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ダイハツ オプティ新車試乗記(第65回)

Daihatsu Opti

 

1999年03月12日

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キャラクター&開発コンセプト

新規格を生かして3BOX化に挑戦、独特なキャラクターを手に入れたダイハツの意欲作

初代オプティは、ミラを化粧直しした2BOXスペシャリティ軽セダンだった。元祖レトロカーのヴィヴィオ・ビストロの後追いモデルとなるレトロモデル「クラシック」が印象に強いが、このクラシックのキュートなスタイリングは、いまだにネオクラシックモデル最良のデザインワークと、一部で評価が高い。

さてオプティ自体は7年目にして2代目に移行。もちろん軽自動車の新規格移行に合わせてのモデルチェンジだ。プラットフォームやエンジンなど基本的なメカニズムはミラと共用だが、最大の特徴は、何といっても独立トランクを持った軽初の4ドアハードトップを採用したことだ。「小さなスペシャリティカー」なのである。それにふさわしく、インテリアも軽自動車の枠を超えたクオリティで、ダイハツがテーマに据える「品質」にふさわしい内容となっている(旧モデルはかなりチャチだった)。

人によっては単なるパイクカーにしか見えないかもしれないが、スズキ・Kei、ホンダ・Zと同様、ダイハツからの新しい軽自動車の提案であることは確か。軽自動車の制約の中で、合理性を考えると必然的に2BOXに行き着くのだが、その常識をひとまず意識せず、3BOXというスタイルで趣味っぽく立ちあげたダイハツの心意気は認めたい。しかし他車同様、販売的には苦戦するだろう。

価格帯&グレード展開

顔の違う2つのキャラクター、価格帯は81.6万~127.5万円

スポーティーな「ビークス」系とベーシックなCL/CXの2シリーズ構成となり、全グレード、4WDモデルも設定されている。この2つのモデルは顔つきを変えることで差別化が図られている。

ビークス系には直3DOHCターボエンジンが搭載されるほか、ワイドタイヤや大径マフラーを装着した25mm車高ダウンの「エアロダウンビークス」が用意される。こちらは直4DOHCターボが搭載(4WDモデルは直3ターボ)され、アルトワークスの対抗馬といえる最強グレード。ミッションは5MTと4ATとなる。価格は105.0万~127.5万円。一方、CXはCLはNAエンジンを搭載。ミッションは5MTまたは4ATとなるが、CLのATだけは3速となる。価格は81.6万~108.8万円。

パッケージング&スタイル

ややレトロっぽいムード、軽自動車の新しい魅力を3BOXスタイルで表現

全長、全幅は新規格枠いっぱいの全長3395mm、全幅1475mmで、全高は1405mmとなる。ホイールベースは2360mmで、ベースとなるミラと同じだ。外観上で特徴となるのは、申し訳程度のトランクを備えた3BOXスタイル(2.5BOXというのが正しいのかも)。つまり軽のクセして、一人前の小型セダンと同じようなカタチをしていることだ。3BOXスタイルの軽自動車というのはかつて'70年代には存在しており、そういった意味ではボディ全体がレトロチックな感じもしないでもない。またオプティが採用した窓枠のない4ドアハードトップというのは軽初とのこと(2ドアハードトップはかつて、ダイハツフェローマックス、ホンダZあたりがあった)。今回オプティではボディ剛性の確保からセンターピラーは残されている(懐かしのピラードハードトップという言い方になる)。

ファミリーユーザーをターゲットとしたCX/CLは丸型2灯ヘッドランプと横基調のグリルを採用する。一方、スポーティー志向のビークスはバンパーが大型化され、ヘッドランプが丸型4灯、グリルがメッシュとなり精悍さを強調している。

無理矢理3BOXに作り上げた感は否めないが、ハッチバック軽にはない独自の世界を作り出していことも確か。ミニバンコンセプトが流行れば、各メーカー皆、それを追いかける。そんな中、オプティのようなユニークなクルマが一台ぐらいあっても良いのでは。ここ最近、真面目なクルマばかりが目立っていたが、新型オプティは久々に笑わせてくれた一台である。

なおビークスのみに装着される、クオーターピラーからトランク部にかけて大型リアスポは、3BOXならではのラインがスポイルされてしまい逆効果と思う。

軽自動車ナンバーワンの品質

トヨタの子会社となったことからか、インテリアの質感は「お見事」。軽初の2トーンインパネ&トリムのシボ加工は、見事に「革」調を実現している。ミラやムーヴでも軽自動車とは思えない優れた質感を実現させていたが、オプティはさらに上、下手な小型セダン(ヴィッツ?)よりも上回っている。プラスチックパネルも全くチープ感がない。ドリンクホルダーはもちろんこと、ステアリング下には大容量のアンダーボックス、運転席側インパネの下部にはルーフ部にはサングラス入れ(ビークス系のみ)があったりと、小物収納も問題ない。電動格納式カラードドアミラー、デュアルエアバッグ、キーレスエントリーを全車(除くCL)に標準装備されるなど、装備面でも小型車と同様のものとなっている。またアンテナがプリント式となっているのが軽としては目新しいところ。

小型セダンの装備・品質をそのままに、サイズのみを軽自動車レベルまでに縮小させたといった感じだ。ただ、女性ユーザーをターゲットととしているだけに、洒落た演出も欲しいところ。オプションでヒョウ柄のインパネマットが用意されているのは笑えた。これが洒落た演出? 浪速魂ここにありという感じだ。

