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新車試乗記 第764回 ロールス・ロイス レイス Rolls-Royce Wraith

(6.6L V12ターボ・8AT・3333万円)

究極の2ドアクーペにして
史上最速のロールスに試乗!

2015年07月17日

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キャラクター&開発コンセプト

史上最速のロールス・ロイス


ロールス・ロイス レイス
(photo:RRMC)

BMW傘下のブランドとして1998年に“リスタート”した新生ロールス・ロイス。2003年に発売した新型ファントムを皮切りに、ファントム・クーペや同ドロップヘッド・クーペ、ゴーストを送り出した同ブランドが、2013年に発売したのが今回とりあげる「レイス」だ。

 

(photo:RRMC)

ゴーストの2ドアクーペ版とも言えるレイスは、ロールス・ロイスで初めてファストバックスタイルを採用したモデル。エンジンはゴースト譲りの6.6L V12直噴ツインターボに、62psと20Nm上乗せしたもので、ロールス・ロイス史上最高の632psと800Nmを発揮。0-100km/h加速4.6秒、最高速度250km/h(リミッター作動)を誇る。

ロールス・ロイスの歴史


1933年 ロールス・ロイス ファントム II
(photo:RRMC)

ロールス・ロイス(Rolls-Royce)は、1906年にイギリスで創業。1907年に発売した6気筒エンジン搭載車「シルバーゴースト」などの成功で、世界トップクラスの高級車メーカーとなった。1932年には同じ英国の高級車メーカーであるベントレーを買収し、以降は実質的に兄弟車となりながらフォーマルなロールス・ロイス、スポーティなベントレーという2枚看板で、共に英国を代表する高級車として君臨した。

 

ロールス・ロイスのマーリン60エンジン
(photo:RRMC)

第一次大戦が始まった1914年以降は、航空機用エンジン分野でも大きな成功を収めた。代表作であるV型12気筒「マーリン」エンジンは第二次世界大戦中、スピットファイアやP51マスタングなど数多くの名機に搭載された。

1971年には航空機用ジェットエンジン「RB211」の開発が難航して経営破綻し、国有化されたが、自動車部門は1973年に分離独立し、別会社「ロールス・ロイス・モーターズ」になった。

1992年にはBMWと技術提携し、BMW製エンジンを採用。1998年にはBMWとVWの間で買収合戦が行われた結果、ロールス・ロイスのブランドはBMWに、ベントレーはVWグループに移った。

 

手前がレイス、左奥がファントム クーペ、右奥がゴースト シリーズII
(photo:RRMC)

以降、BMW傘下では新たに「ロールス・ロイス・モーター・カーズ」となり、本社をイギリスのグッドウッドに設立。世界販売台数は2007年に1000台を超え、2014年にはロールス・ロイス史上初めて4000台を超えている。

なお、航空機部門は1987年に民営化されて「ロールス・ロイス・ホールディングス」となり、現在は航空宇宙、防衛、艦船、発電を手がけるグループ企業として存続している。

なお、Rolls-Royceの英語読みは、創業者の一人であるチャールズ・ロールズと同じで、本来はロール「ズ」・ロイス。

 

レイスとグッドウッド本社工場スタッフ。2013年
(photo:RRMC)
【外部リンク】 【参考記事】
 

価格帯&グレード展開

ファントム各種、ゴースト、レイスの3シリーズで展開


ファントム EWB
(photo:RRMC)

2015年7月現在のラインナップは以下の通り。

  • ファントム SWB (460ps、720Nm)  5064万円
  • ファントム EWB (460ps、720Nm)  5864万円
  • ファントム ドロップヘッド・クーペ (460ps、720Nm) 5810万円
  • ファントム クーペ (460ps、720Nm)  5490万円
  • ゴースト シリーズII SWB (570ps、780Nm) 3132万円
  • ゴースト シリーズII EWB (570ps、780Nm) 3712万円
  • レイス(632ps、800Nm) 3333万円
 

ファントム ドロップヘッド・クーペ
(photo:RRMC)

旗艦4ドアサルーンの「ファントム」は2003年にデビュー。2005年にはロングホイールベース版のEWB(エクステンディッド・ホイールベース)、2007年には4人乗りコンバーチブルのドロップヘッド・クーペ、2008年にはクーペが加わっている。ファントムのエンジンは全て自然吸気のV12で、排気量はロールズ・ロイス伝統の6.75L。トランスミッションは8ATになる。

V12ターボのゴーストとレイス


レイス(左)とゴースト シリーズII
(photo:RRMC)

「ゴースト」はファントムより一回り小さく(と言っても全長は5.4mもあるが)、ドライバーズカー色を強めた4ドアサルーンで、2009年にデビュー。アルミ製スペースフレームのファントムに対して、こちらはスチール製モノコックになる。2014年にはフェイスリフト版のシリーズIIにマイナーチェンジしている。

「レイス」はそのゴーストのクーペ版で、2013年にデビュー。自然吸気V12のファントムファミリーに対して、ゴーストとレイスは6.6L V12直噴ツインターボエンジンを搭載する。

 

