容量は430リッターで、外寸の割に広くない。試乗車はスペアタイヤレスで、荷室フロアのカーペットをはぐると、まずボードに収まった工具が現われる。これはサービス工場で使うLEXUSマーク入りのスナップオンではなく、刻印のない一般的なものだ。

工具ボードの下には、サブバッテリーと発泡スチロールのカバーに覆われたDC/DCコンバーターが現れる(画像は下に掲載)。このコンバーターはアクティブ・スタビライザー用のモーターに電力を供給するもので、いかにこのシステムが大電力を必要とするかがよく分かる。また、アクティブスタビライザーを選ぶと自動的にランフラット装着になる理由もこれで分かった。

基本性能&ドライブフィール

動力性能はマジェスタと同等

今回試乗したのは、新型LSが出るまで国内レクサスのフラッグシップとなるGS430。まるでパソコンのようにエンジン始動でピアノの「起動音」がタララン♪と流れる。搭載するエンジンは、セルシオ(現行LS430)やマジェスタと同じ4.3リッターV8「3UZ-FE」(280ps、43.8kg-m)。新開発の3.5リッターV6(315ps、38.4kgm)を積むGS350よりピークパワーは劣るが、余裕のトルクで1750kg(フルオプション時)のボディを引っ張る。このパワー(あくまでもカタログ数値だが)/重量比は、現行マジェスタにほぼ等しく、6ATのギア比は共通だから、単純な動力性能で両車は、ほぼ互角と言って良いと思う。とにかくどんな速度からでも、思いのままにするっと加速するところは、マジェスタと共通する部分だ。

軽快感はアスリートに近い

走り出した瞬間は「GS350だったかな?」と思ったほど、身のこなしは軽い。マジェスタも街乗りであまり頭の重さを感じないクルマだが、GS430はほとんどゼロクラウンのアスリートのような軽快感がある。マジェスタでかすかに感じたV8の鼓動も、GSではまったく感じられない。もう一つ走り出した瞬間から感じるのは徹底的な洗練ぶり。エンジン音や回転フィーリング、ステアリングの操舵感やパワートレインなど、洗練の極みと言える。部品精度を一ケタ上げて、研磨して、コストも掛けて、ピシッと組みなおした感じだ。

ランフラットなのを忘れる

モノチューブショック・アブソーバーのサスペンションは、街乗りでは細かい凹凸をよく吸収して、乗り心地は路面を滑るようになめらか。245/40ZR18サイズのランフラットタイヤ(オプション)なのを忘れてしまう。このあたりは同クラスの輸入車と、まったく違うところ。また、静粛性も高く、ロードノイズが低いのはもちろん(リアホイールハウスの外側にはスプラッシュ音対策か、フェルト状の吸音材が表面に貼られている)、車外騒音の遮断性も一際高い。交通量の多い大通りでも、ドアを閉めればかなりの静寂が味わえる。もちろん150㎞/hを超えるスピード域でも会話に支障などない。

アイドリング時の音は静かではあるものの、無音ではない。エンジン側から、まるでコンピューターのクーリングファンが回るようなフーンという音が常に聞こえる(もちろん空調オフで)。この音もエアコンのブロアが回り始めればかき消されてしまう。

トヨタ版アクティブステアリング「VGRS」

いつものワインディングでも、マジェスタ並みの加速とクラウンアスリート並みの旋回性能で、途方もないスピードが味わえる。GS430に標準装備のVGRS(Variable Gear Ratio Steering)はBMWのアクティブ・ステアリングに近いもの。低速ではクイックに、高速ではスローになるが、単なる速度感応ではなく、ステアリング操作速度に感応したり、セミアクティブ電子制御ダンパー(AVS)と協調してノーマル/スポーツモードがあったり、VDIMと連携して前輪切れ角を抑え、安定性の確保に使われたりもする。

というような複雑なことは、実際には体感できず、走り自体はあくまで自然だ。BMWや、あるいはアベンシスのような欧州テイストのクイックでダイレクトな操縦性ではなく、ひたすら滑らかに、猛然と走ってゆく。このあたりはゼロクラウンや新型プリウスなどに通じるところ。

