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レクサス RX350 “バージョンL・エアサスペンション”新車試乗記(第546回)

Lexus RX350 “version L・Air suspension”

(3.5リッターV6・6AT・565万円)

3代目ハリアーならぬ
3代目レクサスRXが
ついに日本でデビュー!

2009年02月20日

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キャラクター&開発コンセプト

初代RX/ハリアーから数えて3代目

2008年1月19日に発売された新型「レクサス RX」は、1997年発売の初代レクサスRX(日本名トヨタ・ハリアー)、2003年発売の2代目RX(同ハリアー)に続く3代目。前輪駆動ベースの都市型クロスオーバーSUVにして、高級感を追求したパイオニアであり、北米で大ヒットして多くの追随を生んだ。

今回、国内で初めてレクサスRXの名でデビューした新型は、まず3.5リッターV6の「RX350」が先行して発売され、遅れて4月から3.5リッターV6+モーターのハイブリッド「RX450h」が発売される。後者は2005年に発売されたレクサスRXハイブリッド/ハリアー・ハイブリッドの2代目だ。

国内レクサス初の「ハッチバック車」。販売目標は控えめ

「高級セダンの快適性」と「SUVの機能性」というコンセプトは従来通り。パワートレインやパッケージングの基本的な構成、プリクラッシュセーフティなどのハイテク安全装備、ハイブリッドの設定といったあたりも踏襲しており、まさに正常進化型のモデルチェンジと言える。

生産拠点は先代に続いて国内向けはトヨタ自動車九州(株)の宮田工場、北米向けはカナダ工場が供給する。販売はもちろん全国のレクサス店が行なうが、国内の販売目標はIS(1800台)の約3分の1にすぎない月間650台だ。これは先代ハリアーの目標である2500台からすれば約4分の1だが、実は従来型ハリアーもしばらくの間、継続販売される。なお、日本のレクサス店ではこのRX350が「初めてのハッチバック車」となる。

トヨタ自動車>プレスリリース>レクサス、RX450h/RX350を発売(2009年1月19日) http://www.toyota.co.jp/jp/news/09/Jan/nt09_006.html

価格帯&グレード展開

「350」は460万~565万円。AWD代は25万円

純ガソリン車の「RX350」は4グレードだが、FFの設定がエアサス車以外の全グレードにあるので、価格的には7通りある。なおレクサスでは4WDのことを欧米風にAWDと表記するので、ここでも従っている。FFはAWDより25万円安い。

驚くのは先代ハリアーに比べて車両価格が大幅に上がったことだ。2.4リッター直4がなくなったこともあり、差額にして150万~200万円ほど、およそ1.5倍ほど高くなった。もちろん仕上げ、HDDナビや各種安全装備、エンジン排気量やパワーなどは向上している。

【RX350】
■ ベーシックグレード    460万円(FF) / 485万円(AWD)
■“version S”       470万円(FF) / 495万円(AWD)
■“version L”       515万円(FF) / 540万円(AWD)
“version L・Air suspension”         565万円(AWD) ★今週の試乗車

「450h」は570万~650万円。ハイブリッド代は85万円

ハイブリッドの「RX450h」は350のAWDに対して85万円増し。こちらは4グレードで全車「E-Four」、すなわち前輪を3.5リッターV6「アトキンソンサイクル」エンジンとモーター、後輪をもう一つのモーターで駆動する、一種の電気AWDだ。こちらも先代ハリアーハイブリッドに比べて、やはり1.5倍ほど高くなった。

【RX450h】
■ ベーシックグレード          570万円(AWD)
■“version S”             610万円(AWD)
■“version L”             625万円(AWD)
■“version L・Air suspension”     650万円(AWD)

パッケージング&スタイル

よりセダン風に、上質に、カッコよく

スタイリングは先代のイメージを踏襲しながらも、メッキパーツを多用するなど高級感を大幅に向上。各パーツや塗装の質感も高く、スポーティでなかなかカッコいい。思えばこの路線は初代RX/ハリアーから変わっていない部分で、あらためて当時のトヨタには先見の明があったと思える。

