Published by DAYS since 1997 from Nagoya,Japan. 名古屋から全国に発信する新車試乗記や不定期コラム、クルマ情報サイト

ホーム > 新車試乗記 > トヨタ ランドクルーザー “70”シリーズ ピックアップ

新車試乗記 第742回 トヨタ ランドクルーザー “70”シリーズ ピックアップ Toyota Land Cruiser “70”Series Pickup

(4.0L V6・5速MT・350万円)

10年ぶりにヤツが来る♪
5速MTに、板バネで。
ラダーフレームに染み込んだ♪
昭和の薫りがやってくる!

2014年10月03日

  • このエントリーをはてなブックマークに追加 
  • mixiチェック
 
 
 

キャラクター&開発コンセプト

10年ぶりに国内販売を再開。ただし2015年6月までの期間限定


1984年に発売された初代“70”
(photo:トヨタ自動車)

2014年8月25日に発売されたランドクルーザー“70”(ナナマル)シリーズは、国内販売を10年ぶりに復活させたモデル。

もともとは、名車ランクル40(ヨンマル)の後継車として1984年にデビュー。途中から乗用ワゴンモデルとして「プラド」を派生させる一方で、本流の70は30年間にわたり、トヨタきってのクロスカントリー4WD車として世界中で販売。ただし日本国内での販売は、ディーゼルエンジンの排ガス規制などの理由で2004年に終了していた。

 

今回発売された“70”シリーズ
(photo:トヨタ自動車)

その70の国内販売が10年ぶりに再開されたのは、トヨタによれば、まずファンの強い要望に応えるためとのこと。従来70の車齢が10年以上となり、ユーザーや販社からも復活を願う声が上がっていたという。また、トヨタとしても70の誕生30周年を機に、世界各地で活躍している70の良さを国内のユーザーにぜひ知ってもらいたい、という意図もあるという。

さらには環境・安全基準が今後さらに厳しくなる中、海外向け70を国内で販売するのは今が最後のチャンスということもあるようだ。ゆえに国内販売は、発売から約10ヶ月後の2015年6月30日生産分で終了する。

基本設計は以前とほぼ同じ。ピックアップを新たに導入

車体まわりの基本設計は、販売終了前と基本的に同じ。ただし、2007年にフロントまわりをマイナーチェンジしており、外観もヘッドライトが角目になるなど大きく変わっている。また、今回は4ドアバンに加えて、国内では初となるダブルキャブピックアップトラックがラインナップされた。

エンジンは、現行70用で日本の排ガス規制を唯一パスする4リッターV6ガソリンエンジン(1GR-FE型)を搭載。また、AT仕様も海外向けにないため、5MTのみが導入される。海外仕様からの変更点はサイドアンダーミラーの追加や反射板など、わずかとのこと。

 

シャシーは伝統のラダーフレーム構造で、「通常の乗用車をはるかにしのぐ耐久性基準」(小鑓 貞嘉チーフエンジニア)を確保。サスペンションは前後リジッドで、フロントがコイルスプリング(1999年以降)、リアがリーフスプリング。駆動方式はパートタイム4WDで、オプションで電動デフロック(前後)が用意されている。

生産はトヨタ車体(株)の吉原工場(愛知県豊田市)。販売チャンネルはトヨタ店で、月販目標は200台。2015年6月30日までの生産分で終了するため、10ヶ月で計2000台の計画だったが、フタを開けてみれば発表から一ヶ月後の9月24日時点で、受注は早くも約3600台(バンが約2700台、ピックアップが約900台)を突破している。

世界のランクル70 販売状況


左は初めてランドルクルーザーを名乗った25型(写真は1957年式のFJ25)。右は1960年から84年まで販売された40型(写真は1974年式のFJ40)

現在、トヨタのランドクルーザーは、旗艦モデルの200系、150系プラド、そして70系の3シリーズで展開中。約60年の歴史を持つランクル全体の累計生産台数(今回の70発売時点)は約790万台だが、そのうち70は約146万台(ランクル全体の18.5%)を占める。また、2013年の世界生産台数では、ランクル全体の約35万6000台のうち、70は過去最高の7万6827台(同21.6%)が販売されたとのこと。

近年の主力市場は、中近東(2013年は4万4875台)、アフリカ(同1万4411台)、オーストラリア(1万3110台)で、これらが9割以上を占めており、砂漠地帯、鉱山、農漁業等でのワークホースとして、あるいは災害・紛争地域で赤十字や国連などの人員・物資輸送手段として活躍している。

 

70系の世界販売台数推移。国内販売終了後も、世界販売は順調に伸びている

■関連記事
ニュース>トヨタ、ランドクルーザー “70”シリーズを発売 (2014年8月)

■関連記事(新車試乗記)
ジープ ラングラー アンリミテッド (2014年9月掲載)
ランドローバー ディフェンダー ステーションワゴン 110 (2013年10月掲載)
トヨタ FJ クルーザー (2011年1月掲載)
モデリスタ ランクル ネオクラシック PX10 (1997年11月掲載)

 

価格帯&グレード展開

バンが360万円、ピックアップが350万円


“70”シリーズ バン
(photo:トヨタ自動車)

