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スズキ ソリオ S新車試乗記(第621回)

Suzuki Solio S

(1.24リッター・CVT・162万4350円)

全てを一新!
新型ソリオは5人のための
傑作移動ツールだった!

2011年01月28日

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考え

キャラクター&開発コンセプト

新開発シャシー、新世代のエンジンとCVT、両側スライドドアを新採用


今回試乗した最上級グレードの「S」

2010年12月24日に発表、2011年1月7日に発売された新型「ソリオ」は、全長3710mm、全高1765mmの5人乗り“コンパクトハイトワゴン”。先代ソリオ(2004年~2011年1月)の後継車だが、新型は新開発の軽量プラットフォーム、スイフト譲りの1.24リッターエンジンと副変速機構付CVTを採用して、10・15モード燃費:22.5km/Lを達成。その他、リアドアを従来のヒンジ式から両側スライドドアに変更するなど、ミニバン的な作りになっているのが特徴だ。

ターゲットは軽自動車からのステップアップもしくは普通車からのダウンサイジングユーザー。つまりスズキで言えば、ワゴンRやパレットといった軽自動車とランディ(日産セレナのOEM車)のような中型ミニバンの間を狙う。またスズキにとっては、スイフトに続く「スズキの小型乗用車第二の柱」でもある。

元祖は「ワゴンR ワイド」

ソリオの元祖は、軽自動車のワゴンRをワイドボディ化して、1リッター直4エンジンを搭載した「ワゴンR ワイド」(1997年~1999年)。その後は2代目ワゴンRベースの「ワゴンR プラス」(1999年~2000年)にモデルチェンジし、さらに1.3リッターの「ワゴンR ソリオ」(2000年~2004年)、そして先代「ソリオ」と車名を変更してきたわけだが、少なくとも1999年以降は基本メカニズムに大きな変更はないため、新型は実質的に約11年ぶりのフルモデルチェンジとなる。

目標販売台数は年間1万2000台。スイフト(同4万3000台、2010年実績は4万4589台)の3分の1程度となる。CMキャラクターは意表を突いて? ジャニーズ所属の「KAT-TUN(カトゥーン)」。メンバーは当初6人だったが、現在はソリオの乗車定員と同じ5人となっている。

なお、2011年春からは三菱に新型ソリオをOEM供給することが決まっている。国内に限定したもので、規模は月間800台程度とのこと。車名は「デリカ D:2」になる模様だ。

※過去の参考記事

■モーターデイズ>新車試乗記>スズキ ワゴンR ソリオ 1.3 Well (2002年6月更新)
■モーターデイズ>新車試乗記>スズキ ワゴンR ソリオ (2001年1月更新)
■モーターデイズ>新車試乗記>スズキ ワゴンR プラス (1999年6月更新)
■モーターデイズ>新車試乗記>スズキ ワゴンR ワイド (1997年4月更新)

 

※外部リンク
■スズキ株式会社>プレスリリース>新型「ソリオ」を発売 (2010年12月)

価格帯&グレード展開

138万2850円~。主力は「X」(150万9900円~)か「S」(162万4350円~)


車体色は計6色。試乗車は新色の「メロウブロンズパールメタリック」

パワートレインは全車1.24リッター直4+CVTで、グレードは3種類。標準車の「G」(2011年2月下旬に発売予定)、そしてエアロパーツ、オートエアコン、アルミホイール、前スタビライザー、前席サイドエアバッグ等を標準装備した「X」、さらにディスチャージヘッドランプ、革巻ステアリング、LEDウインカー付ドアミラー等を標準装備した「S」となる。装備内容から見て、販売主力は「X」だ。ちなみにスイフト(124万4250円~)と比べるとソリオの方が全体的に10万円ほど高い。

スイフト同様、キーレスプッシュスタートシステムは全車標準。基本的にオーディオレスだが、各グレードにバックモニター付CDプレーヤー(4万7250円高)が用意されている。「S」のみSRSカーテンエアバッグ&ESP(8万4000円高)が選択可能。

■G    FF:138万2850円
■X    FF:150万9900円/4WD:163万2750円
■S    FF:162万4350円/4WD:174万7200円   ★今回の試乗車

