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ルノー メガーヌ カブリオレ新車試乗記(第102回)

Renault Megane Cabriolet

 

1999年12月10日

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キャラクター&開発コンセプト

メガーヌの魅力的なバリエーション、カブリオレ

1995年11月にデビューしたメガーヌは、激戦の欧州M1セグメントに投入されたルノーの主力モデル。ベストセラーカーであったルノー19の後継モデルであり、バランスのいい仕上がりで欧州では好調だ。楕円をモチーフとしたユニークなエクステリア、インテリアが特徴だが、日本では販売拠点の少なさもあって苦戦中。ルノー全体の販売台数が今年1月~10月の10ヶ月で2545台にすぎないから、現行ではかなりのカルトカーといっても差し支えないだろう。

そんなメガーヌのオープンモデルであるカブリオレは、本国ではハッチバックデビュー後ほどなく追加されていたが、日本へは未導入のままだった。今回2000年モデルが投入されるにあたって、今まであった3ドアクーペがラインナップから消え、代わりにカブリオレが追加された格好だ。オープン時に後部座席をカバーして2シーターロードスターにみせる「ロードボックス」も用意されており、スポーツシートも標準装備となる。

エンジンやミッションはハッチバックと同じ1.6リッターDOHC16バルブ+学習機能付4ATで、ハッチバックにある5MTは用意されていない。つまり、あくまで「スポーティ」なイメージの「ファンモデル」ということになる。

なお2000年モデルのメガーヌは2リッターSOHCから1.6リッターDOHCへと全車エンジンが一新された(セニックを除く)。115ps/16.8kgmから110ps/15.4kgmへの変更となるが、実質的な差はないとされている。メガーヌのラインナップを整理すると、5ドアハッチバックのRXT(4AT)、同RXi(5MT)、カブリオレ(4AT)の3タイプで、外観の特徴はフェーズ2とよばれる新しいフロントグリル。鼻先までボンネットが覆い、二つのウイング型のダクトが開くこの顔は、何処となく欧州日産の顔にも似ている。とはいえ先代よりはアクが弱まっており、販売的にはプラスとなりそうだ。

価格帯&グレード展開

オープン4シーターとしてはなかなか魅力的な価格

価格は315万円。RXTが235万円なので80万円のアップとなる。ハッチバックにサンルーフをつけると10万円かかるから、オープンで比較するとその差は70万円?! まあ妥当な値付けといえそう。オープン4シーターは他にVWゴルフカブリオレ(340万円)、プジョー306カブリオレ(369万円)、フィアット・プントカブリオ(248万円)などがあるが、同クラスの価格としてはこれまたリーズナブルな線を押さえている。いや、電動ということを考えるとかなり割安にも見えてくる。

アロイホイール、ランバーサポート&高さ調整機能付のシート、オンボードコンピュータ、リモコンロック、サイドエアバッグといったあたりが標準装備となるので、オプションで追加すべきものもひとまずは見当たらない。

パッケージング&スタイル

屋根がなくなったら、美しさが光り始めた

曲線と楕円で描かれたボディが特徴のメガーヌだが、屋根がなくなったカブリオレでは楕円の印象がずいぶん薄れ、誰もが素直に美しいオープンカーといえるかたちに収まっている。クーペで感じた腰高感もなく、幌をかぶせると、これがまたなかなかスタイリッシュにきまるのだ。

もともとオープンにうってつけのボディ形状だったが、実際の加工はドイツのカルマン社の手になる。カルマン社と言えばワーゲンで有名であり、その堅牢な幌の作りには定評のあるところだが、事実、しっかりした内張りもあり、ワーゲンで見なれたあの頑丈さが一目見るだけでも伝わってくる。ただし、リアウインドウは透明のビニールのため、視界の面では不満が残る。

幌の開閉は電動で、まずリアシート後方のカバーが垂直に開き、その後に幌が収まるとまたカバーが閉まる仕掛け。畳んだ幌は露出せず、大変スマートだ。しかも盛り上がっていない。幌の先端をフロントスクリーン上部から外したり、取付けたりするアクションも、幌前部中央の取っ手を90度ねじるだけという簡単さ。2ヵ所の留め金がひとつの取っ手で操作できるのは、大変便利だ。オープンには23秒ほど必要だが、操作が簡単なので、信号待ちで気軽に開閉できるのがいい。

