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ジープ レネゲード新車試乗記(第772回)

Jeep Renegade

(1.4L 直4ターボ・6速DCT・297万円~)

フィアットとクライスラーがコラボ。
Made in Italyの
最小ジープに試乗!

2015年10月16日

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キャラクター&開発コンセプト

ジープブランドの最小モデル


ジープ レネゲード
(photo:FCA)

ジープ レネゲードは、フィアットとクライスラーが2014年に合併してできた新会社FCAが「ジープ」ブランドで発売したコンパクトSUV。2014年3月のジュネーブモーターショーでデビューし、海外では同年に販売をスタート。日本では2015年9月に発売された。

現在ジープのラインナップは、グランドチェロキー、チェロキー、ヘビーデューティなラングラー、クロスオーバーのコンパスと全てSUVだが、新型レネゲードはその中で最小のモデル。開発テーマは「アーバンサイズ。アドベンチャークラス」。

フィアットと共同開発


フィアット 500X
(photo:FCA)

レネゲードは、フィアットとクライスラーが初めて本格的に共同開発したモデル。フィアットからはほぼ同時に兄弟車の「フィアット 500X」が発売されている(欧州では2014年10月に、日本では2015年10月に発売)。レネゲードと500Xは、いずれもエンジン横置きのFF(前輪駆動)ベースだが、4WDモデルも用意されている。

日本向けはイタリア製


ジープ レネゲード
(photo:FCA)

生産は500Xと共にブラジルなど世界各地で行われるが、日本向けはイタリア南部のメルフィ工場で500Xと共に生産される。

車名Renegadeは「裏切り者」「反逆者」といった意味だが、ジープにとっては1970年~80年代のCJ-7やラングラーのグレード名としてお馴染みのもの。2008年には同名のコンセプトモデル(2人乗りオープンモデルのハイブリッド車)がモーターショーで発表されているが、今回のモデルとは無関係である。

 

価格帯&グレード展開

1.4ターボ・6速DCT・FF車は297万円から


レネゲード オープニング・エディション
(photo:FCA)

今回、日本に導入されたのは「オープニング・エディション」、「リミテッド」、「トレイルホーク」の3グレード。

初期導入車のオープニング・エディションと上級グレードのリミテッドは、フィアット製の1.4L 直4ターボエンジン「マルチエア」(140ps、230Nm)と6速DCTを搭載したモデルで、FF車のみ。リミテッドでは安全・快適装備が充実し、電動レザーシートやクロームパーツなども備わる。

2.4L・9AT・4WD車は340万2000円


レネゲード リミテッド。充実した安全・快適装備を持つ
(photo:FCA)

トレイルホークは高い悪路走破性を示す「トレイル レイテッド」バッジをレネゲードで唯一備えたモデル。エンジンはクライスラー製2.4L 直4「タイガーシャーク」(175ps、230Nm)、トランスミッションは悪路走破用のスーパーローを持つZF製9速ステップAT、駆動方式は電子制御4WDになり、最低地上高はFF車より30mm高い200mmになる。

■オープニング・エディション 297万円 ※今回の試乗車
■リミテッド   313万2000円
■トレイルホーク   340万2000円

 

レネゲード トレイルホーク。パワートレインはチェロキー譲りで、最低地上高は200mmを確保
(photo:FCA)

音と表示で後方の障害物を知らせる「Park Sense リアパークアシスト」は全車標準。リミテッドにはさらに赤外線レーザーによって低速域で自動ブレーキを作動させる「前面衝突警報 (クラッシュミティゲーション付)」が備わるほか、リミテッドとトレイルホークにはステアリング振動で車線逸脱を警告する「Lane Sense 車線逸脱警報プラス」、後方を監視する「ブラインドスポットモニター」、「リアクロスパスディテクション」、そして「Parkview リアバックアップカメラ」が標準装備される。

ちなみにフィアット 500Xも3グレード、2パワートレイン構成で、価格はレネゲードより少し安い286万2000円~334万8000円。

 

パッケージング&スタイル

デザインモチーフは元祖ジープ


伝統の丸目ヘッドライト、そしてセブンスロットグリル(実は穴は開いておらずダミー)を採用

外観デザインは、第二次世界大戦の真っ只中、1941年に登場した元祖ジープ(ウィリスMB)をモチーフにしたもの。例の7本スロットグリルや丸目ヘッドライト、角ばったボディ、角形のホイールアーチなどが、言われてみれば確かにオリジナルジープ風。

