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ルノー トゥインゴ イージー新車試乗記(第67回)

Renault Twingo Easy

 

1999年03月26日

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キャラクター&開発コンセプト

デビューから6年が経過、今でも色あせないパッケージとスタイル

「パリの最新モード」をうたったルノーのコンパクトカー、トゥインゴは、21世紀にむけてのルノーの新戦略を示す象徴として1993年にデビュー(日本導入は1995年)。新規格軽自動車とほぼ同じ全長を持つコンパクトな愛らしいボディに、センターメーターを採用したポップなインテリアは、今見ても斬新の一言。トヨタの一連のセンターメーターは、トゥインゴにインスパイアされていることはほぼ間違いないだろう。

またポップなだけでなく「モノフォルムボックス」という高効率パッケージを徹底的に追及するという真面目さも兼ね備えており、本国フランスでは発売と同時に老いも若きもこれに乗るようになって、大旋風を巻き起こした。もちろんその人気は今も同じで、ここ最近登場した最新コンパクトカーと比較しても、何の遜色のない魅力を依然として持ち続けている。こうした斬新さは日本でも個性派ユーザーにとって大きな魅力で、数こそ少ないが独自の人気を維持している。

このフレンチ・アイドル、トゥインゴは登場以来、2年ごとに最新ファッションを着飾る発想で、全ボディカラーを全面変更したり、パワステを標準化したりと進化してきた。そして今年、1999年は本国でのネーミングを「トゥインゴ2」とし、これまでにない大規模な改良を実施。初の実質的なマイナーチェンジを敢行した。

価格帯&グレード展開

装備充実で6万円アップ、パノラマルーフ仕様も登場

内外装の大幅な手直しと安全装備の充実が図られた1999年モデル「トゥインゴ2」のグレードは、従来と同様、5速クラッチペダルレスMTの「イージー」と普通の5速MTの「パック」。ボディカラーは試乗車のトバコ・グリーンをはじめ全6カラー、全て新色だ。

装備面ではエアコン、パワステ、パワーウインドウ、オーディオ+2スピーカー、フォグランプなど基本的な装備はすべて標準で、オプションとして欲しいのはABSとリアワイパーぐらい。価格は従来型の6万円アップで「イージー」が155万円、「パック」が149万円となる。

この他に、電動パノラマルーフ、CDチェンジャー、アロイホイールを装備した特別仕様車「パノラマルーフ仕様」も発売されている。こちらは5速クラッチペダルレスMTのみで、200台限定。価格は167万円だ。

なお、今年から正規導入されるルノー車すべてに、新車登録日から3年間または走行距離6万kmまでの長期保証が付くようになった。

パッケージング&スタイル

ポップ感覚が薄れ、ちょっぴり大人びいた外観に

初めて日本にお目見えした95年から数えて4年目を迎えることになるこの99年モデルでは、エクステリア&インテリアのリファインと安全装備の充実が主な変更点。

旧ホンダトゥデイに酷似したデザインのボディは全長3425mm×全幅1630mm×全高1435mmと変わっていない。しかし、これまでの樹脂そのままのバンパーは、下側がボディ同色に塗装され、ウインカーはクリア化、テールランプも赤色に統一されるなど、全体の一体感を強調している。同系色を着こなすフランス人っぽい、いわゆるモード的な雰囲気だ。

フレンチ感覚溢れるオモチャみたいな内装にこだわりの変更内容

photo_3.jpg質感のかけらもない(いい意味でだが)オモチャみたいなインテリアは、いつみても楽しい気分にさせてくれる。薄いグレーのインパネカラーにクリームイエローグリーンのスイッチ類が小粋な雰囲気を演出している。ライトグリーン、ライトブラウン、クリームイエローグリーンとスイッチ類のカラーは変化しているが。今回はシート&トリム色も変更。さらにセンターメーターのデジタル表示もグリーンからイエローグリーンに変更されている。とはいえここまでこだわったインテリアの統一感を、唯一損ねているのが日本製オーディオというのが皮肉だ。

センターメーターインパネのユニークな基本モチーフは同じだが、デザインはボリューム感あるものとなり、グローブボックスはネット式から板状のものに変更されている。収納ボックスも増えて使い勝手も向上したが、今回のデザインはやや上級移行を意識したようで、潔さが消え、ちょっぴり不満。

高効率パッケージに、充実した安全装備が加わる

トゥインゴはファッション性だけが魅力のクルマではない。ベーシックカーとして妥協せず、室内のスペース効率を合理的に追求していることこそ、最大の魅力だ。全てが薄っペラな感じで構成されているため(今時、鉄板むき出しのインテリアは貴重だ)、広い居住空間はより強調されている。反面、心理的安心感はあまりない。

