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日産 エクストレイル 20X新車試乗記(第481回)

Nissan X-Trail 20X

(2.0リッター直4・CVT・4WD・237万3000円)

イメージそのまま、機能は進化。
「ガンガン使える」SUV、
エクストレイルは
ポスト「軽トラ」だった!?

2007年10月06日

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キャラクター&開発コンセプト

都会派デュアリス、自然派エクストレイル

2007年8月22日に発売された2代目「T31型」エクストレイル(X-Trail)は、5月に発売された英国日産製デュアリスの兄弟車。デュアリスは都会派のクロスオーバーSUV、新型エクストレイルは機動性を重視した自然派SUVと、明確に性格分けされている。シャシー自体はデュアリス同様、ルノー・メガーヌ系の「Cプラットフォーム」。前ストラット、後ろマルチリンクの足まわり、電子制御4WDの基本的な仕組みもデュアリスと同じだ。

生産は日産の九州工場で、欧州向けも当面そこから輸出する。逆に英国から九州に荷揚げするデュアリスと積み替えることで流通コストを抑える算段だ。主力市場は欧州および日本。北米市場はトラックベースでV6エンジン(VQ40DE)の別車種「エクステラ(Xterra)」がカバーする。

キーワードは「SHIFT_challenge spirit」(チャレンジ・スピリットをシフトする)。広告キャッチコピーは「タフ・ギア(The Tough Gear)」だ。国内の目標台数は月間2000台。発売後約1ヶ月の受注状況(9月18日時点)はその5倍の1万140台に達している。

大ロングセラーとなった初代「T30型」

xtrail-01-t30.jpg2000年発売の初代エクストレイル(T30型)は、「200万円の『使える4駆』」をコンセプトに登場。ライトクロカン市場で先行したトヨタRAV4、ホンダCR-V同様、FFベースのSUVだが、この時期に早くも電子制御式フルタイム4WDだった点や、道具感を打ち出したコンセプトが多くの人から支持された。モデル末期でも月間1500台レベルを維持した点も特筆に値する。エクストリームスポーツ(Xスポーツ)を題材にしたテレビCMも明快だった。

価格帯&グレード展開

2WD車の199万5000円から、2.5リッターの253万500円まで

2リッター・4WD・CVT車を主力として、2WD(15万7500円安)、6MT車(CVTと同価格)、2.5リッター(15万7500円高)を用意する。グレードは標準の「S」、装備充実の「X」(22万500円高)の2種類。ラインナップは以下の通り。

・「20S」(4WD・CVT) 215万2500円
「20X」(4WD・CVT) 237万3000円 ★今週の試乗車
・「20X」(4WD・6MT) 237万3000円
・「25S」(4WD・CVT) 231万円
・「25X」(4WD・CVT) 253万500円

・「20S」(2WD・CVT) 199万5000円
・「20X」(2WD・CVT) 221万5500円

初期需要の傾向

発売1ヵ月の初期受注分(1万140台)の内訳は、グレード別が「20X(4WD・CVT)」(48%)、次いで「25X(4WD・CVTのみ)」(18.3%)。4WD車は全体の9割(90.4%)に上る。ボディカラーは「ダイヤモンドブラック」(34.1%)、「ダイヤモンドシルバー」(14.5%)の順だ。

ユーザー層は男性が9割。年齢層は30代(21.3%)、50代(18.4%)、20代以下(18.0%)と今どき珍しく幅広い。メーカーにとっては文字通り「有り難い」ケースだ。

・新型「エクストレイル」の受注状況について(2007年9月20日)
http://www.nissan-global.com/JP/NEWS/2007/_STORY/070920-01-j.html

パッケージング&スタイル

前後オーバーハング(特にリア)が伸びた

ボディサイズ(先代比)は全長4590(+135)×全幅1785(+20)×全高1685mm(+10。※試乗車はハイパールーフレール装着車のため1770mm )、ホイールベース2630mm(+5)。主に全長が伸びているが、これはフロントオーバーハングが+50mm、リアが+80mm増えたからで、フロントはおそらく衝撃吸収分、リアは荷室長および容量アップ分だろう。

確かに「一目でエクストレイルと分かる」

全体にキープコンセプトのエクステリアで、「一目でエクストレイルと分かる」はもちろん、「優れた悪路走破性を予感させる」という開発目標を100%達成するもの。「どこが変わったの?」と散々デイズ社内スタッフにも言われたが、逆に国産車でこれだけ変わらないフルモデルチェンジも珍しく、しかもその声にネガティブな意図はない。「どこが変わったの?」=「とりあえず見た目が変わらなくて良かった」といったところ。

