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ダイハツ ミラアヴィ X新車試乗記(第264回)

Daihatsu Mira Avy X

(0.66リッター・104万円)

2003年04月12日

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キャラクター&開発コンセプト

主役は譲ったものの

1980年のデビュー以来、450万台以上が生産されたというミラ。最近ではトールタイプのムーヴに主役を奪われた感はあるが、正統派?軽自動車として、今もダイハツの基幹車種であることに変わりはない。 そのムーヴのフルチェンジに遅れること2ヶ月。2002年12月20日に6代目となる新型ミラが発売された。先行デビューのムーブと同じ、新型プラットフォームを採用する。

ミラとミラアヴィ

新ミラは「お洒落で活動的なミセス」向けミラと「知的でアクティブな若い女性」向け「ミラアヴィ」の、2タイプで広い年齢層の女性にアピール。CFで言うところの「ミ、ラ、ミ、ラ、ソレミラ~♪」のミラと、「ジュテ~ム、ジュテ~ム♪」のミラアヴィ。どっちがミスでミセスだかよく分からんが。ちなみにアヴィとは「Attractive & Vivid Mini」の意らしい。

クルマ自体の特長は、ムーヴで証明済みの優秀なパッケージング、内外装の質感、高剛性ボディ、洗練されたデザイン、低燃費等の環境性能、そして高いコストパフォーマンス。

ダイハツ絶好調

販売目標は8,000台/月。発売した翌月(2003年1月)は約1万2000台、2月は約1万5000台で、目標を大きく上回る。これは目標1万3000台のムーヴ並みで、そのムーブも1月:約1万3000台、2月:1万7000台と好調だ。ついでに言えば、少量生産のコペンでさえ目標の倍の1000台以上/月を売り抜いている。ひょっとすると、ワゴンRなどのモデルチェンジにまだ間があるスズキを追い抜く可能性も、なきにしもあらず。

価格帯&グレード展開

若い女性の方がお金持ち?

ミラ(69.9~105.2万円)とミラアヴィ(94~132万円)の外観の差は、後者に大型ヘッドランプやグリル、リアに横長のハイマウントストップランプが付く点。「ミセス」向けのミラより、「若い女性」向けミラアヴィの方が価格が高いのは、リアリティあり過ぎ? 法人向けに4ナンバーのバン(55.5~75.8万円)も用意。

ミラには3ドアもあるが、ミラアヴィは5ドアのみ。全車NAのミラに対して、ミラアヴィには3気筒ターボ(64馬力)がある。トランスミッションは5速MTと4速AT。ミラにあるCVTはない。

4グレードで、ほぼ10万円刻み

ミラアヴィのグレードは、ターボの「RS」(2WD・4ATで120万円)、「R」(同110万円)、NAの「X」(同104万円)、「L」(同94万円)。「RS」と「X」は豪華なMOMO製ウッドステアリングやMDプレーヤー、オートエアコン付。また、「L」を除く全車に、14もしくは15インチアルミやEBD付きABSが付く。

パッケージング&スタイル

100mmアップでムーヴに接近

ホイールベースは、トヨタ・ヴィッツ(2370mm)を越える2390mm。先代ミラより100mm大幅アップの全高はムーヴより80mm低い。広さはリッターカーに遜色ないと言っていいだろう。ただし、ムーヴとの差が少なくなったことで、ミラの存在意義はちょっと見えにくくなった。

ちょっと古めから、ちょっと新しめに

デザインも変わった。先代は和製ローバー・ミニを目指したと思しきコンサバ路線だったが、新型はウェッジ・シェイプでぐっとシャープに。洗練度は高いが、新型ミラ・ジーノは造りにくそう(旧ジーノは継続販売)。何となく、軽自動車版トヨタ・オーパという感じだ。

木目調パネルと2DINスペースに異議あり

内装クオリティも高い。上級グレードに付くMOMOのステアリングは見た目と手触りが良く、ちょっと欲しくなる。しかし、センターコンソールの木目調パネルは安易な印象。ムーヴではコンソール最上段にある1DINスペースを、吹き出し口と入れ替えて下段にし、2DINとしているが、視認性から言って上の方がいい。後付のナビディスプレイは普通のミラの方がつけやすそうだ。

荷物より人間が大事

前席シートは座り心地が良く、不満はない。10年ほど前の一般的な軽自動車のシートを思うと、隔世の感あり。1万円のオプションで付くハイトアジャスターとステアリングチルトは、あると便利だ。調節幅が大きく、操作もしやすい。

後席の広さは驚異的。シート・サイズやクッションの厚み、足元スペースなど、妥協を感じさせない。実は、座面は固定式(ムーヴとちがってスライドしない)。シートバックも倒れるだけで荷室はツライチにはならない。しかし、ファンクション優先で乗員軽視のシートより、はるかにイイ。静的な居心地は、一部リッターカーを上回ると思う。

