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スバル ルクラ カスタム R リミテッド新車試乗記(第598回)

Subaru Lucra Custom R Limited

(0.66リッター直3・CVT・142万円)

スバル ルクラに乗って
タント エグゼに
ビックラした!

2010年06月11日

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キャラクター&開発コンセプト

「タントエグゼ」のスバル版


試乗したルクラ カスタム R リミテッド

2010年4月20日に発売されたスバルの「ルクラ」は、ダイハツからOEM供給を受けて販売する軽自動車のトールワゴン。要はタントのヒンジドア版である「タントエグゼ」(2009年12月24日発売)のスバルブランド版だ。ちなみにタントエグゼはダイハツによると、子育て層をターゲットにしたタントに対して、大人の男女をターゲットにした「大人のタント」とのこと。

とはいえ、スバルにとってはまったくの新型車であり、まずは世間に広く知らしめるべく、「広くてビックラ!ルクラ!」をキャッチフレーズに広告を展開。広い室内にビックラしてアゴの抜けた動物の表情で、ルクラの“オドロキの広さ”を訴える。ちなみに動物キャラクターの名前は、ルクライオン、ルクジラ、ルクラゲ、ルクラッコ、ルクラクダ。

 
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ダイハツ タント エグゼ
(photo:ダイハツ)

その車名LUCRA(ルクラ)は、「Large」「Utility」「Comfort」「Relax」「Active」の頭文字を組み合わせた造語とのこと。目標販売台数はタント エグゼの4000台に対して月間2000台。OEM供給車としてはかなり多い方だ。

・■過去の新車試乗記>ダイハツ タントカスタム X Limited(2008年3月)

ステラと商用サンバーはしばらく生産・販売を継続

2008年4月に発表されたように、今後スバルは軽自動車の新規開発を行わず、順次スバルブランドで販売する軽自動車をダイハツからのOEM車に切り替える予定だ。その第一弾が2009年9月に発売された新型ディアスワゴン(ダイハツ・アトレーのOEM車)であり、続く第二弾、第三弾が2010年4月に発売された新型プレオ(ダイハツ・ミラのOEM車)、そして今回のルクラとなる。

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販売が継続されているスバル ステラ
(photo:富士重工業)

逆に、生産・販売を終えたのは、R1、R2、旧プレオ、サンバーディアスワゴンの4車種。一方で、ステラと商用のサンバーバン/トラックの生産は、従来のスバル製が継続されている。生産終了の時期はまだ未定のようだが、少なくとも人気の根強い商用サンバーは意外と延命されるかもしれない。昨年9月のマイナーチェンジでは、サンバーバンの「トランスポーター」と「ディアス」にスーパーチャージャー仕様が追加されるなど、こっそり?商品力が強化されている。

 
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スバル サンバー バン ディアス スーパーチャージャー
(photo:富士重工業)

■現行のスバル軽自動車ラインナップ(2010年6月時点)
・プレオ (ダイハツ・ミラのOEM車)
・ルクラ (ダイハツ・タントエグゼのOEM車)
・ステラ (スバル製)
・ディアスワゴン (ダイハツ・アトレーのOEM車)
・サンバーバン/トラック (スバル製)

■参考リンク(富士重工業プレスリリース)
・新型ルクラを発売(2010年4月)
・新型プレオを発売(2010年4月)
・スバル サンバーシリーズを改良(2009年9月)
・スバル ディアスワゴンを発売(2009年9月)
・トヨタ・ダイハツ・富士重、開発・生産における新たな協力関係に合意(2008年4月)

価格帯&グレード展開

114万5750円~169万1000円。ほぼタント エグゼと同じ


スバル ルクラ。ボディカラーは計5色で、写真はパールホワイトIII
(photo:富士重工業)

内外装の意匠がファミリー向けの「ルクラ」と精悍なタイプの「ルクラ カスタム」の2種類を用意。カスタムの最上級グレードである「RS」のみ直3ターボエンジン(変速機はCVTのみ)で、他はすべて自然吸気。2WD(FF)はすべてCVTとなり、自然吸気モデルのAWD車は4ATとなる。

価格は114万5750円(2WD・CVT)~169万1000円(ターボ・AWD・CVT)。ちなみにタントエグゼも113万円~169万1000円とほぼ同じで、グレード展開もほぼ同じだ。

■ルクラ
・F        121万8250円(AWD・4AT)
・L Special    114万5750円(2WD・CVT)
・L        122万5750円(2WD・CVT)/133万1000円(AWD・4AT)
・L Limited    128万円(2WD・CVT)

 

