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スズキ スイフト新車試乗記(第810回)

Suzuki Swift

(1.2L直4・CVT / 1.0直3ターボ・6AT)

6年ぶりに全面改良。
スズキの主力コンパクトは
劇的進化(と軽量化)を遂げた!

2017年03月27日

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キャラクター&開発コンセプト

6年ぶりのフルモデルチェンジ

スズキ スイフトの前73画像

2016年12月27日に発表、2017年1月4日に発売された新型スイフトは、2000年に登場した初代(初代のみ海外名はイグニス)から数えると4代目となるモデル。今回は6年4か月ぶりのフルモデルチェンジとなった。

グローバルで車名がスイフトに統一された2004年発売の2代目以降、世界累計販売は同社のグローバルモデルで最多の530万台以上(2016年11月末時点)とのこと。ちなみにスズキでは1979年にデビューしたアルトが昨年、国内累計販売500万台を達成したばかりだ。

すべてを一新。デュアルセンサーブレーキサポート(DSBS)を新採用

スズキ スイフトの後73画像

改良点は、デザインの一新、バレーノ(2016年3月発売)が初出の新世代Bプラットフォーム「HEARTECT(ハーテクト)」の採用、先代比で最大120kgの軽量化、1.2L直4「デュアルジェット エンジン」のマイルドハイブリッド仕様や1.0L直3 直噴ターボ「ブースタージェット エンジン」の新設定、スズキ初となる単眼カメラとレーザーレーダー併用タイプの衝突被害軽減システム「デュアルセンサーブレーキサポート(DSBS)」の採用など。デザイン、走り、燃費、安全と、全方位で商品力向上が図られている。

国内の月販目標は3000台。今後は輸出をはじめ、ハンガリー、インド、中国などで現地生産され、海外に投入される予定。ちなみにスイフトの地域別累計販売比率はインドが55%で最も多く、次が欧州の17%、日本の10%と続く。

 

■外部リンク
スズキ>新型「スイフト」を発売(2016年12月27日)

■過去の参考記事
新車試乗記>スズキ バレーノ(2016年5月掲載)
新車試乗記>スズキ スイフトスポーツ(2011年12月掲載)
新車試乗記>スズキ スイフト XS(2010年9月掲載)

 

価格帯&グレード展開

134万3520円からスタート。ターボ車「RSt」は170万4240円

スズキ スイフト、リアコンビネーションランプの画像

パワートレインは1.2L 直4「デュアルジェット」 エンジン(5MTもしくはCVT)、そのマイルドハイブリッド仕様(CVTのみ)、1.0L 直3・直噴ターボ「ブースタージェット」エンジン(6ATのみ)の3種類。CVT車にはFFと4WD(15万4440円高)があるが、5MT車と6AT車はFFのみになる。

グレードは専用の外装パーツや足まわり、LEDヘッドランプ(ハイ/ロー)を標準装備する「RS」系と、それ以外の標準車に大きく分けられる。価格は以下の通り。

■XG(1.2L・5MT/CVT) 134万3520円~
■XL(1.2L・5MT/CVT) 146万3400円~
■ハイブリッド ML(1.2L・CVT) 162万5400円~
■RS(1.2L・5MT) 159万4080円
■ハイブリッド RS(1.2L・CVT) 169万1280円~ ※試乗車
■RSt(1.0Lターボ・6AT) 170万4240円 ※試乗車

 
スズキ スイフト RStのリアエンブレムの画像

自動ブレーキやACC(アダプティブクルーズコントロール)等をセットにしたセーフティパッケージ装着車は9万1800円~9万6120円高。内容はデュアルセンサーブレーキサポート、車線逸脱警報機能、ふらつき警報機能、先行車発進お知らせ機能、ハイビームアシスト機能、SRSカーテン&フロントサイドエアバッグ、アダプティブクルーズコントロール等となる。ナビやオーディオも全車オプション。

