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レクサス IS350 “バージョン S”新車試乗記(第385回)

Lexus IS350 “version S”

(3.5リッター・6AT・495万円)


2005年10月01日

 
 
 

キャラクター&開発コンセプト

流鏑馬(やぶさめ)の名馬

2005年8月30日の日本開業と共にショールームを飾ったGSとSC。それに続く第3のレクサスが9月28日に正式発売されたIS350/250だ。ISとは「インテリジェント・スポーツ」の意。中でもIS350は、3.5リッターの排気量から318ps、38.7kg -mのハイパワーを誇る新開発「D-4S」エンジンを採用。コンパクトなボディと緻密な車両制御によって、レクサスのコンセプト「絶え間ない予見 (Seamless Anticipation)」、あるいはチーフエンジニア言うところの、人の意志を的確に読み取る「流鏑馬(やぶさめ)の名馬」「賢いクルマ」を目指したという。

月間目標台数は1800台で、GS(同1100台)の1.6倍。日本では当面このISがレクサスのボトムレンジとなる。生産はトヨタ自動車の田原工場(愛知県田原市)とトヨタ自動車九州の宮田工場(福岡県鞍手郡宮田町)。

価格帯&グレード展開

350なら480万円~、250なら390万円~

大きく分けてIS350(480万~525万円)とIS250(390万~470万円 ※AWD含む)。IS250の 2.5リッターV6「4GR-FSE」は従来トヨタ車でおなじみだが、変速機は6ATに格上げ。IS350(318ps)とIS250(215ps)との「差額」は90万円と103psだ。

350/250のいずれも3グレード、すなわち「標準」、レザーシート等の豪華仕様「バージョンL」、18インチタイヤと専用サスペンションの「バージョンS」で構成される。GSに比べてインテリジェント系の装備は少ないが、G-Link(ヘルプネット、G- Security対応)やVDIM (※IS350のみ)は標準装備。オプションでミリ波レーダーによるクルーズコントロール+プリクラッシュ・セーフティ・システム(セットで27万 3000円)、マークレビンソンのオーディオシステム(28万3500円)を用意する。

パッケージング&スタイル

ホイールベースが120mm短い

ボディサイズ(カッコ内はマークX比)は、全長4575mm(-155)×全幅1795mm(+20)×全高1435mm(±0)。BMW・3シリーズ(E90型)とほぼ同サイズ。全長はアルテッツァの+175mmだが、ゼロクラウンの-265mm、レクサスGSの-255mm、そしてマークXの- 155mmと、かなり短い。ゼロクラウン系やGSのホイールベースは全て2850mmで同じだが、ISは2730mm(-120)と短く、これがそのまま全長の短さにつながっている。

レクサスのデザイン哲学「L-finesse」に沿ったデザインは奇をてらわず、洗練された面とエッジで構成されたオリジナリティの高いものだ。特に、いかり肩のスクエアなリア部分が新しくてカッコいい。フェンダーやドアパネルに触れると、曲面が工芸品のように微妙にうねっていることが分かる。

タイトなインテリア

GSよりぐっとタイトな運転席だが、デイズ社内の体重100kg以上、あるいは身長180cm以上のスタッフからも「狭い」という感想は一切なく、むしろスポーティなタイト感が好評だった。GSとは室内デザインもかなり異なり、大型2眼メーターや樹脂のちょっとした質感がストイックな雰囲気を漂わせる。

「バージョンS」の試乗車のシートはヌバック調ファブリック張り。ベンチレーション機能はないが、蒸れは少なく、コーナーでも体が滑りくい。上半身のホールド性は薄いが、座面がピタッと太もも全体を支えるところがスポーツシート風。アクセルペダルはゼロクラウン系やGS がオルガン式なのに対して、ISは吊下げ式を採用。

パドルシフトを装備

IS350にはステアリング左右にパドルシフトが付く。右が+(アップ)、左が-(ダウン)の一般的なもので、ステアリングに連動して回るタイプだ。操作感はまずまずだが、ステアリングを大きく切った時のマニュアル操作は(パドルも一緒に回ってしまうので)やりにくいこともある。

