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新車試乗記 第139回 トヨタ オーパ i (2.0 CVT) Toyota Opa i (2.0 CVT)

 

日時: 2000年09月15日

 

キャラクター&開発コンセプト

ポストセダン、ポストクーペに、トヨタ初のCVTが登場

すでに2000年6月28日分で紹介したように、オーパのキャッチフレーズは「ニュー・シェイプ・ミディアム」。ミニバンの優れたパッケージと、パーソナルカーのムードをクロスオーバーさせた異色のミディアムカー。どのジャンルにも属さない次世代スタンダードカーを目指した意欲作である。

そして5月のデビューから遅れること3ヶ月、トヨタ初のCVT(無段変速機)を搭載した仕様が発売された。エンジンは直噴仕様の新型2.0リッター「D-4」。これにCVTを組み合わせたことで、10・15モード燃費はクラストップレベルとなっている。

価格帯&グレード展開

従来モデルの14万円高。Sパッケージには6速シフトステアマチック

CVTが発売されるまでは1.8リッターエンジン+4ATのみで、グレードは標準グレードの「a(実際には@という表記になる)」(175万円)と、上級装備が盛り込まれた「i」(200万円)の2タイプ。「a」には市場要求の多い装備をパッケージ化した「Lパッケージ」(8.5万円高)も用意される。4WDは各22万円高。

今回追加となった2.0リッター(CVT)車のグレードは、基本的に従来モデルと同じで、価格は1.8リッター車の14万円高、つまり「a」が189万円、「i」が214万円。また、「i」のみ6速のシフトステアマチック、専用シート生地などをセット装備した「Sパッケージ」が装着可能で、価格は4万円高の218万円となる。なお、駆動方式はFFのみで、4WDは用意されない。

なお、月間の売れ行きは編集部の予想を大きく裏切り(?)、目標を上回る数字をマークする。意外や立ち上がりは好調のようで、ポストセダンを狙った新種のクルマとしては異例の人気といっていいだろう。

パッケージング&スタイル

トヨタ車らしからぬクラスレス感

ベースはビスタということを考えれば、オーパはビスタ・アルデオの若者向け仕様といったところだろうか。サイドウインドウ、ショルダーラインなど、いたるところに個性を見ることができる。既存の車格感があまりなく、値段が安いのか高いのかすら分からない。そこが面白いところで、トヨタ車らしくないという雰囲気もウケているようだ。

評価できるのは、ただデザインが面白いだけで終わっておらず、実用性もしっかり考えられていることだ。例えば、都心部の立体駐車場に入庫できる全高は、姿態が似通っているナディアやティーノが1600mm以上あるのに、オーパは1525mmと、ポストセダンを狙う3車の中で最も低く、ほぼ全ての立体駐車場に対応している。全長もそれら2車よりも短く、逆に室内長は長い。室内高も実はオーパが最もある。デザイン重視に見えるオーパのパッケージングは、実は思いのほか合理的なのだ。

コラム式シフトレバーの操作性はいまひとつ

photo_3.jpg操作系で使いづらいのは、Pポジションが上の方にあるコラム式のシフトレバー。センターメーターと干渉しないようにとの苦肉の策なのだが、1発でDレンジに入れられた試しがない。どうにもDの位置が不自然に感じてしまう。頻繁に使う部分だけに改善して欲しい。

なお、CVT車とAT車の違いは、シフトレバー先端のO/D(オーバードライブ)スイッチが、S/D(スポーツドライブ)スイッチに変更されていることぐらいで、ボディカラーも含め内外装に違いはない。

基本性能&ドライブフィール

新世代D-4エンジン×トヨタ初CVT

直噴仕様の2.0リッター直4エンジンは新型RAV4にも搭載される「1AZ-FSE」。既存の「3S-FSE」に代わる第2世代のD-4だ。旧D-4の弱点だった振動・ノイズを低減し、最高出力は152ps/6000rpm、最大トルクは20.4kgm/4400rpmと、RAV4を少しだけ上回る。

このエンジンに組み合わせられるのが、トヨタ内製の「スーパーCVT」だ。長年、研究・開発を重ねてきたトヨタ初となるベルト式無段変速機である。基本構造は金属ベルト+プーリーに、クリープを発生させるトルクコンバーターを組み合わせたもの。CVTとしてはオーソドックスなタイプだ。

