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ダイハツ ミラ ココア プラスG新車試乗記(第574回)

Daihatsu Mira Cocoa plus G

(0.66L 直3・CVT・130万円)

ラテより甘い?
ホッとするクルマ、
ココアに試乗!

2009年10月09日

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キャラクター&開発コンセプト

ミラベースの女性向けモデル

2009年8月17日に発売された「ミラ ココア」は、7代目ミラ(2006年12月発売)ベースの、女性をターゲットにした派生モデル。「あたたかモダン」がテーマのなごみ系デザインや、国内初のバックモニター内蔵ルームミラー(最上級グレードのみ)など、女性のハートを捉える工夫が盛り込まれている。

プラットフォームやパワートレインは基本的に現行ミラ譲りで、他の現行ダイハツ軽でもおなじみのもの。なお先代ミラがベースの「ミラ ジーノ」と先代ムーヴがベースの「ムーヴ ラテ」はすでに販売終了しており、キャラクター的にはそれらの後継モデルとも言える。

販売目標台数は月間3000台だが、発売後1ヵ月の受注は3倍の約9000台という。女心をくすぐるウエンツ瑛士のCM効果もあるか。

■参考
・新車試乗記>ダイハツ ミラ カスタム X (2007年2月)

価格帯&グレード展開

105万円~だが、売れ筋は118万円~のCVT車


ボディカラーは全9色。試乗車はチタニウムグレーメタリック

エンジンはミラ同様に自然吸気の3気筒のみで、ターボ車はなし。上級グレードの「G」と「X」はCVT(無段変速機)だが、4ATもベースグレードの「L」に残されている。今のところ、販売はエコカー減税対象車のCVT・FF車に集中しているようだ。この場合、新車購入補助金は5万円、13年以上経過した車両の廃車を伴う場合は12.5万円となる。

なお上級の「プラス」は、ルーフレールや14インチタイヤ(下位グレードは13インチ)が備わるほか、シート地が消臭機能付のスエード調になるのが大きな違い。

【ミラ ココア】
 0.66リッター直3(58ps/6.6kgm)
 10・15モード燃費:18.6~23.5km/L
■ココア L   (4AT)     105万円(FF)/118万7000円(4WD)
■ココア X   (CVT)     118万円(FF)/131万7000円(4WD)
■ココア プラス L  (4AT)  112万円(FF)/125万7000円(4WD)
■ココア プラス X  (CVT)  125万円(FF)/138万7000円(4WD)
■ココア プラス G  (CVT)  130万円(FF)/143万2000円(4WD) ★今週の試乗車

パッケージング&スタイル

サイズはミラとほぼ同じ。デザインはライバルを追撃?

全長3395mm×全幅1475mm×全高1530mmというサイズは、ミラと一緒。試乗した「プラス」の場合は、ルーフレールの分だけ30mm高くなるほか、14インチタイヤや専用ホイールキャップも“プラス”される。

一方、デザインテイストは最近販売を終えたムーヴ ラテ風、もしくはスズキのアルトラパン路線となっている。ラテほどフェミニンではなく、ラパンほど個性は強くない。やや上すぼまりなシルエットがダイハツらしいところか。

質感、触感、座り心地は好印象


試乗車はオーディオレス仕様(写真のナビはダミー)で、標準仕様はCDプレーヤー付

インテリアに関しても、フラットなダッシュパネルなど、ラパンの影響を感じずにはいられない。メーターアッセンブリーやインパネシフト周辺などはミラをベースとしている。

昨今のダイハツらしく質感はすこぶる高く、シートの座り心地もなかなかイイ。「プラス」用のスエード調生地の手触りも繊細だ。男性にとっては背もたれの高さと厚みが少々物足りないところだが、平均的な体格の女性なら何の不満もないだろう。試乗車の場合、軽らしからぬ本革巻ステアリングの手触りが気持ちよく、軽であることを忘れさせる。

 

ドライビングポジションに関しては、シートリフターとチルトステアリング、さらにシートベルトの高さ調整式ショルダーアンカーが全車標準となるが、テレスコピック機能はないため、ステアリングはやや遠く感じられる。これも、小柄な女性がペダルに合わせてシートを前に出す場合には、問題ないのかもしれない。

 

収納スペースはあちこちにあり、ドリンクホルダーも前席だけで、足もとに2個、ダッシュボード両端に1個ずつの計4個あるが、どれもサイズや容量が小さめで、入る物は少々限られそうだ。

バックモニター内蔵ルームミラーを採用

最上級グレードには国内初という「バックモニター内蔵ルームミラー(自動防眩機能付)」が備わる。自動防眩機能だけでも軽らしからぬ装備だが、これはルームミラー鏡面の左端にバックカメラの液晶カラー映像を映し出すというもの。普段は普通のルームミラーだが、シフトレバーをバックに入れた瞬間、液晶モニターが突如現れる。

