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アウディ Q3 2.0 TFSI クワトロ 211ps新車試乗記(第666回)

Audi Q3 2.0 TFSI quattro 211ps

(2.0リッター直4・直噴ターボ・7速DCT・479万円)

常勝アウディは
プレミアム小型SUV市場も
勝ち抜くのか?

2012年07月27日

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キャラクター&開発コンセプト

Qシリーズの最小モデル

アウディ Q3は、ラージサイズのQ7とミドルサイズのQ5に続くコンパクトサイズのSUV。その特徴はプレスリリースにある通り、「Qシリーズの魅力を小さなボディに凝縮」したところにある。Q5のようなエンジン縦置きではなく、エンジン横置きのプラットフォームはVWティグアンの流れを汲むもので、ボディサイズは全長が4.4メートル弱に収まるなどティグアンよりコンパクトなほど。伸長著しい輸入コンパクトSUV市場の中では、ほぼ最小の部類に入る。

パワートレインは、アウディが得意とする2リッター直4ターボ、7速DCT、そしてフルタイム4WDシステム「クワトロ」(TTなどと同じ電子制御多板クラッチ式)という盤石の組み合わせ。またアイドリングストップ機能も標準装備している。

生産拠点はスペインで、VWグループの一員であるセアトのマートレル(Martorell)工場で行われている。生産型は2011年4月の上海モーターショーで発表され、欧州では2011年6月、日本では2012年5月8日に発売された。

■過去の新車試乗記
・アウディ Q5 2.0 TFSI クワトロ (2009年7月更新)
・アウディ Q7 4.2 FSI クワトロ (2007年3月更新)

価格帯&グレード展開

まずは211ps版(479万円)を導入。秋には170ps版(409万円)も

海外にはTT RSでおなじみの2.5リッター直5ターボや2.0リッター直4ターボディーゼルもあるが、日本仕様はとりあえず2リッター直噴ターボ+7速DCT+クワトロの「2.0 TFSI クワトロ」のみ。正確にはその「170ps」版(409万円)と「211ps」版(479万円)の2グレード。

ただし170ps版のデリバリーは2012年秋からの予定で、目下のところは211ps版のみ。最大のライバルは国内外で販売好調のBMW X1(363万~495万円)、そして兄弟車とも言えるティグアン(389万~426万円)。

■Q3 2.0TFSI quattro 170PS (2012年秋デリバリー予定)  409万円 
■Q3 2.0TFSI quattro 211PS      479万円 ※今回の試乗車

アウディでおなじみの「MMI」(マルチメディアインターフェイス)、格納式7インチディスプレイ、各種オーディオ、地デジは全車標準。ただしナビゲーションシステムとETCは211ps版用の「MMI 3G プラス」にしか装備されない。

【主なオプション】
■パノラマガラスルーフ(18万円)
■レザーパッケージ(30万円):ファインナッパレザーシート、シートヒーター、ウッドパネル
■S-line パッケージ(170ps:44万円、211ps:34万円):S-line仕様の内外装やパドルシフト
■アウディドライブセレクト(211psのみ:20万円):走行モード(コンフォート、オート、ダイナミック、エフィシェンシー)を選択して、可変ダンパー、パワーステアリング、エンジン、ミッションの制御プログラムを変更
■コンビニエンスパッケージ(170ps:24万円、211ps:10万円):アドバンストキー、リアビューカメラ付APS(アウディパーキングシステム)

パッケージング&スタイル

デザインは見事に相似形


クーペライクなスタイリングを特徴とするQ3。ボンネットはアルミ製

クラスによってデザインテイストを変えないのがアウディ流。新型Q3もぱっと見は一クラス上のQ5に見えるほど、デザインは相似形になっている。とはいえ、よく見ると各部のデザインは微妙に新世代に移行していて、例えばフロントグリルのメッキフレームは従来の四角形から、A1と同じ六角形になっているし(アウディ自身は「上部コーナーの角を落とした」と表現)、ヘッドライトも光ファイバータイプのLEDポジションライトを内蔵するタイプになっている。

 

リアゲートもアルミ製。形状はQシリーズ共通のラップアラウンドタイプになる

またテール/ブレーキランプも光ファイバータイプの松葉型LEDで、夜間はもちろん、昼間でも一目で「何か新しいモデルだな」と分かる。欧州車はこういう光りモノの使い方が巧い。

S、M、L(XL?)から選べる?


