Published by DAYS since 1997 from Nagoya,Japan. 名古屋から全国に発信する新車試乗記や不定期コラム、クルマ情報サイト

ホーム > 新車試乗記 > ホンダ オデッセイ ハイブリッド

ホンダ オデッセイ ハイブリッド新車試乗記(第793回)

Honda Odyssey Hybrid

(2.0L直4 ハイブリッド・356万円~)

青空の下のホンダ オデッセイハイブリッド走りよし、パッケージングよし、
装備よし、燃費よし。
待望のハイブリッドは
ベスト オデッセイだった!

2016年08月05日

  • このエントリーをはてなブックマークに追加 
  • mixiチェック
 
 
 

キャラクター&開発コンセプト

アコードと同じ「スポーツ ハイブリッド i-MMD」を搭載

ショールームに展示されたホンダ オデッセイハイブリッド

5代目オデッセイが2016年2月5日にマイナーチェンジし、待望のハイブリッドモデルが追加設定された。

1994年にホンダ初のミニバンとして登場した初代オデッセイは、アコード譲りのFFプラットフォームで3列シートや広い室内空間を実現。2013年11月に発売されたこの5代目は、プラットフォームをステップワゴンベースとし、リアドアを伝統のヒンジ式から両側スライド式に変更したが、スタイリッシュな上級ミニバンという立ち位置は変わっていない。

 
側面から見た駆動用リチウムイオン電池の配置図
駆動用リチウムイオン電池は前席下に搭載

今回登場したハイブリッドモデルのパワートレインは、アコード(2013年6月発売)の「スポーツ ハイブリッド i-MMD(Intelligent Multi‐Mode Drive、以下i-MMD)」を進化させたもの。アコードは今年5月にモデルチェンジ(いわゆるビッグマイナーチェンジ)しており、現時点ではどちらにも新世代のi-MMDが搭載されている。

 
ドライブモードの分類図
60km/h以下では「EVドライブモード」か「ハイブリッドドライブモード」、つまり電気モーターのみで走行する。「エンジンドライブモード」は60km/h以上の巡行時のみ

i-MMDは、主に発電用の2L 直4 アトキンソンサイクル エンジン(高速クルージング時にはクラッチで直結されて駆動も行う)、走行用モーターと発電用モーター(2モーター)、大容量リチウムイオン電池などで構成されるホンダ独自のハイブリッドシステム。分かりやすく言えば、いわゆるシリーズハイブリッドに、エンジン直結モードを加えたものだ。

i-MMD搭載車は今のところアコードとオデッセイのみで、ミニバンへの採用は今回が初。現行オデッセイは中国などアジアでも販売されているが、ハイブリッドは日本専用車になる。

ハイブリッド効果で急上昇

ショールームに展示されたホンダ オデッセイハイブリッド アブソルート
オデッセイ ハイブリッド アブソルート

月販目標台数は、2013年発売時には4000台だったが、今回からガソリン車とハイブリッド車を合わせて2000台に下方修正された。しかしマイチェン後の実績は以下のように好調。

【オデッセイ 月販目標:2000台】
  • 2016年2月:3410台(登録車で20位、前年比171%)
  • 3月:4757台(22位、160%)
  • 4月:2800台(20位、271%)
  • 5月:2480台(23位、334%)
  • 6月:3474台(20位、379%)
  • 7月:2923台(25位、216%)

■外部リンク
ホンダ公式サイト>新型セダン「アコード」を発売(2016年5月26日)
ホンダ公式サイト>「オデッセイ」を一部改良、新たにハイブリッドモデルを追加(2016年2月4日)
自販連>新車乗用車販売台数月別ランキング

■過去の参考記事
新車試乗記>トヨタ エスティマハイブリッド (2016年7月掲載)
新車ニュース>ホンダ、「オデッセイ ハイブリッド」を発売(2016年2月掲載)
新車試乗記>ホンダ オデッセイ アブソルート (2014年2月掲載)
新車試乗記>ホンダ アコード ハイブリッド (2013年7月掲載)

