キャラクター&開発コンセプト
なんと14年ぶりのモデルチェンジ
実に14年ぶりのモデルチェンジで2代目となった新型トゥインゴは、欧州では2007年にデビュー。日本では2008年9月24日に発表、11月7日に発売された。先代のコンセプトはキープしつつ、プラットフォームを先代ルーテシア(欧州名クリオII)ベースに一新して走行性能、安全性、機能性などを大幅に向上。先代にはなかった右ハンドル仕様が設定されたことも特徴だ。
初代は累計240万台のロングセラー

初代ルノー トゥインゴ
初代トゥインゴは1993年に欧州でデビュー。全長は軽自動車並みの約3.4メートルながら、全幅は約1.6メートルとワイド。3ドアの4人乗りだが積載性も確保する、といった斬新なパッケージングや個性的なデザイン、低価格などを武器に、14年間で累計240万台を達成するロング&ベストセラー車となった。
日本では1995年から2003年頃まで販売。日本仕様は前期型が1238cc・直4のOHV(52ps)、後期型が1148cc・直4のSOHC(58ps)を搭載。変速機は5MT(グレード名は「パック」)のほか、前期型で「イージー」と呼ばれる2ペダル式5MT(クラッチ操作はないがH型シフトレバーで変速する)を、後期型で「クイックシフト5」と呼ばれる5速セミATを採用した。
一方、トルコン式ATや右ハンドルの設定はなかったため、日本国内ではメジャーヒットとはならなかったが、価格が消費税抜きで130万円台からと劇的に安かったこと、往年のルノー・4(キャトル)や5(サンク)にも通じるオシャレなデザインで一定のファンを獲得した。インポーターによると、日本で正規販売された初代トゥインゴは累計約5000台とのことだ。
価格帯&グレード展開
ノンターボはクイックシフト5、ターボの「GT」は5MT
ひとまず日本に導入されるのは、ノンターボの「トゥインゴ」(198万円)とターボの「トゥインゴ GT」(240万円)の2モデル。前者は5速セミAT「クイックシフト5」を搭載。後者は5MTとなる。
■「トゥインゴ」 198万円 ★今週の試乗車
1148cc・直4(75ps、10.9kgm)+5速セミAT(クイックシフト5)
■「トゥインゴ GT」 240万円 ★今週の試乗車
1148cc・直4ターボ(100ps、14.8kgm)+5MT
欧州ではルノースポール版も登場
「GT」はノンターボの175/65R14タイヤと鉄ホイール+キャップであるのに対して、一回り大きな185/55R15(アルミホイール)を履くほか、オートエアコン、電動パノラミックルーフ、プライバシーガラス、運転席シートリフター、クルーズコントロール、ESPを標準装備する。その他、シルバー塗装されたドアミラー、リアスポイラーも特徴だ。
なお「GT」のようなホットバージョンの設定はトゥインゴでは初の試み。欧州ではさらにホットな「トゥインゴ・ルノースポール 133」(自然吸気1.6リッター直4・DOHC、133ps、5MT)も発売されている。
パッケージング&スタイル
可愛いらしさから精悍さへ
ノンターボもターボもボディサイズ(先代比)は共通で、全長3600mm(+175)×全幅1655mm(+25)×全高1470mm(+35)。ホイールベースは2365mm(+20)だ。各数値の中でダントツで増えたのが全長だが、正確にはフロントオーバーハングが伸びたというのが正しく、おかげで先代のモノフォルム感は無くなった。ヘッドライトが愛嬌のある丸目から鋭いアーモンド型に置き変わったこともあり、結果として先代のような可愛らしさの代わりに、スポーティさや精悍さが強調されている。スリットの中に隠したドアノブなど先代のモチーフを受け継いだ部分はあり、相変わらず個性的ではあるが、「どことなく頼りない」「何となくチープ」といった魅力?は薄まった感がある。
参考までにライバルとなりそうなフィアット500とMINIを小さい方(全高以外)から並べてみた。この中ではMINIがその車名と違って最も大きいが、大差はないとも言える。
| 全長 | 全幅 | 全高 | ホイールベース | |
| フィアット 500(2008年-) | 3545mm | 1625mm | 1515mm | 2300mm |
| ルノー トゥインゴ(2008年-) | 3600mm | 1655mm | 1470mm | 2365mm |
| MINI クーパー(2007年-) | 3700mm | 1685mm | 1430mm | 2465mm |
右ハンドル化され、内装もすっかり大人に
デジタル式のセンターメーターは先代と同じだが、MINIのようにアナログ式タコメーターがステアリングコラム上に配されたり、樹脂パーツが黒基調になるなど、インテリアの方もすっかり常識的になり、かつ大人っぽくなった。各種スイッチや小物入れも機能的だ。左ハンドルしか無かった先代に対して右ハンドルが用意されたことも新型の大きな特徴だ。その点でも普通にはなったが、もちろん日本ではこの方が便利だろう。
車両価格を思うと逆に物足りないのが、独特のシボが付いた硬質樹脂製ダッシュボードの質感や、あるいはドライビングポジション調整ポイントの少なさ(シートリフターは「GT」のみ)といったあたり。ナビゲーションシステムは、モニターだけセンターコンソールに配置するオンダッシュタイプが販売店オプションで用意されるようだが、PNDの方が収まりは良いかも。
左右独立式のリアシートは前後スライドが可能
リアシートは先代と同じ2人掛けの左右独立式で、それぞれ前後に220mmもロングスライド可能。一番後ろまでスライドすると、座面下の燃料タンクが邪魔で足が引けないが、通常ならそこまでスライドする必要はない。乗降性もまずまずで、少なくともBMW MINIより空間は広々しているし、座り心地も良い。ただし座面を固定式としてクッション厚を確保したフィアット500には負けると思われる。
なおエアバッグは計6個(前席フロント×2、前席サイド×2、カーテン×2)を全車に標準装備。後席シートベルトはもちろん3点式で、過度な拘束を防ぐフォースリミッター機構も付く。
荷室アレンジはフランス流?
積載スペースはリアシートを前後にスライドしたり、さらにタンブル(背もたれを倒し座面ごと前に跳ね上げて畳む)したりして自由にアレンジ可能。荷室容量はリアシートを使った状態でも165~285リッターまで可変する。最大拡大時の959リッターは文句なしの大容量だ。車輪を外せばスポーツ自転車も楽に積めるだろう。
ちなみに、リアシートのスライド機構とタンブルを組み合わせた例は、同じフランス車のシトロエン C2やプジョー 1007(いずれも日本では販売終了)がある。