 

パッケージング&スタイル

攻めのデザイン

スズキ スイフトの前73の画像

前回のモデルチェンジは、絵に描いたようなキープコンセプトだったスイフト。新型でもスイフトのDNAを継承したと主張するように、ショルダーの張り出し、ブラックアウトしたA/Bピラー、後ろ上がりのサイドウインドウグラフィックスといった「スイフトらしさ」が受け継がれているが、全体としては大胆に変わったなぁという印象。変化の大きさを示すのが、縦長の逆台形から横長の六角形になったフロントグリル、ガラリと形が変わったヘッドライトやバンパー、一部だけブラックアウトされたCピラーなどだろう。スズキは以前からトリノにデザインスタジオを構えており、そのせいか、どことなくイタリアンでもある。

 
スズキ スイフトの後ろ73の画像

スポーティグレードの「RS」「HYBRID RS」「RSt」には、専用のフロントグリル、前後バンパー、サイドアンダースポイラー、ルーフエンドスポイラー、専用デザインの16インチアルミホイール等が装備される。RSのフロントグリルに入る赤いラインは、ドイツ某社や広島某社のモデルみたいで余計な感じだ。

ボディサイズはほぼ変わらず

スズキ スイフトの真横の画像

ショルダーの張り出しを見た時は「スイフトもついに3ナンバーか」と思ったが、実際のところボディサイズは5ナンバーをキープ。どころか、先代より(ほんの少しだが)小さくなり、全長3840mm(-10)×全幅1695mm(同)×全高1500mm(-10)、ホイールベース2450mm(+20)。大型化を避けたのは、前述のように最大で120kgという軽量化を実現するためでもあるだろう。

また、最小回転半径は主力の185/55R16タイヤ装着車を含めて全車4.8mになり、先代(175/65R15タイヤで4.8m、185/55R16で5.2m)と同等以下に抑えられた。これだけ小回りが効けば、軽から乗り換えても不満はない。

 
    全長(mm) 全幅(mm) 全高(mm) WB(mm) 最小回転
半径(m)
スズキ イグニス (2016~) 3700 1660 1595 2435 4.7
スズキ スイフト(2017~) 3840 1695 1500~1525 2450 4.8
トヨタ ヴィッツ ハイブリッド(2017~) 3945 1695 1500 2510 4.7~5.6
ホンダ フィット ハイブリッド (2013~) 3955 1695 1525 2530 4.9~5.2
VW ポロ (2009~) 3995 1685 1460~1475 2470 4.9
スズキ バレーノ(2016~) 3995 1745 1470 2520 4.9
マツダ デミオ(2014~) 4060 1695 1500 2570 4.7~4.9
 

インテリア&ラゲッジスペース

質感とスポーティさを格段にアップ

スズキ スイフトのインパネの画像

激戦のBセグメントを勝ち抜くべく、内装の質感は見違えるように高くなった。また、円筒形のフードが付いた2眼メーター(盤面にはスピンドル加工)、丸型のエアコンルーバー、丸形の空調ダイアル、運転席側に5度傾けたセンターコンソール(ナビディスプレイやエアコン操作パネル)など、インパネのデザイン手法もイタ車風である。質感の高さは「スズキ、どうしちゃったの?」と思うほど。ベンチマークはおそらくVWのポロあたりだったと思うが、部分的には超えたかも。

 
スズキ スイフトのメーターの画像

メーターの中央には4.2インチカラー液晶のマルチインフォメーションディスプレイを配置。燃費情報だけでなく、エンジンのパワーやトルク、Gセンサー、ACCの作動状況、デュアルセンサーブレーキサポートなどによる各種警報、先行車発進お知らせ機能などの表示も行われる。

 
スズキ スイフトのフロントシートの画像

新デザインのD型ステアリングホイールは、見た目のスポーティさを狙っただけでなく、小柄な人が座面を上げた時でも膝上にゆとりを持たせるためだという。ステアリングのチルト&テレスコピック調整は嬉しいことに全車標準だ。