CVT搭載の狙いは、変速ショック云々というより、より一層の低燃費化にある。最も効率が良い回転域やフリクションの少ない低回転域をキープできるのがその理由だ。直結(ロックアップ)状態も通常のATより広い範囲でとれるという。

構造上、変速レンジは通常のATよりもワイドにとることができ(オーパの場合、4ATの2.857~0.700に対し2.396~0.428)、かつ最終減速比も低く設定できる(オーパの場合、4ATの4.130に対し5.182)こと。オーパの直噴+CVT仕様は10・15モード燃費17.8km/Lとなっている。

「フツーです」。この評価がCVTの完成度を物語る

試乗したのは6速シフトステアマチックがつかない仕様。 AT車と同じようコラムシフトをDレンジに入れて、ペダルから足を離せば、AT車と同じようにクリープ現象でクルマは動き出す。そこからアクセルを踏めば、ごくフツーに、2リッタークラス相応の加速をする。CVTにありがちなブイ~ンという高周波音もほとんど耳に入ってこないし、発進時のギクシャク感も全くない。また、再加速の際、エンジン回転だけが上がって、遅れて車速が出てくるといった、不自然さもほとんどない。エンジン回転と車速とのズレがほとんどなく、ATのシフトダウンと同じイメージで加速していく。

もっと加速が欲しければ、ローギアード化されるスポーツモードにしてやればいい。アクセルを全開にすれば、レッドゾーン手前の5800回転付近をキープし、速度のみがぐんぐん上がっていく。ここでうるさかったら不快となるところだが、そこはトヨタらしく我慢できるレベルに至っている。逆にアクセルを放すと、燃費を稼ごうというつもりなのか、ほとんどエンブレが効かない惰性走行になる。

直噴エンジンの効率を示すECOマークはかなりよく点き、低燃費が実感できる(今回、残念ながら燃費は測っていない)。走りは良くできたAT、CVTと比べても全く遜色のない仕上がりだ。悔やまれるのは、全体に走りの質感がないこと。200万円以上相当のクルマの割に、剛性感がないというか、ヤワな感じがしてしまう。6速モードも付けることが出来るのだから、もう少し引き締まった足回りであれば、ハンドリングの面でも評価は高くなると思う。

ここがイイ

ステアシフトがないモデルだったのは残念だが、それでもドライブモードではかなりパワフルなので、実質的には無くても十分だろう。高速でのキックダウン、ワインディングでの高回転維持など、ボタンひとつで手頃なプログラムに切り替わるのは悪くない。さらにシフトポジションにはBモード(エンジンブレーキ用)もある。

変速ショックがないことより、直結感のある走りがCVTのメリットと言われるが、アクセルにリニアに反応するオーパCVTの走りは、体感的にもそれが感じられる。

ここがダメ

ワンプライスを推し進めていることを考えると、実売価格が結構高い。CVT車で189.0~218.0円といえば、30万円以上との声もある大幅値引きのオデッセイ(2.3l・FFの価格は212.5~259.5万円)が買えてしまう。いくらジャンル、ターゲットが違うといえども、明らかにオデッセイのほうがクラスは上だし、質感や走りも上。それでもオーパは売れているのだから、ま、いいか。

今回あらためて乗ってみて、やっぱりAピラー(というか、2本あるからABピラーか)のあたりの視界がたいへん悪い。2本のピラーがたいへん邪魔。デザイン的には要だと思うが、ちょっと辛いところだ。

総合評価

photo_2.jpgトヨタとしては通常のATの出来がいいから特にCVTは必要ない、との考えもあるようだが、それでも自社でCVTを開発し、その出来が悪くないのだから文句ないところ。体力のある会社はさすが余裕ですね、と皮肉のひとつも言いたくなる。それはそれとして、三菱のランサーセディア、このオーパ、そしてシビックと、CVTは確実に市民権を得てきている。以前にも書いたが、CVT歴10年以上の筆者としては、たいへん喜ばしい状況だ。まだ乗ったことのない人は、オーパを試乗だけでもしてみるといい。

オーパをはじめとするCVT車は、来るべき燃料電池自動車(電気モーター駆動)の走りに近いはず。今までCVTがなかったトヨタも、プリウスという無段変速のクルマは出していた。つまり、これからのクルマはさらにモーター的な走りとなる。21世紀のクルマ社会はモーターの日々(モーターデイズ)となるだろう。

 

公式サイトhttp://toyota.jp

 
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