Cd値はSUVではトップレベルの0.32

ボディサイズは、全長4385mm×全幅1830mm×全高1615mm、ホイールベース2605mmとQ5より二回りほどコンパクトで、ほとんどトヨタのRAV4並み。Q7と比べれば全長で705mm、ホイールベースで395mmも短い。Qシリーズ全体でデザインテイストはよく似ているから、まるで「サイズはS、M、L(XL?)からお選びいただけます」という風にも見える。なお、プラットフォームは前述のようにVW ティグアンと共通で、ホイールベースも同値。ボディサイズもおおむね近い。

 
    全長(mm) 全幅(mm) 全高(mm) WB(mm) 最小回転半径(m)
レンジローバー
イヴォーク
4355 1900 1605 2660 5.5
トヨタ RAV4 4365 1815~1855 1685 2560 5.1~5.4
アウディ Q3 4385 1830 1615 2605 5.7
VW ティグアン 4430 1810~1865 1710 2605 5.7
BMW X1 4470 1800 1545 2760 5.5
マツダ CX-5 4540 1840 1705 2700 5.5
アウディ Q5 4635 1900 1660 2810 5.4
レクサス RX450h 4770 1885 1690 2740 5.7
アウディ Q7 5090 1985 1740 3000 6.0
 

インテリア&ラゲッジスペース

A1譲りのパーツを使いつつ、質感はもちろん申し分なし

いつものアウディ流ながら、デザイン的にはA1あたりからの新世代感があるインテリア。湾曲したダッシュボードに配されたベンチレーターの縁取りが、アウディの象徴であるシングルフレームグリル風に台形なのが面白い。よく見ると同じモチーフはステアリングのセンターパッドなど随所で反復されている。

 

ダッシュボードには7インチのポップアップ式ディスプレイとA1と共通のMMIコントローラーを標準装備。上位モデルのようなセンターコンソール配置のMMIと比べると操作パネルが遠く、周辺スイッチも小さいため、操作性は良くないが、慣れてしまえば走行中のブラインド操作も可能。一般的なタッチパネル式(メーカー純正品は走行中に込み入った操作が出来ない)よりも「使える」ものになっている。

 

シフトレバーはVWアウディの従来タイプ。パドルシフトはオプション(S-line パッケージ)

スポーティなデザインのシフトレバーもA1譲りだが、Q3のインテリアにもちゃんとマッチしている。少し残念なのはシフトセレクターのデザインが従来タイプであること。上級モデルに採用されている新タイプだとDレンジからS(スポーツ)レンジを選択した場合でも、左にレバーを倒すだけでマニュアルモードに移行できるが、従来タイプはいったんシフトレバーをSからDに戻してから左に倒す必要がある。細かいことだが、せっかくならQ3も新タイプにして欲しかったところ。

 

MMIではナビやオーディオ操作のほか、各種車両設定も可能

メーターもいつものアウディ流。情報表示の切替はステアリングスイッチで行う
 

レザーパッケージ(30万円)装着車にはファインナッパレザーシートや前席シートヒーターが付く

後席は着座姿勢がアップライトなこともあり、頭上から足もとまで空間に不足はない
 

荷室容量は460~1365リッター、奥行きは最大1632mm。後席は流行りの3分割ではなく2分割だが、トランクスルーが可能

床下にはパンク修理キットや小物入れ、そしてウーファーが備わる
 

基本性能&ドライブフィール

PWRは7.6kg/ps。加速は俊敏

試乗したのは2.0 TFSI クワトロの211psバージョン。VWアウディの現行モデルでおなじみの2リッター直噴ターボエンジンと7速DCTは、いつものごとくスムーズに、静かに、1610kgのボディを走らせる。というか、けっこう速い。特に2速、アクセル全開での加速は、スポーツカーのように俊敏。よく考えてみれば、最高出力はグレード名にあるように211psもあるし、最大トルクは300Nm (30.6kgm)を1800~4900回転で発揮するなど、スペックは強力。

もともとこのエンジンは、ゴルフ GTIやTT 2.0 TFSI にも使われるもの。Q3の場合は燃費性能も重視するからか、GTIやTTのようにシフトダウン時に景気よくブリッピングすることはないが(少なくとも「アウディドライブセレクト」非装着の場合)、それでも元の素性はこのQ3でもはっきり感じられる。