ボディサイズは全長4080mm×全幅1720mm×全高1360mm、ホイールベース2580mmと手ごろな大きさ。重量は1180kgで、ベースになった2リッターのクーペより40kgの増加。これくらいの重さならさほど気にならないはず。メガーヌのプラットフォームそのものは88年デビューのルノー19のもので、フロントサスはマクファーソンストラットとコイルバネ、リアはトレーディングアームとトーションバースプリングの組み合わせで、フロントがディスク、リアがドラムブレーキとなる。むろんABSは装備されている。なおアルミホイールは5スポークのものとなり、先代よりずっと一般的で良くなったと思う。

photo_3.jpg楕円モチーフのインテリアに特に変更はなく、ホワイトメーターが装備され、オーディオも専用の物が用意される。使い勝手に特に不満はないが、カーナビをセットする場所はなく、カップホルダーも依然として存在しない。幌のオープンスイッチもシフトレバーの前方という低い位置にあってやや使いにくい。質感もこのクラスの現在のレベルとしてはやや低いとしか言いようがない。しかしさすがにフランス車、シートばかりはたいへんいい。お尻の座りがよく、リラックスできるのはフランス車ならでは。ハイトリフターもあるので小柄な人でもポジションがきめやすい。スポーツシートのためホールド感もあり、これは文句なし。

基本性能&ドライブフィール

乗り心地はやっぱりフランス車で、マル

まず1.6リッターになったエンジンの影響だが、これはほとんど気にしなくていいと思う。110ps/15.4kgmとトルクがやや細くなっているが、もともとそう大トルクではなく、やや非力なエンジンを回して走るタイプなので、アクセルを踏みこめばいいだけだ。逆に高回転まで快適に回るようになった印象があり、よりスポーティな感じになっている。

もちろん速くはない。といってトロいほどでもなく、エンジンの回転を楽しみながら目いっぱい引っ張ればいい。すこし気になったのはATの学習能力。これはルーテシアでも感じたが、時々、意図しないギアでがんばる時があるのだ。今回はいつもの試乗ほど長時間乗っていないので、まだ学習しきれていなかったのかもしれないが。

乗り心地はフランス車らしい。運転者にはフラット感がすごくあるのだが、結構サスはドタバタしているというもの。この乗り心地が気にいれば、こんないいものはないのだが、ドイツ車的なリアルな操舵感を求めると、かなり「違う」という気持ちになる。ハンドリングも粘っこいもので、レールの上をステアリングでこじながら曲がっていく感じがお分かりいただけるだろうか。良くも悪くもフランス車の味があり、嗜好品的側面が残っているのがうれしい。ボディ剛性はひどく低くは感じられなかった。

オープン時、運転席での風の巻き込みは100km/hくらいまでなら差ほど気にならなかった。ただウインドスクリーンはかなり目前に迫っており、頭上の開放感はいまいち。背の高いラテン系の人々なら、シートをいっぱいに下げるとかなり開放感があるとは思うが。幌を閉めればハッチバックと同じ静かさ、と言いたいところだが、それほどでもない。それなりに外部の音が進入してくるし、100km/h程度でも風切り音がかなりある。やはりオープンにして、60km/hあたりでフラット感と爽快感を感じながら流すのが一番。目の吊り上がったルックスをしているが、ドライバーまでが目を吊り上げて走るのはふさわしくないタイプのクルマだ。

ここがイイ

電動オープントップはやっぱりいい。スイッチひとつで、ホイホイとオープン、クルーズドを繰り返せるので、オープンカーを買った歓びを満喫できる。トヨタMR-Sなど手動のものは、いくら簡単でもどうしても気合が必要になってしまって、閉じたままになりがちだ。

またオープンにしたら曲線基調のデザインが見事に生きて、ほんとうに美しくオシャレなクルマになった。メガーヌのハッチバックを積極的に買う意義はなかなか見つけにくいが、カブリオレなら「カッコイイ」だけで買ってもいいと思う。

ここがダメ

インパネなど内装はどうにも古さが隠せないところ。右ハンドル化したため、ハザードがウインカー下にあって押しづらいし、リアパワーウインドウスイッチはフロントシートの左後ろにあり、開閉がとても面倒。せっかく幌がワンタッチで開くのだから、スイッチを1箇所にまとめるなど、窓がもっと開閉しやすくして欲しいところ。またカブリオレだけなぜかステアリングが革ではないのもちょっと悲しかった。

総合評価

photo_2.jpgスタイリングの美しさ、電動トップの出来の良さ、フランス車らしい乗り心地、お手ごろな価格など、メガーヌシリーズの中では最も商品力の強いクルマだろう。インポーターは女性向けではないというが、やはり美しい女性にこそ最も似合うはず。そこで、あまりクルマに詳しくない女性が国産車感覚で買っても大丈夫なディーラー網の充実が望まれるところだ。現在は独立系のディーラーとヤナセの関連会社フランスモーターズが販売しているが、2000年には輸入元(インポーター)がフランスモーターズからルノージャポンへ移ることが決まっており、日産ディーラーにも売らせたいというルノーの思惑が見え隠れしている。どうなるかはわからないが、ルノーがああなった以上、今後ルノー車の日本での販売に力が入ることは間違いないだろう。しかし、ルノーが売れるようになるためには相当なてこ入れが必要だ。そんな体力がルノーと日産にあるのだろうか。

なおこれまでがんばってきたフランスモーターズは、引き続きむこう3年くらいは販売を続けるので、ルノーを買ってヤナセの客になりたいなら今のうちだ。

 

公式サイトhttp://www.renault.jp/

 
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