足元が狭い後席

実用セダンとして一番の弱点が後席の狭さだろう。シートの作り、座り心地は問題ないが、いかんせん足のつま先が前席下にほとんど入らない。足指のところで止まってしまい、足首まで突っ込めないのだ(前席の座面の高さにもよる)。ヘッドルームは身長165cm程度でもコブシ一つ分。圧迫感はないが、余裕もない。並行して現行VWゴルフGTI(DSG)を試乗していたが、後席は明らかにゴルフVの方が広かった。ただし、走行中の乗り心地、特に静粛性はISの方が圧倒的に優れる。

アルファ156並み?の荷室

荷室容量はマークX(437リッター)よりさらに狭い378リッター。これは偶然にもアルファ156のトランク容量と全く同値だ。一方、現行3シリーズは460リッターとこの2割増し、旧3シリーズ(E46)でも440リッターを確保している。GSのアクティブ・スタビライザー装着車の場合、DC/DCコンバーター収納スペースを確保するためランフラット仕様があったが、ISは全車テンパーサイズのスペアタイヤを荷室床下に収納する。

基本性能&ドライブフィール

パワーウエイトレシオは5kg/ps

試乗したのはIS350のバージョンS。エンジンは新開発の3.5リッターV6「2GR-FSE」。エンジン回転やアクセル開度などによって、筒内直接噴射(いわゆる直噴、トヨタで言うD-4)と一般的なポート噴射を使い分ける燃料供給システム「D-4S」の採用が新しい。基本的には、全開加速時は直噴 100%で高出力を追求。低負荷時はポート噴射で補って、燃費や排ガスのクリーン化を狙うものだ。

318ps、38.7kg-mのハイパワーで引っ張る車重は、試乗車の場合で1630kg。やや重めだが、オプション無しの1600kgで計算するとパワーウエイトレシオは5.03kg/ps、トルクウエイトレシオは41.3kg/kg-mと、いずれも日産のフェアレディZ並み。しかも6ATでギアのつながりもいい。ドンとアクセルを踏んでも荒々しさがないのは、TRCの制御が緻密なせいだろう。パワーを絞っているのは間違いないが失速感はほぼ皆無、優れたトラクション性能で一気にスピードを乗せて行く。ターボやV8のようなトルク感はないが、加速性能は素晴らしいの一言。厳密なヨーイドンではともかく、実際的には2リッターターボ4WDに引けを取らないダッシュ力、トラクション性能を感じた。

参考までに、同クラスのトヨタ/レクサス車のパワーウエイトレシオ数値を、速い順に挙げておく。もちろん、これら7kg/ps台以下の数字はいずれも「必要十二分」以上の性能だが、いかに新型3.5リッター搭載車が突出して速いかが分かる。

レクサス IS350 5.03kg/ps=1600kg/318ps
レクサス GS350 5.21kg/ps=1640kg/315ps
トヨタマークX(300Gプレミアム ※) 5.98kg/ps=1530kg/256ps
レクサス GS430(※) 6.25kg/ps=1750kg/280ps
トヨタクラウン3.0
ロイヤルサルーンG(※) 6.37kg/ps=1630kg/256ps
レクサス IS250 7.30kg/ps=1570kg/215ps

※オプション装着時

快適性はISでも十分

実際に街中を流して最初に気付くのは、V6特有のドゥルルルというサウンドが大きめなこと。クラウン系の3.0と比べても透過音が大きく、意図的な演出が感じ取れる。快音とは言えないがノイズ・振動は丁寧に取り除かれており、長時間でも疲れない。車外騒音などの遮音性能は GSに比べると明らかにワンランク低い。「サーー」というロードノイズもはっきり聞き取れる。しかし、世の中一般の基準からすれば、総じて静粛性はまったく問題ないと言える。

試乗車が専用サスと18インチタイヤのバージョンSだったこともあり、乗り心地はやや固め。しかし、クルマの性能、性格を考えれば乗り心地は拍子抜けするほどいい。端的に言って、同クラスのドイツ車や欧州向け日本車の、今時のスポーツサスペンションの方がはるかにハードだ。後席も短時間ながら試したが、不快な突き上げや振動、タイヤのバタバタ感を感じることは一切なく、乗り心地に限って言えばまったく不満がなかった。ホイールリムがキャッツアイなどに接触しやすい点やリプレイス用のタイヤ価格が気にならなければ、バージョンSを選んで後悔する点はないだろう。