パッケージング&スタイル

1620mmのナローボディ。デザイン的にはパレットSW風


最上級の「S」と中間の「X」は、エアロパーツや14インチアルミホイールを備える

デザイン的には過去の歴代モデルがワゴンR風だったのに対して、新型ソリオはパレット風というか、むしろそのスポーティ版であるパレットSW風だ。スケルトン素材のグリルや横基調のリアコンビランプがクールでオトコっぽい。ファミリー向けでもファミリーっぽいのはダメという、最近の流れに沿ったものになっている。

 

リアコンビライトはパレット/パレットSWの縦長に対して横基調

ボディサイズは全長3710mm×全幅1620mm×全高1765mm。この中で目を引くのが、全幅が1620mmしかないこと。全幅は5ナンバーいっぱい、というのが半ば常識の国産コンパクトカーにあっては珍しいケースで、まさに軽自動車と普通車の真ん中というサイズになっている。

パワートレインがスイフト譲りなので、エンジンコンパートメント周辺もスイフト譲りでは、と思ってしまうが、トレッド値が大きく異なるので(だいたい60~70mm程度ナロー)、まったくの別物とのこと。ちなみにパレット比では、140mmほどワイドトレッドで、こちらとも別物ということになる。

 

一方、全高は大人男性の背丈を越えるほど高く、パレットとほぼ同じ。実際のところ、ドアパーツもパレットからの流用のようだ。ただし当然ながらタイヤ外径はパレットより一回り以上大きく、ホイールベースは50mm長い2450mmとなっている。

インテリア&ラゲッジスペース

広々した視界、手抜きのない質感作り

フロントウインドウからの視界は2本構成のAピラー共々、パレットあたりと似た感じだが、それよりも全幅が広い分だけワイドで、自然な眺めになっている。セレナのように上から見下ろす感じがない分、軽自動車やコンパクトカーからの乗り換えでもすぐに馴染めそうだ。

 

写真はメーカーオプションの4.3インチ液晶バックモニター付CDプレーヤー。ステアリングスイッチとUSBソケットも同時装着される

インパネまわりの質感は高く、軽とはやはり違うな、という印象。メタル調の加飾、革シボ、光沢感のある塗装(オーディオ周辺)、ファブリック製のドア内張、風合いのあるビターブラウン色のシート地などなど、手法としてはオーソドクスだが、要は手抜きがない。またインパネシフトなどの操作性も良く、キーレスプッシュスタートシステムも全車標準だ。

ユーティリティも充実。ウォークスルーも可能


取っ手があり、買い物カゴのように使える助手席シートアンダーボックス。この状態から、背もたれを前に倒すことも出来る

小物入れも多数あり、特にセンターコンソールのトレー(上と下に2ヶ所)は、携帯電話やスマートキーなどの小物を置いておくのに便利。また助手席側にもトレーがあるほか、その上にはペットボトルが入る保冷機能付助手席アッパーボックスも備わる(パレットにも軽初として装備)。さらにインパネ収納式のドリンクホルダーが運転席と中央に各一つずつ、さらにスズキ車で定番の助手席座面下のバケツ、「助手席シートアンダーボックス」も備わる。

 

運転席は全車アームレストとラチェット式のシートリフター付。ステアリング調整はチルト(上下)のみ。

またこのボディ幅で、運転席と助手席の間をウォークスルーできるのも良い(従来モデルはベンチシートだった)。しかもシート間の距離は180mmも離れており、男性でも無理なく足が通せる。これによって、例えばリアスライドドアから運転席に出入りする、ということも可能になった。

後席の圧倒的な広さは、車両サイズを忘れさせる


リアシートには3人分の3点式シートベルトが備わる(ヘッドレストは2人分)

後席空間は横方向も、前後方向も、そして天地も広々しており、まったくもって十二分。とても全長3.7メートル、全幅1.6メートル少々のクルマとは思えない。リアシートは左右別々に165mmの前後スライドが可能で(XとS)、一番後ろまで下げると、足もとに真っ平らなフロアが広がる。またリクライニング機能もあって、背もたれの角度を数ノッチ調整できる。

 

そして乗降性もクラスに関係なく最高の部類だ。スライドドアの開口高(天地)は1230mm、開口幅は580mm(数値はパレットとまったく同じ)。写真で見ると、幅が狭いように見えるが、それは開口部が異様に縦長だからで、実際にはこじんまりした「玄関」みたいに楽に出入りできる。ステップ高の365mmという数値も、このクラスでは極限的な低さだろう(パレットは340mm)。

 