ロールス・ロイス レイス(1939年)
(RRMC)

ちなみにファントム、ゴースト、レイスという名は、すべて過去モデルに由来するもので、いずれも幽霊とか精霊といった意味。ただし、2016年発売予定の第4のモデル「ドーン(Dawn)」は「夜明け」という意味で、こちらは往年の名車シルバー・ドーンに由来する。こちらはレイスベースのコンバーチブルとなる模様。

 

パッケージング&スタイル

ロールス初のファストバック

レイスがまとう、ルーフからリアウインドウまでのラインがまっすぐ斜めに下がる“ファストバック”と呼ばれるボディ形状は、ロールス・ロイス初。大柄なボディとあいまって、まさしく豪華グランド・ツーリングカー風だが、どことなくスーパースポーツ風でもある。と書くと、軽々しい表現に思えるほどの存在感がある。

フロントには伝統のパルテノングリルがそびえ立ち、その上では薄いドレスをまとった「スピリット・オブ・エクスタシー」が翼を広げている。ちなみにこの女神、オプションでラリックのようなガラス製(LEDで光る)や純銀製、もしくは純金製にも出来る。

現行ロールスで最小だが……

レイスは現行ロールスで“最もコンパクト”だが、ボディサイズは全長5280mm、全幅1945mm、ホイールベース3110mmと堂々たるもの。2ドアクーペながら、レクサスのLS600hLやメルセデスのSクラス ロングより長い。車重は2.4トン(2430kg)もあり、レンジローバーやカイエンを軽く上回る。

ただし、ベースとなったゴーストと比べれば、全長は120mm短く、ホイールベースは185mm短い。ブランドに相応しい存在感を保ちつつ、ロールス・ロイスで一番のドライバーズカーとしてスポーティに仕立ててある。

 

ドアは後ろヒンジの通称「コーチドア」になる
(photo:RRMC)

(photo:RRMC)
 
    全長(mm) 全幅(mm) 全高(mm) WB(mm) 最小回転
半径(m)
ベントレー コンチネンタル GT (2011~) 4820 1945 1410 2745 5.65
レクサス LS600hL (2012~) 5210 1875 1475 3090 5.9
メルセデス・ベンツ S600 ロング (2013~) 5250 1900 1495 3165 5.7
ロールス・ロイス レイス (2014~) 5280 1945 1505 3110 6.4
ベントレー フライングスパー (2013~) 5315 1985 1490 3065 6.05
ロールス・ロイス ゴースト シリーズII SWB/EWB (2014~) 5400/5570 1950 1550 3295/3465
メルセデス・マイバッハ S600 (2015~) 5460 1900 1495 3365 6.0
ベントレー ミュルザンヌ (2010~) 5575 1925 1530 3270 6.3
ロールス・ロイス ファントム クーペ/DHC (2007~) 5605 1985 1600/1580 3320
ロールス・ロイス ファントム SWB/EWB (2003~) 5840/6090 1990 1655 3570/3820
 

インテリア&ラゲッジスペース

ファントムより明らかに現代的


写真は「カナデル・パネリング」と呼ばれるウッドパネル仕様。一般的なラッカー仕上げではなく、木目の質感を活かした仕上げで、ブックマッチと呼ばれる「接(は)ぎ合わせ」工法も使われている
(photo:RRMC)

レイスの内装は英国的な意匠で統一されているが、ファントムほどクラシカルではなく、「職人による手作り」感も控えめ。それは適度に現代的ということでもあって、シートポジションの調整から運転操作に至るまで、“一見さん”でもファントムほど戸惑うことはない。

舞台裏のメカニズムは主にBMWの手になるはずだが、例えばiDriveコントローラーはロールス・ロイス専用デザインの「スピリット・オブ・エクスタシー・ロータリー・コントローラー」となるし、10.25インチの超ワイドナビ画面(日本製ミニバンのようにバードビューも表示できる)は、電動ウッドパネルカバーで隠しておくことができる。試乗車にはナイトビジョンやヘッドアップディスプレイといったハイテク装備もついていたが、表向きは古きよき英国車だ。

後ろヒンジの「コーチドア」を採用。閉める時はボタン

ドアは、ファントムの2ドアモデルと同じように、あるいはファントムやゴーストの4ドアサルーンにあるリアドアのように、後ろヒンジの前開き、ロールス・ロイス言うところの「コーチドア」になる。最初はドアハンドルをドアの後ろ側でつい探してしまう。

乗りこんだ本人がドアを閉めようと思っても手が届かないが、Aピラーの根元にはボタンがあり、それを押し続ければ電動で閉まる。最後はクローザーが引き込むので、ほぼ無音で閉めることができる。

 

後席は大型セダンのように快適で、クーペであることを忘れてしまう
(photo:RRMC)

ファントム同様、「スターライトヘッドライナー」をオプションで用意。天井のレザーに1430本の光ファイバーを手作業で編みこみ、夜空のように星がまたたく。142万6000円もする
 

トランク容量は大型セダン並みの470L。トランクリッドは当然ながら電動

トランク床下にはロールス・ロイスのロゴが入ったファーストエイドキットが収まる
 
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