キャラクター&開発コンセプト
久々の2リッター直4、ボルボ初の6速DCT
2004年発売のS40/V50シリーズと2007年発売のC30シリーズの3モデルに2009年3月1日、低燃費と300万円を切る低価格が話題の新グレード「2.0e」が追加された。
エンジンは先代S40/V40の販売終了以来、日本向けボルボ車では久々の直4ユニットで、排気量は2リッター。ボルボ・カーズ・ジャパンのリリースによれば「日本の輸入車市場の52%が2.0リッターまたはそれ以下のモデルで占められている市場現状をふまえ、新たに導入」されたもの。変速機は「パワーシフト」と呼ばれる新開発の6速DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)で、ゲトラグ社とボルボが共同開発したもの。すでに同じフォード傘下のフォーカスに採用されているものだ。
新グレードはC30、S40、V50の各モデルに設定されたが、いずれも最も安いグレードは300万円未満に収まっている。「エコロジカルでエコノミー」とは先週のアウディA3でも使ったフレーズだが、このボルボについても同じことが言える。
■ゲトラグ社 http://www.getrag.com (英語)
価格帯&グレード展開
パワーシフトは279万円(C30)から
今回からC30、S40、V50の全モデルにベースグレードの「2.0e パワーシフト」と上級グレード(バイキセノンなどを標準装備)の「2.0e Aktiv」を追加設定。グレード名では分かりにくいが、後者もパワーシフト(6速DCT)になる。

2リッターエンジンとパワーシフトが搭載された3モデル。左からC30、V50、S40
(photo:ボルボ・カーズ・ジャパン)
【今回追加されたパワーシフト車】
■C30 2.0e Powershift 279万円
■C30 2.0e Aktiv 314万円
■S40 2.0e Powershift 289万円
■S40 2.0e Aktiv 324万円
■V50 2.0e Powershift 299万円 ★今週の試乗車
■V50 2.0e Aktiv 339万円
なお、従来の2.4リッター直5+5AT車はエントリーグレードのみ廃止され、上級グレードは装備などを見直して継続される。
パッケージング&スタイル
内外装は基本的には従来通り
今回試乗したのはV50だが、C30やS40も含めてパッケージングやデザインは従来とほぼ同じ。V50の場合、ボディサイズは全長4520mm×全幅1770mm×全高1450mm。ワゴンにしてはコンパクトだが、先週とりあげたアウディA3 スポーツバックと比べると、ホイールベースで+65mm、全長で+230mmも長いから、やはりボルボらしく「エステート」と呼びたいところ。
なおC30/S40/V50シリーズはマツダ・アクセラ、フォード・フォーカス系とプラットフォームを共有する。なのでボルボに直4が載っても不思議ではない。
これ見よがしの高級感ではなく
インパネも今までのC30/S40/V50シリーズと共通のもの。これ見よがしの高級感や色気はないが、スイッチのデザインや樹脂の質感に北欧デザインたるボルボらしさが感じられる。
センターパネルはボルボ車共通の、曲げ木細工のような「フリーフローティング センタースタック」。これのおかげでDIN規格のオーディオやナビの装着は難しくなっているが、ここはデザイン性の高さを買いたいところ。パワーシフト車の2グレードはいずれも「ボーキサイトグレー」と呼ばれる塗装処理で少々素っ気ないが、これは販売店オプションでアルミパネルや北欧らしいオークのウッドパネルにも変更できる。
ひと味違うボルボのシート
試乗した「2.0e パワーシフト」の場合、シートはフル手動。ただしザックリしたシート地、ボリューム感のあるクッション、座面高に加えて座面前方の高さ(=角度)も調整できる点など機能は万全。巷に「いいシート」はいろいろあるが、ボルボのものはまたひと味違う。
すべてが安全を見据えた作り
広々とは言えないリアシートだが、もちろん大人4人+1という用途であれば特に不足はない。サイドウインドウが半分ほどしか降りないのは従来通りだが、ボルボだけにひょっとするとこれも何かの安全対策か?と勘ぐりたくなる。
エアバッグは計6つ。後席乗員はカーテンエアバッグと「SIPS」と呼ばれる側面衝撃吸収構造がカバーする。ボルボの場合、こういった個別の装備ではなく、会社全体の姿勢として安全第一である点がすごい。V50のカタログを見ても、全65ページのうち10ページが安全について割かれている。
シングルでもダブルでもお好み次第
荷室で面白いのは後席の折り畳み方法で、背もたれを前に倒すだけのシングルフォールディングでもいいし、あるいはヘッドレストを外して座面を跳ね上げてから背もたれを倒すダブルフォールディングでもいい。
手間の多いダブルフォールディングの方がよりフラットにはなるが、右の写真のように片方をシングル、もう片方をダブルで畳んだ状態を比べても、大きな差はない。こんな風にシングル(北米で好まれる)でもダブル(欧州車に多い)でもどちらでもいい、というタイプは珍しいが、使い分けができて便利だと思う。