ドイツ勢とは路線が違う

ハンドリングは一般道(ドライ)で試せる範囲では限界に到達しそうになく、いつもの低中速ワインディングではテストにならない。加速力がすさまじい上にVDIMの制御がきわめて緻密なので、ドライバー側で自制するまでは、どこまでも加速し、どんな速度でも曲がってしまいそうだ。欧州流、特にBMW、アウディのようなステアリングのダイレクト感、タイヤをアスファルトにこすり付けて行くような感覚はなく、そういう方向の面白さはない。

かなり極端な状況だが、気になったのは路面が荒れた(うねった)ところへフルブレーキングで入って行った時のノーズダイブ、リアの接地性といったところ。姿勢が崩れることはないが、もう少し落ち着きが欲しい。加速状態のリアのスタビリティは完璧なので、その点が少し目立った。

真骨頂はハイスピード域

IS350の真骨頂はやはり3速、4速をフルに使い切るハイスピード域だ。ゼロクラウン、マジェスタ、マークX、 GS430と、この点については散々書いてきたので繰り返さないが、IS350では特にパワーの湧き出てくる迫力が一枚どころか二枚はうわてで、まったく異次元の高速走行、高速コーナリングが可能だ。それだけにコーナー侵入時の減速具合には気を使うし、気軽に全開で行けないという点では自制心が問われ、緊張感もある。また、4速を使い切ったところで、例のリミッターが水を差すのは言うまでもない。とりあえず、デイズにあるポルシェ911(3世代前の 964)が相手なら恐くない圧倒的性能だ。

今回は一般道をメインに360kmを走行したが、平均燃費は6km/L台(満タン法および車載燃費計による)を余裕でキープした。10・15モード燃費も10.0km/Lと優秀だ。

ここがイイ

ものすごくスムーズでパワフルな新型3.5リッターV6は世界に誇れるエンジンだ。トルク感があまりないのに、どの回転でもフラットにトルクがあり、一種モーター的でもある。このエンジンを中心とする走りの世界は、まさに圧倒的。欧州車のような、力でねじ伏せるものではなく、力を入れず滑らかに切りこんでいくコーナリング感覚は、切れ味鋭い日本刀(実際に使ったことはないが)のイメージ。ジャパンオリジナルな走りの世界を提示したといえるだろう。こうした旋回性能の高さは「ゼロ戦」をイメージさせる。

ホイールハウスの隙間のなさ、タイヤがフェンダーぎりぎりまで張り出した、いわゆるツライチ感で、国産車らしからぬカッコ良さがある。スタイリング全体もあまり派手でないが、じっくり見るとじんわりとカッコ良さがしみ出てくる。独自性の強い造形は素晴らしい。

使いやすい多機能な通信ナビG-Link(間もなくITSデイズに通信カーナビ3種の比較テストの記事がアップされるので参照いただきたい)、素晴らしい音質の標準HDDオーディオ(外部入力端子付)、革シートのベンチレーション機能、花粉除去モードの付いたオートエアコン、標準装備のETC、左右分割で開けられる荷室床下収納(落とし込んで少し荷室高を稼げる機能付き)、ダイヤルで解放位置が決められるサンルーフといった装備の数々も魅力的だ。

メータの間にあるディスプレイに現在のギアポジションを表示できるのだが、これがなかなか便利。ヨコイチに1・2・3・ 4・5・6とギア段数が表示される仕組みで、現在のギアが点灯している。マニュアルモード時には設定したギアまではドット(点)が表示され、そこまでは自動でシフトアップしていく。このドットを消しておくとエンジンは任意のギアでレブまで回り、それ以降は手動変速となるわけだ。その際、タコメータのリングが回転に合わせてイエロー(回転数値の任意設定可)、さらにレッドで点灯する。

ここがダメ

後席の足のつま先は工夫して何とか入るようにしたい。身長180㎝クラスの人が運転席に座ってベストポジションをとると後部席はほぼ使い物にはならない。頭上スペースもいっぱいいっぱい。セダンとしてはギリギリのサイズだ。

シフトダウン時のブリッピングはやはり欲しい。多少の燃費より優先すべき演出だと思う。またシフトレバーをマニュアルモードに入れないと、パドルが有効にならないのも残念。ポルシェのティプトロニックSでは、マニュアルボタンを操作すればDモードでも暫定的にマニュアル操作を受け付け、しばらく放っておくとATモードに自動復帰する。こういった点は真似てほしい。また、パドルに関しては好き嫌いがあると思うが、ポルシェのような親指操作のボタン式の方が、例えば旋回時には使いやすい。