 

2.0 TFSIクワトロの0-100km/h加速は6.9秒。最高速は230km/h

車重は1610kgとそれなりに重いが(ゴルフ GTIやTT 2.0 TFSI クワトロは1400kgジャスト)、パワーウエイトレシオは7.6kg/psとまさにスポーツカー並み。これに対してQ5は同じ211ps仕様でも車重は1870kgもあり、パワーウエイトレシオは8.8kg/psだし(トルクは35.7kgm=350Nmに強化されている)、Q7の3.0 TFSI クワトロでも、2300kg/272ps=約8.4kg/psに過ぎない。なお、Q5には3.2リッターV6(270ps、33.7kgm)+7速DCTの3.2 FSI クワトロもあるが、トルク感では直噴ターボの2.0 TFSIに一歩譲る。

また、直噴ターボならではの低速トルクと7速DCTの細かいギアリングを活かして、2000回転以下でゆっくり走るのも得意。乗り心地は低速域で少しゴトゴトするが、鋭い突き上げは遮断される。ただしSUV的などっしりユッタリ感よりは、やはり軽快感の方が強い。

高速道路での100km/h巡航は約1900回転。その状態でもかったるさはないが、アクセルを踏み込めば、すかさずギアを2つ3つ落として一気呵成に加速してくれる。最高速はUK仕様のメーカー公称値で230km/hに達する。ちなみに170ps版の方は212km/hとこちらも十分。

ワインディングも問題なし(ただしタイヤのグリップはそこそこ)


タイヤはコンチネンタルの「クロスコンタクト」(235/50R18)

この動力性能、そしてクワトロによって、ワインディングでもバリバリ走る。意外だったのは、試乗車が履いていた235/50R18サイズのコンチネンタル「クロスコンタクト」が、 サイズの割にグリップがそこそこで、ABSやESPがあっけなく介入したことだが、だからどうということはなく、操縦安定性は問題ないレベル。ただ、よりスポーティな身のこなしを求める向きには、2センチローダウンのスポーツサスペンションや「アウディドライブセレクト」(コンフォート、オート、ダイナミック、エフィシェンシーの4つの走行モードを選択可能)をセットにした「S-line パッケージ」を別途注文する余地はしっかり残されている、とも言える。

なお、パワートレインは基本的にティグアンベースで、クワトロシステムも横置きエンジンに用いられるハルデックスの電子制御多板クラッチ式になる。211psという大パワーだが、トラクション不足を感じることはもちろんない。

「コースティングモード」も採用、アイドリングストップは全車標準

Q3で見逃せないのは、ポルシェのパナメーラや991型911で先行採用された「コースティングモード」が採用されていること。Q3の場合は、オプションのアウディドライブセレクトに含まれる機能になり、燃費重視の「エフィシェンシー」モードを選択すると作動する。コースティングモードとは、惰性で走行する時に、自動的にクラッチを切り(ただしエンジンはアイドリングを続ける)、エンジンブレーキを抑えて走行抵抗を減らし、燃費向上をはかる、というもの。

一定の回転数以上回っていれば、今のエンジンはアクセルオフで積極的に燃料噴射を止めるが、その場合は車速もそれなりに落ちてしまう。コースティングモードは、それよりもクラッチを切って空走距離を増やした方がいい、という考え方のようだ。ならばいっそ、空走中のアイドリングも止めてしまった方がいいと思うのだが、現状ではそうなってはいない。なお、パナメーラ/カイエン/トゥアレグ ハイブリッドの場合は、コースティングモードでエンジンが止まる(タコメーターの針がパタッと0を指す)。.

アイドリングストップ機能(スタート ストップシステム)は全車標準。作動マナーとしては、モーターデイズで試乗した中ではアウディのA1に近く、再始動時に若干の振動とノイズが出るが、Q3の方が静か。マツダのi-stopには及ばないが、すぐに慣れてしまえるレベルだと思う。

それより気になったのは前回試乗したB180と同様、アイドリングストップが時に、さっぱり作動しなくなること。作動しないからといって特に困るわけではないが、作動・非作動の要因が分からないので、今回もやはりモヤモヤ感が残った。一番考えられるのはバッテリーの充電状態だが、クルマの走らせ方や電装品の使用状況、はたまた外気温との因果関係も直接は関係ないという感じ。

