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日産 エクストレイル 20GT新車試乗記(第531回)

Nissan X-Trail 20GT

(2.0Lディーゼルターボ・6MT・4WD・299万9850円)

「ポスト新長期規制」を初クリア!
最新鋭クリーンディーゼルは
「ポスト」ガソリンとなれるか?

2008年10月24日

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キャラクター&開発コンセプト

ポスト新長期規制を初めてクリアした「クリーンディーゼル」

2008年9月18日に発売された(発表は9月4日)「エクストレイル 20GT」は、世界的に最も厳しい排出ガス規制値「ポスト新長期規制」【※】 を、国内で初めてクリアした「クリーンディーゼル」車。2代目(T31型)エクストレイル(2007年8月発売)の高性能トップグレードとして追加された。

ルノーと共同開発されたコモンレール式ディーゼルターボエンジンは、排気量2リッターにして「ガソリン3.5リッターV6エンジン並み」の最大出力173ps、最大トルク36.7kgmのハイパワーと10・15モード燃費15.2km/Lの低燃費を実現。さらに軽油がガソリンより2割ほど安いことから、経済性の高さも大きなメリットなる。

国内での月間目標台数は100台だが、日産によれば発売後20日足らずで、その10倍以上の累計1077台を受注したという。なお新型エクストレイルは海外向けも含めた全量が日産・九州工場で生産される。

【※】ポスト新長期規制
2005年から日本国内で施行されている「新長期規制」より、NOx(窒素酸化物)で47%減、PM(粒子状物質)で64%減となる規制値(車両重量1265kg超の場合)。欧州のEuro6、北米のTier2Bin2、米国カリフォルニア州のSULEVと並び、世界で最も厳しい排ガス規制値の一つ。施行が始まるのは、新型車の場合2009年10月から、継続生産車・輸入車は2010年9月から。

日産自動車>プレスリリース>SULEVレベルのクリーンな排出ガスを実現するディーゼル技術を発表
(2008年8月6日)

日産自動車>プレスリリース>クリーンディーゼル エクストレイル「20GT」を追加(2008年9月4日)

価格帯&グレード展開

ひとまず6MTのみで、299万9850円

エクストレイルのガソリン車はCVTが主力だが、今回のディーゼル車は6MTのみ。欧州には6ATもあるが、まずは排ガス規制値をすぐにクリアできる6MTからの発売となったようだ。グレード名は「20GT」とあえてディーゼルらしくない名称となっている。

【ガソリン・2WD】
■「20S」 2L 直4 (137ps、20.4kgm)・CVT 199万5000円
■「20X」 2L 直4 (   ↑   )・CVT 221万5500円

【ガソリン・4WD】
■「20S」 2L 直4 (   ↑   )・CVT 215万2500円
■「20X」 2L 直4 (   ↑   )・CVT 237万3000円
■「20X」 2L 直4 (   ↑   )・6MT  237万3000円
■「25S」 2.5L 直4(170ps、23.5kgm)・CVT 231万円
■「25X」 2.5L 直4(   ↑   )・CVT 253万500円

【ディーゼル・4WD】
「20GT」 2L 直4ディーゼルターボ(173ps、36.7kgm)・6MT 299万9850円  ★今週の試乗車

パッケージング&スタイル

フロントまわりは欧州仕様

ボディサイズは全長4630mm×全幅1785mm×全高1685mm。「20GT」は欧州仕様のフロントグリルとバンパーを装備するため、全長がガソリン車より40mm長い。またガソリン車では、赤、黒、青の3色に限られたスクラッチシールド塗装(クリヤー塗装に軟質樹脂を配合し、浅いスリ傷やひっかき傷は自然に復元することを狙ったもの)が、全6色に採用されている。保有年数の長いディーゼルらしい仕様だ。

使い勝手の良さは相変わらず

道具感を重視したインパネデザインは変わらず。使いやすいカーウイングナビ(左サイドとリアのモニターも同時装着)、ティッシュボックスも入るダッシュボード中央の大型物入れ、ダッシュボード両端のドリンクホルダーなど使い勝手が良く、質感にも配慮されている。

 

なお、ステアリング右下には、DPF(ディーゼル・パーティキュレート・フィルター)の煤を焼くための手動スイッチが備わる。通常は自動だが、低速走行ばかりで自然に高温(リッチ燃焼)に出来ない時のためのもので、インジケーターが点灯した時に使う。