走破アングルの余裕を感じさせるフロントとリアのデザインも継承。SUVらしさの演出でもあるが、実際にこの形状はドライバーにとって非常に安心感がある。クルマ止めから不整地まで、まずアゴを擦る心配がないからだ。

サイドブラインドモニターの標準装備により、例のフェンダーミラーを廃止。また特異なデザインだった先代のリアコンビランプを、レクサス共通のオーソドクスな切れ長タイプに変更している。リアワイパーも上支点でリアスポイラーに格納されており、通常は外から見えないものとなった。芸が細かい。

全幅はもう少しで1.9メートル

ボディサイズ(2代目ハリアー比)は全長4770mm(+35)×全幅1885mm(+40)×全高1690mm(+20)、ホイールベースは2740mm(+25)。最も成長したのは、1.9メートルまで、あともう少しとなった全幅で、これは見ても乗っても意識させられる部分だ。おかげで堂々としたルックスは得たが、狭い道、狭い駐車スペース、狭いガレージでは助手席側、特に死角となるその前方が心配になる。サイドブラインドモニターは必須で、確かに全車標準になっている。

 

インテリア&ラゲッジスペース

左右非対称の「新感覚コックピット」へ

外観がキープコンセプトなら、インパネデザインは激変と言っていいだろう。先代の左右対称デザイン(当時のトヨタ車に好んで用いられた)を捨て去り、左右非対称の「新感覚コックピット」を採用。これまでのRXやレクサスにはなかった方向の意匠で、チャレンジングだ。

なお、試乗車はプリクラッシュセーフティシステムやレーダークルーズコントロール(セットで14万7000円)、それにフロントガラスに車速や次の交差点の車線案内などを表示するヘッドアップディスプレイ(8万4000円)を装備。しかし一番目立つのが次に触れる新操作系「リモートタッチ」だ。

クルマ用のトラックボール? 「リモートタッチ」の採用

デザインの大変更は、新開発された操作系に合わせたものとも言える。その主役となるのが巨大なマウスのようなコントローラー「リモートタッチ」だ。正確にはマウスではなく、ジョイスティック風に動くパッドを指先で動かして操作するもので、感覚的にはトラックボールに近い。親指で押す決定キーは左右に付いているから、運転席からでも助手席からでも使用できる。

操作性はなかなか良好で、これまであった類似のもの(BMWのiDriveなど)よりはるかにイイ。メニュー画面の見せ方、手の形をしたポインターなど、インターフェイスも分かりやすいし、ポインターがアイコンに引き込まれるような動きや独特のクリック感、タッチをモーターで作り出し指先に伝える「ハプティック技術」による操作感も楽しい。パソコンのマウスやトラックボールと違い、コントローラーの下にはかなり複雑なユニットがある。開発はデンソー、ハプティック技術は電子部品大手のアルプス電気が行ったようだ。リモートタッチに関しては、また後で触れる。

足もとフラット&広々。正常進化型のリアシート

従来から定評のあるリアシートまわりの作りは、もちろん新型にも受け継がれている。新型ではさらに広く、質感も高められているはずだが、印象としては良い意味で今まで通りだ。左右別々に前後スライドおよびリクライニングが可能。フラットで広々した足もと、良好な見晴らし、ウッドパネル(もちろん本杢)を配した高級感のあるアームレストなど、新世代セダンとしてRXを捉える人には魅力的に映る部分だろう。

一つ思ったのは、背もたれを畳んだ時のフラットさや乗降性を多少犠牲にしてでも、リアシート座面をもう少し高くし、クッションを厚くする手もあったのでは、という点。日産ムラーノが良い例で、ドイツ製SUVもその傾向にある。RXの場合は今まで通り、居住性、乗降性、積載性、それぞれの妥協点をとっている。

 

天井には試乗車にあった「パノラマルーフ」(10万5000円)の装着も可能。フランス車や日産車、ホンダ車などによく見られる固定式の大型ガラスルーフで、電動シェードが備わる。