試乗車は販売主力の「20X」だが、オプションとして前後アンダーガード、スポットライト内蔵の「ハイパールーフレール」など、外装だけでおよそ30万円分が装着されている。ボディカラーは7色あるが、試乗車の青(サファイアブルー)、赤(バーニングレッド)、黒(ダイヤモンドブラック)の3色は、「スクラッチシールド」という特殊な塗装。クリヤー塗装に軟質樹脂を配合したもので、浅いスリ傷やひっかき傷は「時間経過によって自然に復元」するという。

好評の装備をすべて継承

7年ぶりのモデルチェンジということで、大幅に質感アップしたインテリア。それでも「道具感」重視のコンセプトはブレていない。これはデュアリスのおかげで妙な欲を出さずに済んだせいだろう。ダッシュボード中央には先代のセンターメーターに代わって、ティッシュボックスが入る蓋付き収納が備わった。

先代で好評だった装備はすべて継承。ステアリングコラムが90度折れ曲がって跳ね上がり、運転席に座ったまま着替えや食事がしやすい「ポップアップステアリング」(6MT車を除く「X」グレードに標準)はワンタッチ式に改良されて使いやすくなった。シフトレバーが「P」レンジ以外だとロックされてポップアップできず、逆にポップアップした状態では「P」レンジから動かない、という安全装置が備わる。

そのほか、前席用カップホルダーも蓋付きで、運転手用はちょうどステアリングの横にある。もちろんカーウイングスナビ付き車にはサイドブラインドモニターが備わる。

「防水シート」と「防水フロア」

「フル防水インテリア」もしっかり先代を踏襲。「防水シート」(全車標準)はシート中央部に防水・透湿性を備えた「セルクロス」と、合成皮革の「ネオソフィール」および「パートナー」のコンビシート。セルクロスは住宅内装材大手の住江織物株式会社の登録商標。その子会社である住江工業株式会社は電車や日産車などの車両用シートを手がけている。「ネオソフィール」は繊維業界大手のセーレン株式会社、「パートナー」は靴で有名なアキレス株式会社の登録商標だ。部位によって合成皮革の質感が違うのは、2種類の合皮を使っているからだろう。

「防水フロア」や「防水加工天井」も全車に標準。特に防水フロアは、通常なら鉄板の上にひくカーペットを、ゴムのような樹脂シートに代えたもの。フロアマットをめくるか、後席のセンタートンネルあたりで見ることができる。また販売店アクセサリーのフロアマットもゴム製マットとカーペットを合体した凝ったものだ。また、後席用のカップホルダーも空調吹き出しによる保温保冷機能付と芸がこまかい。

マウンテンバイクを2台タテ積み

ラゲッジ部分も、床と側壁を樹脂でカバーしたウォッシャブル仕様。脱着式のフロアボードは外して洗える。ちなみに欧州仕様では上質感を重視してカーペット張りだ。新型はフロアボードが上げ底で、その下を引き出し式収納スペースとなっている。便利だが、入れた物をしっかり固定しないとカラカラと走行中にうるさい。間仕切りは可変式だ。

2重底をやめてフロアをバンパーレベルまで下げた時の荷室容量は603リッター(+69リッター)。さらに後席をダブルフォールディングで畳めば(外したヘッドレストを差す場所もある)、26インチタイヤのマウンテンバイクを縦に2台積載可能。ミニバンならともかく、このクラスのSUVでこれが出来るのは珍しい。この時の最大荷室高は1012mm。1000mmを切るとタイヤを付けたままの自転車縦積みは難しくなってくる。

この時の荷室長は1742mm、後席座面クッションも取り外せば、1948mmに増える。サーフィンのロングボードなど、長尺ものを運びたい人には嬉しいスペックだ。4名乗車時もアームレスト部分(中央席)がトランクスルーするから、スキー板やスノーボードくらいならOK(汚れを防ぐ樹脂カバー付き)。こまごました工夫はたいへん説得力がある。

基本性能&ドライブフィール

2リッター車の動力性能は平均的

試乗車は「20X」の4WD。国産SUVでは唯一といえる6MTもあるが、試乗したのはCVTだ。先に書いたように「どこが変わったの?」とよく聞かれる新型だが、その時は「ミッションがCVTになった」と答えるのが手っ取り早い。従来の4ATや5ATより、燃費性能に優れるのが採用の理由だろう。