さすがにモニターが小さいため、小さな障害物は見落としそうだが、真後ろとの距離感を図るだけなら十分役に立つ。ガレージでギリギリまでバックする時には便利だった。

座り心地のいいリアシート

たっぷりした座面とコシのあるウレタンのリアシートは、腰を落とした瞬間、腿からお尻までを「しっとりと」受け止めてくれる。一方で、背もたれが薄めなのは軽らしい割り切りでもあり、残念な部分でもあるが、それを除けば十分に寛げる後席だ。なおドアはダイハツの掟に従い、前後とも90度まで開く。

荷室まわりはごくシンプル

リアシートの収納は、背もたれを前に倒すだけのシングルフォールディング。ムーヴやミラの一部グレードのように凝ったリアシート機構を持たないため、倒した時の段差は大きいが、ここはリアシートの座り心地とのトレードオフだろう。床下には、ごく普通にテンパースペアタイヤが収まる。

ちなみに「プラス」にはシート生地と同じ素材で作ったファブリックトノカバーが装備され(今ひとつメリットは感じられなかったが)、後席の背もたれが左右分割式になる(非プラスは一体式)。

基本性能&ドライブフィール

ノンターボ+CVTの定番ユニット。印象も従来通り

試乗したのはエコカー減税対象となるCVTのFF車。エンジンはダイハツ車で定番のノンターボ直列3気筒「KF-VE」型(58ps、6.6kgm)で、CVTも従来車でおなじみのものだ。このあたりはベースのミラと変わりない。

そんなわけで、走らせた時の印象もミラとほとんど同じ。思えばこのノンターボエンジンとCVTの組み合わせに試乗するのは、2年半前の新型ミラ、1年半前の新型タント、1年前のムーヴコンテに続いて、すでに4回目。動力関係の印象は、はっきり言ってだいたい一緒だ。手短に説明すれば、ノンターボにしてはトルキーで、3気筒特有の振動も小さく、「ヒュ-ン」という風が吹くようなCVTのベルトノイズは相変わらず、といったところ。パワーに関してもリッタカー並みとはいかないが、法定速度に則って走るだけなら、まあ十分とも言える。

実際、一般道で交通の流れに乗るだけなら、2000回転前後を常にキープし、高回転まで回ることは少ない。試しに3000回転をキープしてみると、そのままジワジワ加速して90km/hに達する。100km/h巡航は限りなく負荷の少ない状態で、3300~3400回転といったところだ。ただしこれは丁寧なアクセル操作を心がけた時の場合で、後述のように運転スタイルによっては印象が変わってくる。

低めの全高で、安定性もまずまず

ボディの剛性感は従来のダイハツ車同様に高く、重心はタントやムーヴあたりより低いため、当然コーナリング時の安定感は高い。足まわりはかなり柔らかく、低速での乗り心地はとてもいい。トレッドの狭い軽自動車にありがちな横揺れも、ほとんど気にならなかった。ただし一般道での法定速度を超える領域になってくると少々頼りなく、地に足が付かない感じが出てくる。このあたりは女性向けならではのセッティングだ。

今回は160kmほどを試乗。CVTのFF車の場合、10・15モード燃費は23.5km/Lだが、満タンからの試乗ではなく、しかも瞬間燃費計はあっても平均燃費計はないため、試乗燃費は取れなかった。ただし以前にも指摘したように、ダイハツの場合、燃料タンクが軽自動車にしては大きめの36リッター(FF車)であるのは、隠れた長所だ。

ここがイイ

レトロなデザイン、気持ちいい内装、低速での乗り心地など

エクステリアデザインは素晴らしいと思う。サイドまで回り込んだボンネットのラインなどは旧フィアット500風で、全体にレトロな雰囲気は昭和30年代のマンガに出てくるクルマみたい。面構成が平面でなく、「ぷっくり」膨らんでいるので、暖かみがある。ミニのコピーっぽかったミラ ジーノや、トールワゴンを無理に媚びた感じにしたムーヴ ラテよりオリジナリティがあるので、女の子向けにしておくのはちょっともったいないくらい。ちなみにオプションカタログには4タイプの内外装ドレスアップ仕様が提案されており、なかなか楽しい。

 

シートは座り心地と肌触りが抜群で、同じ素材のアームレストに触れても気持ちいい。低速域での乗り心地も誉めるべきで、実にゆったりした気分で走れる。試乗車にはシートリフターもあるし、後席も広いし、シティカーとしては不満のないパッケージングだし、ボディの剛性感も高い。