シートはホールド性に優れ、見た目の質感も高い。「RS」「HYBRID RS」「RSt」ではステアリングホイールやシート表皮にシルバーステッチが施される。

 
スズキ スイフト マイルドハイブリッドの12Vリチウムイオンバッテリーの画像
スズキ スイフトのステアリングの画像
 

荷室まわりは実用重視に

スズキ スイフトのリアシートの画像

後席はそんなに広々とはしていないが、ファミリカー的な広さを求めるなら、バレーノやソリオがありますよ、ということだろう。とはいえ全高が10mm低くなった分、前席ヒップポイントを20mm、後席ヒップポイントを45mm低くして、ヘッドルームを確保。フロア高も少し低くされたので、着座姿勢は自然なままだ。

また、ドアの開口幅はフロントドアが先代の880mmから1021mmに、リアドアが775mmから846mmに増やされており、乗降性の向上も図られている。

 
スズキ スイフトのトランクの画像

先代ではスタイリングとボディ剛性を重視したからだろう、荷室容量は小さく、荷室開口高(敷居の部分)も高めだったが、そこはやはり不評だったようで、新型では実用重視に軌道修正。容量(後席使用時)は先代比55L増しの265L、後席背もたれを倒した時は579Lと、このクラスの標準を確保。敷居の高さも80mm下げられ、715mmになった(それでもまだ高めだが)。灯油缶などの重いものの出し入れは少しは楽になったと思われる。

 
スズキ スイフトのトランクの画像
スズキ スイフトのトランク床下、パンク修理キット等の画像
 

基本性能&ドライブフィール

まずはハイブリッドRSに試乗

スズキ スイフト マイルドハイブリッド、デュアルジェットエンジンの画像

試乗したのは「ハイブリッドRS」(CVT)と「RSt」(6AT)の2台。

まずはハイブリッドRS。そのパワートレインは現行ソリオやイグニスとほぼ同じ、1気筒あたり2つのインジェクターを持つ1.2L自然吸気のK12C型「デュアルジェット」エンジン(91ps、118Nm)に、ISG(Integrated Starter Generator=モーター機能付発電機)、12Vの小容量リチウムイオン電池を組み合わせたマイルドハイブリッド仕様。ミッションはスズキ定番のジヤトコ製副変速機付CVT(無段変速機)になる。JC08モード燃費は新型スイフトで最良の27.4km/Lだ。

スズキの浜松本社をスタートしてから、しばらくもいかないうちに、衝突警報や車線逸脱警報のアラーム音に驚かされる。そんなに先行車に接近したつもりはなかったが、どうやらこのデュアルセンサーブレーキサポートシステム(DSBS)は過敏というか、警告が少々早めのようで、しかもアラーム音がでかい。音量は調整できないようだ。もうちょっと余裕をもって運転しなさい、ということか。

軽自動車なみの軽さ

1.2Lの4気筒エンジンは過不足ないパワーとトルクを発揮し、ISG(モーター機能付発電機)によるアイドリングストップからの再始動は相変わらずスムーズ。なお、ISGは最長30秒間のモーターアシストを行うというが、その目的はエンジンの負荷を減らして燃費を稼ぐことにあるので、力強さが増すわけではない。

一番のトピックは、従来モデル比で最大120kgという軽量化だ。車重は最軽量のXG(5MT)だと軽自動車並みの840kgしかなく、このハイブリッドRSでも910kgに過ぎない。これは先代スイフトの上級グレードより80kgも軽く、先々週試乗したヴィッツハイブリッドより200kg以上軽い。ひょっとして1980年代のカルタス並みか?と思ったら、あちらは600~700kg台とさらに上をいく軽さだったが。