試乗燃費は7.4~11.1km/L、JC08モードは12.6km/L

今回はトータルで約250kmを試乗。参考までに試乗燃費は、一般道、高速道路、ワインディングを走った区間(約90km)が7.4km/L。空いた一般道を無駄な加速を控えて走った区間(約30kmを3回計測)が9.7km/L、10.3km/L、11.1km/Lだった。また短距離ながら高速道路を80~100km/hで流した区間(20kmほど)は15.0km/L前後を維持した。

JC08モード燃費は12.6km/Lで、10・15モード燃費は13.8km/L。この走りにして、この燃費は優秀だが、170ps版でも走りは十分だろうし、燃費はもっと良くなるのでは、という気もしないではない。燃料はもちろんプレミアム指定で、タンク容量は63リッター。

ここがイイ

手堅い仕上がり。手頃なサイズ

よく走るし、ハンドリングも悪くないし、乗り心地もいい。SUVというより、ちょっと背が高くて重厚なA3といった感じで乗れる。正直、全体の印象は既存のVWアウディ車と一緒で目新しさはないが、それだけに手堅くまとまっているのは確か。立体駐車場には入らないものの、サイズ感は道路を走る限り日本でも手頃。

MMIによって運転中でもナビをブラインド操作できること。車載ナビにとってはMMIのようなコントローラーを持てることが、スマホのナビ機能に対して優位となる部分だと思う。

ここがダメ

こんなにパワーは要らない

ダメではないが、今回乗った211psの動力性能はやや過剰。70万円安い170ps版でも十分だと思うが、そちらにはMMIと一体の純正ナビが装備されない。170ps版だって409万円もするのだから、ナビは選択出来てもいいと思う。

MMIがセンターコンソール上にないこと。インパネにあっては使い勝手が今ひとつ。

総合評価

誰が見ても「アウディのちょっと小さいSUV」

よく言う話だが、アウディ車ってどれも皆、同じようなスタイリングに見える。一つのカタチを伸ばしたり縮めたり、流麗にしたり、背を高めたりなどすれば、サイズ違い、ジャンル違いのクルマが一丁上がり。これはアウディ伝統の確信犯的デザイン手法だろう。

むろんそれでもディテールで少しずつ差はつけてあるのだが、まあそれはご愛嬌程度。Q7、Q5、Q3を並べてみると、サイズは違えど、なるほどアウディのSUVというのはこういうカタチか、と分かる。アウディ全車のデザインテイストは見事に一貫していて、どのスタイリングからも同じメッセージが伝わってくる。そこがここまでブランド力が高まったことの一因でもあるだろう。BMWのX6に対抗するQ6というのもまもなく出るようだが、なんとなくカタチは想像できてしまう。

Q3もまあ、誰が見ても「アウディのちょっと小さいSUV」であり、少し角が増えたシングルフレームグリルこそ新しいが、まったく奇をてらうところはない。直接のライバルとなるX1などのBMW勢は、独自性の強いスタイリングを打ち出しているが、Q3のデザインは誰もが受け入れやすいもので、アウディらしい「安心感」がある。それゆえアウディで一番小さなSUVだが、子供っぽくはない。これなら年令を問わず乗れるから、年配の人がダウンサイジングして乗っても、変なコンプレックスを感じることはないだろう。

 

乗ってみると、走行感覚は同じアウディのTTにも近いと思った。アイポイントも重心も車重もまったく異なるにもかかわらず、同じ2リッターターボでエンジンの力感は似ているし、メーター等のデザインテイストやインテリアの上質感が共通する運転席の雰囲気もあいまって、運転感覚はとても似ている。

とにかく、デザインから走りにまで至る「アウディ一族」感が、様々なタイプのクルマを作りながらも「ブランドが立っている」と思わせる原因だろう。適度にプレミアムな雰囲気を、小さなクルマから大きなクルマまで同じように与えて、同クラスのライバルに少し差をつける。そして、よく走る、という味付けをする。プレミアム=スポーティな走りという図式は昔からアウディにあるものだが、10年ほど前はあまりに走りに振りすぎて、乗り心地を悪くしていたこともあった。しかし昨今のモデルでは走りと快適性のバランスが素晴らしく良くなっている。Q3はものすごくよく走る上に、乗り心地もほどよい硬さ。まあ動力性能や操縦性はSUVとしてはちょっと過剰にも思えるが、そこもアウディらしいと言えばらしい。