 

価格帯&グレード展開

ハイブリッドは356万円から

ホンダ オデッセイハイブリッドの外観
オデッセイ ハイブリッド

価格は、2.4L 直4エンジンとCVT(無段変速機)のガソリン車が276万円~、そのアブソルートが298万円~。新登場のハイブリッドが356万円~、売れ線のハイブリッド アブソルートが378万円~。

ほぼ全グレードで7人乗りと8人乗りを用意。安全運転支援システム「Honda SENSING」は、上位グレードに標準装備される。

 
ホンダ オデッセイハイブリッド アブソルートの外観
オデッセイ ハイブリッド アブソルート

なお、ガソリン車の改良は、運転席大型アームレストやプラズマクラスター搭載フルオートエアコンディショナーの採用、安全運転支援システム「Honda SENSING」の全グレード適用など小規模にとどまる。

 

パッケージング&スタイル

外観はガソリン車と大差ない

右前方から撮影したホンダ オデッセイハイブリッドの写真

マイナーチェンジと言えば、顔を中心にデザインを手直しするフェイスリフトが定番だが、今回の変更点は内装の装備充実が中心。また、ガソリン車と新しく加わったハイブリッドとの違いも、フロントグリルメッキ加飾の色合いとか(ハイブリッドはダーククロームメッキになる)、ライト類のレンズ色(ハイブリッドは薄いブルー)、「HYBRID」バッジの有無、アルミホイールの意匠などに留まる。

 
右後方から撮影したホンダ オデッセイハイブリッドの写真

ボディサイズもこれまで通り、全長4830mm、全幅1820mm(ガソリン標準車のみ1800mm)で、エスティマとほぼ同じ。ただし全高は1685~1715mmで、先代オデッセイより150mm高く、エスティマより45mm低い。

 
    全長(mm) 全幅(mm) 全高(mm) WB(mm) 最小回転
半径(m)
5代目ホンダ ステップワゴン(2015~) 4690~4735 1695 1840~1855 2890 5.4~5.7
4代目ホンダ オデッセイ(2008~2013) 4800 1800 1545~1565 2830 5.4
トヨタ エスティマ (2006~) 4820 1810 1730~1760 2950 5.7~5.9
5代目ホンダ オデッセイ(2013~) 4830 1800~1820 1685~1715 2900 5.4
ホンダ エリシオン プレステージ(2007~2013) 4920 1845 1790~1810 2900 5.7~5.8
トヨタ アルファード / ヴェルファイア (2015~) 4915~4935 1850 1880~1950 3000 5.6~5.8
 

インテリア&ラゲッジスペース

リチウムイオン電池はどこ?

ホンダ オデッセイハイブリッドの前席内装の写真
アブソルートの内装は黒木目調パネルをあしらったブラック基調になる。

インテリアの見どころは、駆動用リチウムイオン電池の搭載場所。一見どこに搭載されているのか分からない。答えは前席の下で、よく見ると確かに床が盛り上がっている。なんでも、ハイブリッドのフロアパネルは、スペアタイヤを前席下に搭載するアジア向けオデッセイがベースだそうで、つまりもともとスペアタイヤ用スペースは駆動用電池を積むことも想定して設計されていたわけだ。その結果、室内や荷室は一見ガソリン車と変わらず、1列目ウォークスルーも可能になっている(「EX」グレードだとセンターコンソールがジャマになるが)。

 
ホンダ オデッセイハイブリッドのドアを開け側面から撮影した内装の写真
運転席・助手席の真下に駆動用リチウムイオン電池を搭載

なお、今回のマイナーチェンジでは一部グレードで運転席大型アームレストが採用されているが、それも含めてシートの座り心地はなかなか良い。また、背もたれに中折れ機能を備えた「2列目プレミアムクレードルシート」(7人乗り)の座り心地も秀逸。そして3列目の座り心地も見た目以上に良い。エリシオンほどの豪華さはないが、広さや機能面で不足はない。