資料によると、各ユニットの軽量化寄与率は、980Mpa級・超高張力鋼板の使用率を約17%(先代の約3倍)に引き上げたボディが約35%と一番で、次が足回りの15%。さらに内装部品、シート、エンジンもそれぞれ約10%寄与しているという。体脂肪率は何%?と聞きたくなる節制ぶり。

おかげでハイブリッドRSのパワーウエイトレシオは、堂々のジャスト10kg/psを達成。ただし加速時におけるCVT独特のルーズな感じは、相変わらずこのパワートレインの弱点と言える。

新世代シャシーと軽さでハンドリングも良好

これだけ劇的に軽量化されていると、何となくボディ剛性や静粛性が心配になるが、結論から言えばその心配は必要ない。また、RS系モデル(RS、HYBRID RS、RSt)は、足回りが専用チューニングとなり、具体的には専用ショックアブソーバー(減衰力が硬め)、専用タイヤ(BSのエコピアだが、剛性を高めて応答性やグリップ感を向上させたもの)、電動パワステの専用チューニング(直進安定性や操舵感を重視)などが採用されている。チューニングと言っても、要は欧州仕様の「普通」ということのようだ。

ハンドリングは確かにいい。アンダーステアは軽く、ステアリングを切ればフロントがしっかりインに入り、素直に曲がっていく。車重の軽さもあって、先代より心なしか動きは軽快だ。

 

小舵角ではクイック、大舵角ではスローになる可変ギヤレシオステアリングは、先代にも採用されていたが、おかげでヘアピンが続く道でもステアリングを持ち替える必要はなく、スポーティに走り回れる。また、D型ステアリングも見た目に反して違和感がない。ブレーキの効きやタッチも欧州車的にカチッとしている。ちなみに16インチタイヤを履くモデル(XG以外の全車)には4輪ディスクブレーキが標準装備されている。

調子にのってペースを上げていくと、最終的にはリア、続いてフロントが泳ぎ、バンプではやや底付き感も出るが、ESPの働きもあって、最後までヒヤッとすることはなかった。全体としては、やはり軽量化の恩恵が大きいと感じた。

なお、残念ながらこの日は乗れなかったが、5MTの「RS」も気になるモデル。先代スイフトスポーツではCVTより6MTの方が断然ハンドリングや走りが良かったので、この5MTもマニュアル好きの琴線に触れそうな予感。価格はハイブリッドRSより10万円ほど安い。

DCBSではなく、DSBSを新採用。さらにミリ波式のACCも

スズキ スイフト、デュアルセンサーブレーキサポートシステム(DSBS)のセンサーユニットの画像
上部左がDSBSの単眼カメラ、上部右がレーザーレーダー受光部、下部右がレーザーレーダー発光部

スズキは、スバルのアイサイトと同様のステレオカメラ方式(日立オートモーティブ製、ただしハードウエアや性能、機能はアイサイトと異なる)の「デュアルカメラブレーキサポートシステム(DCBS)」を軽のスペーシアやハスラー、普通車のイグニスやソリオに採用しているが、新型スイフトでは新たに歩行者の検知が可能な単眼カメラとレーザーレーダーを組み合わせた「デュアルセンサーブレーキサポートシステム(DSBS)」を採用している。これはトヨタのTSSC(トヨタセーフティセンスC)とハードウエア自体(コンチネンタル製)は近いものだが、スズキの方は歩行者検知も行うのが特徴。また、RSの5MT車でも選択することができる(誤発進抑制機能は省かれる)。

さらにスイフトで嬉しいのは、このDSBSを含む「セーフティパッケージ」(9万1800円~9万6120円)を装着すると、もれなくミリ波レーダー式のアダプティブクルーズコントロール(ACC)がセットで付いてくること。ACCはいまのところ、このクラスでは唯一のもので、まるでジャパネットたかた的な大盤振る舞い。これは絶対に注文しないと損だ。なお、ミリ波レーダーはACCのためだけに使われるそうで、自動ブレーキはあくまでもDSBSの検知情報で作動するという。