極めつけはリアコンビライトなど各部に施された「X」型の意匠。これは当時から米軍が採用している20L燃料携行缶、通称「ジェリカン」の側面にある凹みをモチーフにしたもの。ちなみに自衛隊も同タイプの携行缶を採用している。

このクラスでは群を抜いて背が高い


ウィリス MB
(photo:FCA)

ボディサイズは全長4255mm(トレイルホークは4260mm)×全幅1805mm×全高1695mm(同1725mm)、ホイールベース2570mm。全長と全幅はライバル車と同等だが、背は群を抜いて高く、一般的なタワーパーキングは無理っぽい。写真で見るより大きく感じられるのは、主に全高のせいだろう。

ボディカラーは全7色で、コロラドレッド、オマハオレンジ(オープニング・エディションのみ)、ソーラーイエロー(トレイルホークのみ)といったポップな色がよく似合っている。

 

リアコンビランプの「X」デザインは、ジェリカンがモチーフ

オーバーハングが短く(特にリア)、悪路走破性に貢献
 

「X」の中を目を凝らして見ると、セブンスロットグリルが見える

最低地上高はFF車でも170mmあり、クルマ止めや歩道との段差でアゴを打つ心配はほとんどない
 
    全長(mm) 全幅(mm) 全高(mm) WB(mm) 最小回転
半径(m)
MINI クロスオーバー(2011~) 4105~4145 1790 1550 2595 5.8
日産 ジューク(2010~) 4135 1765 1565 2530 5.3
フィアット 500X(2015~) 4250~4270 1795 1610~1625 2570 5.5
ジープ レネゲード(2015~) 4255~4260 1805 1695~1725 2570 5.5
マツダ CX-3 XD(2014~) 4275 1765 1550 2570 5.3
ホンダ ヴェゼル(2013~) 4295 1770 1605 2610 5.3
アルファロメオ ジュリエッタ(2012~) 4350 1800 1460 2635 5.5
ジープ パトリオット(2007~2013) 4420 1810 1665 2635 5.4
ジープ コンパス(2012~) 4475 1810 1665 2635 5.6
 

インテリア&ラゲッジスペース

アウトドアなモチーフを散りばめる


試乗車はディーラーオプションでPNDを装着したもの

Jeepの世界観、快適性、機能性を融合した主張されるインテリア。空気を読まずに言えば、質感は何となくフィアット車っぽいが、そうは言わせまいとジープ独自のディテールを盛り込んでいる。例えばエアコン吹出口やドリンクホルダーの形状はスキーゴーグルやカラビナがモチーフだし、センターコンソールの小物入れにはセブンスロットグリルがあしらわれている。

 

チルト&テレスコピック、シートリフターを装備。ジープと言えど、もはやドラポジは普通にとれる

このクラスでも、電動パーキングブレーキはもはや世界標準。エアバッグは計7個で、2014年の「Euro NCAP」で最高評価の5つ星を得るなど、衝突安全テストでもぬかりはない。

 

5インチタッチパネルモニターを備えた「Uconnect Radio 5.0」は全車標準。オーディオやハンズフリー機能を備える。その下には「SINCE 1941」の文字

フロントウインドウの運転席側をよく見ると、ジープ ウィリスのシルエット
 

キーレス Enter'N Go(いわゆるスマートキー)も当たり前のように全車標準

トレイルホークにはオプションで前側が電動開閉&脱着式、後ろ側が脱着式のサンルーフ「My Sky(マイスカイ)」を用意
(photo:FCA)
 

後席の背もたれは6:4分割(写真)もしくは4:2:4分割(トレイルホーク)で畳めるが、やや斜めになる

後席の広さは十分だが、座面が低めで(背もたれをなるべく水平に倒すためだろう)、太もものホールド感が物足りない
 

荷室にはLEDフラッシュライトとシガーソケットを装備

荷室下にはパンク修理キットを搭載(トレイルホークはフルサイズスペア)
 

基本性能&ドライブフィール

1.4ターボ「マルチエア」エンジンを搭載


意外にもボンネットオープナーは運転席側にあった。ボンネットは非常に軽く、おそらくアルミ製(磁石が付かない)

試乗したのはFF車の「オープニング・エディション」(297万円)。

エンジンはアルファロメオのジュリエッタなどに搭載されている1.4Lターボ「マルチエア」のデチューン版。マルチエアとは、排気側のバルブはカムシャフトで駆動するが、吸気側バルブは油圧とソレノイドバルブで連続可変制御し、それによってポンピングロスの要因になるスロットルバタフライを廃したフィアット独自のテクノロジー。燃料噴射は直噴(シリンダー内直接噴射)ではなく、最近のターボエンジンでは珍しいポート噴射になる。