 
ホンダ オデッセイハイブリッドのサードシートの写真
サードシートは基本骨格こそステップワゴン譲りだが、クッションは新設計
ホンダ オデッセイハイブリッドの2列目シートのスライドの様子
7人乗りの2列目はエスティマ同様に前後ロングスライド&横スライド付。サイドウインドウにサンシェードも装備
 
ホンダ オデッセイハイブリッドのサードシートを床下に格納する様子
サードシートは背もたれを倒して後ろに反転させると、床下にすっぽり格納される
サードシートが格納された状態で車両後方から撮影した後部座席の写真
サードシートを格納し、前席を前に寄せた状態。空間を贅沢に使う4シーターとして乗るのもあり
 

基本性能&ドライブフィール

60km/h以下ではシリーズハイブリッド車

ホンダ オデッセイハイブリッドのエンジンルームの写真

試乗したのは最上級グレードの「ハイブリッド アブソルート Honda SENSING EXパッケージ」(400万円)。

試乗インプレの前に、この「スポーツハイブリッド i-MMD」について説明しておくと、基本的にはアコード(2013年6月発売)用の改良版であり、ミニバンへの初搭載にあたってモーター、リチウムイオン電池、PCU(Power Control Unit)などが大幅に小型軽量化されている。アコードは5月にビッグマイチェンしているので、現時点ではどちらにも改良型i-MMDが搭載されている。

このi-MMDの特徴は、基本的には電気モーター(184ps、315Nm)で走るという点だ。そして2.0L 直4・DOHCアトキンソンサイクルエンジン(145ps、175Nm)は、もっぱら発電機として機能する。その点ではエンジンで発電してモーターで走るシリーズハイブリッド車(発電機付EV)と言える。

 
ホンダ オデッセイハイブリッドの走行用モーターの図
走行用モーターは高トルク・高出力化を図りつつ、改良前のアコードハイブリッド用に比べて約23%小型軽量化

話がややこしくなるのは、i-MMDの場合、60km/h以上の巡行では、エンジンと駆動軸が湿式多板クラッチで直結され、エンジンで駆動する時もある、という点。これは「エンジンドライブモード」と呼ばれる。変速装置はないため、ギアは1段(減速比は高速寄りの0.805×3.888=約3.13)。つまり同モード時には、速度に比例してエンジン回転数も上下する。当然、車速によっては効率が悪い場合もあるため、巡行時に必ず同モードになるわけではない。また当然、充電状態にも左右される。

ちなみに、当然モーター走行時もギアは一段のみで、後退はモーターを逆転させて行う。オデッセイ ハイブリッドには、一般的な意味での“変速機構”はない。

極めてスムーズ。違和感は皆無

ホンダ オデッセイハイブリッドのエンジンルームの透視図

そんなことは知らずとも、運転した印象は「とてもスムーズなハイブリッドカー」といったところ。60km/h以下の駆動は全てモーターで行われるので、「EVみたい」とも言える。

ただし、アクセルを深く踏み込むとエンジンが掛かり、踏み込み(というか必要な電力)に応じて回転数が上下するので、メカニズムをよく理解していないと、トヨタのハイブリッド車のように“エンジンでも加速する”と錯覚しやすい。それは違和感をなくしたいというホンダの狙いでもあるのだろう。

そんなわけで、繰り返すと、運転感覚は極めてスムーズで、ハイブリッド車にありがちな違和感は皆無。エンジン音も通常はとても静か。ごくたまに、充電を優先して回転数を高めるせいか、燃焼音のようなノイズが目立つことはあったが、すぐにその音は収まるので、目くじらを立てることはないだろう。

