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新車試乗記 第761回 ホンダ ステップワゴン スパーダ・クールスピリット Honda Step WGN Spada・Cool Spirit

(1.5L 直4ターボ・CVT・288万7000円)

初代デビューから19年。
5ナンバーFFミニバンの先駆者、
その到達点に迫る!

2015年06月12日

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キャラクター開発コンセプト

ホンダ初の1.5L 直噴ターボを全面搭載


新型ステップワゴン G
(photo:Honda)

5代目となる新型ステップ ワゴンが2015年4月23日に発表、4月24日に発売された。1996年にデビューした初代ステップワゴンは、FFベースのトール型5ナンバーミニバンというジャンルを切り拓いたパイオニア。5ナンバー枠をいっぱいに使ってスペースや道具感を追求したコンセプトで爆発的にヒットした。今回の新型も、基本的には初代同様のコンセプトに磨きをかける形で、進化している。

 

新型ではエンジンルームをコンパクト化した分、キャビンや荷室が広くなった
(photo:Honda)

新型におけるトピックは、従来の自然吸気2L 直4エンジン(150ps、193Nm)に代えて、いわゆるダウンサイジング(主に過給器の追加による小排気量化)を図ったホンダ初の1.5L直噴 VTEC(ブイテック) ターボエンジン(150ps、203Nm)を全車に採用したこと。

出力等はほぼ従来の自然吸気2Lエンジン並みだが、ホンダ自身は「常用域で2.4Lエンジン並みのトルクを発生する」としている。変速機には改良型のCVT(無段変速機)を採用し、JC08モード燃費はクラストップレベルで先代比+2km/Lの最高17.0km/Lを達成している。

サブドアをリアゲートに内蔵した「わくわくゲート」を採用


リアゲートにサブドアを内蔵した「わくわくゲート」を採用
(photo:Honda)

もう一つのニュースは、リアゲートの左側に横開き式のサブドアをビルトインした「わくわくゲート」を新採用したこと。

安全装備に関しては、国内向けではレジェンド、ジェイドに続いて、歩行者まで検知対象とする安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダ センシング)」を採用し、全車にオプション設定。センサーにミリ波レーダー(対象物体の位置や速度、歩行者などを検知)と単眼カメラ(車両前方約60mまでの歩行者や対象物体の属性、大きさなどを識別)の二つを併用することで、精度の高い認識性能を確保したという。

 

広告キャッチコピーは、標準車が「進め!家族」、スパーダが「大好きだから、カッコつけたい」。

月販目標は先代の6000台に対して5000台。5月の実績は5087台で、ホンダによれば5月31日時点での累計受注台数は1万5000台超とのこと。

生産はアコードハイブリッドやオデッセイと同じ埼玉製作所で、基本的に国内専用車。主なライバルは、トヨタのヴォクシー/ノア/エスクァイア、そして日産セレナになる。

【参考記事】 【外部リンク】
 

価格帯&グレード展開

228万8000円からスタート。スパーダは272万5000円~


ステップワゴン スパーダ・クールスピリット
(photo:Honda)

新型ステップワゴンは(今のところ)全車1.5LターボのCVTのみで、FFと4WDがある。乗車定員は7人が標準だが、2列目ベンチシートの8人乗りも全車メーカーオプション(2万1600円)で選べる。

標準のステップワゴンは「B」、「G」、「G・EX」の3グレード構成で、価格は228万8000円~。ただし「わくわくゲート」はBにはなく、248万円からのG以上に標準装備される。

 

2015年夏に発売予定の車いす仕様車(標準車のBがベース)。3列目シートが跳ね上げ式ではなく床下格納なので、車いすで乗り込んでも狭さを感じにくい(2列目での固定も可能)
(photo:Honda)

先代で販売の8割を占めたというスパーダは、専用ボディキット(前後バンパー、サイドスカート、リアスポイラー、専用アルミホイールなど)、ブラック内装、LEDヘッドライト(ロービーム)、専用サスペンションが標準装備で、272万5000円~。

また、スパーダに合皮(プライムスムース)/ファブリックのコンビシート、7速パドルシフト、通常の16インチに代えて17インチタイヤ&ホイールを装備したスパーダ・クールスピリットが288万7000円~。

Honda SENSINGは全車オプションで、標準車はサイド&カーテンエアバッグ込で14万5800円、スパーダは10万8000円。そしてHonda インターナビ、リア右側パワースライドドアもオプションになる。

 

パッケージング&スタイル

小顔に変身。リアには「わくわくゲート」


試乗車はスパーダ・クールスピリット(プレミアムスパークルブラック・パール)

デザインテーマの一つは「ボックススタイルの楽しさ、美しさ」。フロントフェイスには、一般的には売れ線のギラギラしたメッキグリルではなく、現行フィットなどに通じるホンダ共通のデザインを採用。標準車には透明のアクリル製パネルを、スパーダにはフラットな形状のメッキパネルを使っている。あえてグリルレスっぽくしたところにホンダの主張が感じられる。結果、特に標準車では威圧感が減り、親しみやすい雰囲気になった。

 

ホイールベースは先代から35mm伸びて2890mm

もう一つフロントまわりで大きく変わったのは、エンジンルームの前後長が40mm短くなり、フロントのオーバーハングが標準車で40mm削られたこと(ただし新型スパーダは標準車よりオーバーハングが45mm長く、先代と比べて5mm長い)。また、ボンネットの傾斜も増えて、全体としてはフィットのようなモノフォルム感が強まった。あわせて、ホイールアーチを強調する膨らみやキャラクターラインもしっかり入っている。