エアバッグは計8個、“バージョンL”で10個を標準装備。内訳は前席用のフロントとサイドのほか、ニーエアバッグ(運転席と助手席)、カーテンシールドエアバッグ、後席用サイドエアバッグだ。

一家に一台のワゴンとして使用可

トランク容量は中・大型セダンと同等以上で、一家に一台のハッチバックもしくはステーションワゴンとして便利に使える。リアサスペンションを従来のストラットから、ごついトレーリングアームを持つ新開発のダブルウィッシュボーンに変更し、先代よりサスペンションの張り出しを大幅に抑えている。

左右のレバーを引けば、遠隔操作でリアシートの背もたれを60:40(手動なら40:20:40)分割で折り畳める。さすがにムラーノのような電動による復帰機能はないが、RXは背もたれに連動して座面が沈む込み、よりフラットな荷室フロアを作るタイプなので、互角というところ。

 

なおRXのエアサス仕様なら荷室のスイッチで車高を30mm下げることができる。重い物を載せる時はもちろん、ベンチ代わりに腰掛ける際にも便利だ。パワーバックドアは「バージョンL」に標準装備で、他グレードはオプションだ。

床下にはテンパータイプのスペアタイヤが収まり、その横にはジャッキ、そしてちょっとした収納スペースがある。

基本性能&ドライブフィール

いつもの3.5リッターV6+6ATで、スムーズ&速い

試乗したのはRX350の最上級グレード「バージョンL・エアサスペンション」(車両本体565万円)。FFもあるRX350だが、このエアサスペンション仕様はAWDのみだ。AWDシステムは「フルタイム4WD」という名称でよく知られる従来のビスカス式をついにあらため、電子制御多板クラッチ式のアクティブコントロールAWDに変更している。現行(3代目)RAV4と同様のもので、RXの場合はS-VSCより高度なVDIMと統合制御される。

エンジンはトヨタ定番の3.5リッターV6「2GR-FE」(280ps、35.5kgm)。FFの横置きという点では、2代目アルファード、3代目エスティマ、ヴァンガード、マークXジオ、ブレイドマスターと同じエンジンだが、もともとはレクサスISやGS、クラウンなどに積まれる縦置きユニットのデチューン版であり、キャラクターはかなりスポーティだ。

なので、加速感やレスポンス、サウンドといったエンジンから伝わってくるものも、それらのモデルとよく似ている。6ATとの相乗効果で、極めてスムーズに加速し、そうとうに速い。車重は試乗車で2030kgと決して軽くはないが、それをまったく感じさせない走りだ。上には450hもあるわけだが、パワー不足を覚えることはまずないだろう。

この乗り心地の良さでこの走り

誰もが認めるのは、先代ハリアーから受け継ぐ静粛性の高さだろう。エンジン音や風切り音も静かだが、特に静かなのがロードノイズ。世の中がすべてRXだけになったら、ロードノイズという言葉が死語になりそうだ。

エアサスペンションによる乗り心地は気にして乗ってみると独特。むやみにソフトではなく、むしろ通常のバネサスよりコシがある。3段階で車高調整はできるが、走行中は基本的にオートレベリング機能による自動調整だ。バネサスでも乗り心地はいいので、エアサスはどちらかと言えば操縦安定性のためのものと考えていいだろう。

それゆえワインディングでもかなりの速さと安定性を発揮する。FFハッチバックのようにブレーキを残しながらステアリングを切る、切り増す、みたいなことをしても、最後までしっかり付いてくる。もちろんエンジン、ブレーキ、電動パワステの統合制御を行うVDIMが先読みで介入。先代のような唐突感や失速感は当然なくなった。ドイツ車系SUVのようなガチッとしたスポーティさはないが、一般的にはこれで十分だろう。この乗り心地の良さでこの走り、という点がレクサスらしい。試乗車が履いていたタイヤはオプションだが、巨大な235/55R19のブリヂストン・デューラーH/L 33。「H/L」とは「ハイウェイラグジュアリー」のことで、快適性を重視したサマー寄りのSUV用タイヤだ。