カスタムには大径フォグランプ内蔵バンパー、メッキグリル等を装備。ボディカラーはカスタムも5色で、写真はプラムブラウンクリスタル・マイカ
(photo:富士重工業)

■ルクラ カスタム
・R        136万5750円(2WD・CVT)/147万1000円(AWD・4AT)
・R Limited    142万円(2WD・CVT)  ★今週の試乗車
・RS(ターボ車)  157万円(2WD・CVT)/169万1000円(AWD・CVT)

パッケージング&スタイル

タントエグゼと異なるのはバッジだけ


ボディサイズは全長3395mm×全幅1475mm×全高1730mm、ホイールベースは2490mm。試乗車のボディカラーはアーバンナイトブルークリスタル・メタリック

内外装は基本的にタントエグゼと同じで、違うのはまさにバッジだけ。ライト類やホイールキャップ、アルミホイール等も同一パーツだ。とはいえ、スバルのバッジが付くだけで「新型ステラ?」風に見えなくもないが、ステラ(2006年6月発売)もまだ併売されているので、現在は同じスバルディーラーでスバル対ダイハツのガチンコ比較試乗が出来る、というシビアな状況にある。

インテリア&ラゲッジスペース

タントよりもムーヴに近い眺め


カスタムの内装はブラック基調。普通のルクラではダッシュボードの下半分、シート地、ドアトリムがベージュ色になる

運転席に座ってみても、ステアリングのセンターに六連星(むつらぼし)があるだけで、スバル車に思えてしまうから人間とは単純なもの。ターボ車の「RS」だとセンターパッドに「MOMO」と書かれた革巻きステアリングになってしまうが、せっかくなのだから六連星を選びたいところ。

 

タントエグゼがベースだから、内装はタントに近いと思いきや、比べてみると全然違う。例えば、タントでは細く天井まで伸びるAピラーが2本、そして同じく縦に細長い三角窓がボディ前半の天井を支えているが、タントエグゼ=ルクラでは小さな三角窓を持った太いAピラーになっている。

またタントのフロントウインドウがかなり切り立っているのに対して、タントエグゼ=ルクラのそれは多少寝たタイプだ。要するに車名自体はタントの派生車種みたいなタントエグゼ(=ルクラ)だが、アッパーボディ自体はタントとムーヴの中間のような印象だ。

 

ルクラの上級グレードとカスタム全車に標準装備のオーバーヘッドコンソール

なお、ルクラの上級グレードとルクラ カスタム全車には、イルミ付オーバーヘッドコンソールのほか、キーレスアクセス&スタート機構も採用されている。トヨタやスバル上級車(レガシィなど)は解錠するときにタッチセンサーを使うが、これは解錠・施錠共にドアのリクエストスイッチを押すタイプ。一昔前の「先進」装備が、こうして徐々に「普通」になってきた。また安全装備としては、前席デュアルエアバッグ、プリテンショナー&ロードリミッター付フロント3点式シートベルト、リア3点式シートベルトがルクラ全車に標準装備される。

 

さらに細かい話をすると、ルクラ カスタムには、自発光式メーターと共に、平均燃費、瞬間燃費、航続可能距離、外気温などが分かるマルチインフォメーションディスプレイが付いてくる。普通のルクラだと瞬間燃費計しか表示しないので、エコランを楽しみたい人は、カスタムの方が良い。

シートは座り心地もホールド感も良好

運転席にはチルトステアリングのほか、シートリフターやシートベルトのショルダーアジャスター(助手席も)を全車標準になる。テレスコはないが、特に必要は感じない。

シートの座り心地はまずまず。ミラココアあたりでもすでにシートは軽自動車ばなれしていたが、「エグゼクティブ・スペース」をうたい文句にするタントエグゼ=ルクラのシートは、もはや普通車のリッタカーをしのぐほどクッションが分厚く、座り心地もホールド性もいい。ダイハツのプレスリリースには「ソファのような座り心地の4席グラマラスコンフォートシート」とあるが、納得できる言葉だ。

リアシートも秀逸。室内はもちろん超広々

前席

より、もっとイイのがリアシート。前後255mmのロングスライド機構付で、状況に合わせて足下の空間、もしくは前席との距離を調整できるほか、左右別々にリクライニング機能も付く。そしてクッションが分厚く、たっぷりしたサイズの座面が膝の裏までしっかり支えてくれる。

ドアは言うまでもなく、ダイハツお得意の90度まで開くタイプ。乗降性やチャイルドシートの脱着がしやすく、何より試乗記では定番である右のような写真も撮りやすい。

 