防水シートやポップアップステアリングは省略

一方、ガソリン車に全車標準だった防水シート、防水フロア、防水加工天井は、「20GT」に装備されず、シートは専用のクロス仕様になる。またステアリングコラムが90度折れ曲がって跳ね上がるポップアップステアリングもなく、代わりにチルト&テレスコ機能機能付きになった(ガソリン車はチルトのみ)。おそらく販売価格を抑えるための措置と思われるが、エクストレイルならではの装備が省かれてしまったのは残念な部分だ。

防水ラゲッジと容量はそのまま

床と両サイドを樹脂で覆ったウォッシャブル仕様の荷室は、ガソリン車と同じ。上下2段にして、下側に引き出しが付く点も同様だ。

荷室寸法は、5名乗車時の上段のみで奥行き1088mm×横幅1100mm×高さ884mm。仕切りを外せば、最大高さは1012mmになる。この状態で後席のアームレストを倒せば、4人と4つのスノーボードが車内に収まる。

 

さらに後席をダブルフォールディングで畳めば、最大奥行きが1742mmになり、さらに後席の座面クッションを取り外せば1948mm、つまり約2メートルになる。高さ的にはギリギリだが、こうすれば前後ホイールを付けたままのマウンテンバイクを2台積載できるわけだ。このクラスでこれが出来るSUVはそうそうない。

基本性能&ドライブフィール

ガソリン3.5リッター並みのトルクを2000回転で

「20GT」と聞くと、思わず自主規制上限の280psを誇った先代の2リッター直4ターボ車「GT」を連想してしまうが、もちろん今回のモデルは軽油で走るディーゼルの方だ。例えば「20GT-D」みたいに一目でディーゼルと分かるグレード名が良かった気もするが、「あえて」ということだろう。基本的にはこのモデル、英国仕様のディーゼル車(高出力版)そのものと言える。

6MTゆえにクラッチを奧まで踏み込みイグニッションをひねると、グオンとエンジンが掛かり、「カラカラカラ・・・・・・」とディーゼル特有の音と共にアイドリングする。欧州製の最新ディーゼルよりアイドリング音は大きめ、と指摘する声はあるが、振動はほとんどなく、気になるほどではない。

鋳鉄ブロックを持つ形式名「M9R」ユニットは当然コモンレール式で、さらにピエゾ式インジェクターを持つ高性能ユニットだ。173ps/3750rpm、36.7kgm/2000rpmと、馬力はエクストレイルの2.5リッターガソリン(170ps、23.5kgm)と同程度だが、トルクはその1.5倍以上で、ムラーノの3.5リッター(260ps、34.3kgm)すらも上回る。しかも発生回転数はたった2000回転だ。この最大トルク値は排気量2リッターの最新ディーゼルターボとしてはトップクラスで、国内の一般的な3リッター直4ディーゼルターボに匹敵するか、むしろ上回るもの。この9月から新型パジェロに搭載された3.2リッター直4ディーゼルターボ(4M41型)ですら170ps/3800rpm、37.8kgm/2000rpmだから、その高性能ぶりが分かるだろう。

アイドリング付近のトルクは、ほんの少し弱いと感じる刹那があるが、ディーゼルのMT車独特の、最初の一転がしから後は、すぐに「トトトト・・・・・・」と車体が前に進む。なにしろ2000回転で36.7kgmだ。ただし強大なトルクでグイグイというより、軽快、スムーズという表現が近い。

ガソリン低圧ターボみたい。レッドゾーンまでサラッと回る

とはいえ、やはり低回転トルクは相当に強力で、「2WDモード」のままウェット路面でアクセルをワイドに開けると、激しくホイールスピンし、トラクションコントロールが介入する。ドライ路面なら2WDでも不安なく走れるが、通常は「4WDオートモード」に入れっぱなしがいいだろう。どのみち電子制御4WDの場合、燃費はほとんど変わらない。

シリンダーブロックに強度が必要なディーゼルエンジンゆえ、車重はガソリン車に比べて150kgほど重く(ほとんどが前軸荷重)1670kg。それでも3リッターディーゼルSUVに比べれば、少なくとも200~300kg、車種によっては500kg以上軽いから、173psでも動力性能に不満はない。