 
スズキ スイフト ハイブリッドRSのメーター、ACC作動表示の画像

100km/h巡行時のエンジン回転数は、ジヤトコ製CVTの恩恵もあって約1800rpmと低い。ACCを使って巡行すれば、CVTのルーズさも気にならず快適に巡行できる。その意味でもACCはありがたい。

なお、このACCは全車速対応ではなく、設定可能速度は「約40km/h~約100km/h」(実際には~約115km/h)となる。つまり速度が40km/h以下に下がると作動が止まる。全車速対応するのに欲しい電動パーキングブレーキの採用が見送られたのは、クラスや価格を考えると仕方ないだろう。

【RSt】 ターボ&6ATで、めっぽうよく走る

スズキ スイフト RStの画像

この日はソリオハイブリッドも含めて3台のスズキ車に試乗したが、「走り」で気に入ったのはなんと言ってもスイフトの「RSt」だった。

1年前に発売されたバレーノとほぼ同じ1.0L 3気筒ターボのK10C型「ブースタージェット」エンジンを搭載するモデルで、つまりはスイフト初の直噴ターボ車。正確に言うと、エンジンはバレーノのハイオク仕様からレギュラー仕様に変更されており、最高出力は9psダウン、最大トルクは10Nmダウンしているが、それでも1.2L自然吸気の約1割増しとなる102psと、約3割増しとなる150Nmを低回転から発揮する。車重はハイブリッドRSより20kg重いだけの930kgで、パワーウエイトレシオは9.1kg/psだ。

アイシンAW製の6ATも含めて、基本的にはバレーノと同じなので、そんなに深く考えず試乗したが、これがめっぽうよく走る。バレーノと比べて車重は20kg軽いだけだが、心なしかもっと軽い感じ。そしてバレーノ同様、ターボエンジンと6ATとのマッチングが素晴らしくいい。特に4000rpmから下の領域では、スイフトスポーツのM16A型ユニットよりだんぜんトルクフルで、痛快だ。

【RSt】なぜか足回りもいい感じ

スズキ スイフトの画像

このRStで、ちょっと今風じゃないのがアイドリングストップ機能がないこと。そのせいかJC08モード燃費も20.0km/Lと、新型スイフトの中で一番悪い。とはいえ、アイドリング中のエンジン音は非常に静かで、アイドリングストップしたのかと思ったほど。またエンジンの振動もほとんど気にならない。クルマに詳しい人でも、知らなければ3気筒だと気付かないかも。

あと不思議だったのが、重厚感というか安定感というか、そんなものも自然吸気モデルより濃かったこと。足回りの設定は「RS」か「それ以外」の2種類しかなく、カタログ上でもハイブリッドRSとの違いは、車重(前軸重)が20kg重いことくらいだが、印象はぜんぜん違う。まぁ逆に言えば、エンジンや車重が違うのに足回りのセッティングは同じというのが、差が生じる原因とも言えるが。

RStの良さは、街乗りでもワインディングでも味わえるが、高速道路も得意だ。100km/h巡行時のエンジン回転数は6速トップで約2000rpm(バレーノの1.0Lターボとほぼ同じ)。トルクフルな走りは、欧州Bセグコンパクトの直噴ターボモデルに全く引けをとらないもので、ほとんどホットハッチと言えるレベル。中間加速で言えば、先代スイフトスポーツより速いかも。少なくともマニュアルミッションを駆使してパワーバンドをキープする技は、このRStには不要だ。

試乗燃費は13.5~14.8km/L、JC08モードは20.0~27.4km/L

スズキ スイフト RStの画像
燃料タンク容量は全車37L。RStもレギュラーでOK

今回はハイブリッドRSとRSt、それぞれ100kmほど試乗。条件が一緒ではないので試乗燃費はあくまで参考値だが、1.2LのRSハイブリッドが14.8km/L、1.0LターボのRStが13.5km/Lだった。