今回発売されたのは、4リッターV6ガソリン、5速MTのパートタイム4WD仕様。ボディタイプは4ドアバンに加えて、海外では2012年から販売されているスーパーロングボディのダブルキャブピックアップ(国内初導入)をラインナップする。

 

“70”シリーズ ピックアップ
(photo:トヨタ自動車)

価格(消費税8%込)はバンが360万円、ピックアップが350万円。いずれも乗車定員は最大5人で、商用車(1ナンバー)登録になる。また、今回のモデルには、30周年記念の専用エンブレム(ボディサイド両側)や専用本革キーボックス、専用本革車検証入れなどが備わる。ボディカラーはバンとピックアップ共通で全7色。

 

オプションの電動ウインチ
(photo:トヨタ自動車)

全車、オーディオやナビは販売店オプション(スピーカーと電動アンテナは標準装備)。メーカーオプションとして、前後の電動デフロック(5万4000円)、フロントバンパー内にビルトインできる電動ウインチ(18万6840円)、寒冷地仕様(4320円)を用意している。

 

パッケージング&スタイル

全長はバンが約4.8m、ピックアップが約5.3m

試乗したのはピックアップ。セミロングボディの4ドアバンに対して、こちらは全長が460mm長く、ホイールベースが450mmも長いなど、文字通りのスーパーロングボディ。そこに最大5人乗りのキャビンと最大積載量600kgの荷台を備えるほか、商用車用スチールホイールとチューブタイヤを履く超ヘビーデューティな仕様になっている。ただし、全幅はオーバーフェンダーがなく、バンより100mmナロー。

 

前述のように、2007年のマイナーチェンジでフロントまわり(ボンネットも含む)のデザインが一新されているが、全体の雰囲気は1984年に70が登場した時から、そんなに大きく変わっていない。

また、ピックアップの場合、ボディサイズはかなり巨大だが、似たような寸法のディフェンダーやハマー、ラングラーが街中でそれなり人目を引くのに対して、こちらはまったくと言っていいほど注目を浴びない。要するに見た目が小型トラックっぽいからだと思うが、これはちょっと意外だった。

 

発表会場にあった白のピックアップ。かなり貨物トラックっぽくなる

右のバンと比べると、後輪がリアドより後ろに移動しているのが分かる

こちらはバン。色はベージュマイカメタリック
(photo:トヨタ自動車)
 
    全長(mm) 全幅(mm) 全高(mm) WB(mm) 最小回転半径(m)
トヨタ FJ クルーザー (2010~) 4635~4670 1905 1840 2690 6.2
ジープ ラングラー アンリミテッド
(3代目JK型、2007~)
4705 1880 1845 2945 7.1
トヨタ ランドクルーザー 70 バン (2014) 4810 1870 1920 2730 6.3
トヨタ ランドクルーザー 70 ピックアップ (2014) 5270 1770 1950 3180 7.2
 

インテリア&ラゲッジスペース

近代化されつつ、随所に80年代テイストも残る


2007年にマイチェンされたインパネ。デザインはオフロード走行時に車体の姿勢を把握しやすいように水平基調になっている

インパネも現代的にアップデートされており、今やダブルエアバッグ、パワーウインドウ(前後)、電動リモコンドアミラー(電動可倒はしない)も標準装備。シフトレバー横の無骨なドリンクホルダー(正式名はフロントコンソールボックス)も便利そう。

一方で、各部のレイアウトは昔とよく似ているし、マニュアルエアコンの操作パネルやゴム製ブーツに包まれたシフトレバー、そして灰皿などは昭和レトロな感じ。

 

ナビ(販売店オプション)は最新だが、空調パネルや灰皿はレトロ。その右はアンテナの昇降スイッチ

別体式のリモコンキーが付属する。ボタンが大きいのは手袋対策だろう。もちろん集中ドアロック連動

かなり乗用車っぽくなったシート。シートリフターはないが、ステアリングにチルト&テレスコ調整が付く
 

使える後席。乗降性も意外に良好


意外に座り心地のいい後席。ここのドア内張りにも灰皿が備わる

ピックアップで意外に良かったのが、後席の座り心地。足下は広いし、背もたれの角度はちょうどいいし、視界はいいしで、けっこうリラックスして座れる。また、パワーウインドウもほぼ全開。乗り心地はかなりバスっぽいが、空間としては不満がない。

乗降性もフロント、リア共に意外に良好。ドア開口部が広い上に、幅広のサイドステップがあるので、両手が塞がっていても、大人男性ならすんなり乗り込める。もちろん、片手でピラーのグリップに捕まれば、小柄な女性でも乗り降りは普通にできそう。

 

ピックアップの最大積載量は600kg

ピックアップの荷台長は1520mmで、軽トラック(だいたい2000mm弱)より短めだが、荷台幅は1600mmと、それより200mmほど幅広。また、最大積載量は5名乗車時でも600kgあり、軽トラック(350kg)よりかなり余裕がある。

 

バンの荷室。後席タンブル格納時の荷台長は1365mm。最大積載量は5名乗車時が350kg、2名乗車時が500kg
(photo:トヨタ自動車)

リアウインドウは襖のように左右にスライドして開く

後席は背もたれが水平に倒れるほか、タンブル格納も可能(バンとピックアップ共通)
 
  • このエントリーをはてなブックマークに追加 
  • mixiチェック
 
 
 

最近の試乗記