ブレーキメーカー3社の主催で2004年1月26日、「横滑り防止装置」体験試乗会が、長野県白樺高原の女神湖において報道関係者を集めて行われた。
ESCに呼称を統一
クルマに詳しい人でも、「ESC」なる用語は耳慣れない言葉のはず。ESC=エレクトリック・スタビリティ・コントロールは、加速度、旋回率、アクセル開度、操舵角、車速等の各センサーと制御コンピュータ一体型油圧ユニットで構成された車両安定装置。つまり、これまでのESP(メルセデス・ベンツやVWなど)、VSC(トヨタ)、VDC(日産やスバル)、VSA(ホンダ)などと基本的に同じもので、横滑りを感知し、ブレーキを4輪個別にかけて車両を安定させる、通称「横滑り防止装置」のことだ。
今回の試乗会は、そのESCを作る部品メーカーのボッシュ(欧州車から日本車まで)、アドヴィックス(アイシン、デンソー系=主にトヨタ)、コンティネンタル・テーベス(マツダ系。欧州車にも多い)の3社が合同で名称をESCに統一し、その普及をはかろうという動きの中で開催された。
アンダー/オーバーを抑制
会場は、厚さ30~35cmの氷が張った女神湖の上。集まったのは国内外の新型車約10数台。後輪駆動、前輪駆動、四輪駆動と様々な車両が用意された。氷点下ということで、路面ミュー(摩擦係数)は0.1以下と極限的な状況。少しでもオーバースピードで入ると、駆動方式に関わらずクルマがまったく曲がらない。スカイラインクーペのようなハイパワー車ではESCオフだと発進や直進も困難だった。
しかし、このような状況でもESCオンであれば、基本的にハンドルを進みたい方向へ切りさえすれば何とかコースをトレースすることができる。もちろん、完全にグリップを使い果たす状態(限界を超えたオーバースピード状態)ではESCも歯が立たないが、人間技では及ばないレベルでESCが制御を行うのは確かだ。
今後は急速に普及
ダイムラー・クライスラーの資料によると99年にメルセデス・ベンツ全車にESCを標準装備した結果、翌年の操縦不能事故発生比率は30%減ったという。ESCは乾いた路面でも高速走行時の緊急回避など、まさに生死を分ける瞬間に大きな効果を発揮する。ある意味でエアバッグ以上に役に立つ装備だ。日本での2002年の普及率は7%に過ぎないが、今後は低価格車にも急速に普及してゆくだろう。部品メーカーとしては07年に55%の装着率を目指し、最終的には100%を目指すという。
■株式会社ボッシュ オートモーティブ システム
http://www.bosch.co.jp/jp/companies/rbaj.html
■株式会社アドヴィックス
http://www.advics.co.jp/top.html
■コンティネンタル・テーベス株式会社
http://www.contiteves.de/
http://www.nisshinbo-bs.co.jp/
(photo:DAYS)