その気になれば速い

並木道に停車中のホンダ オデッセイハイブリッドの写真

「スポーツハイブリッド」と名乗る通り、この i-MMDは意外にスポーティで、速い。燃費のことを忘れてアクセルをためらいなく踏み込めば、フォーン!という乾いたホンダサウンドと共に、最高出力184ps、最大トルク315Nmの電気モーターパワーで淀みなく、気持ちよく加速していく。

車重は1810kg(8人乗り)~1900kg(7人乗り)と、純ガソリン車より80kgほど重いが、0-100km/h加速はそれより1秒以上速い9.4秒とのこと。高速域の加速も、爽快という言葉が似あう。

なお、システム最高出力は、アコードのマイチェン前が199ps、マイチェン後が215psと発表されているが、オデッセイ ハイブリッドは未発表(だと思う。数字が見当たらない)。ミニバンという性格上、システム出力は多少抑えているのかもしれないし、それを訴えるクルマでもないということか。

60km/h以上で巡行状態に入ると、エネルギーフローメーターの中央に歯車型アイコンが点灯し、エンジン直結モードになったことが分かる。逆に言えば、ディスプレイを見ないとエンジン直結モードになったかどうかは分からない。少なくともバッテリー残量がある場合、加速時には直結モードはすぐに解除される感じで、加速はあくまでモーターが主役という印象。

 
ホンダ オデッセイハイブリッドのサスペンションの図
サスペンションは基本的にガソリン車と同じだが、車重が増えたせいか、乗り心地は良好

なお、2年前に試乗したガソリン車では、乗り心地が少々硬く感じたが、ハイブリッドに関しては車重が増え、またボディ剛性も強化されたせいか、まったく気にならなかった。また、遮音材なども増量されており、静粛性もまずまず不満なく、エスティマハイブリッドより静かだった。

ハンドリングに関しては10mmダウンのアブソルートであっても、タイヤ(試乗車はヨコハマのエコタイヤ、ブルーアースの215/55R17)ということもあり、負荷をかけるとすぐにVSA(ヴィークル・スタビリティ・アシスト)が介入してくる感じだったが、水を差される感じはなく、それなりに楽しくドライブできた。総じてシャシーもバランスよく仕上がっている。

機能充実のHonda SENSING

ホンダ オデッセイハイブリッドに搭載されているHonda SENSINGの写真

上級グレード&売れ線のハイブリッド アブソルートに標準装備される「Honda SENSING」は、ミリ波レーダーと単眼カメラを使って前方を監視するもの。車種によって機能は若干異なるが、オデッセイ ハイブリッドの場合は、ステアリング振動によって車線逸脱を警告するだけでなく、車線中央をキープするためにステアリングアシストを行う「LKAS(車線維持支援システム)」や、車線から外れそうな場合にステアリング等を制御して逸脱を防ぐ「路外逸脱抑制機能」、そして路側帯にいる歩行者を検知して、衝突する可能性がある場合には警告やステアリング制御による回避操作を行う「歩行者事故低減ステアリング」が備わる。

また、画像認識を行うため、道路標識(制限速度、はみ出し禁止、一時停止、進入禁止など)を読んでメーター内に表示する「標識認識機能」、そして「先行車発進お知らせ機能」も備える。

総じて、日本車であることや車両価格を考えると、かなり充実した内容と言える。

ただし、パーキングブレーキが非電動(足踏みタイプ)のせいか、ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)はステップワゴンやジェイドなどと同様、相変わらず全車速対応ではなく、約30km/h~100km/h+でしか作動しない。つまり渋滞等で車速が約30km/h以下に落ちてしまうと、警告音と共にACCがオフになるので、その後はドライバーがブレーキをかけて減速する必要がある。

試乗燃費は12.9~18.3km/L。JC08は24.4~26.0km/L

夜間のガソリンスタンドで給油中のホンダ オデッセイハイブリッドの写真

今回はトータルで約230kmを試乗。JC08モード燃費は24.4~26.0km/Lだが、今回の試乗燃費は、いつものように一般道と高速道路を走った区間(約80km)が12.9km/L、一般道をエコ運転で大人しく走った区間(約60km)が約18.8km/L。230km全区間(撮影のための移動を含む)の平均燃費は、14.5km/Lだった。