同じRX350でもFFは・・・・・・

なお後日、同じRX350でも「バージョンS」のFF仕様に乗る機会があった。これがかなり印象が違う。エンジン諸元は同じだが、こちらは舵角が残った状態でアクセルを踏み込むと、簡単にキュン!とホイールスピン。タイヤはこちらも19インチだ(ただしダンロップのSPスポーツマックス)。トラクションコントロールが介入して、それはすぐに止まるが、そのまま1速、2速で全開加速すると、乾燥路でも緩やかなトルクステアが発生する。これもVDIMによって抑え込まれるが、ビシッとした直進安定感はない。これらはFF単独で大人しく乗った場合には気にならないが、電子制御でパワーが4輪に分散されるAWDではもちろんこうしたことはない。

またFFではコーナーの手前で一気に減速してゆく時も、後輪が左右に泳ぐ感覚がある。これはエアサスの有無もあるだろうが、主因はリアアクスル周辺に集中するAWDシステム(電子制御多版クラッチとリアデフ)がなく、後軸荷重が減ったからでは。試乗したFFの車重は、先のAWD・エアサス仕様に比べて160kgも軽い1870kgだった。

試乗燃費は約7.2km/L

今回は約300kmを試乗。高速道路から一般道までいつもの試乗コースを230km走って約7.2km/L。その後、交通の流れにのって淡々と走った一般道でも、7.2km/Lで推移した。また別のスタッフがFF仕様で約300kmを走った時も、偶然ながら7.2km/Lだった(3名乗車、高速道路主体)。この数値は排気量3.5リッター、車重2トンのSUVとしては、かなり優秀だ。なお10・15モード燃費は、AWDが9.1~9.4km/L、2WDが9.7km/Lだ。

ここがイイ

静粛性、ハイテク装備、そしてもちろんリモートタッチ

静粛性の高さ。1000万円オーバーの超高級車は別として、少なくともロードノイズの遮断に関しては世界一のSUVかも、と思わせる。

相変わらず着々とハイテク化されていること。FR系の現行クラウンやレクサスなどに続き、先読み制御を行うVDIMを全車に標準装備。レーダークルーズコントロールとプリクラッシュセーフティシステムのセットは残念ながら14万7000円のオプションだが、登場当時より10万円ほど安くなっている。またそうしたハイテク感を感じさせる斬新なインパネもいい。むろんサイドモニターによってフェンダー上の無粋なミラーがなくなったこともいい。

デンソーが作るリモートタッチにより、ついにカーナビ画面をPC感覚で操れるようになったこと。パソコンで地図を見ることが一般化した現在、それと同じ操作感でナビを操れることは必須ではないかと思う。リモートタッチによる操作はパソコンの操作に限りなく近い。これでタッチパネルは必要なくなり、より視線移動も少なくなった。というのもタッチパネルの場合、そこを触れるために、どうしてもじっと画面を見ることが多いからだ。すべてのナビ操作がこの手の操作法に統一されることを強く望みたい。

デイズではロジテックというメーカーの「マーブルマウス」というトラックボールデバイスをマウス代わりに使っている人が何人かいるが、リモートタッチはこれにものすごく近い感覚のデバイスだ。トラックボールのボールの替わりに、IBMのノートパソコンなどでおなじみのトラックポイントが大型化されて付いたみたいな感じ。人差し指でカーソルを動かし、親指でクリックという操作が最もやりやすいと感じている我々にとって、もう感無量。絶賛せずにはいられない。

ここがダメ

2WDの設定、インターフェイスについて細かい点

同じ「RX350」でも、2WDとAWDとではまるで別のクルマ。たった25万円安いだけの2WDを、多少燃費は良くなるとはいえ、500万円前後もするこの価格帯で設定したのは大いなる疑問。「雪道なんて走らないし、FFで十分」と思う人は多いだろし、実際それで十分なクルマはたくさんもあるが、これほどパワフルなRX350の場合、操縦安定性の点でAWDは必須と思う。この点は、安価な直4から3.5リッターV6仕様まで、全て4WDとした日産の新型ムラーノに理がある。