JC08モード燃費はそれぞれ27.4km/L、20.0km/Lだが、マイルドハイブリッドがモノを言う都市部はともかく、郊外の一般道や高速道路では大差ないのでは、と思える。

ここがイイ

RStの走り。充実の安全装備など。

スズキ スイフトの画像

新世代プラットフォームによる軽量化、高まった質感、新しい衝突被害軽減システム「デュアルセンサーブレーキサポート(DSBS)」の採用など、いいところはいっぱいあるが、一番に挙げたいのは直噴ターボ車「RSt」の走りっぷり。走りに覇気のない国産コンパクトが多い昨今、RStは久々によく走るモデルで、運転していて本当に楽しかったし、快適だった。直噴ターボでも燃料はレギュラーでOKだし、車両価格もハイブリッドRSより1万3000円高いだけ(エコカー減税の恩恵は一切ないが)。モーターデイズの推しはRStだ。

先進安全装備の面でも新型スイフトにぬかりはない。デュアルセンサーブレーキサポートシステム(DSBS)とミリ波レーダー方式のACCがセットオプションで、価格は9万円台。内容を考えればまったく高くない。

ここがダメ

(ソリオと同じく)メーカーオプションのナビ。警告音の大きさ(が調整できないこと)

スズキ スイフト、ナビの画像

何度も書いて本当に申し訳ないが、現行ソリオと同じメーカーオプションの全方位モニター付メモリーナビゲーション(約13万円)は、この新型スイフトでもやっぱりいまいち。Apple CarPlayとAndoroid Autoに対応するなど、スマートフォンとの連携性が売りだが、ナビ本体の性能や使い勝手はいま一つで、正直なところ魅力に乏しい。

前方衝突警報や車線逸脱警報、ふらつき警報などのアラーム音がビクッとするほど大きいこと。これまで乗ってきた国産・輸入車の中でも群を抜いて大きい。注意喚起になっていいとも言えるが、音量は調整できるようにして欲しいところ。

総合評価

コンパクトな塊感がカッコよかった

スズキ スイフトの画像

成功したクルマのリニューアルは難しい。成功した2代目、そのキープコンセプトだった3代目と、スイフトのイメージが引き継がれてきただけに、今回はデザイン面でかなり苦労したのでは、という感じがする。スイフトというと、短いノーズで「キュッとコンパクトな塊感」がカッコよかった。新型のノーズは横から見ると確かに短いが、斜めからのパッと見では、なんだか長く見えてしまう。目の錯覚だろうか。大きめのグリルが目を引き、その下にも横方向に広がる開口部があることで、いやがおうにもフロントの造形に目がいくが、それゆえそんな印象となるのかもしれない。

デザイン関係の開発資料を見ると、初期のデザインスケッチから最終的な1/1モデルを作る段階まで、イタリア・トリノスタジオ案(本社スタッフも参加)と本社案が複数出されているが、グリルデザインはトリノ案の方で決定されたようだ。そういう意味でもこのデザインは、主要な市場である欧州やインドで好まれるものなのだろう。たしかにこのグリル回りは、最近のマセラティにも通じるデザインに思える。いやけっこう似てる(苦笑)。日本でしか販売しない軽自動車やソリオといった一連の日本向けスズキデザインを評価してきた我々の場合、もはやグローバルとは感覚がずれるのだろうか、とちょっと悲しい思いが……。

インドで成功している理由

スズキ スイフトの画像

デザインがこうなった理由について、もう一つ考えられるのはセダンボディの存在だろう。3ボックスとなれば、そこそこノーズが長く見えたほうがバランスがいいし、グリルも立派な方がいい。主要となるインド市場ではセダンバージョンが人気のようだから、そういった配慮がなされているのかもしれない。なにせスズキは年間279万台のインド市場において46.8%のシェアを持ち、2015年度には130万5000台を売ったのだから(スズキ 2016年3月期 決算資料(PDF))。スイフトの販売目標が年間3万6000台の日本市場では、従来ユーザーの乗り換え需要に応え、あと欲しい人はどうぞ、というクルマなのかもしれない。