世界初の電動アクティブスタビライザー

もう一つ注目すべき装備が、世界初の電動アクティブスタビライザー(31万5000円)だ。これは、モーター駆動のアクチュエーターでスタビライザーの強弱をリアルタイムで変化させる電子制御スタビライザー。乗り心地を確保しながらロールや姿勢変化を抑えて、接地性を確保するのが目的だ。TRCの差動ランプがしきりに瞬く状況でも、失速感が出るほどパワーを絞らないで済むのは、こうしたハイテクのおかげだろう。ただ、どのデバイスがどう働いているかはあまりに要素がありすぎて、想像の域だ。

新幹線なみに平穏

100km/hでも180km/hでも、走行安定性に大差はない。どんな速度域でも思ったように加速し、減速し、レーンチェンジもためらうことなく行える。100km/h時のエンジン回転数は1600回転。車窓から見える景色以外、スピード感はまったくなく、新幹線かそれ以上に平穏な高速移動が可能だ。リミッターが無ければ、最高速はこのGS430で軽く250km/h以上という。静粛性はセルシオ級で、高速道路の追い越し車線を走りながら、34万1250円もするマークレビンソンのオーディオでストリングス系の繊細な音楽が堪能できる。セルシオやSC430よりサスペンションがしっかりしているので、ドライバーの疲労度はGSの方が低い(と言うかほとんど疲労しない)。

今回は高速道路をメインに780kmを計3日間で試乗し、平均燃費は7.0~7.5km/L(満タン法および車載燃費計による)。もちろん、法定速度で巡航すれば10km/Lは確実だろう。街乗りで雑に走れば、5km/L前後というところ。

【補足】自動ブレーキの前ぶれ「DABC」

そのほかの先端装備についても簡単に紹介しておきたい。まずプリクラッシュセーフティシステムは従来型より細かい点で進化しており、高性能なミリ波レーダーに加えて、レーンキーピングアシスト(LKA)のCMOS画像情報も借りて衝突予知を早めている。また、「DBAC」(Driver-assist Braking Control)の追加も新しい。これはレーダークルーズ非使用時でも、前走車との距離を測って必要なら弱いブレーキ(0.07Gくらい)をかけるというものだ。DABCにはオン/オフボタン(画像の左端のボタン)があり、オンにして作動しそうな状況を試してみたが、今回のところは作動をはっきり体感することはできなかった。こうした機能から察しがつくように、ブレーキは電子制御(ECB)を採用する。

G-BOOKのレクサス版「G-Link」

ほかに、渋滞予測機能を持ったG-Linkに対応するHDDナビ、同じくG-Linkと連携して侵入センサー付きオートアラームの作動をオーナーにメールと電話で通知する「G-Security(Gセキュリティ)」。さらにそのオプションでは、オーバヘッドコンソールに内蔵したセキュリティカメラで車上狙いや車両盗難に備えるなど、かなり踏み込んだテレマティックサービスが採用されている。

ここがイイ

重・軽い走り。重量級のボディやノーズの重さをほとんど感じさせず、1クラス小さなクルマに乗っているような軽快感がある。ワインディングをとばしても実にスポーティ。もちろんVDIMによってどこまでも安定しているのだが、普通のオヤジがちょっとがんばって走った程度では、機械にコントロールされていることを実感できはしないだろう。調子に乗って無理をしても破綻しないから、安心して楽しめる。それでいて高速クルーズでは重量感のある走りを実現している。重さと軽さが一台のクルマで両立しているのだ。

(ゼロクラウンを未体験の人にとっては)乗り味が見事に新しい。高速巡航ではまったく速度感を感じさせないほど安定しているあたりはゼロクラウン同様だが、静粛性がもう一回り高まった分、ゼロクラウンを知らない人が乗ったら驚嘆するはず。今回は台風の暴風雨の中を一気に 550㎞移動したが、運転による疲労はほとんど感じなかった。体には、オフィスにいるときと同程度の時間的疲労があっただけ。

前述のように、走行系・安全系のハイテクは素晴らしいとしか言いようがない。現在のところ世界最高のASV(アドバンスド・セーフティ・ヴィークル)だと思う。暴風雨の中でもレーダークルーズやレーンキーピングアシストはちゃんと動いていた。