最高出力はジュリエッタの170ps/5500rpmに対して、トルク重視の140ps/5000rpmに変更。最大トルクもジュリエッタ(ダイナミックモード)の250Nm (25.5kgm)/2500rpmから、230Nm (23.5kgm)/1750rpmへと、より低回転重視になっている。

トランスミッションはジュリエッタと同じ6速DCT。もちろん、アイドリングストップ機能(START & STOPシステム)も備えている。

走りは意外にジープっぽい


1.4L ターボ「マルチエア」エンジン
(photo:FCA)

というわけで、「見た目はジープでも、運転感覚はジュリエッタっぽいだろう」と思って走りだしたが、実際にはぜんぜん違っていた。エンジンはレスポンスよりトルク感を重視したもの。上まで回すより1500~3000rpmくらいでゆったり走らせる方がいい。車外にいるとターボチャージャーの作動音がけっこう大きいが、車内は静かでターボラグもなく、乗ってる方はターボっぽさをあまり感じない。

試乗車の車重は1400kgで、パワーウエイトレシオはジャスト10kg/ps。先週乗ったオーリス 120Tが11.2kg/ps、ゴルフ 1.2 TSIが11.8kg/psだから、数字的にはレネゲードが上回る。実際、アクセルを深く踏み込めば、DCTが速やかにシフトダウンし、グワッと加速。VWの直噴ターボ+DCT車に比べると若干スムーズさに欠けるが、そこがジープらしくもある。

期待以上の高速巡航性能

プラットフォームはグランデプントやミト用をベースに、コンパクトSUV向けに開発した「スモールワイド4X4アーキテクチャー」なるもの。サスペンションは4輪独立になっている。その乗り味は一般的なFFハッチバックに比べて何となく重々しく、硬さと緩さがあり、つまりジープっぽく感じられるのが面白い。低速域ではヒョコヒョコ縦揺れすることもあるが、そんなところもSUVっぽい味のように感じられる。

レネゲードの実力は高速道路で初めて実感できる。高速域の乗り心地は、一般道のそれよりいいのでは、と思うほどフラット感が高く、直進安定性も高い。パワーステアリングのフィールはやや人工的だが、ドシッと座りがよく、下手な国産コンパクトや大型SUVより安心感がある。静粛性も高く、特に風切り音の静かさには感心した。

 

パーキングブレーキは電動。パドルシフトはないが、マニュアルシフトの必要はほとんどない

100km/h巡航時のエンジン回転数は、6速トップで約2100rpm。この時のトルク感も十分で、追越加速では4速、5速を使い、ターボパワーで力強く加速してくれる。最高速(メーカー発表値)は180km/hとのことだが、計算上では5速・4500rpmくらいで到達しそう。欧州には「マルチジェット」と呼ばれるフィアット製ディーゼル車もあるが、この1.4ターボの特性も何となくディーゼルっぽい。

ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)はないが、普通のクルーズコントロールは全車標準。すでに電動パーキングブレーキがあるので、さらにミリ波レーダーさえ搭載すれば、全車速対応ACCになりそうだが、現状でも十分楽に巡航できた。

さらに、試乗車より16万2000円高い上級グレードのリミテッドには、低速域で自動ブレーキを作動させる「前面衝突警報 (クラッシュミティゲーション付)」のほか、メーター表示とステアリング振動で車線逸脱を警告する「Lane Sense 車線逸脱警報プラス」、斜め後方から迫ってくる車両の存在を教えてくれる「ブラインドスポットモニター」が標準装備される。

【トレイルホーク】 ジープの名にふさわしい悪路走破性


(photo:FCA)

オフロード性能については、レネゲードで唯一「トレイルレイテッド」のバッジを備えた4WDモデル「トレイルホーク」で追求されている。

まず最低地上高はFFモデルの170mmから200mmにアップ。バンパー形状もアゴを打ちにくいタイプに変更され、フューエルタンク、フロントサスペンション、トランスファーケースを岩などから守る「スキッドプレート」が装備される。短いオーバーハングも手伝って、アプローチアングルは30.5°、ランプブレークアングルは25.7°、デパーチャーアングルは34.3°と、本格SUVに迫る対地クリアランスを誇る。

 

トレイルホークに装備される「Jeepセレクテレイン システム」
(photo:FCA)