基本性能&ドライブフィール

元には戻れない

試乗したのはミラアヴィ「X」の2WD、4AT(104万円)。この新型シャシーの完成度は、ムーヴですでに体験済み。重心が低いミラの走りは、予想通り文句の付けようがない。ムーヴで少し気になった腰高感はなく、トレッドの狭さも気にならない。乗り心地もいい。

山道で速度を上げると、その凄さがよく分かる。今までの軽自動車(スポーツタイプを除く)だと、徹底的なアンダーで安定性を確保したが、ミラは最後までハンドルが効く上、タックインもほとんど出ない。お買い物にしか使わなくても、この安心感に慣れたら元には戻れないと思う。155/65R14という立派なタイヤもちゃんと履きこなしていた。パワステは自然吸気エンジンの場合は油圧で、違和感はまったくない。

エンジンは特段の進歩なし

シャシーの進歩に比べて、エンジンに美点はない。試乗車は自然吸気だったが、パワー不足というより、ノイジーでトルク感がない。「3気筒のままでいいから800~1000ccくらいのエンジンが載るとイイのに」と思うが、要するにそれはミラの輸出仕様である「クオーレ」のこと。軽の特典がある以上、それは無い物ねだりだろう。

もしくは、同じ出力のモーターが載れば、ノイズやトルク不足などの問題が一挙に解決する(モーターはレシプロエンジンに比べて圧倒的に振動が小さく、ごく低回転で最大トルクを発生する)。電気自動車(もしくは燃料電池車)の普及はまだ先のことだが、そうなれば軽自動車の持つ快適性は劇的にアップするはずだ。その頃まで、軽自動車制度があるかどうかは分からないが。

ここがイイ

ムーヴに続いて、軽としては究極感のある出来の良さ。いわゆる小型車並のシャシー、居住性など、新規格第2世代軽自動車として、「ガタイ」の方は究極の進化を遂げている。もう軽の規格内では、このあたりがデッドエンドでしょう。

ここがダメ

ここまで「ガタイ」が良くなると、どうにもエンジンのプアさが目立ってくる。シャシーの進化にエンジンがついてきていない、という感じがしてしまうのだ。一般的な軽自動車の使われ方においては何ら不満はないとは思うが、シャシーの高性能に比較すると、エンジンの限界が露呈してしまう。

総合評価

たいへん素晴らしい軽自動車だ、と評価するしかない完成度だ。アヴィの方は内装もリッチで、これで100万円ジャスト(値引き込み)というのは、割安感がある。いわゆるセミトールのため、室内の広さも問題ないし。

ただ、セダン系の軽自動車が消えてしまったことに、一抹の悲しさというか、不満が無くもない。車高がムーヴより80mm低いというより、旧ミラより100mm高いということが問題だ。ムーヴとミラの差はパッと見の印象ではほとんど感じられない。ムーヴがミニバンルックで究極の広さを確保したというなら、ミラはセダンルックでそれを実現して欲しかった。今回の路線だと、ミラとムーヴの差別化はたいへん難しい。旧ミラジーノを残した、というあたりにも、ダイハツ自身、若干の引け目? を感じているのではないかと思ったりもする。

要は、全高が高い軽ばかりということにちょっと抵抗があるのだ。思えば初代ミラ(昭和55年デビュー)は台形の踏ん張り感がカッコ良かった。ミラジーノもミニのコピーという部分はさしおき、スタイリング的には横が広く、安定感があるのが良かった。こうした軽にも存在意義と市場はあるのではないか、と思う。スズキはラパンでそれを実現した。軽のトップを争うダイハツには、背の低い軽も期待したいのだ。

マックスもネイキッドも背が高いし、ダイハツの軽は皆、背が高いクルマになってしまった。こうなると中途半端に背の高いミラを選ぶなら、いっそムーヴの方が潔いと思ったりしてしまうのだが。

試乗車スペック
・ダイハツ ミラ アヴィ X(FF・4AT・104万円)

●形式:UA-L250S●全長3395mm×全幅1475mm×全高1530mm●ホイールベース:2390mm●車重(車検証記載値):770kg(F:490+R:280)●エンジン型式:EF-VE●659cc・DOHC・4バルブ・直列4気筒・横置●58ps(43kW)/7600rpm、6.5kgm(64Nm)/4000rpm●10・15モード燃費:20.5km/L●使用燃料:レギュラー●タイヤ:155/65R14(ブリヂストン B391)●価格:104万円(試乗車:108万3400円 ※オプション:シートリフター&チルトステアリング 1万円、フォグランプ 3万3400万円) ●車両協力:名古屋ダイハツ株式会社

公式サイトhttp://www.daihatsu.co.jp/mira/

 
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