G-Linkは通信スピードがほぼ不満のないところまで進化しており、タッチパネル操作で必要な情報が簡単に引き出せ、読み上げてくれる。ハンズフリーフォンと連動したオーナーズクラブは、適度にシステムを外部から操作してくれるから目的地設定などもたいへん楽。緊急通報システムのヘルプネットやGセキュリティはもちろん、車上荒らしを撮影できる室内カメラに至っては、ついに来たという感じ。現時点で最良のテレマティックスが搭載されている。

戦略的につけられたとおぼしき価格は、装備を加味するとドイツ車勢と比べかなりの割安感がある。新車保証5年10万㎞、 3年間定期点検とメンテが無料のレクサスケアといった付加価値に加え、この人気なら手放すときも相当な高値が予想されるから、結果として償却がたいへん安いクルマ、と言えるだろう。3年か5年後に手放したとき、それを実感できるに違いない。走りまくっても4.3リッターのクルマがリッター7㎞も走るのだから燃費的にも不満がないというべきだ。

細かいことを言うと、革シートに通風ファンがつけられたのはトヨタで初。ずっとこのサイトでも言い続けてきたが、シートのクーリング機構は、特に日本においては必需品。これは他の車種へも広がっていくはずだから、ひとまず快挙といってもいい。

ここがダメ

正直なところボディの佇まいに存在感があるかどうか確信が持てない。フロントはまだしも、特にリアビューは畏れ多さがないのだ。駐車場でも、わりに埋没してしまう。今は数が少ないからいいが、これから数が増えてきた場合、もう少しエグさのあるスタイルの方がいいのではないか。レッドマイカやプレミアムベージュといった個性的なカラーを選びたくなる。

インテリアはもう少しトヨタブランド車との明確な差別化、高級化が欲しい。室内は十分広いが、トランクはさほどでもない。またナビのディスプレイサイズももう少し大型にしてもらいたいところ。室内は静かゆえ、路面によるロードノイズの差異が気になる場面も。通常の舗装路面は静かなのだが、高速道路のすべり止め舗装路面はかなりうるさい。これは多分にランフラットタイヤが影響しているようだ。

G-Linkは、オーナーズデスクによる設定から手動で電話をかけるという操作が、なぜかうまくいかなかった。また、地図はHDDにあり、オンライン更新はできないようだ。せめて年2回ほどの更新はして欲しい。G-BOOKの初期にあって消え去ったようなメモリカード方式は、今こそ復活すべきではなかったか。電話はオペレーターが直接発信して欲しいところだ。情報の音声読み上げ中に道路案内が割り込むと、文章から読み上げ直すのだが、何度割り込まれても頭から繰り返し読むのには苦笑。次の情報へ手動で移動させなくてはならなかった。

いつものことではあるが、レーダークルーズコントロールの速度制限115㎞/hは、せめてあと15㎞/h高めて欲しい。ルーフのBMWルックアンテナも、ちょっと残念なところ。

総合評価

もはや走り云々ではない

レクサス販売店に人が群がっている。というか、中高年夫婦(ちょっとお金のある)の会話にレクサスの話題が登場しないことは考えられないほど、関心は高まっている。気にしていない(意図的に?)のは長年のメルセデスユーザーくらいだろう。それほど一気にレクサスは知名度を勝ち得た。「おもてなしの心」云々はどうでもいい。その話題性だけで、すでにトヨタは大成功を納めているといえるだろう。

さて、実際にでてきたレクサス車は正直なところ超高級というほどのものではない。内外装にもっと分かりやすい高級感を盛り込むことは、さほど難しいことではないのにもかかわらず、意外にあっさりトヨタクォリティに留めている。GSも標準では革シートですらない。もちろん、多くの人にとってこの高級感なら不満はないのだが、最高級と言うほどのことはないと思ってしまう。

ただし、走ってみると、レクサスのすごさが見えてくる。広報資料でチーフエンジニアは走りのダイナミズムの「達成ではなく、完結を目指した」としている。乗っているとスポーティさは確かにあるが、だからどうということはないのだ。様々なハイテクはどう猛なV8トルクを見事にいなし、常に必要なだけのスタビリティを各輪に与え続ける。その走りはあたかも釈迦の手の上の孫悟空のごとし。ハイテクの手の上で遊ばせていただいているドライバーは、楽しくて安全だ。もちろん釈迦の手の上であることには気づかない。100年以上作り続けられてきたクルマという乗り物の、一種完結した走りの世界がそこにある。もはや走りが云々ではない。