ISに限った話ではなく、G-BOOK、G-Link、あるいは世の中のコンピューター全体に言えることだが、テキストの自動読み上げ音声がまだまだ人工的なこと。通信機能を使って天気予報やスポーツの試合結果、NHKのニュースなどがいつでも聞けるわけだが、発声に抑揚や微妙な間(ま)が無いので、人によっては違和感が強く、頭に入りにくいだろう。漢字の読みを間違ったりすると、ますます何だかわからない。通信ナビに関してはそれだけで膨大なレポートが必要になるので、ぜひITSデイズを読んでいただきたい。

総合評価

立ち上がりから1ヶ月のレクサス受注状況は好調だという。日経新聞によれば、そのうち2割の受注が東京、もう2割が愛知県で、残りの6割が全国各地という。デイズのある愛知県は、人口比でいけば最もレクサス比率が高いということになる。トヨタ自動車のお膝元だから当然ともいえるが、愛知の人はレクサスをトヨタとして買っているようにも思う。地元の新聞がレクサスはトヨタと連呼していることもあって、新ブランドというよりはトヨタの新型車と捉えているわけだ。全国的にもしばらくはそうやって売れるはずで、レクサスというブランドが独立するまでには、まだまだいくつかのハードルがあると思う。

そんな愛知県にあるデイズはトヨタ車びいきと思われている節があるが、ポルシェの雑誌も発行しているくらいで、クルマは好きだが、特にトヨタが好きというわけではない。ただ、様々なクルマを乗り比べていくと、トヨタ車のトータルの出来の良さは否定できない。こうした認識はクルマに関わる業界の人間全てが意識的にせよ、無意識にせよ持っていると思う。

そんなトヨタが先鞭を切るITSなどのハイテクが、これから我々の愛するクルマという乗り物が生きのびていくためにはどうしても必要な要件である、と信じているデイズとしては、レクサスの持つ様々なハイテクを基本的に支持し、そのハイテクを高級車というベールで包んで目立たなくし、さらにはハイテク部分の価格を分かりにくくして沢山売ってしまおうというトヨタの戦略をはっきりと支持したい。特に、G-BOOK(レクサスではG-Link)という通信カーナビは、カローラから軽自動車に至るまで、今後は必ず装備されていくべきだ。位置情報を発信できる通信ユニットを内蔵して初めて機能する緊急通報やセキュリティーは防犯的な意味合いでも、もはや必需品だ。そこにはむろん、プライバシー問題の解決が重要課題だが。

そのG-BOOKは高価なこともあって、なかなかトヨタ車では普及しない。他のメーカーでも採用を決めていたはずだが、いまだ搭載されたという話を聞かない(ダイハツはトヨタの子会社だから別)。まずレクサスに標準搭載されることで量産化、低価格化、さらには進化が進み、やがて多くのクルマに搭載されることになるはず。それをデイズは期待している。

ISではG-Linkはもちろん、走行系のハイテクVDIMが最大の注目だろう。国産最高クラスの出力を的確に路面へ伝え、挙動を乱さず、しかも楽しく走らせてくれる、まさに世界最高峰の制御技術であり、安全走行装置だ。10数年前、同じトヨタのスープラ(280馬力)で大スピンしたことがあるが、その時代とは隔世の感がある。自分のウデをさておいて、ではあるが、こんな危険なクルマを売っていいのか、と当時は思ったものだ。その分、おもしろいクルマだったと言う反論もあると思うが、そういう人がISに乗ったら別の次元のおもしろさに虜(とりこ)になると思う。300馬力を優に超えるパワーを持ちながらトルクを確実に路面へ伝え、回頭性は素晴らしく、どこまでも破綻せず速いというISの走りは、たとえポルシェ好きが乗っても唸らずにはいられない。ショートサーキットで同じドラテクの人が乗れば、タイム的にはポルシェにも勝てると思う。それでいてISはスポーツカーではなく乗り心地も悪くないセダンだ。あまり室内が広くないという欠点はあるが、快適性は不満なく、200㎞/hを超えるようなアウトバーンならまだしも、少なくとも日本の高速道路で走れる速度では、まったく不足のない安定した高速巡航性能をもっている。