2リッター直4「MR20DE」(137ps、20.4kgm)も「エクストロニックCVT」も、日産車でおなじみのユニット。車重は試乗車で1520kgと普通の乗用車に比べれば軽くはなく、それなりに走行抵抗もあるため、動力性能はごく普通。CVTゆえ、低回転域を維持しながら走れるので不満はないが、特別パワフルではない。メーカー資料には「加速感比較」(社内測定値)として、1番良いのが新型エクストレイル(2.5リッター)、2番が国産C車(2.4L・5AT、おそらくCR-V)、差があって3番が新型エクストレイル(2リッター)と先代エクストレイル(2リッター・4AT)、4番が国産R車(2.4リッター・CVT、おそらくRAV4)となっているが、実際の印象もそんな感じ。2.5のエクストレイルは未試乗だが、現行CR-Vは確かに速い。

オフローダーっぽいがオンもいける

サスペンションは前ストラット、後マルチリンクと形式的にもこのクラスのSUV(というか今時のFF車)でスタンダードなもの。ザックス製の「ハイスピード ダンピング ショックアブソーバー」もデュアリスと同じだ。

実際の乗り味は独自のもの。先回試乗したデュアリスがFF仕様で、車重は1420kg。タイヤは215/60R17のサマー規格(BSのデューラーH/Pスポーツ)だったが、対して今回のエクストレイルは4WDで、車重は100kg重く、タイヤサイズこそ同じだが、オールシーズン(マッド&スノー)規格で、当然サスペンションのセッティングもまったく違う。レンジローバーのフリーランダーを思わせるような、要するにオフローダーっぽい感覚が強い。これもデュアリスがあるがゆえの性格付けだろう。極端な言い方をすれば、デュアリスがCR-Vやアウトランダー寄りとすれば、エクストレイルはレンジやジープ・パトリオット寄りと言える。速くはないが、オンロードでも4WDならではの安定感が目立つ。

「 i 」に進化したオールモード4×4

オフロードは試乗していないが、スペックで分かる範囲で悪路走破性に触れておく。先代の「オールモード4×4」は、かつての「ATTESA(アテーサ)E-TS」から進化したもの。新型ではこれが「オールモード4×4-i」へと進化している。要するにヨーレートセンサーやステアリング舵角センサー、VDCといった電子制御デバイスが追加され、操縦安定性や走破性を高めたものだ。ヒルディセント・コントロールやヒルスタート・アシストなど最新SUVらしい機能も備わった。前後トルク配分は100:0~約50:50で変化するほか、「2WD」「Auto」「Lock」がダイアルで簡単に選べる。もちろんESPの制御プログラムも同時に変化する。個々の技術やメカはともかく、おおむねトヨタ、三菱・クライスラー系のFFベース用電子制御4WDと同種のものと考えていいだろう。

エクストレイルでユニークな点は、前後トルク配分率固定の「Lock」を選んでも、ダイアル自体は手を放すと通常の「Auto」に戻ってしまう点。これは「Lock」をスタックからの脱出用としているからで、車速が40km/hに達すると「Lock」表示ランプが消え、「Auto」に自動復帰する。メカに弱い人でも、とにかく「いざという時はダイアルをひねってLockにする」と覚えておけばよく、戻し忘れもないので、悪くない工夫だろう。

なお走破アングルはアプローチが約27度、ランプブレークオーバーが約21度、ディパーチャーが約24度。最低地上高は200mmだ。

今回は210kmほどを試乗。参考ながら実燃費は、車載燃費計では6.5km/L。満タン法(175km/25.5L)で約7km/Lだった。この計測区間以外に、一般道と高速道路を半々で25kmを大人しく走った時の車載燃費計は9.5km/Lだった。信号の多い一般道では8km/L台キープが精一杯だが、CVTゆえ一定速度で抑えて走れば伸びる傾向がある。Cd値は0.36(従来比-0.01)だ。

試乗車(標準仕様)の10・15モード燃費は13.6km/L。排気量が2リッターと少ない分、この項目では2.4リッターのライバル車より若干有利なようだ。

ここがイイ

安定感のあるコーナリングはちょっと驚き。ハンドリングは特にクイックではないので、ワインディングを楽しむといった性格ではないが、コーナリング時の安心感は素晴らしい。電動パワステにも手頃な重さがあり、ボディ剛性の向上、リアサスのマルチリンク化(荷室広さにも貢献している)、そして何よりオールモード4×4iとVDCの恩恵だろう。普通のドライバーなら十分スポーティと感じるだけの速さと安定感のあるオンロード走行ができる。高速巡航に関してもCVTなので150㎞/hでも快調。オフ車であることを了解した上なら、普通の人にとってオンの走りに不満はまず出ないだろう。オフロードは走っていないが、かなりの走破性があるようなので、たぶんこれまた普通の人には何ら不満がないはず。ヒルディセントコントロールとヒルスタートアシストもあるし、そこそこ古くなってぶつけることを許せるようになったら本格オフロードコースも楽しめてしまいそうだ。