ちなみに先回試乗したエスティマハイブリッドは、JC08モードが17.0~18.0km/L、試乗燃費は12.2~15.6km/L、全区間570kmの平均は12.2km/Lだった。モード燃費ではオデッセイの方が4割ほど良いが、実際には2割くらいの差に留まる感じ。とはいえ、オデッセイ ハイブリッドの燃費がいいのは間違いない。

タンク容量はエスティマの65Lに対してオデッセイハイブリッドは55Lで、15%ほど少ないが、航続距離は同等以上だろう。指定燃料はいずれもレギュラー。

なお、車重がオデッセイ ハイブリッドより200~300kgほど軽く、空力も良さそうな現行アコード(マイナーチェンジ後)のモード燃費は30~31.6km/L。マイチェン前のモデル(モード燃費30.0km/L)に試乗した時の燃費は15.6~24.3km/Lだった。この抜群の燃費性能は、意外に知られていないのでは。

 

評価:ここがイイ

パッケージング、走り、静粛性、装備、そして何より燃費

青空の並木道を走行するホンダ オデッセイハイブリッドの写真

まず、スペアタイヤのサイズまで小型軽量化した駆動用リチウムイオン電池を前席床下に搭載することで、何も犠牲にしていないパッケージングが素晴らしく、評価に値する。

さらに走りは爽快、静粛性は高く、乗り心地もよく、装備も充実。そして何より燃費がこのクラスのミニバンとしては抜群にいい。背もたれの上部だけ少し折れ曲がる中折れ機構付きのセカンドシートもいいし、シートアレンジを含めて、あったらいいなと思えるものがほぼすべて用意されている。あと、最小回転半径が5.4mと小さく、小回りが効くのもいい。

ハイブリッドのアブソルート(Honda SENSING付)は386万6400円からと、なかなかの高価格車だが、内容を考えれば決して割高ではない。

評価:ここがダメ

ACCが全車速対応じゃないこと

ホンダ オデッセイハイブリッドの運転席の写真

特になし。と言いたいくらい、よく出来ているクルマだと評価できるが、いくつか細かい点を挙げておく。

まず、本文でも触れたようにHonda SENSING装備車のACCは全車速対応ではないので、約30km/h以下になると切れてしまう。全車速対応にこだわるかどうかは意見が分かれるところだが、やはりスムーズに自動でブレーキを掛けて止まってくれるのか、それともドライバーが作動オフに気付いて自分でブレーキをかけなくてはいけないか、その差は大きい。また、渋滞状況によっては何度もACCを再セットするのもめんどくさい。電動パーキングブレーキじゃなくても全車速対応とした例もあるので(ボルボ V40など)、ちょっと惜しいところ。

これは他社のモデルでも時々あるが、特にオデッセイ ハイブリッドの場合はメーター照明がブルーで鮮やかなため、ハイビーム点灯時のインジケーターが目立たず、うっかりハイビームのまま走ってしまいやすいと感じた。あと、これも他のモデルで時々あるが、夜間走行中、メーター照明の右サイドウインドウへの映り込みがあるのも気になった。メーター照度を下げれば緩和されるが。

あと、フィットハイブリッドやヴェゼル、ステップワゴン同様、LEDヘッドライトの場合でも、ハイビームはハロゲンになってしまうこと。その暖色系の(色温度の低い)光は夜間の、特に雨天時にはかえって視認性が高い気もしたが、やはりハイ/ロー共にLEDのヘッドライト(トヨタのBi-Beamなど)が低価格車でも普及しつつある昨今、今回も色味の違いが気になった。

これと同じスポーツハイブリッド i-MMDを搭載したステップワゴンや、他のニューモデルがなかなか出てこないこと。新型プレリュード ハイブリッドなんて出たら、売れるかどうかはともかく、輸入車に行ってしまった往年のホンダファンが戻ってきそうな気もするのだが。