ここがダメ

CVTのノイズ、平均燃費計の不備

相変わらずCVTのベルトノイズは大きめ。燃費のためかDモードではエンジン回転がすぐ低くなり、加速時にアクセルを踏むと回転が跳ね上がってエンジンが唸るなど、雑なアクセル操作では、いささか唐突感がある。エアコンを切ると力が湧いてくるので、この場合は唸りもそう気にならないのだが・・・・・・。またSモードではそうした感覚は少ないが、燃費には悪そう。つまりはアクセルワークをていねいに行うことが必要だ。

また燃費にこだわっている割には平均燃費計がない。瞬間燃費計やエコインジケーターなど要らないので、ぜひ代わりに付けるべきだろう。

売りもののバックモニター内蔵ルームミラー(最上級グレードのみだが)は、いかにも画面が小さいため、後ろを確認せずにこれだけを見てバックすると事故を誘発しそう。何しろもろにバックミラーの中にあるのだから確認用というより、これを頼りにしてしまいそうだ。

総合評価

軽における走りと燃費のバランス

軽自動車もさらなる好燃費を目指すことが必要な時勢となってきた。でもさすがにもう限界が来ているのではないか、とココアに乗りながら思った。というのも、軽快に走ることより燃費を重視するようになったことで、思いのまま走るというクルマ本来の姿からはだんだん離れつつあるように思うのだ。小さな排気量で普通車並みの走りを実現してきた現在の軽自動車。ターボなどを使いながら、走りはこれなら十分というところまできたのだが、燃費を向上させようとすると、この走りとのバランスが崩れてしまう危惧がある。

気持ちのいい走りと好燃費を両立させるためには、こうなるともう排気量のアップしかないだろう。もうちょっと排気量があれば、走りをキープしながら燃費を今より良くできるはず。さらなる環境性能(燃費)のためには、そろそろ軽規格の改定しかないと思う。日本で大量に売れている軽が、低燃費化して環境性能を高めるのであれば、異論は少ないのではないか。同時にそうしてできた新規格の軽自動車は、世界市場でも売れるスーパー小型車にもなると思うのだが・・・・・・。しかしそうなると、軽が特に優遇されている現在の制度との矛盾がさらに強まってしまう。

軽自動車の生き方

そして世の中はいよいよEVである。メルセデス・ベンツ日本のハンス・テンペル社長は、2012年にスマートのEVを日本で売ると明言したが、この頃になるとEVはいよいよ増えているだろう。となれば軽自動車の排気量アップもEV化とのバランスで再考する必要がありそうだ。短距離しか走らないことの多い軽自動車なら、EVでもさほど問題がなさそうだし、現在の軽規格のままでもEVならトルクが大きいため、走りに不満は出ないだろう。実際、プロトタイプのi-MiEVに乗ってみた限り、大トルクゆえ動力性能的にはガソリン軽を凌駕していると思えた。規格を変えてスーパー小型車を目指すより、軽のガソリン車は今くらいのレベルにとどめて、EV化を目指すという方が現実的かも。軽自動車の生き方としては、そちらの方が正しいのかもしれない。

いずれにしてもライバルのラパンと合わせて、見ていて「楽しいクルマ」たちだ。女性向けということで切り捨ててしまうのではなく、今の国産車にはこういう楽しいクルマがもっともっと必要だと思う。ちなみにいずれスバルからも出るように思うのだが、その場合は「ビストロ」、いや「R2」となるかも!?

試乗車スペック
ダイハツ ミラ ココア プラスG
(0.66リッター直3・CVT・130万円)

●初年度登録:2009年8月●形式:DBA-L675S ●全長3395mm×全幅1475mm×全高1560mm ●ホイールベース:2490mm ●最小回転半径:4.5m ●車重(車検証記載値):810kg( 510+300 ) ●乗車定員:4名 ●エンジン型式:KF-VE ● 658cc・直列3気筒・DOHC・4バルブ・横置 ●ボア×ストローク:63.0×70.4mm ●圧縮比:10.8 ● 58ps(43kW)/ 7200rpm、6.6kgm (65Nm)/ 4000rpm ●カム駆動:タイミングチェーン ●使用燃料/容量:レギュラーガソリン/36L ●10・15モード燃費:23.5km/L ●JC08モード燃費:-km/L ●駆動方式:前輪駆動(FF) ●サスペンション形式:前 マクファーソンストラット/後 トーションビーム ●タイヤ:155/65R14( Falken Sincera SN-816 ) ●試乗車価格:129万3805円( 含むオプション:オーディオレス -2万1000円、フロアカーペット 1万4805円 )●試乗距離:160km ●試乗日:2009年10月 ●車両協力:名古屋ダイハツ株式会社

 
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