後席は余裕で足が組めるほどで、高級車レベルに匹敵する広さが魅力。まあ、このレベルの広さなら最近の国産コンパクトカーでも珍しくはなくなったが、トゥインゴが違うところは、後席にもしっかりとしたシートが与えられているところ。座り心地がやはりいいのだ。

安全面では、これまで運転席だけだったエアバッグが、助手席とフロント両サイドエアバッグにも備わり、フロントシートベルトにはプリテンショナーに加え、フォースリミッターも装備された。エアバッグとシートベルトを統合制御するルノー独自のSRPシステムも導入されている。

基本性能&ドライブフィール

改良されたイージーシステムで、シフトチェンジがスムーズに

搭載される直列4気筒エンジンは、旧式な1238cc・OHVから1148cc・SOHCに昨年変更されており、この時、劇的に変わっている。高回転まで、現代のクルマ並に回るようになり、最高速も人並みになった。従って99年モデルでは特に変更されていない。

試乗したのは2ペダルの5速MT「イージー」だが、最高出力58ps/5250rpm、最大トルク9.3kgm/2500rpmという数値は今まで通り。足回りも共通だ。「イージーシステム」とは、左足でのクラッチ操作を自動的に代行してくれるというマニュアルトランスミッションのことで、ペダルはアクセルとブレーキの2つしかない。マニュアル好きな欧州人向けのATといえるだろう。日本ではAT限定免許でも運転でき、エンストの心配もいらないが、アクセルを踏みっぱなしというわけにはいかず、ドライバーが状況を判断しながらギアを選んでやる必要はある。ギアが合ってないと「ピーピー」という警告音が注意を促してくれるので、実際のところ「イージー」の名の通り、割とイージーに運転できるものだ。

今回、イージーのフィーリングは大きく改良されており、ギクシャクする事もなく、一旦アクセルを戻してシフトチェンジすれば、マニュアルシフト並の素早いシフトが可能。トルクもあるから、渋滞では1速のままでよく、かなり理想的なトランスミッションと思える。

最初は思わずクラッチ操作をしようとして、ちょっと左足に力が入るが、実際セコセコとシフトチェンジをするのは決して面倒ではなく、10分もすれば手のほうが勝手に動くようになる。スポーツモードATよりも、はるかにマニュアル的な楽しさが体感できる。

足回りはヘナヘナだが、これも「愛嬌」で許されてしまう魅惑の走り

足回りは相変わらず、ヘナヘナだ(これもいい意味でだが)。ステアリングの中立付近はグラグラで軽い。ブレーキは遊びが大きく、奥まで踏んで効くタイプ。ロック・トゥ・ロックは4回転以上あり、日本車とは違ったダルな感覚がある(これもいい意味でだが)。ちょっとスピードを出してカーブを曲がろうとすると、ロールがかなり大きいので、スピードを出そうという気は失せる。エンジンの吹け上がりはいい方だ。ただし、回転が上がるほどパワーが上がるタイプではない。

このように走りの方はたいしたことがないのだが、これが不思議に不満が出てこない。逆にこれで十分という気になってしまう。それどころか一生懸命走る様に、好感を抱いてしまうほど。乗り心地は案の定ゆったりとしたフランス車の味があり、2500回転という超低回転域で最大トルクを発生させるために出だしの加速は意外に力強い。そして、騒音もそれほどうるさくない。ベーシックカーとしては何も問題ない上、ついつい惹かれてしまう独自の味がやっぱりあるのだ。

ここがイイ

ベーシックカーでありながら外車としてのオーラを一応持っていること。フィアットパンダ亡き後(まだあるが)、ヨーロピアンベーシックのスタンダードとなり得る。走りもユルユルとしていて、いかにもフランス車っぽい。エンジンは昨年からグッとよくなったので、これなら買う気になる。セカンドカーとして一台あると、ファーストカーよりこっちばかりに乗りそう。

ここがダメ

ルックス、ちょっと可愛くなくなったのでは。旧モデルでカラードバンパーにするとかなりプリティ。旧ホンダトゥデイぽさは、かなり消えたが。

総合評価

photo_2.jpgルノー車はルーテシアもよかったし、このマイチェン版トゥインゴもフランス車好きを十分満足させる。でも旧型にはエンスーを唸らせる「臭さ」があったけれど、新型はちょっと一般的なクルマになった感じ。その分、誰が乗っても一応満足できる完成度が高まったと言えそう。

で、そのルノーを日産は販売するのだろうか。出資量から考えればそうなるのが必然なのだが。こうなるとヤナセ(フランスモータース)はどう動くのだろう。メルセデスのヤナセとシュテルンみたいに、フランスモータースと日産系列みたいな二本立てになる可能性も。とはいえ、ルノー車が日産系列でバンバン売れるとも思えず、ドイツ車のような展開ではうまくいかないのでは。フランス車好きにやっと認知されつつある最近の「ルノー」を大事に育てて欲しいものだ。

 

公式サイトhttp://www.renault.jp/

 
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