 
スズキ スイフトの画像

なにしろ2016年の日本市場は500万台を割ってしまい、今後はもっと減るという予測がある中で、インドの自動車市場はぐんぐん成長しており、毎年10%前後の伸び率だ。メーカーとして力が入るのは、やっぱりインドの方だろう。トヨタがスズキと組むというのも、このインド市場がお目当てでは、というのがもっぱら。両者の間で、どういうことが現実になるかはまだ分からないが、スズキの方は何といってもインドで需要のある「安いクルマ」を作れるのが強みのようだ。安くないとインド市場では勝てないわけで、スズキの優位性はそこにある。

「安く作る」ことにおいて重要なポイントが軽量化ではないかと思う。もちろんクルマは、高価な素材への材料置換による軽量化もあるから、重量(原材料)が半分になれば原価も半分ですむ、という単純な話ではないが、軽量化を含めた創意工夫によるコストコントロールが、インドで成功している要因なのは確かだろう。1部品1グラム軽量化運動なんてのをスズキがやってたのは、もう10年以上前のこと。そうした、たゆまぬ軽量化への努力が、今のスズキの活況を生んでいるわけだ。

日本ではスポーツ要員

でもって軽量化は走りにも効く。スイフトはやっぱり走って楽しいクルマだった。大パワーを持て余し、免許を失いそうな走りに誘うクルマが少なくない中、スイフトはノンターボの1.2Lモデルでも普通の速度で楽しいと思える。軽量ボディをたいしたパワーでもないエンジンで振り回して遊ぶ、あの感じ。日本でのスイフトの存在価値はそこにあるし、このサイズであることの意味もそこにある。だってコンパクトカーでも実用性を求めるなら、もうちょっとボディサイズは大きめの方がいいし、かといって軽ではいまひとつモノ足りない点も出てくる。走りを楽しむには、ちょうどいいサイズだ。MTも今時ちゃんと残されている。ドライビングポジションも決まるし、ペダル位置もよく考えられている。

 
スズキ スイフトの画像

スズキのコンパクトカーは、ユニークなカタチで小さめのイグニス、ちょっと大きめのバレーノ、ミニバンタイプのソリオ、SUVのSX4 Sクロスやエスクード(1.6Lの方)と、形や用途でいろいろ選べる。こうしてみるとスイフトの立ち位置はまさにスポーツ要員といったところだろう。インドではいざしらず、日本や欧州ではスポーツ要員ということでいいのでは。走りのハッチバック車となると、その昔は3ドアだったが、スイフトも一見では3ドアに見える。ちゃんと古くからのしきたりを守っているわけだ。その意味では古典的なコンパクトホットハッチ。しかも今回はターボ車もある。あれ、それっていまどき他の国産メーカーでは……見渡しても意外にない。右を見ても左を見てもハイブリッド車ばっかりの時代に、クルマ好きにとって、これはそうとう嬉しいクルマだ。

 

試乗車スペック
スズキ スイフト ハイブリッド RS
(1.2L直4・CVT・169万1280円)

●初年度登録:2017年1月
●形式:DAA-ZC53S
●全長3840mm×全幅1695mm×全高1500mm
●ホイールベース:2450mm
●最低地上高:120mm
●最小回転半径:4.8m
●車重(車検証記載値):910kg(580+330)
●乗車定員:5名