写真右下が「S」に備わる両側電動ドアの遠隔スイッチ

なお全車スライドドアは半ドアを防ぐ「イージークローザー」付。また左側スライドドアはすべて電動で、最上級の「S」では両側電動となる。

パレットより天地は狭いが、横幅で勝つ


写真は左側シートを一番後ろに寄せて背もたれを倒し、右側シートを一番前に寄せて背もたれを立てたところ

パレットに比べて横幅がある分、ゴルフバッグの横積みが可能な新型ソリオ。一方、パレットよりもリアゲートの敷居は高めで、地上高はパレットの535mmに対して690mmもある(数値はすべてメーカー発表値)。全高は同等だから、その分だけ天地は狭くなり、開口部の天地はパレットの1100mmに対して960mmに減少する。肝心の荷室高は手元の資料になかったが、パレットが1160mmあるので、おそらく1メートル程度はあるだろう。

 

写真の状態から、さらに助手席の背もたれを前に倒し、サーフボードのような長モノを積むこともできる

というわけで、高さではパレットに負けるソリオだが、後席を折り畳めば、26インチの自転車が1台そのまま立てて積めるようで、前輪を外せば、もう一台積むことも可能だろう。奥行きは少なくともパレットと同等の1.4メートル程度と思われる。

後席はワゴンRでおなじみ、背もたれを倒すと、同時に座面も連動して沈み込む「ワンタッチダブルフォールディングシート」(XとS)。背もたれの肩口にあるレバーを引くだけなので、操作は簡単。しかも力はほとんど要らない。

 

スペアタイヤレスで、荷室床下にパンク修理キットを搭載する

実はパレットの後席アレンジ方法はソリオと違い、座面を一回持ち上げてから、足もとに落とし込むタイプ。この方が後席を低く収納できるが、一手間多いのが弱点だ。結果、これがソリオとの荷室高の違いになって表れている。ソリオの方が居住性および操作性重視、パレットの方が積載性重視と言える。

基本性能&ドライブフィール

スイフト並みの軽快な出足。十分な安定感と乗り心地


1242cc「K12B型」エンジンは吸排気VVT付の新世代ユニット

今回は浜松のスズキ本社から広報車を借り出し、浜松、浜名湖周辺で試乗した。試乗車は最上級の「S」(162万4350円)で、オプションのESP付き。また今回は一緒に、昨年ヘビーウェットの箱根でしか乗っていなかった新型スイフト(最上級のXS、147万5250円)にもあらためて試乗してみた。比較試乗という意図はなかったが、いずれもパワートレインは1242cc 直4(91ps、12.0kgm)とロー/ハイ2段の副変速機構付CVT(ジヤトコ製)の組み合わせ。メカ的には「まったく一緒」とのことだが、CVTの変速プログラムは新型ソリオ用にチューニングしたという。

排気量が1.2リッターに過ぎないため、1.3~1.5リッターのラクティスやフリード(スパイク)ほどの余裕はないが、走り出しは予想よりも軽快。スイフトと大差ないかも、というのが第一印象だ。それもそのはず、車重はスイフト(CVT車)の990kgに対して、標準車の「G」で1000kg、一番重い「S」でも1040kgしかない。この背高ボディに加えて、試乗した「S」では両側電動スライドドアなど装備てんこ盛りなのだが、さすが専用の軽量“ナロー”シャシーだけのことはある。

操縦安定性はもちろん普通車レベルで、多少なりともパレットにあるグラグラ感はまったくない。ステアリングを切りながらブレーキング、みたいなことも躊躇なく出来るし、しかもよく止まる。このあたりにも軽量ボディ、そして小さめのエンジンというのが効いていそう。

乗り心地もおおむね不満なし。重心が高いので足まわりはそれなりに硬めたはずで、後席では時々それを感じないでもないが、ボディの各寸法や車重を忘れさせるレベルだ。ボンヤリ乗っていると、ボディサイズがもう一回り大きいクルマのように錯覚する。

スイフトと真逆の安定志向。横風にも強い。

俊敏極まりない新型スイフトと違って、新型ソリオの操縦性はいわゆるミニバン的な安定志向。徹底的にアンダーステアなのは当然として、常識的な操作ではグラッと来たり、ラインが膨らんだり、ということもない。オプションのESPも乾燥路で介入することはまずなさそうで、ハンドリングにESPが大きく効いているスイフトに比べると、日常的な恩恵は感じにくいかも。ただしESPはウェットはもちろん、積雪路や凍結路でも威力を発揮するほか、ソリオのESPにはヒルホルダー機能もあるから、やっぱりあるに越したことはないだろう。