また、トレイルホークのミッションはZF製の9速ATだが、その1速は39km/h以下でのみ機能する「Jeepアクティブドライブロー」になる。Lowスイッチを押すと、スーパーローの1速(2速の2.842に対して4.700)に入り、副変速機付の4WD車に迫る駆動力を発揮する。

さらにトレイルホークには走行モードをAuto(自動)、Snow(雪)、Sand(砂)、Mud(泥)、Rock(岩場)から選択できる「Jeepセレクテレイン システム」や、滑りやすい路面の急坂を下る際に車速などを自動制御する「ヒルディセントコントロール」も装備。タイヤは他グレードが3シーズンタイヤ(試乗車はブリヂストンのトゥランザ)のところ、17インチのマッド&スノーになり、フルサイズのスペアタイヤも装備する。

 
    アプローチ
アングル
ランプブレーク
オーバーアングル
ディパーチャー
アングル
最低地上高
トヨタ ランドルクルーザー(200系) 30度 25度 20度 225mm
ジープ レネゲード トレイルホーク 30.5度 25.7度 34.3度 200mm
トヨタ ランドルクルーザー70(バン/ピックアップ) 33/35度 26/27度 23/25度 200/225mm
トヨタ FJクルーザー 34度 28.5度 27度 230mm
ジープ ラングラー スポーツ(JK型) 40.8度 37.4度 21.8度 225mm
スズキ ジムニー(JB23W) 49度 32度 50度 210mm
 

試乗燃費は10.7~15.5km/L。JC08モードは15.5km/L

今回はトータルで約200kmを試乗。参考ながら試乗燃費は、いつものように一般道と高速道路を走った区間(約80km)が10.7km/L。一般道を大人しく走った区間(約30km)が13.0km/L。高速道路を80~100km/hで走った区間(約90km、アップダウンあり)が15.5km/Lだった。一般道ではおおむね10~12km/Lという印象。

 

フューエルリッドはキャップレス。コーションラベルはないが、1.4ターボ車はハイオク指定になる(2.4Lのトレイルホークはレギュラー)

JC08モード燃費は、オープニング・エディションがジープ史上最高の15.5km/Lで、リミテッド(車重が30kg重く、17インチタイヤを履く)が14.6km/L。トレイルホークは10.4km/Lだが、こちらはレギュラーガソリンでOK。タンク容量はいずれも48L。

 

ここがイイ

実用的で走りもいい。 完成度高し

丸目ヘッドライトの「Jeep」でありながら、街乗りから高速道路まで快適に走り、パワーも十分あり、燃費もまずまず。つまりデザインだけで飛びついても、不満なく便利に乗れるクルマになっている。

目下、世界中で人気のコンパクトクロスオーバーSUVだが、こういったネオレトロなデザインを持ったモデルは意外にない。ラングラーやFJクルーザーはネオレトロなデザインだが、普通の女性が足にして乗るにはヘビーデューティだし、SUVとして本格過ぎ。本格すぎる点はスズキのジムニーも同じだ。レネゲードは本格すぎず、軽薄でもなく、いいところを突いている。オシャレ系の欧州車に多い2ドアではなく、実用的な4ドアハッチバックであるのもいい。

それでいて値段はそんなに高くない。ニッチ向けではなく、意外にたくさん売れるのでは。

ここがダメ

緩やかな坂道の発進で落ちること。ナビの置き場所

急な坂道ならヒルホルダーが作動するが、傾斜が緩やかだと一瞬落ちることがある。電子制御クラッチによる擬似クリープも発生するタイミングが遅れがちで、たまにドキッとすることがあった。ただ、これは他メーカーのセミAT車やDCT車にも多少あるもので、レネゲードに限った話ではない。トレイルホークの場合はトルコンの9ATなので大丈夫だろう。

ナビゲーションシステムは、今のところはディーラーオプションというか、実質的に社外品のオンダッシュタイプを装着することになりそう。試乗車ではエアコン吹き出し口の前にPNDが装着されていたが、風の出る方向が限定されるなど、無理矢理感は否めない。もうナビはスマホで十分でしょ、と割り切った感じ。

総合評価

見た目重視で買っても大丈夫

イタリアで作られる小型のジープ、って10年、20年前の人がタイムスリップしてきたら、何だそりゃ、ということになるだろう。それくらい自動車業界の動きは激しい。ダイムラー・クライスラーという会社が出来たのが1998年で、なくなったのが2007年。そしてフィアットとクライスラーが経営統合したのが2014年1月で、新会社が作ったのがジープ レネゲード。タイムスリップした人でなくとも、なんだかよく分からないというのが一般的な感覚では。

