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新車試乗記 第784回 アウディ TTS クーペ 2.0TFSI クワトロ Audi TTS Coupe 2.0TFSI quattro

(2.0L直4ターボ・6速DCT・768万円)

3代続けば末代続く。
我が道を行く
全天候型クーペに試乗!

2016年03月18日

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キャラクター&開発コンセプト

1998年にデビュー。累計50万台以上を販売


初代アウディ TT

1998年にデビューしたアウディTTは、VWゴルフやアウディA3のメカニズムを使ったFFもしくは4WDの小型スポーツカー。初代TT(8N型)の斬新なデザインは当時大きな話題になり、アウディのイメージリーダーとしても大きな役割を果たした。今思えばアウディ躍進の鏑矢ともなったモデルだ。

 

2代目アウディ TT

2006年に登場した2代目(8J型)は、ボディ前半をアルミニウム合金によるASF(アウディ・スペース・フレーム)、後半を主にスチール製としたハイブリッドボディを採用。ボディサイズ、動力性能、価格の面でも上級モデルに移行した。TTは初代と2代目を合わせて世界累計50万台以上を販売し、「プレミアムコンパクトスポーツセグメント」において大きな成功を収めた。

 

第3世代はMQBを採用


新型(3代目)TTシリーズ

そして今回、9年ぶりのモデルチェンジで、第3世代の新型TT(8S型)が欧州では2014年に、日本では2015年8月に発売された。メカニズム的には現行ゴルフ7やアウディA3などと同様、VWグループのモジュール戦略「MQB」に基づいて開発されているが、ボディ自体はほぼ専用設計で、フロント骨格やフロア等は高張力鋼板(スチール)、ボディ外板などはアルミ製としたコンポジット構造になっている。

今回日本に導入されたのは、2+2の「TT クーペ」、電動ソフトトップを備えた2人乗りオープンモデルの「TT ロードスター」、高性能モデル「TTS」の3車種。エントリーグレードのみFFで、それ以外はすべて電子制御多板クラッチ式4WDの「クワトロ」になる。


■過去の新車試乗記
2代目アウディ TT クーペ 2.0 TFSI クワトロ (2008年10月掲載)
2代目アウディ TT クーペ 3.2 クワトロ (2006年11月掲載)
初代アウディ TT クーペ 1.8T (2003年1月掲載)

 

価格帯&グレード展開

542万円からスタート。TTSは768万円


新型TTS。写真のボディカラーはTTS専用色のセパンブルー(パールエフェクト)

欧州には2.0Lディーゼルターボ(2.0 TDI)や6速MTもあるが、日本向けはTTSを含めてすべて2.0L直4・直噴(ポート噴射も併用)ガソリンターボ(2.0 TFSI)で、トランスミッションはすべて6速「Sトロニック」(DCT)。

新型TT 2.0TFSIのパワーは、先代2.0TFSIの211ps・350Nmから、230ps・370Nmにパワーアップ。高性能版のTTSでは、先代TTSの272ps・350Nmから、286ps・380Nmに引き上げられている(ちなみに欧州仕様の新型TTSは310ps)。

 

新型TTロードスター。電動ソフトトップは約50km/h以下なら走行中でも開閉可能。開閉時間は約10秒とのこと

初代TTは、輸入スポーツカーとしては比較的手頃な価格が魅力だったが、新型はエントリーモデルのFFでも542万円と、ちと高め。TTSに至っては768万円もする。ただし、TTSにはマトリクスLEDヘッドライトや可変ダンパーシステム「アウディマグネティックライド」が標準装備される。ライバルは同じVWグループに属するポルシェの新型917ボクスター(658万円~)、ケイマン(629万円~)、そしてBMW Z4(518万円~)、M2クーペ(770万円~)あたりか。

 

新型TTS ロードスター

なお、東京モーターショー2015にはTTS ロードスターが出展されており、日本導入が予想される。また、2.5L 直5ターボエンジンの「TT RSクーペ」も先代同様に追加される模様。

ハンドル位置は基本的に右だが、TTSには左ハンドルも用意される。目下のラインナップは以下の通り。

 

■TT Coupe 2.0 TFSI
(230ps、370Nm) 542万円
■TT Coupe 2.0 TFSI quattro
(230ps、370Nm) 589万円
■TT Roadster 2.0 TFSI quattro
(230ps、370Nm) 605万円
TTS Coupe 2.0 TFSI quattro
(286ps、380Nm) 768万円 ★試乗車

 