標準のハロゲンは分からないが、オプションのバイキセノン(6万3000円)はとても明るい。夜間走行の多いエクストレイルにはぜひ欲しいもの。またオプションのハイパールーフ(10万5000円)に内蔵されたスポットライトは、ただでさえ明るいバイキセノンのハイビームの、さらに遠方を照らすもの。実用上はバイキセノンで十分だが、例えばブッシュの中など、オフロード走行時にはこの位置からの照明が効果的。ただこれはハイビーム使用時にしか点灯せず、いったんロービームに戻すとキャンセルされてしまう。で、もう一度手探りで膝元のスイッチを押そうと思っても、VDCのオフスイッチが隣にあり、非常にわかりにくいのは難点。一般道での濫用を防ぐためだろう。

室内ではブルートゥースを新採用したカーウイングス対応ナビがダッシュデンターの一番高い位置にあるのが理想的だし、一見では革みたいに見える防水シート、フラットな長尺荷室と枕にもなるヘッドレスト、外せる後席座面、屋根のキャリアに載せた荷物の整理にも重宝する巨大ガラスサンルーフ、前後ともエアコン風の当たるカップホルダー、後席エアコン吹き出し口、天井の固定フックなど、いいところ目白押し。

センターメーターではなくなったものの、インパネ両角のカップホルダー部分がラウンドしてセンターを向いているあたり、なかなか新鮮で好印象。そして何よりなのは、コンセプトから室内外に至るまで、明快極まりない道具感だ。過去7年間、このコンセプトを他メーカーが真似せず、放っておいたのが不思議。「使えるSUV」を欲している人には、間違いなくお勧めできる。

ここがダメ

強いて言えば、2リッター・CVTの組み合わせは若干、動力性能に余裕がないところ。普通に乗るならまったく問題ないが、荷物満載で山岳地帯の高速道路を片道300km走り、疲れてまた300km走って帰ってくるというシチュエーションだと、もう少し余力が欲しいかも。わざわざ2.5リッター直4を用意したのは、2.4リッターのライバル車の存在もあるが、やはりそういう認識があってのことだろう。

それから運転席シートの座面角度が一定だったのは残念。高さだけでなく、角度も調整できるようにしたい。

総合評価

高級で売るか機能で売るか

北米同様、最近は日本でも「ポストミニバンはSUV」ということになっているらしい。次から次へとよくも出る出るSUV、なのだが、日産に至っては同じクラスに2台という暴挙!?に出た。しかし今日、マーケティングなしにクルマを出すことなどないわけで、ここには緻密な読みがある。つまり、年齢によって求めるタイプが違うということだ(後述)。さらにポストミニバンとなればミニバンが要らなくなった世代、つまり50代がメインマーケットである。この世代向けSUVは、高級で売るか機能で売るかしかない。もちろんエクストレイルは機能の方だ。

昔はオヤジになると軽トラ(軽自動車のトラック)を買ったもの。特に庭いじりや釣りが趣味といったオヤジはセダン以外に必ず軽トラを買って、道具として使い倒したものだ。昨今はマンション暮らしの都会派オヤジも増えたので、さすがに軽トラは厳しいが、それでもそんなオヤジは自転車好きだったりするから、道具としてのクルマは依然需要が高い。そこにドンピシャではまるのがエクストレイルということになる。高価な高級SUVではなく、200万円前後の価格というのも、オヤジにも手が出しやすい。現在の販売状況が示すように、若者のクルマであるエクストレイルは、かなりの面でジジイのクルマだ。荷室が伸びたのでリアのヘッドレストを枕にして仮眠もできる(これは軽トラには無理な芸当)から、早朝の釣行なんかに持ってこい。