道具として使い倒すか、道具以上の価値を求めるか

しかしそういった「アウディらしさ」という包装紙をはがし、素のクルマとしてみると、例えばマツダのCX-5あたりのほうがハードウェアとしては、よくできているかもしれない。CX-5はQ3より155mm長く、10mm幅広く、90mm高いが、路上でのサイズ感はかなり近い。ガソリン車の場合、ターボがないので最高出力は154ps、最大トルクは19.9kgmに留まるが、逆に今回のQ3 211ps版は正直、過剰なパワー&トルク感があった。遅れて170ps版が出るあたり、ホントはそちらが主力じゃないかとも思えたりする。

燃費性能に関しても、CX-5のガソリン・4WDの場合、JC08モードが15.6km/Lで、しかもレギュラーガソリン。知人がCX-5のガソリン・4WDを買ったが、高速では17km/L程度走るというし、市街地を通っての通勤でも12km/Lくらい走るという。彼はCX-5のディーゼルほどの力強い走りは不要だからとガソリン車を選んだ人だから、パワー感にも不満はないという。

 

対してQ3の211ps版はJC08モードで12.6km/Lで、指定燃料はもちろんハイオク。170ps版の方は現時点でカタログに燃費が明記されていないが、211ps版に関しては、こんなに走らなくてもいいから、その分を燃費性能に振り分けた方がいいのではと思う。もちろんトルクに関してはCX-5 ガソリンの1.5倍もの数値を低回転から発揮するし、内装の質感もCX-5とは比較にならない。しかし燃費性能に関してはマツダのスカイアクティブ技術をあらためて評価したくなる。

とはいえ、以前にも書いたが、プレミアムなクルマを求める人にとっては、Q3の燃費性能に大きな不満はないと思う。プレミアムブランドのアウディをこだわって買う人には、燃費などそう大きな問題ではない。その人にとって燃費以上の魅力がQ3にはあるのだから。つまりクルマを道具として使い倒すのであればCX-5、道具以上の価値を求めるならQ3という選択になるわけだ。何しろ値段はCX-5の2倍近いのだから、クルマに対するこだわりをどこまで持つか、またこだわりにどこまでお金を払えるかで選択は決まる。

 

否、現実には両車は比較対象にすらにならない。どちらに乗るかはオーナーの生き方、価値観の問題だ。そしてそれぞれの生き方や価値観に忠実に従えば、どちらのクルマも満足できる仕上がりになっている。クルマはハードウエアの良し悪しではなく、生き方に訴えられるかで決まる「微妙な商品」だなあ、と再認識してしまった。

 


試乗車スペック
アウディ Q3 2.0 TFSI クワトロ 211ps
(2.0リッター直4・直噴ターボ・7速DCT・479万円)

●初年度登録:2012年4月●形式:ABA-8UCPSF ●全長4385mm×全幅1830mm×全高1615mm ●ホイールベース:2605mm ●最小回転半径:5.7m ●車重(車検証記載値):1610kg(950+660) ●乗車定員:5名

●エンジン型式:CPS ●排気量・エンジン種類:1984cc・直列4気筒DOHC・4バルブ・直噴・ターボ・横置 ●ボア×ストローク:82.5×92.8mm ●圧縮比:9.6 ●最高出力:155kW(211ps)/5000-6200rpm ●最大トルク:300Nm (30.6kgm)/1800~4900rpm ●カム駆動:タイミングチェーン ●使用燃料/容量:プレミアムガソリン/63L ●10・15モード燃費:13.8km/L ●JC08モード燃費:12.6km/L

●駆動方式:電子制御フルタイム4WD ●サスペンション形式:前 マクファーソンストラット+コイル/後 4リンク+コイル ●タイヤ:235/50R18(Continental Cross Contact) ●試乗車価格(概算):531万5000円  ※オプション:オプションカラー(パールエフェクト) 6万5000円、レザーパッケージ(ファインナッパレザー、前席シートヒーター、ウッドパネル) 30万円、コンビニエンスパッケージ(アドバンストキーシステム、アウディパーキングシステム) 10万円、ハイグロスデザインパッケージ 6万円 ●ボディカラー:ファントムブラック パールエフェクト ●試乗距離:約250km ●試乗日:2012年7月 ●車両協力:アウディ名古屋西

 
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