もちろん、前席のヘッドレストを外せば、フルフラット化も割と簡単。室内長2070mm、室内幅1340mm、室内高1385mm(床から天井まで)という室内は、文句なしに広々したもの。タントがデビューした頃は、「無駄にだだっ広い」という感もなきにしもあらずだったが、今や「軽なんて……」と思っている人に「軽でもいいか」と思わせる、説得力のあるパッケージングになっている。

荷室は最小限だが……

「大人」のためのキャビンスペースを優先しているので、荷室は最小限。背もたれを倒しても、クッションの厚みがあるため床はフラットにはならないが、そもそも食料品や日曜雑貨の買い物程度なら、広大な後席の足下に置く方が便利だ。

それでも、背もたれを倒せば座面が沈み込むなど、やれることは全部やってある。またリアゲートの開口高は975mm、荷室高は1メートル以上、室内高は1385mmあるので、背が高い物の積載は得意と言える。

 

床下にはちょっとした収納スペースと車載工具があり、その下にテンパースペアタイヤが搭載される。

基本性能&ドライブフィール

普通の(Bピラーレス&スライドドアの)タントより好印象

試乗したのは、カスタムの中間グレードである「R リミテッド」。自然吸気エンジン「KF-VE型」搭載車の最上級グレードで、ターボじゃなくても車両価格は142万円とビックラするほど高い。

なお、メカニズム的にはタントエグゼとまったく一緒であり、試乗車のグレードは「タントエグゼ カスタムG」(同じく142万円)に相当する。なお、モーターデイズはエグゼに未試乗だったので、今回はタントエグゼ試乗記も兼ねて?いる。

そんなわけで、片側Bピラーレス&スライドドアの「タント」のイメージを引きずったまま乗ると、ビックラ!という程ではないが、期待以上なのが軽快な走り。「これならターボじゃなくてもいいな」と思えるレベルで、ノンターボだと非力感のあったタントとはずいぶん違う。

 

片側Bピラーレス&スライドドアではなく、普通の4枚ヒンジドアにした結果、車重はタントより約60kg軽量化(試乗車は890kg)。おかげでエンジンを高回転まで回さなくても走るから、ダイハツの3軸式CVT特有の「ヒュゥゥン」というモーターのようなノイズも、そうは気にならなくなった(相変わらず聞こえるが)。またダイハツのリリースによれば、エグゼではエンジンからの透過音を吸収するカウルサイレンサーを追加したり、遮音材の採用拡大や最適配置も行ったとあるから、それも効いているのかもしれない。

ルクラの良さはタントエグゼの良さ

とはいえ、そういった低・中回転域の力強さに対して、アクセル全開時の加速感は今ひとつ。Sモードすれば6000回転釘付け状態になるが、スピードそのものはジリジリとしか上がっていかない。100km/h巡航は3200~3400回転でこなし、走行車線で淡々と走るだけなら十分に快適だが、やはり追い越し加速は苦手とする。

なお、ダイハツのCVT車、最近ではトヨタiQやパッソもそうだが、赤信号等でゆっくり減速してゆくと、速度がかなり落ちるまでCVTをつなげたままにし、最後の最後でトルコンにバトンタッチする制御が割とはっきり体感できる。これはエンブレを出来る限り長く効かせて、その間に燃料噴射をカットしたいからだが、慣れるまでは多少の違和感があるかも。とはいえ、これも低燃費のためのツメに火を灯すような工夫の一つだ。

重心はかなり低くなったようで、操縦安定性は明らかにタントよりいい。タントにつきまとう「妙に背が高い感じ」がなく、ムーブあたりと大差ない感覚で運転できる。おかげで足まわりを硬めなくて済むから、乗り心地もいい。試乗したのが155/65R14タイヤを履くカスタムだったこともあり、その気になればワインディングでも普通のミニバンにツツかれない程度のペースで走れる。「やっぱりスバルは一味違うなあ」と思いたいところだが、ルクラの良さはタントエグゼの良さでもある。

試乗燃費は14.9km/L

最後に燃費だが、自然吸気エンジン車の10・15モード燃費は21.5km/L。そして参考までに試乗燃費は一般道と高速をまじえたいつもの区間が14.9km/L、一般道を無駄な加速を控えて走った区間が約17km/Lだった。実燃費は10・15モードでもある程度予測できるように、パッソやヴィッツあたりと大差ないと考えていいだろう。ただし空気抵抗が大きく、エンジン回転が上がってしまう高速走行よりも、信号の少ない一般道の方が燃費は伸びそう。使用燃料はもちろんレギュラーで、タンク容量はダイハツ車らしく36リッターとたっぷり入る。

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