 

最大のポイントは、リアゲート左側にサブドアを内蔵した「わくわくゲート」と、それによる左右非対称デザイン。なお、リアゲートを観音開きドアにしなかったのは、ハッチタイプなら雨よけの「ひさし」にもなってくれるからだ。

 
    全長(mm) 全幅(mm) 全高(mm) WB(mm) 最小回転
半径(m)
4代目ホンダ ステップワゴン (2009~2015) 4690 1695 1815~1830 2855 5.3~5.6
4代目 日産 セレナ (C26系、2011~) 4685~4770 1695~1735 1865~1875 2860 5.5~5.7
3代目トヨタ ヴォクシー/ノア/エスクァイア (2014~) 4695~4710 1695~1730 1825~1870 2850 5.5
5代目ホンダ ステップワゴン (2015~) 4690~4735 1695 1840~1855 2890 5.4~5.7
5代目ホンダ オデッセイ (2013~) 4830 1800~1820 1685~1715 2900 5.4
 

インテリア&ラゲッジスペース

メーターはアウトホイール式に


スパーダの内装は全てブラック基調で、クールスピリットは合皮(同)/ファブリックのコンビ

インパネ中段を左右に横切る「棚」やインパネシフトなどは先代とほぼ同じだが、ナビディスプレイ周辺やメーターのレイアウトは激変。メーターはダッシュボード上面の奥に配置され、ジェイド同様にステアリングホイールの上から見る「アウトホイールメーター」になった。この点については、先々代(3代目)のデザインに戻ったとも言える。

これに伴い、ステアリングホイール内の一等地は、ジェイドと同じように何もない“空き地”になった。インパネのあちこちに収納スペースがあるのと対照的で、もったいないなぁと思うのだが、ユーザーにとっては一種のフリースペースか。

 

メーターの手前にはフタ付小物入れ、センターコンソールには収納式テーブルやドリンクホルダーが備わる

写真は3代目ステップワゴン(2005~2009年)のインパネ
 

MM思想は不滅です


ホールド性はそこそこだが、座り心地はまずまずの前席。チルト/テレスコは全車標準

エンジンルームの前後長が40mm短縮され、ホイールベースが35mm増えたことなどで、室内長(1-3列のタンデムディスタンス)は40mmアップ、そして荷室の前後長も20mmアップした。さらに全高が25mm高くなったことで、室内高も30mmアップ。結果として室内空間は、同クラス(2Lクラスのトール型ミニバン)で最大級になり、特に今回は「3列平等」のコンセプトにのっとって、3列目シートを広くしたとのこと。これぞホンダ伝統のMM(マンマキシマム・メカミニマム)思想。

7人乗りが標準で、8人乗りはオプションで用意


オプションの2列目ベンチシート仕様。ロールサンシェイドは「B」グレードを除いて標準装備

2列目シートはキャプテンシート(7人乗り)が標準で、2列目ベンチシートの8人乗りをオプションで用意。試乗車はその8人乗りの方だが、カタログにも8人乗りの写真はほとんど掲載されてないので貴重かも。ウォークスルーは出来ないが、いざとなれば8人乗れるのがメリット。

 

室内高はセレナ(1380mm)、ヴォクシー/ノア(1400mm)を上回る1425mm
(photo:Honda)

なお、新型では2列目シートのタンブル格納(背もたれを倒してから座面ごと前方に跳ね上げる)が廃止され、荷室を目一杯拡大する時でも、前後スライドで前に寄せるだけのタイプになった。自転車など長くてかさばるものを積む時には少し不利だが、タンブルは女性などが操作しにくい、クッションの厚みを確保しにくいといった点から、廃止という判断になったようだ。もちろん、コストや重量もセーブできる。

 

サードシートは左右分割式に進化


サードシートのスペースは十分だが、クッションの平板さは先代と大差なし

3列目シートは、横への跳ね上げ式が多いライバル車とは異なり、これまでどおり床下格納式を採用。ただし先代のような左右一体型ではなく、左右別々に格納できる新開発の「マジックシート」に進化した。巧みなバネ仕掛けによって、まさにワンタッチで床下にバタバタっと格納される様子はまさにマジック。

ただし、サードシートの座り心地に関しては、ライバル車のような跳ね上げ式ほど良くはない。これは単純にクッションの分厚さの差。子供ならともかく、大人が長時間ここに座るのはけっこう疲れそう。

「わくわくゲート」からの出入りも可能


片側を床下に格納すれば、サブドアからスムーズに出入りできる

リアゲートは、ベースグレードを除き、横開きのサブドアを左側に内蔵した「わくわくゲート」になった。これにより荷室へのアクセスが容易になったほか、サードシートの出入りも簡単になった。リアゲート敷居の地上高も先代より85mmも低くなり、445mmに。階段で言えば2.5段分の高さだが、ライバル車などと比べると明らかに低いことが分かる。この辺の低床設計はさすがホンダ。

 

リアゲート敷居の高さは先代より85mmも低くなり、大人ならスムーズに出入りできる

セカンドシートを一番前まで寄せた状態。27インチの自転車でも車輪を付けたままでギリギリ収まる
 

サブドアは3段階で開く(写真は全開状態)。中からもスイッチで開けられる

リアゲート開口高は1270mm、開口部の幅は1180mm
 
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