レッドゾーンは4500回転からだが、ちょっと活発に走る時は3000~4000回転くらいが気持ちよく、さらに踏み込むとレッドゾーンを踏み越えて5500回転くらいまでサラッと回る。意外と高回転型?というか、上まで気持ちよく回ってしまうエンジンだ。回転計の数字を見なければ、ものすごくフラットなトルク特性のガソリン低圧ターボみたいでもある。

力強さに油断するとエンスト

面白いのが3速か4速でダラダラと走っているときにアクセルを抜くと、普通のガソリンMT車なら緩やかにエンブレが掛かって減速するところを、「20GT」は逆にトトトトと、どんどん加速して?いってしまうように感じられること。この感覚は、大排気量のV8ガソリン車にもないもので、ディーゼル特有と言えるだろう。

逆にその高トルクにドライバーが油断してか、ターボゆえ極低回転(1000回転前後)のトルクが弱いのか、交差点の右左折などで、ストンとエンストしてしまうこともある。いずれにしても徐行くらいまで速度が落ちた時は、2速で半クラッチを当てるようなズボラ運転ではなく、すかさず1速に入れ直した方が良い。ディーゼルターボを扱う上では当然の話かもしれないが。

どっしりユルユル快適。最高速はUK仕様で200km/h

最近の日産車が得意とするフカフカシートとストローク感のある足まわりのおかげで、乗り心地は下手なタクシーより快適。ガソリン車より車重が増えたせいか、ますますどっしりユルユルなフランス車濃度が高いように思えた。ディーゼル専用にボディやエンジンマウントが補強されたほか、制振材や遮音材も大幅に追加され、高遮音ガラスも採用されている。

100km/h巡航は、6速トップで約1900回転。当然ながらまったく快適で、そこからアクセルを踏み込めばグイグイ加速する。パワーウエイトレシオ自体は1670kg/170ps=で約10kg/psだから、メチャクチャに速くはないが、160km/h巡航くらいは楽勝だ。メーカー発表(UK仕様)の0-100km/h加速は10.0秒、最高速度は200km/hだから(日本仕様では当然リミッターが介入するはず)、さもありなん。静粛性はアクセル全開時でさえ、まったく問題ないと思えた。

ガソリンに比べて燃費で1~3割、燃料価格で2割安い

参考ながら、試乗燃費はいつもの試乗区間(約90km、大雨の中)で10.6km/L。郊外の一般道を約60km、通勤ペースで走った区間は、13.3km/Lだった(いずれも車載燃費計の数値)。低回転のままハイペースで走れるので、燃費の落ち込みは少ないという印象を受けた。この走りっぷりでこの燃費は、期待通り良好と言えるだろう。ちなみに、2リッターガソリン・CVT車に試乗した時は、トータルで約7km/L、信号の多い一般道で8km/L台、条件のいい一般道でも9km/L台だった。

また10・15モード燃費は15.2km/Lである。これはエクストレイルの2リッターガソリン車(CVT・4WD)の13.6km/Lより約12%、同ガソリン車(6MT・4WD)の13.2km/L(CVTより燃費が悪い)より約15%、2.5リッターガソリン車(CVT・4WD)より約30%も優秀であり、上の実燃費とも矛盾しない。

そして軽油の値段は、試乗時点で1リッターあたり140円(実際には割引で137円)だった。レギュラーガソリンは、同じく168円(同165円)だったので、約2割弱安かったことになる。

つまりトータルで考えると、ガソリン車に比べて約3割から4割は経済的ということだ。ディーゼルの6MT車の場合、10・15モード燃費と実燃費との落差が少ないので、実際にはもっと有利かもしれない。

■参考
日産自動車>プレスリリース>エクストレイル クリーンディーゼル車で北海道1000km無給油走行を達成(2008年10月24日)

ここがイイ

胸を張って乗れるディーゼル。キャラクターに合った性能・特性。静粛性、快適性

エクストレイルというクルマに関しては、過去の試乗記で、適度なボディサイズ、運転しやすさ、実用性の高さとなど、イイところをたくさん書いている。今回はそれに加えて、石原都知事を土下座させるディーゼルエンジンのクリーン性能だ。もはや当たり前かもしれないが、黒煙はまったく出ない。DPF(黒煙の主成分であるPM=粒子状物質を99%以上除去する)付きなら当然だろうが、これに加えてNOxを専用の触媒(リーンNOxトラップ触媒)で浄化もしている。こうしてポスト新長期規制をクリアしたことはすごい。ディーゼルに胸を張って乗れるとは、素晴らしい時代が来たものだ。