遠州名物、太平洋から殴りつけるような海風が吹く浜名バイパスも走ったが、ドーン!と音がしそうなほどの強風に直撃されても、直進安定性は問題なかった。ここが軽のトールワゴンやワンボックスと決定的に違う部分だ。

高速道路も少し走ってみたが、100km/h巡航は約2000回転。スイフトとは最終減速比を含めてギア比はまったく一緒だが、タイヤ外径はスイフトの方が大きく、そのせいか、走行抵抗が少ないせいか、スイフトでの100km/h巡航は約1900回転だった。しかし、しょせんは約100回転の違いで、騒音レベルは大差ないと思えた。動力性能も外観から見た印象ほど差がない感じで、許されればどちらもメーター読みで160km/h程度は出そう。

燃費はスイフトと大差ない

いつもと違うパターンの試乗ゆえ、試乗燃費はいつも以上に参考に過ぎないが、撮影などの移動を除くと16km/L台を維持した。

なお10・15モード燃費はベース車の「G」(FF)で22.5km/L、「X」と「S」で21.0km/L(4WDは20.0km/L)。一方、スイフト(CVT)の10・15モード燃費は23.0km/L(4WDは20.0km/L)で、要するに燃費性能もほとんど同等だ。前面投影面積を含めた空気抵抗値が大きく違ってこうなのだから、街乗りでは実質同じだろう。

指定燃料はもちろんレギュラーガソリン。タンク容量は33リッターと軽自動車並みに小さいが、上手に走れば残量警告灯(全車標準)が点灯するまで300kmくらい走れそうだ。

ここがイイ

小さいのに立派な「ミニバン」になっている。内装の質感

全幅1620mmのナローボディ、1.2リッターの排気量など、このクラスの主流より一回り小さいにも関わらず、両側(電動)スライドドア、ウォークスルー、広々した室内、各種ユーティリティ、走行性能、快適性、そして高い質感などを備えて、ちゃんと「ミニバン」になっていること。5人以下の家族であれば、ヴォクシー/ノア、ステップワゴン、セレナ/ランディは要らず、ソリオで十分だろう。

特に内装の質感がたいへん高い。最近のコンパクトカーは上級グレードでもドアの内張がほとんど樹脂のまま。ソリオはちゃんと布張りで、冬でも触った時に冷やっとしない。樹脂の質感も平均以上。シボのパターンはオーソドックスで、今や古くさいのかもしれないが、この方が絶対いい。

ここが気になる

地味なスタイリング。商品特性の分かりにくさ

スタイリングはちょっと地味かも。典型的なカタチではあるが、魅力的なカタチとはいえない。エアロパーツ装着車(S)はがんばってはいるが、カッコいいというところまでは行ってないと思う。

今までのソリオとはまったくの別物だという話や商品の良さが、分かりにくいこと。我々ですらそうなのだから、普通の人には一体どういうクルマだか、実車を見ない限り見当もつかないのではないか。

総合評価

開き直りが痛快

小さなボディで室内空間を稼ごうと思うと、その形は当然ながらミニバン的になる。それでも多くのコンパクトカーは“カッコよく”見られたいので、できるだけミニバンらしからぬ装いとなるわけだが、ソリオは遠慮なくミニバンになった。3列目シートこそないものの、両側スライドドアやウォークスルー、広大な後席空間が象徴するように、これはもうミニバンそのもの。この開き直り?は痛快だ。

横幅は先代ソリオと同じだが、室内幅はけして狭くない。ドアやサイドウインドウが垂直に近いため、スイフトよりも当然ながらはるかに広く感じられる。日本では5ナンバー枠一杯の1695mmという全幅がコンパクトカーでも横行しているが、コンパクトカーである以上、幅は狭いに越したことはない。ボディサイズは小さく、室内サイズは広く。マンマキシマム・メカミニマムと言ったのはホンダだが、そのとおり。みんな5ナンバー枠一杯か、それ以上の幅になりつつある日本のコンパクトカー市場では、貴重な存在だ。

 