最たる例がG-Link

つまりGSにおいて評価すべきは、高級感やすごい走りではなく、そのハイテクをさりげなく全車が搭載していることだ。他のトヨタ車より車両価格が高いのは、トヨタの儲けももちろんあるが、ハイテク代金が大きな部分を占めている。レクサス=高級車=高くてもいい=ハイテク標準装備、という図式。これが普通のトヨタ車だと、高いハイテクはオプションだから誰も装着しない=量産効果が得られない=広く普及しない、となるが、レクサスなら「安全・安心」のハイテクはブランド価値として売れる。

その最たる例がG-Linkだろう。通信カーナビはパイオニアのエアナビを始め、軒並み撤退。サードパーティーが売ることは実質的にムリとなった。しかし、使ってみれば他のどんなカーナビより通信ナビは実用度が高い。レクサスはG-Linkが3年無料の標準装備。オプションの音声通話機能も装備すれば、携帯電話もつなぐ必要なく、しゃべったり、地図設定をしたりといったサービスをフルに活用できる。今回の試乗ではそれをたっぷり楽しんだ。これらがすべてオプションだったらまったく普及はしない(現在のG-BOOKがそう)。しかし、上層階級の金持ちの道楽(失礼だがそれが本来のブランド品という物だろう)であれば、どんどん作っても成り立つから、やがて廉価版が普及する。いずれは下々も使えるようになるだろう。

ジャパンオリジナルな資本主義

運転系・安全系の装備も同様で、GSに搭載されたハイテクの数々は金持ちが人柱となってやがて庶民へ普及していくだろう。これは世界中のどのメーカーもやれなかった方法論だ。なかなか買ってもらえないハイテクをレクサスというブランドの価値にすり替え、金持ちが否応なしに買うことで量産効果を出し、やがて下々の乗るトヨタ車にも浸透させていく。つまりレクサスブランドとは、トヨタ最大のアドバンテージであるハイテクを絵に書いた餅にしない、というトヨタの深慮遠謀だった、と気づく。

既存のセダンにはない新しい価値を求める人に乗ってもらいたい、というチーフエンジニアの声はまさにそういうことなのだろう。マジェスタはいいクルマと分かるのだが、既成観念がじゃまして乗れないという人も「レクサスなら乗ってもいい」という。トヨタ車コンプレックスというか、トヨタ車の伝統的イメージをなくすことで、世界最高のハイテクをトヨタ嫌いでも乗れるようにする、それがやがて庶民の幸せになる、という考えは、まさにジャパンオリジナルな資本主義といってもいい。そしてレクサスGSにもう一つのジャパンオリジナルである「ハイブリッド」が載った時、この考え方は頂点に達する。

試乗車スペック
レクサス GS430
(4.3リッター・6AT・630万円)

●形式:DBA-UZS190-BETQK●全長4830mm×全幅1820mm×全高1425mm●ホイールベース: 2850mm●車重(車検証記載値):1750kg (F:940+R:810)●乗車定員:5名 ●エンジン型式:3UZ-FE●4292cc・V型8気筒DOHC・4バルブ・縦置●280ps(206kW)/5600rpm、43.8kg-m (430Nm)/3400rpm●使用燃料/容量:プレミアムガソリン/71L●10・15モード燃費:9.1km/L●駆動方式:後輪駆動●タイヤ: 245/40ZR18(DUNLOP SP SPORT 5000M DSST) ●試乗車価格:814万2750円(オプション:アクティブ・スタビライザー・サスペンション・システム 31万5000円、245/40ZR18ランフラットタイヤ&18×8JJアルミホイール<スペアタイヤレス> 2万1000円、プリクラッシュ・セーフティシステム 23万1000円、レーンキーピングアシスト 44万1000円、後席サイドエアバッグ 2万1000円、G-Security <セキュリティカメラ付き> 5万2500円、ムーンルーフ 9万4500円、クリアランスソナー(ステアリング感応式) 5万2500円、本革シート&トリム<ベンチレーション機能・ヒーター付> 27万3000円、マークレビンソン・プレミアム・サウンド・システム 34万1250円)●試乗距離:約780km

公式サイト http://lexus.jp/models/gs/index.html

 
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