そんな超トルクフルなエンジンとスコスコ決まる6MTは、まさに「GT」らしいもの。重量バランスの問題を無視すれば、このままスカイライン・クーペやフェアレディZに積んでも良さそうなくらい、気持ちよく走る。むろんSUVたるエクストレイルという車両のキャラクターに合ったエンジンでもある。これでATなら、ガソリンエンジンより断然ふさわしいと言える。むしろエクストレイルに2リッターガソリンはちょっと線が細い。

ボディ剛性30%強化、エンジンマウントブラケット形状変更、フロントウインドウの遮音ガラス、遮音ダッシュパネルの採用などで、すばらしい静粛性を確保している。例のふんわりしたシートと相まった良い乗り心地、アイドリングでの振動の少なさなど、さすがに勝負グルマらしい完成度だ。

ここがダメ

ATがないこと。防水内装やポップアップステアリング無しという設定

6MTしかないこと。これは今後の販売において致命的なので、早急な対応が求められるところ。既存の大トルク容量CVTは、エクストレイルのエンジンベイには大きすぎて収まらないし、6ATだと排ガスのコントロールが難しいようだ。

防水シートと防水フロア、ポップアップステアリングがないといった部分は、オプション設定でもして欲しかったところ。また座面の高さは変えられるが、角度は調整できない。日産車は昔から全体にこういう傾向がある。人(のサイズ)によってベストポジションは違うから、できるだけ調整項目を増やして欲しいものだ。

2WDモードと4WDオートモードの切替ダイアルは不要では。電子制御多板クラッチを使ったこの手の4WDは、4WDモードでも通常走行時は2WDで走るため、燃費面でのデメリットはほとんどないというのが一般的な話。その上で高速走行時や低ミュー路での操縦安定性は明らかに2WDモードを上回るわけだから(特に今回のようにハイパワーのディーゼル車)、普段から使わない手はない。なのに初心者からベテランまで「悪路でなければ2WDモードでいい」という誤解を与えかねないモード選択は、かえって良くないと思う。例えばムラーノでは切替なしで、4WDロックモードのみを設定しているが(エクストレイルにもある)、これこそが「フルタイム4WD」のメリットを生かした仕様だろう。

総合評価

まずは話題性で勝負。性能的には言うことなし

以前のガソリン車の試乗記どおり、エクストレイルの道具感は素晴らしい。ガソリン車の場合、こんなに速さは要らないのでディーゼル並みに燃費がよければベストバイと思ったものだが、そのディーゼルが登場したわけで、商品的に考えるとこれはもう「買わねば」というものになる。しかしATがまだなかったり、跳ね上げステアリングなどの素晴らしい機能が省かれていたりで、まだチョイ待ちという気分になる人は多いだろう。日産としてはまずクリーンディーゼル登場という話題性で勝負ということになる。

乗ってみるとそのエンジンの実力には恐れ入る。悪路走破には低回転での力強さが必要だったSUVは昔からディーゼルが主流だったのだが、街乗りSUVや走りのSUVが増えたことで、ガソリンでもいいか、という風潮が強まっていた。しかしエクストレイルのような実用型のSUVの場合は、やはりディーゼルが似合う。前回の試乗記で書いたように、軽トラックに代わるオヤジの足グルマとしては、やはり燃費のいいディーゼルが本命だ。多少ガラガラいったって経済性が優先するのは当然。ところがエクストレイルでは、ガラガラも振動もほとんどない。これならディーゼル嫌い?のモーターデイズも認めざるを得ない。低速トルクの太さによって走りの力強さではガソリン以上だし、オンロードの走りもガソリン車で実証済み。もうガソリンかディーゼルかで選ぶ必要がないと言えるほど性能的には言うことなしだ。