●エンジン形式:K12C
●排気量:1242cc
●エンジン種類:直列4気筒DOHC・4バルブ・ガソリン・横置
●ボア×ストローク:73.0×74.2mm
●圧縮比:12.5
●最高出力:67kW(91ps)/6000rpm
●最大トルク:118Nm (12.0kgm)/4400rpm
●カムシャフト駆動:タイミングチェーン
●アイドリングストップ機能:有り
●使用燃料:レギュラーガソリン
●燃料タンク容量:37L

●モーター形式:WA05A
●モーター種類:交流同期電動機(永久磁石式同期型モーター)
●定格電圧:-V
●最高出力:2.3kW(3.1ps)/1000rpm
●最大トルク:50Nm(5.1kgm)/100rpm
●バッテリー:リチウムイオン電池

●トランスミッション:副変速機付CVT(無段変速機)
●JC08モード燃費:27.4km/L

●駆動方式:FF(前輪駆動)
●サスペンション形式(前):マクファーソンストラット+コイルスプリング
●サスペンション型式(後):トーションビーム+コイルスプリング
●タイヤ:185/55R16(Bridgestone Ecopia EP150)

●試乗車価格:195万1560円
※オプション合計:26万0280円
※オプション内訳:セーフティパッケージ装着車(デュアルセンサーブレーキサポート、誤発進抑制機能、車線逸脱警報機能、ふらつき警報機能、先行車発進お知らせ機能、ハイビームアシスト機能、SRSカーテン&フロントサイドエアバッグ、アダプティブクルーズコントロール等)9万6120円高、全方位モニター付メモリーナビゲーション装着車(メモリーナビゲーション、TV用ガラスアンテナ、ハンズフリーマイク、外部端子(USB、AUX)、全方位モニター、フロント2ツイーター&リア2スピーカー、ステアリングハンズフリースイッチ) 14万2560円、ボディカラー 2万1600円

●ボディカラー:バーニングレッドパールメタリック
●試乗距離:約100km


試乗車スペック
スズキ スイフト RSt
(1.0L直3ターボ・6AT・170万4240円)

●初年度登録:2017年1月
●形式:DAA-ZC13S
●全長3840mm×全幅1695mm×全高1500mm
●ホイールベース:2450mm
●最低地上高:120mm
●最小回転半径:4.8m
●車重(車検証記載値):930kg(600+330)
●乗車定員:5名

●エンジン形式:K10C
●排気量:996cc
●エンジン種類:直列3気筒DOHC・4バルブ・直噴・ターボ・ガソリン・横置
●ボア×ストローク:73.0×79.4mm
●圧縮比:10.0
●最高出力:75kW(102ps)/5500rpm
●最大トルク:150Nm (15.3kgm)/1700-4500rpm
●カムシャフト駆動:タイミングチェーン
●アイドリングストップ機能:無し
●使用燃料:レギュラーガソリン
●燃料タンク容量:37L

●トランスミッション:6速AT
●JC08モード燃費:20.0km/L

●駆動方式:FF(前輪駆動)
●サスペンション形式(前):マクファーソンストラット+コイルスプリング
●サスペンション型式(後):トーションビーム+コイルスプリング
●タイヤ:185/55R16(Bridgestone Ecopia EP150)

●試乗車価格:196万4520円
※オプション合計:26万0280円
※オプション内訳:セーフティパッケージ装着車(デュアルセンサーブレーキサポート、車線逸脱警報機能、ふらつき警報機能、先行車発進お知らせ機能、ハイビームアシスト機能、SRSカーテン&フロントサイドエアバッグ、アダプティブクルーズコントロール等)9万6120円高、全方位モニター付メモリーナビゲーション装着車(メモリーナビゲーション、TV用ガラスアンテナ、ハンズフリーマイク、外部端子(USB、AUX)、全方位モニター、フロント2ツイーター&リア2スピーカー、ステアリングハンズフリースイッチ) 14万2560円、ボディカラー 2万1600円

●ボディカラー:プレミアムシルバーメタリック
●試乗距離:約100km

●試乗日:2017年2月
●車両協力:スズキ株式会社

 
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