独立トランクと引き替えになった後席の居住空間

軽自動車の限られたサイズの中でトランクを持たせた代償は、当然、居住空間にやってくる。後席の膝元空間は拳1個分程度の余裕しかない。軽自動車の空間とはいえ、かなり狭い。それでもペダルレイアウトは改善されているし、シートはしっかりとしたものが与えられているので、着座姿勢はしっかりとれる。

気になるトランク容量は192リッターで、さすがにハッチバック軽よりも劣る。ゴルフバッグも2個のるか? という感じ。一応後席の背もたれが倒れてトランクスルーとなるので、ある程度の長尺物でも積載できるが、開口部は狭く、段ボール一箱が積めるかどうかといったところ。完全にスタイル重視だが、といって、積載性に関して目くじら立てるもの大人げないところ。

基本性能&ドライブフィール

旧ミラ・アバンツァートの後継モデル?! ついつい飛ばしたくなるエアロダウンビークスの走り

基本的なメカニズムはミラと共通だ。搭載されるエンジンはCLが直3SOHC(45PS/5.6kgm)、CXおよびビークスが直3DOHC(58PS/6.5kgm)、エアロダウンビークス4WDは直3ターボ(64PS/10.9kgm)となる。

そして試乗したエアロダウンビークス2WDにはムーヴの最強グレード「エアロダウンカスタム2WD」のみに搭載されている直4DOHCターボ(64PS/10.9kgm)が搭載される。最高出力&最大トルクは直3DOHCターボと同じだが、「デュアルフローターボ」の採用によりアクセルワークにリニアに反応し、本来持つ高回転域での伸びを維持しながらも低回転域の過給効果を高めたというのが特徴だ。なお、このエンジンは現行ミラには設定されていない。ということはエアロダウンビークスは旧型ミラ最強グレード「アバンツァート」の後継モデルということなのか?

低回転のトルク感、さらに3000回転付近から盛り上がるパワー感、アクセルを緩めなければレッドゾーンの8500回転までためらうことなく上昇する軽めのフィーリングで、一般的なクルマの流れに合わせて走っていても何の不足を覚えることもないだろう。いや、あまりにも吹け上がりがいいために、流れに合わせるのがツライほど。シティユースならNAモデルでも十分事足りるはずだ。

引き締められた足回りは硬いが、段差の吸収がいいので乗り心地はそれほど悪くない。3回転強のクイックなステアリングはやや重めで、高速での安心感と安定感を助長してくれる。法さえ許せば、リミッターの効く寸前の140km/hでの高速巡航も楽々可能。単に速いだけでなく、上質なフィーリングも兼ね備えている点も魅力のひとつ。走りに関しては、軽トップクラスの実力といえそうで、スズキ・アルトワークスといい勝負になりそう。とにかく居住空間を除く全ての性能が軽のクオリティを上回っていると断言できる。

ここがイイ

エンジン性能と、走りのクォリティには心底驚かされる。140km/hでも圧倒的な安定感で、最高速はリミッターが効かないと一体どこまでいくのだろう。段つき感のないターボ、ショックの少ないAT、キビキビとしたハンドリング、ワインディングでの安定感と楽しさなど軽とは思えない素晴らしい仕上がりだ。乗用車の形である分、ミニバンタイプより基本的性能が底上げされている感じ。普通車と何らかわらない走りといっていい。室内の質感もオーバークオリティなほど。走りと品質は確かにミニスペシャリティであることを認めざるを得ない。

ここがダメ

ところが室内は、異様にせまい。左足の膝あたりもセンターコンソールが当たって窮屈。この形ゆえ仕方ないとは思うが、じゃあなぜこの形である必要性がある? スタイリッシュというよりパイクな感じだし、少なくともKeiやZのような斬新なコンセプトは全くない。ハードトップ自体がすでに時代遅れなコンセプト。どうしても3BOXでいくなら、背の高いスポーティセダンにして、ミニアルテッツア風に仕上げたらどうだろう。いや、その線を狙ったらこうなってしまったのか?

総合評価

つまりこのクルマはダイハツの隙間ウメ商品ということになる。軽自動車でもニーズは多様化しているわけで、誰もがミニバンタイプを求めているわけではない。トヨタの子会社となったダイハツは、スズキを抜いて軽市場でトップに立つことが最大の命題であり、数を売るためにはあらゆるニーズに応えていこうという姿勢がミエミエで、軽スペシャリティ市場(があるかどうか知らないが)にこのクルマを投入して、全てのニーズを引き受けようということだ。しかもトヨタ並のクオリティを前面に押し出して。

例えばアトレーはムーブ以上のミニバンを求める人向けに発表されたし、ネオクラシック調ミラも早々に投入されている。ダイハツ軽ラインナップはハッチバック、ネオクラシック、流行のミニバン、本格ミニバン、スペシャリティカー、もちろんバンとトラック。あと無いのはカブリオレくらいだ(かつてはリーザスパイダーってのがありましたネ)。スズキのトップシェアに対してあと数パーセントに迫るダイハツの勢いは、このラインナップを見ればよく分かる。つまり、ダイハツ=トヨタは、軽でも全てのニーズに応えて、トップシェアを本気で取りに来ているのだ。そのラインで読むとこの不思議なクルマの存在意義が見えてくる。

 

公式サイトhttp://www.daihatsu.co.jp/opti

 
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