総合評価

打倒アルファード/ヴェルファイア

左前方から撮影したホンダ オデッセイハイブリッドの写真

強そうで立派なものを求めるのは、今の世の中では、当然のことかもしれない。格差社会が広がっても、その格差の中で、少しでも強そうで立派なものを求めたがる傾向にあるように思う。例えば大枚はたいて買うクルマで言えば、軽自動車から大型セダンまで、その傾向が当てはまり、グリルを大きく、メッキでギラギラさせたものがよく売れる傾向にある。ミニバンも同様で、日本一売れているノア/ヴォクシー/エスクァイアの3兄弟がまさにその典型だ。ファミリーミニバンにも関わらず、大型メッキグリルで上級ミニバンのような見てくれを持つことが、よく売れている原因と言ってもいいのでは。

 
喫茶店に駐車したホンダ オデッセイハイブリッドの写真

その点、過去の試乗記で心配したように、おとなしいグリルのステップワゴンは、売れ行きが今ひとつのよう。クルマの本質より、そのあたりが数の差になるとしたら、ちょっと悲しい。マイナーチェンジではきっとメッキグリルが拡大されるだろう。また何より、ハイブリッドモデルが欲しいところだ。ステップワゴンのプラットフォームは現行オデッセイのベースでもあるが、オデッセイと同じi-MMDは載らないのだろうか。

さて、ホンダとしては今や最上級ミニバンのオデッセイにおいては、巨大グリルでライバルとなるアルファード/ヴェルファイアあたりに睨みをきかせるのは当然。さらにいよいよハイブリッドが加わったことで、打倒アル/ヴェルの準備が整った。単純に比較はできないが、我々のいつもの試乗コースではアルファード(ハイブリッド) エグゼクティブ ラウンジが10.0km/L、それに対してこのオデッセイ ハイブリッドは12.9km/Lと、燃費は素晴らしく良い。走りにも、さすがホンダというスポーティさが感じられたし、重量増加のせいか乗り心地も良くなっていて不満はなかった。

 
トランクルームから前方を撮影したホンダ オデッセイハイブリッドの内装の写真

動く重役室という感じの重々しいアル/ヴェルに対して、動くモデルルームとでも言えそうな、豪華な中にもライトな感じがある室内空間もいい。セカンドシートの快適さは明らかに先回乗ったエスティマを超えていたし、アルファードより印象が良かった。

何より、その気になればウォークスルーもできる運転席は孤立感が少なく、一人で乗っていても大空間を運ぶ運転手役というネガティブな気持ちにならなかった。エスティマでもアルファードでも、巨大なセンターコンソールが助手席や後席との疎外感をもたらしていたのだが、オデッセイではミニバンが本来持っていた「乗ったまま室内を移動できる」ことをハイブリッド車でも実現していることを、高評価したいところだ。

これなら普段乗りに使える

後部座席のシート位置を変更したホンダ オデッセイハイブリッドの内装の写真

こうなると、オデッセイ ハイブリッドをベースにした「バニング」なんて面白いだろうな、と思ってしまう。例えばセカンドシートを取り払い、座り心地が悪くなくて、床下収納も可能なサードシートだけを残して、後ろの巨大空間に趣味の道具を積み込んだり、車中泊したりといった自由な5人乗り空間を作ってみたくなった。そんな提案がなされたオデッセイ ハイブリッド「ベース車」なんてのを出してくれたら、「さすがホンダ」と拍手したい。

また、ミニバンを普段乗りに使いたくない大きな理由、それはサイズではなく、実は燃費にあった。全長や全幅はセダン系と比べて特に大きいわけではないし、背が高くて見晴らしがいい分、取り回しも悪くない。大きな空間は何につけて便利だし、今や走りだって悪くない。ただ、燃費はよくないのが一般的だった。その大空間を運ぶためにガソリンを無駄に使っているという感覚こそが、ミニバンを普段乗りに使いたくないワケだったと思う。しかしこの燃費なら、十分普段乗りに使える。ガソリン車のオデッセイ試乗記でも書いたように、普段乗りのこれと、ハレのS660を所有するのが、理想のホンダライフだろう。