夜間、センターコンソールに並ぶエアコンの温度調整スイッチが分かりにくい。昼間は「TEMP」(温度)という文字が読めるが、これが夜間は表示されず消えてしまう。温度調整用の矢印スイッチだけが透過照明で浮かび上がるが、これがすぐ上に並ぶエアコン風量やオーディオのSEEKボタンと同じデザインなので、非常に分かりにくい。以前、現行クラウンでも同じようなことを指摘したが(トリップメーターの切替スイッチにやはり透過照明がなかった)、温度調整くらいは直感的に行いたいところ。

リモートタッチは単なるトラックボールではなく、クリックポイントに行くとカクン・カクンという感触に変わるのだが、この制御に相当なコストがかかっていると聞く。ポインターを移動させる最初の瞬間だけわずかに抵抗(重さ)があり(もうちょっと軽く動かせ他方がいいようにも感じる)、この操作反力も調整できるなど、かなりカスタマイズがきくのだが、正直言ってやりすぎ感がある。もっとシンプルな動作か、あるいはごく普通のトラックボールでもいいようにすら思われる。コスト的にも、このままもっと低価格のクルマに載せるのは厳しそうだ。また左ハンドル車の場合なら右手で操作するので違和感はないが、右ハンドルの場合は左手なのでちょっと慣れが必要。こうなると、もう少しコンパクトなものが右のドアにでもついているとありがたい。その意味でも、もう少しシンプルな構造で小型化・低価格化してもらいたいものだ。

総合評価

日本で「RX」と言えば・・・・・・

googleで「RX」と検索すると、仮面ライダーBLUCK RXに続いてマツダRX-8が出てきた。リコーのカメラも出てくる。そのあとにレクサスRXが登場。そう、クルマ好きにとって「RX」とは、ロータリー車の名前。レクサスRXはすでに3代目とはいえ、日本でもRXという車名で売ると聞いたとき、若干の違和感を禁じ得なかった。ハリアー後継車と言われるのは、ISがアルテッツァ後継車と言われたのと同じで、言いたい人が言えばいいと看過できるが、このRXだけはどうしても気になる。読者の皆さんはどう感じるだろうか。

それはさておき、高級SUVの真打ち登場という意味では、待望のクルマに間違いない。日本車では他にライバルはいないし、販売不振に悩むレクサス店にとっても、売りやすいクルマがやっと来た、という感じだろう。セダンしかないレクサス店が苦しいのは誰にでもわかる。それに加えてこのクルマ不況なのだから、もはやなりふり構っていられないというレクサス店も多いようだ。

しかし名古屋圏のあるレクサス店は好調だという。実はこの店、立ち上がりと同時に、テリトリー内の企業へDMを送付。テリトリー内のデイズにも送られてきた。当時は、レクサスもこんなことをするんだ、と驚いたもの。こうした積極的な(もしかしてイレギュラーな?)展開が現在の状況を生んでいるのかもしれない。また他の店の一つでも、営業マンが企業まわりをしていると聞いている。あの巨大ショールームで客待ちをしているだけではクルマは売れない、ということなのだろう。

世が世であれば大ヒット車

RXはレクサスとしてはかなりお値打ちな、お求めやすいクルマだ。レクサスのセダン群が高価なだけに、機能対価格でいえばずいぶんRXは割安に見える。ライバルとなる欧州のSUVよりも一回り安いし、旧ハリアーからの価格アップに関しても装備面の充実に相応と考えられる。まあ、ほんのちょっとだけ安い2WD仕様の存在は疑問だが(試乗してみて確信した)。IS250バージョンLの4WDは479万円で、RX350の4WDは485万円。こりゃもうRXを買いたくなるでしょう・・・・・・。

また今回は試乗できていないが、RXの本命はやはりハイブリッドの450hだと思う。そしてこちらの570万円からという価格も、かなりグッと来るものだ。レクサス店としては起死回生のヒット車となるのではないか。特にメルセデスなどを持っているお金持ちが、初めて買うレクサス車になるような気がする。もちろんセカンドカーとして。セダンは輸入車を譲れないが、セカンドカーのSUVはレクサス(のハイブリッド)で十分、という図式。いずれにしても不況下の庶民にはほど遠い話だが。