ということで、ジープのコンパクトSUVが、レネゲードという名で登場した。正直なところ試乗するまでは、また変なクルマが出てきたなあと思っていた。デザインは元祖ジープがモチーフと言われても、細部を丹念に追わないとそれはピンと来ないし、そもそもが4ドアのハッチバックだ。全長こそ短いが、日本ではコンパクトと言える幅や高さではないし、昨今のブームに乗ったお手軽なコンパクトSUVがまた一台出てきたのだろう、という最初の印象は、当たらずとも遠からずだろう。

 

しかしこれが乗ると、いやあ普通に走る。というか普通以上にいいクルマ感があったのには驚かされた。静かで快適、力強くて好燃費。高速道路からワインディングまで安定して走るし、市街地の渋滞路となればアイポイントが高いのでストレスも少ない。ダウンサイジングターボとDCTという今時のパワートレインだが、ターボラグはあまりないし、クルマとして普通以上のレベルにあるという好印象を持った。

そこでスタイリングをあらためて見なおしてみると、サイド、リアにはさほど特徴がないものの、フロントはジープ一族の顔であるという以上に、レトロな雰囲気で個性的だし存在感もある。いわゆる国際用語のカワイイというものになっていて、今のフィアット500に通じるキャラクターも感じさせる。昨今はどんな商品でも性能云々よりデザインがやっぱ命、という時代だけに、これは大きい。それでいて見た目重視で買ってしまっても決して失敗感はないだろうという、なかなかけっこうなクルマになっている。

レネゲードはまさに裏切り者

SUVというタイプのクルマは、なぜか昔から人を惹きつける。特に女性では、低くかまえたスポーツカーをカッコいいという人は意外に少ないが、SUVはスマートなタイプでもゴツいタイプでも好きな人が多い。FFのジープなんてと揶揄されたコンパスも、ディーラーの人から「これが結構売れるんですよ」と一定の人気があったと聞いた。今やプレミアムメーカーも、とにかくSUVというご時世だ。

SUV人気は日本のみならず全世界的なものだが、なぜ人はSUVが好きなのだろう。ポルシェだって昨今の勢いはマカンがあればこそだろう。レネゲードには悪路走破性の高い4WDモデルもあるが、それはある意味、特殊なモデル。結局のところ世界的には、ワイルドでちょいワル、実用的で少し個性的というあたりの「かつての四駆が持つ雰囲気」が人気の源と言えるのだろう。

 

FCAがレネゲードや500Xを作り、またベントレーまでがベンタイガを作るなど、大衆車から高級車ブランドまで競うようにSUVという時代だ。そんな中で、道なき道を行く本格四駆こそがジープだ、と言いたいジープ原理主義者から見えれば、レネゲードはまさに裏切り者(レネゲード)だろう。全世界でガンガン売れちゃったりしたなら、それはそれで裏切り者かもしれない。そんな意味でこの名を使ったのだとしたら、FCAってなかなかたいしたものだなあ、と思うのだが、それちょっと深読みしすぎ?

 

試乗車スペック
ジープ レネゲード オープニング エディション
(1.4L 直4ターボ・6速DCT・297万円)

●初年度登録:2015年8月 ●形式:ABA-BU14
●全長4255mm×全幅1805mm×全高1695mm
●ホイールベース:2570mm
●最低地上高:170mm ●最小回転半径:5.5m
●車重(車検証記載値):1400kg(850+550)
●乗車定員:5名

●エンジン型式:55263624
●排気量:1368cc
●エンジン種類:直列4気筒・SOHC(マルチエア)・4バルブ・ターボ・横置
●ボア×ストローク:72.0×84.0mm
●圧縮比:10.0
●カムシャフト駆動:タイミングベルト
●最高出力:103kW(140ps)/5000rpm
●最大トルク:230Nm (23.5kgm)/1750rpm
●使用燃料/容量:プレミアムガソリン/48L

●トランスミッション:6速DCT
●JC08モード燃費:15.5km/L

●駆動方式:FF(前輪駆動)
●サスペンション形式(前):マクファーソンストラット+コイルスプリング
●サスペンション型式(後):マクファーソンストラット+コイルスプリング
●タイヤ:215/65R16(Bridgestone Turanza T001)

●試乗車価格(概算):-円 ※オプション:-円
●ボディカラー:コロラドレッド C/C

●試乗距離:約200km ●試乗日:2015年10月
●車両協力:中京・愛知クライスラー

 
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