日本で実際にこのクルマを買うのは多分、軽自動車からステップアップしてきた3人構成のファミリー層が中心だろう。軽のパレットでもいいが、やはり一家で一台となると、軽ではちょっとだけ不満もある。余裕のないエンジンパワーや広さ(特に室内幅)、そして実燃費の意外な悪さ、といったあたりだ。といって2台持つのは辛い。それがソリオなら、そういった軽の弱点がすべて解消される。ファミリーに主流の2リッタークラスミニバンも、正直なところ3人家族には大きすぎる。「ちょうどいい」という売り込みでホンダ・フリードが売れているが、ソリオもまさにちょうどいいクルマだ。

むしろ若者のためのクルマ

しかしカトゥーンを使ったテレビCMを見ると、全くファミリーカーとはうたっていない。こうなった理由は、ファミリーカーとすると購入層が広がらない、ファミリー層の女性にはカトゥーンが好まれている、CMインパクトが強く、ひいてはクルマの認知度につながる、といったことのようだが、もうちょっと深読み、あるいは湾曲?して考えると、実はこのクルマ、ファミリーばかりでなく、昨今の若者のためのクルマとして過不足ないことを表しているのでは。生活上、何にでも使え、さらに多人数でも乗れる。クルマにさほど興味のない若者にとって、クルマの持つステイタス感は関係なしに、単に便利なツールとだけ考えると非常に費用対効果の高いものとなる。

もちろん、3人家族や若者に限らなくても、たくさん乗れて、たくさん積めて、そう大きくなくて、価格が安い、というクルマは、誰にとっても費用対効果が高いはずだ。スズキは明言していないが、たぶんこのパッケージングはやがてインドやアジアなど海外向けモデルにも応用されていくのではないか。そうでなければ年間わずか1万2000台(三菱向けOEM車を合わせれば年間約2万台だが)という国内モデルのために、わざわざ新しいプラットフォームを開発する必要はないのだから。

 

日本の家族にぴったりのクルマが、海外にも通用しそうなあたりがいよいよ21世紀的だなあ、と感慨深い。クルマをツールとして見れば、いよいよ世界は一つ、なのだ。ツールとして便利なクルマとは、コンパクトで低燃費で環境性能が良くて、ステイタス感はないが合理的なクルマ。そしてクルマなんか便利なら何でもいいやという若者は、クルマが何とか欲しいという途上国の人々と非常に近いのかもしれない。いや、若者の貧困が語られるようになってきた日本の状況は、途上国とほとんどズレてはいないのでは。

ワゴンR プラスの時代から素晴らしいクルマだと言ってきたデイズだが、専用設計によってさらにクルマとしての質が高まった新型ソリオは、クルマを必要とする世界の、そして日本の庶民を救う救世主だ。だが、まだ「ビンボーを売り物にする」ところまで行っていない日本社会では、オブラートに包んでカトゥーンということなのだろう。日本が生み出した最高に便利な生活道具、全世界で通用する無駄のない移動ツール、それがソリオだと思う(2002年の先代インプレもお読みください)。

試乗車スペック
スズキ ソリオ S
(1.24リッター・CVT・162万4350円)

●初年度登録:2011年1月●形式:DBA-MA15S ●全長3710mm×全幅1620mm×全高1765mm ●ホイールベース:2450mm ●最小回転半径:5.0m ●車重(車検証記載値):1040kg( 630+410) ●乗車定員:5名

●エンジン型式:K12B ● 1242cc・直列4気筒DOHC・4バルブ・横置 ●ボア×ストローク:73.0×74.2mm ●圧縮比:11.0 ● 91ps(67kW)/6000rpm、12.0kgm (118Nm)/4800rpm ●カム駆動:タイミングチェーン ●使用燃料/容量:レギュラーガソリン/33L ●10・15モード燃費:21.0km/L ※「S」グレード ●JC08モード燃費:20.0km/L

●駆動方式:前輪駆動(FF) ●サスペンション形式:前 マクファーソンストラット(+コイル)/後 I.T.L.(アイソレーテッド・トレーリングリンク(+コイル) ●タイヤ:165/65R14( Yokohama Aspec )●試乗車価格:175万5600円( 含むオプション:SRSカーテンエアバッグ+ESP 8万4000円、バックモニター付CDプレーヤー 4万7250円 )●ボディカラー:メロウブロンズパールメタリック ●試乗距離:-km ●試乗日:2011年1月 ●車両協力:スズキ株式会社

 
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