いわゆるクルマ好きがSUVを素晴らしいと絶賛することはない、という原則どおりの印象となるRXだが、高級車としてみればまったく不満なく、快適で安楽、そして見るからに高級感がある。さらに「ここがイイ」で書いたとおり、リモートタッチは絶賛ものだし、ハイテク満載だし、視点が高い分セダンより乗りやすいし(乗り降りは逆にしにくいが)、使い勝手のよさはセダンをはるかに凌ぐ。それだけに、RXは世が世であれば大ヒット車両となる要素を持っているクルマだ(日本ではちょっと大きすぎるかもしれないけれど)。

中古車が担ってきた役目を、新車(の旧モデル)が担う時代

そして世が世であれば、ハリアーやハリアーハイブリッドが継続販売されるようなこともなかっただろう。300万円前後で買える4気筒ハリアーは、確かにこれまでの売れ筋なのだが、事実上のフルモデルチェンジをしたのに残すというあたりに、クルマ業界の今後が示唆されている気がする。噂ではプリウスも現行車が安い価格で残されるという。旧モデルを生産・併売するなんてことは、基本的にはこれまであり得なかったこと。こうなるとフルチェンジの意義は薄らぎ、結果としてますますクルマが売れなくなるような気さえする。あるいは売れてるクルマはフルチェンジしても残すというのが今後のデフォルトとなり、そこで採算(や利益)を取るクルマ作りのビジネスモデルができていくのだろうか。

つまり明らかに良くなったニューモデルが必ずしもユーザーに喜ばれるとは限らない、という時代がやってきつつあるように思えてならない。あるレベルを超えた性能の比較は、もはや無意味ということだ。それによってお金のある人はニューモデルを、そうでない人は旧モデルを、とか、クルマに興味がある人はニューモデルを、そうでない人は無難な旧モデルを、という販売方法が、今後の新車販売のやり方になるのかもしれない。つまりこれまでは中古車が担ってきた役目を、新車(の旧モデル)がやることになるわけだ。今までなら絶版となっていたはずのクルマでも、引き続き新車で買えることを、「うれしい」と思うか、「何だそれは」と思うか、あなたはどちらだろうか?

試乗車スペック
レクサス RX350 “バージョンL・エアサスペンション”
(3.5リッターV6・6AT・565万円)

●初年度登録:2008年12月●形式:DBA-GGL16W-AWTGK(L) ●全長4770mm×全幅1885mm×全高1690mm ●ホイールベース:2740mm ●最小回転半径:5.7m ●車重(車検証記載値):2030kg( 1180+850 )●乗車定員:5名●エンジン型式:2GR-FE ● 3456cc・V型6気筒・DOHC・4バルブ・横置 ●ボア×ストローク:94.0×83.0mm ●圧縮比:10.8 ● 280ps(206kW)/ 6200rpm、35.5kgm (348Nm)/ 4700rpm ●カム駆動:タイミングチェーン ●使用燃料/容量:プレミアムガソリン/72L ●10・15モード燃費:9.1km/L ※オプション装着により車重2020kg以上の場合。通常は9.4km/L ●JC08モード燃費:-km/L ●駆動方式:電子制御フルタイム4WD ●サスペンション形式:前 マクファーソンストラット/後 ダブルウィッシュボーン ●タイヤ:235/55R19( Bridgestone Dueler H/L33 )●試乗車価格:627万8950円( 含むオプション:235/55R19タイヤ&19×7.5アルミホイール 3万1500円、プリクラッシュセーフティシステム<ミリ波レーダー方式>+レーダークルーズコントロール<ブレーキ制御付> 14万7000円、ヘッドアップディスプレイ 8万4000円、パノラマルーフ 10万5000円、クリアランスソナー 4万2000円、マークレビンソン プレミアムサラウンド サウンドシステム 21万9450円 )●試乗距離:300km ●試乗日:2009年2月 ●車両協力:トヨタ自動車株式会社

 
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