パッケージング&スタイル

スタイリングはキープコンセプトだが

お椀をふせたような全体のシルエット、張り出したフェンダーアーチなどは初代で始まり、2代目で洗練されたもので、外観デザインはおおむねキープコンセプトと言っていいだろう。新型では鋭いLEDヘッドライトや6角形のフロントグリルなどによって精悍さが加わった。

ボディサイズや最小回転半径は小さくなった


120km/h以上でポップアップする電動リアスポイラーを装備。TTSは4本マフラーになる

意外にも全長は先代より10mm短くなり、全幅も10mm小さくなったが、逆にホイールベースは40mm伸びて2505mmになった。確かにオーバーハングは短くなったように見える。

一方で、最小回転半径はTTSを含めて先代より0.3mも小さい4.9mになった。これはゴルフ7(5.2m)より小さく、ポロと同値になる。

 

先代ではフロントグリル内にあったフォーリングスは、ボンネットに移動

Cd値はS lineエクステリアパッケージ装着車0.29とのこと
 
    全長(mm) 全幅(mm) 全高(mm) WB(mm) 最小回転
半径(m)
4代目(ND型)マツダ ロードスター (2015~) 3915 1735 1235 2310 4.7
3代目アウディ TT シリーズ (2015~) 4180~4190 1830 1350~1380 2505 4.9
2代目アウディ TT シリーズ(2006~2015) 4180~4200 1840 1380~1390 2465 5.2
トヨタ 86(2012~)スバル BRZ(2012~) 4240 1775 1300 2570 5.4
BMW Z4 (2009~) 4250~4260 1790 1280~1290 2495 5.1
日産 フェアレディZ (Z34型、2008~) 4250~4260 1845 1315 2550 5.0~5.2
VW ゴルフ GTE(2015~) 4265 1800 1480 2635 5.2
ポルシェ 718 ボクスター(2016~) 4379 1801 1281 2475
 

インテリア&ラゲッジスペース

フルデジタル多機能メーター「アウディバーチャルコックピット」を初採用


エンジンのオン・オフスイッチはVW流にセンターコンソール配置。エンジンオフ時にはアウディのテレビCMと同じ「心音」が流れる

新型になって一番変わったのはインテリアだろう。メーターやディスプレイ、操作系などのインターフェイスが一新された。

その筆頭が全面液晶ディスプレイメーターの「アウディバーチャルコックピット」。メーターパネルを12.3インチのデジタル液晶ディスプレイ(1440×540ピクセル)とし、速度などの基本情報、ナビゲーションの地図、そして地デジの映像も(走行中のみだが)表示する。

 

MMIのコントローラーもデザイン一新。指先でなぞって操作できる「MMIタッチ」が付く

ステアリングスイッチやMMIコントローラーのデザインも一新された。基本的にはステアリングスイッチで大半の機能を操作可能で、これが意外に使いやすい。また、LTE対応の車載通信モジュールでインターネットと常時接続できる「Audi connect」も標準装備している。

 

燃費を見ながら走るには一番便利な表示モード

地図を表示した状態。地図とメーター共に見やすいが、他の情報を見たい時に切り替えるのが面倒
 

停車中ならテレビも普通にメーター内で見ることができる

空調吹き出し口の真ん中は、なんと空調関係のスイッチ&ダイアル。ここも意外に使いやすい
 

手荷物が置ける後席。自転車も積める荷室


TTSは電動のアルカンタラ(人工スエード)シートが標準だが、写真はオプションのナッパレザー仕様

囲まれ間の強い室内は初代TTからの伝統で、TTにとっては欠点ではなく個性。後席は欧州の安全基準によると6~12歳の子供がチャイルドシートなしで使用できるものとのこと。大人が座るとヘッドルームは皆無で、体を斜めにしないと前を向けないから、あくまでも普段は手荷物を置く場所であり、人を乗せるのは緊急時のみと心得るべし。カバンや脱いだジャケットを放り込んでおく場所としては、前席から手が届きやすい分、フル4シーターより便利である。

荷室容量は先代より13L増えて305L。数値的にはBセグコンパクトと同等だが、リアゲートが大きく開くし、奥行きがあるので、家電や家具、車輪を外したスポーツ自転車といった、かさばるものも載せやすい。このあたりはZ4やボクスターでは真似できない芸当。

 

開口面積と奥行きがあって使いやすい荷室。カーペットも丁寧に張られている

手荷物を置くのに便利な+2の後席
 

荷室容量は305L。背もたれを倒せば、スポーツカーらしからぬスペースが拡がる

荷室床下には小物収納スペース、パンク修理キット、バッテリー
 
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アウディ 名古屋中央

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