2世代で使える「道具」

ということでコンセプトを徹底的に絞り込んだエクストレイルは、国産で唯一といってもいい「道具としてのクルマ」。オンロードはオヤジの腕ならかなり楽しく走れるだけのスポーツ性があるし、オフロードもオヤジが入っていく程度のところであれば、まず問題なく走りきる。センターメーターじゃなくなったおかげでアウトドアの必需品であるティッシュがインパネ中央に蓋付きで収まったし、助手席背面のシートバックポケットもフィッシングベストみたいでいろいろ分けて収まり便利。荷室の引き出しに「何を入れておこうか」と考えるほどに心躍るし、ホームセンターで買った「安物」の折りたたみテーブル椅子が引き出しの左側スペースにピタリと収まるあたりも素晴らしい。ラゲッジ脇の左右ポケットを開けると牽引フックとジャッキが収まっているのもかなり「くすぐる」部分。天井までの室内防水加工を含め、オヤジの物欲をビンビン刺激する。

エクストレイルの機能性はオヤジの息子世代(20代から30代前半)もだいたい同じように喜ぶ部分。一家に一台あれば親子で楽しめるというのもポイントが高い。もしオヤジが高級スポーツカーを買ったら息子には絶対乗らせないと思うが、エクストレイルなら気軽に貸せる。少しばかり傷つけても、塗装は復活するらしいし。逆にもし息子がエクストレイルを買ったなら時々借りればいいから、逆にオヤジはスポーツカーが買える(ここに日産はスカイラインクーペを当てはめたいだろう)。つまり日産が考えたのは、50代と20代から30代前半(の親子)にエクストレイル、30代・40代のミニバン嫌いの都会派にデュアリスというマーケティングなわけで、これは絶妙。しかもエクストレイルを日本で作って船に載せ、帰りの船に欧州で作ったデュアリスを積んでくるというロジスティックスもこれまた絶妙。日産はこの2台で相当利益を上げるのではないか。トヨタのように国内専用車種を作るほど余力がないのを逆手に取った、素晴らしい企画力といわざるを得ない。

クルマは「生活道具」だった

それにしてもエクストレイルでは、クルマは生活道具だったということを再認識させられた。クルマは地位や金の象徴かもしれないし、走りの道具かもしれないが、それ以前にまずは「生活道具」だったことを忘れかけていた。クルマが白物家電化したと言われて久しいが、その割に生活道具として白物家電に徹したクルマはできてこなかった(いや、先代のエクストレイルがまさにそれだったからロングセラーになったのかもしれない)。このエクストレイルはもう完全に、機能性の高さこそが最大価値という家電的商品になっている。これまでクルマと言う商品作りの過程では、プレミアム感やら走りやらを追い求めすぎたのではないか? エクストレイルの好調な売れ行きは、そう問いかけているように思える。同様のコンセプトのクルマが増えて、この手の商品の選択肢がもっと広がるといい。そうすればクルマはまたちょっとは売れるようになる、そんな気がするのだ。

試乗車スペック
日産 エクストレイル 20X
(2.0リッター直4・CVT・4WD・237万3000円)

●初年度登録:2007年8月●形式:DBA-NT31 ●全長4590mm×全幅1785mm×全高1770mm ※ハイパールーフレール装着車、標準仕様は1685mm ●ホイールベース:2630mm ●最小回転半径:5.3m ●車重(車検証記載値):1520kg(860+660)※標準仕様:1500kg ●乗車定員:5名●エンジン型式:MR20DE ● 1997cc・直列4気筒・DOHC・4バルブ・横置 ● 137 ps(101 kW)/ 5200 rpm、20.4 kg-m (200 Nm)/ 4400 rpm ●カム駆動:タイミングチェーン ●使用燃料/容量:レギュラーガソリン/65 L ●10・15モード燃費:13.0 km/L ※オプション装着により車重1520kg以上の場合。標準仕様は13.6km/L ●駆動方式:電子制御式フルタイム4WD ●サスペンション形式:前ストラット/後:マルチリンク ●タイヤ:215/60R17( Dunlop Grandtrek All Season M+S ) ●試乗車価格:320万300円( 含むオプション:カーウイングスHDDナビゲーションシステム<DVD・CD・TVオーディオ、サイド&バックビューモニター等含む> 34万6500円、バイキセノンヘッドランプ 6万3000円、ハイパールーフレール 10万5000円、Sパック<サイド&カーテンエアバッグ、後席中央ヘッドレスト&3点式シートベルト等> 7万9800円、エクストリーマーパッケージ<フロントオーバーライダー 4万8000円、フォグランプ 3万2000円、フロントアンダーカバー 3万1000円、サイドガードモール 3万5700円、マッドガード 2万1000円、リアアンダーカバー 3万3000円> 計 20万700円、フロアカーペット 3万2300円 )●試乗距離:210 km ●試乗日:2007年9月

 
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