環境のことを考えれば、クルマなどない方がいい

ということでエクストレイルの話はさておき、ディーゼルと環境について考えてみるのだが、一般に熱効率がいいディーゼルは燃費がよくて、CO2をガソリンエンジンより出さないから環境性に優れているとされる。クリーンディーゼルと呼ばれる新世代エンジンは副産物のNOxやPMを技術革新で除去できるようになったからこれで無敵だ、ということだが、さらに細かいナノPMという物質まではまだ除去できていないらしい。それでも、定められた相当厳しい数値はクリアしているから、ひとまずはこれで、ということなのだろう。

環境のことを突き詰めて考えれば、ガソリン車でもディーゼル車でも、クルマなどない方がいいにきまっている。しかしそれをさらに突き詰めていけば、人類が進化していくこと自体、環境には悪いわけで、ノストラダムスでも再登場してもらって決着を付けるしかないだろう。原油精製の課程ではガソリンばかりでなく軽油もできるのだから、内燃機関の種類が偏らないのはいいし、ディーゼルは灯油でもバイオ燃料でも回せるから、今後様々な燃料を混ぜて使わざるをえないという局面に陥った場合でも高い可能性を持つ。人類の進化(=技術と意識の進化)が一時絶滅した乗用ディーゼルを復活させたわけで、人類が存在している限りは、地球を汚しきるのが先か、それを克服する技術進化が先か、というチキンレースが続いていくわけだ。クルマに乗り続けたいモーターデイズとしては、さらなる環境技術の進化を期待したいというしかない。

目指すべきは経済性が高くて、環境に優しい商品

かつてディーゼルを敵視したのは、目に見える黒煙がいかにも環境に悪い気がしたからだ。目に見えない排ガスはガソリン車も出していたのだが、目に見える(実際にも有害な)ディーゼル黒煙は、石原知事ならずとも気になったものだ。その昔、マツダのカペラ・ターボディーゼルにはよく乗ったものだが、それはそれはすさまじい黒煙を吐き、心が痛んだ。しかし経済性の高さから手放せなかったのも事実。つまり、目指すべきは経済性が高くて環境に優しいという商品だろう。選ぶ基準は経済性で、それで選べば結果的に環境によい、という好循環を生む商品。今後出てくるディーゼル車はそんな商品となってほしい。特に中国を含むクルマの発展途上国でそうした展開ができるかどうかが、人類の将来を決めるのではないかと思う。

しかしその経済性の良さを支えている軽油の価格は、日本の場合、運送業界を支援するために低く抑えられているという政治的な背景もある。乗用ディーゼル車が増えてきたから増税などとならないよう、また来年春にも実施が検討されているクリーンディーゼル補助金が反故にならないよう、近づく選挙で意思を表したい、と結びたいところだが、選挙が本当にあるのかかなり疑問になってきた。選挙がなければ来春、クリーンディーゼル補助金が出るのはたぶん間違いないのだが、政権交代がなければ高速道路無料化は無理。国民は悩ましい。

試乗車スペック
日産 エクストレイル 20GT
(2.0L 直4ディーゼルターボ・6MT・4WD・299万9850円)

●初年度登録:2008年9月●形式:LDA-DNT31 ●全長4630mm×全幅1785mm×全高1685mm ●ホイールベース:2630mm ●最小回転半径:5.3m ●車重(車検証記載値):1670kg( 1000+670 ) ●乗車定員:5名●エンジン型式:M9R ● 1995cc・直列4気筒・DOHC・コモンレール(ピエゾ式インジェクター)・ディーゼル・ターボ・横置 ●ボア×ストローク:84.0×90.0mm ●圧縮比:15.6 ● 173ps(127kW)/ 3750rpm、36.7kgm (360Nm)/ 2000rpm ●カム駆動:タイミングチェーン ●使用燃料/容量:軽油/65L ●10・15モード燃費:15.2km/L ●JC08モード燃費:14.2km/L ●駆動方式:電子制御式フルタイム4WD ●サスペンション形式:前 マクファーソンストラット/後 マルチリンク ●タイヤ:215/60R17( Dunlop ST20 Grandtrek M+S )●試乗車価格:344万1650円( 含むオプション:バイキセノンヘッドライト 6万3000円、HDDカーウイングス・ナビゲーションシステム<サイドブラインドモニター+バックビューモニター含む> 34万6500円、フロアカーペット 3万2300円 )●試乗距離:約190km ●試乗日:2008年10月 ●車両協力:日産プリンス名古屋販売株式会社

 
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