さらに「あざとい」といえるほどの走りの楽しさへの演出。その軽快な挙動、介入をまったく感じさせない電子制御デバイスの性格、「トルコンでもいいか」と思わせるスムーズで変速ラグのないパドル付AT、素晴らしく軽く回るV6とフラットなトルク性能、玩具っぽくもあるが楽しめるタコメーター中央のリミッター表示リング、加えて素晴らしい標準装備オーディオの音。標準装備のG-Link‥‥。これらをトータルで考えると極めて高い評価を与えるしかないクルマだ。走りは確かにハイテクという、お釈迦様の手のひらで踊っているにすぎないのだが、それこそ今後のクルマの走りに関して、一つの了見を示したと思うのだ。

トヨタ嫌いと言う人が特にクルマ好きには多いようだ。80年代までのトヨタ車は確かにあまり誉められたものではなかった。現在のトヨタ嫌いはその頃のイメージをそのまま引きずっているように思う。ホンダ好きが過去のホンダイメージにとらわれているように。また、トヨタヒエラルキーと言われる車両系譜にも抵抗はあるだろう。レクサスはそうしたトヨタの呪縛からトヨタ車を自由にする方便だ。ゼロクラウンは素晴らしいクルマだと思うが、正直に言えば買うには抵抗がある。愛車はクラウンと言った瞬間にひかれることが想像できるからだ。マークXもいいが、長年マークIIを乗り継いできた代替ユーザーと同列には見られたくはない。つまりレクサスはトヨタのハイテクカーを買うための便利なブランドだ。トヨタが高級車ブランドを気取っても、という気持ちも分からなくはないが、クルマ好きとしては最新トヨタ車を抵抗なく買えるようになったと歓迎すべきではないか。もちろん、トヨタという企業に惹かれないと言うのであれば、話は別だが。

日産までもが国際企業になってしまった現在、日本オリジナルを誇示できる自動車メーカーの筆頭はトヨタだろう。輸入車は確かに素晴らしい。ISのライバルとなるBMWの3シリーズは旧来から伝統的に続く「クルマ」としてはとても楽しいし、一つの頂点にあると思う。ISの場合は伝統のない分、何物にもとらわれず「新しいクルマ」の姿を提示できた。デイズはナショナリスト集団ではまったくないが、日本のクルマが世界の頂点に立つことは素直にうれしいと思う。このISにハイブリッドが載ったとき、さらに新しい日本の走りの世界が提示されることに大きな期待を抱く。

最後にITとクルマがテーマのデイズとしては、レクサス販売店の付け焼き刃的な「おもてなし」は鼻持ちならない感も強いし、これだけ壊れないクルマの時代なのだから、いっそ通販で売るくらいの革新性もレクサスには求めたい。試乗希望メールを打つとレクサスキャリアカーが試乗車を自宅前に持ってきてくれ、試乗して気に入ったらメールで交渉して契約し、納車される、そうした販売方法に対応してこそ、ハイテクのレクサスだと思う。もちろんそんなことを前面に打ち出したら、ブランド失敗は目に見えているからやりはしないだろうが、レクサスが日本でブランドを確立した暁には、そういった展開も期待したい。トヨタは嫌だがレクサスなら欲しいと言う人の中には、ディーラーへ行くことすら疎う人がけして少なくないと思うからだ。

試乗車スペック
レクサス IS350 “バージョン S”
(3.5リッター・6AT・495万円)

●形式:DBA-GSE21-AETLH(S)●全長4575mm×全幅1795mm×全高1435mm●ホイールベース:2730mm●車重(車検証記載値):1630kg (F:850+R:780)●乗車定員:5名 ●エンジン型式:2GR-FSE●3456cc・V型6気筒DOHC・4バルブ・筒内直接+ポート燃料噴射・縦置●318ps(234kW) /6400rpm、38.7kg-m (380Nm)/4800rpm●使用燃料/容量:プレミアムガソリン/65L●10・15モード燃費:10.0km/L●駆動方式:後輪駆動●タイヤ:前225/40R18、後255/40R18(DUNLOP SP SPORT MAXX) ●試乗車価格:535万9500円(含むオプション:プリクラッシュ・セーフティ・システム<ミリ波レーダー方式> 27万3000円、ムーンルーフ(チルト&スライド方式) 9万4500円、クリアランスソナー 4万2000円)●試乗距離:約360km

>公式サイト http://lexus.jp/models/is/

 
 
 
 
 

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