クルマは確かに進化したが、ナビは…

草原を走行するホンダ オデッセイハイブリッドの写真

基本は電気モーターで走行するi-MMD、そしてACCが全車速対応ではないとはいえ十分な機能を持つHonda SENSINGなどを見ると、「未来は来てるなあ」と思うが、一方で、搭載されていた通信カーナビ、インターナビはなんだかパッとしない。今回使ってみた印象で言えば、どうやらナビはもう「Android Auto」に移行するんだろうな、と思わざるをえない。先日のAndroid Auto日本発表会には本田技術研究所主任研究員の京光達哉氏もパートナーとして参加して「日本でも今後搭載拡大を予定している」と明言したという。マイナーチェンジしたアコードのインターナビは、すでにApple CarPlayに対応しており、これもおそらくいずれAndroid Autoに対応するだろう。

こうした流れはユーザー的には大歓迎なのだが、ここ10年、カーナビの進化を追っかけてきた身としては、その結果がこれというのはフクザツな気分だ。インターナビが世界で初めてプローブ情報を集め始めたのがまさに約10年前。日本のナビこそが世界で一番優秀だったはずだが。こういう気分こそが、日本!日本!と連呼したくなる原因なのかもしれない。

 

試乗車スペック
ホンダ オデッセイ ハイブリッド アブソルート・Honda SENSING EX Package
(2.0L直4 ハイブリッド・400万円)
●初年度登録:2016年2月
●形式:DAA-RC4
●全長4830mm×全幅1820mm×全高1685mm
●ホイールベース:2900mm
●最低地上高:140mm
●最小回転半径:5.4m
●車重(車検証記載値):1910kg(1060+850)
●乗車定員:7名

●エンジン型式:LFA
●排気量:1993cc
●エンジン種類:直列4気筒DOHC・4バルブ・横置
●ボア×ストローク:81.0×96.7mm
●圧縮比:13.0
●最高出力:107kW(145ps)/6200rpm
●最大トルク:175Nm (17.8kgm)/4000rpm
●カムシャフト駆動:タイミングチェーン
●使用燃料:レギュラーガソリン
●燃料タンク容量:55L

●モーター形式(フロント):H4
●モーター種類:交流同期電動機
●最高出力:135kW(184ps)/5000-6000rpm
●最大トルク:315Nm(32.1kgm)/0-2000rpm

●駆動用バッテリー種類:リチウムイオン電池
●トランスミッション:-(1段)

●システム最高出力:-kW(-ps)
●JC08モード燃費:24.4km/L(ハイブリッド アブソルート・7人乗り)
※オデッセイ ハイブリッド全体では24.4~26.0km/L

●駆動方式:FF(前輪駆動)
●サスペンション形式(前):マクファーソンストラット+コイルスプリング
●サスペンション型式(後):車軸式+コイルスプリング
●タイヤ:215/55R17 (Yokohama BluEarth A34)

●試乗車価格(概算):463万2584円
※主なオプション:Honda インターナビ+リンクアップフリー+ETC車載器 -円、リアエンターテイメントシステム(9ンチワイドVGAディスプレイ)、パール塗装 4万3200円、フロアカーペット 7万6032円(販売店オプション)、ドアバイザー 2万6136円(販売店オプション)など

●ボディカラー:ホワイトオーキッド・パール
●試乗距離:約230km

●試乗日:2016年7月
●車両協力:株式会社ホンダカーズ東海

 
  • このエントリーをはてなブックマークに追加 
  • mixiチェック
 
 
 
Honda Cars 東海・岐阜中央

最近の試乗記