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人とくるまのテクノロジー展 2016 名古屋

カテゴリ:イベント・フェア , クルマ関連ニュース , 東海地区の情報 / 2016年06月29日

 

「自動車技術展:人とくるまのテクノロジー展 2016 名古屋」(公益社団法人自動車技術会主催)が2016年6月29日、愛知県名古屋市港区の「ポートメッセなごや」で開幕した。開催は7月1日(金)までの3日間。

同イベントは自動車技術者向けの専門展として1992年に横浜でスタート。4輪・2輪メーカーやサプライヤーが最新技術や開発支援ツールなどを展示している。名古屋での開催は2回目で、前回を上回る300社以上が出展した。一般の人も含めて入場無料となっている。

ホンダ クラリティ Fuel Cellに試乗


試乗したクラリティFCは、伊勢志摩サミットで使用されたもの

会場では試乗会も行われており、今回モーターデイズでは3月にリース販売が始まったホンダの燃料電池車「クラリティ フューエルセル(Fuel Cell、以下FC)」に試乗した。

クラリティ FCは、FCX クラリティ(2008年販売開始)の後継モデル。名前が似ていて紛らわしいが、パッケージングからパワートレインまで、その内容は大きく異なる。

 

燃料電池パワートレイン(燃料電池スタック、水素および酸素供給システム、駆動モーターユニットなど)のサイズはV6エンジン並み。これにより他車種への展開性も得た

従来モデルとの一番の違いは、これまで床下に配置していた燃料電池スタックをボンネット内に移動し、それを含めた燃料電池パワートレイン全体を小型化して、V6エンジン並みのサイズに収めたこと。これによって従来の4人乗りから、後席3人掛けの5人乗りとしたのが“実用セダン”としての大きな売りだ。

後席の後方と下には、大小2つの高圧水素貯蔵タンク(充填圧は従来の35Mpaから70MPaに向上)を搭載。一充填あたりの走行距離は従来モデル比で30%増の約750kmを実現している。

自然なフィーリングが好印象


ボディサイズは全長4915mm×全幅1875mm×全高1480mm、WB2750mmと、レジェンド(4995mm×1890mm×1480mm、2850mm)よりわずかに小さい

試乗は20分×2回の短時間だったが、まず乗り込んだ時に思ったのは、内装の質感が高いこと。グレーの木目調加飾(樹脂フォルムを使用)や凝った形のセンターコンソールなどが新鮮だし、P(パーキング)やD(ドライブ)などのシフトセレクターもボタンになっている。ただ、メーターやナビ用ディスプレイの見た目は、割と普通っぽい。

 

ボンネットを開けても、パッと見はハイブリッド車のように見える

走り自体は、大ざっぱに言えばEVそのものだが、動き出しはEV的な、いかにもトルクがガツンと来る感じではなく、滑らかで穏やか。アクセルを踏み続けるとヒュイーーンというジェット機のようなサウンドが高まり、ホンダらしい?伸びを見せてくれる。モーターの最高出力は130kW(177ps)、最大トルクは300Nm(30.6kgm)。テスラほどパワフルではないが、自然なフィーリングが好印象だった。

後席の快適性はMIRAI より上

感心したのは乗り心地の良さ。1890kgという車重のおかげもあって、重厚でフラットな乗り心地が楽しめる。特に後席は、MIRAIと違って頭上や横方向が広く、乗車姿勢も自然で、なかなか快適。前席の床下にリチウムイオン電池があるため、つま先を入れる空間が若干浅いが、気になるのはそれくらいだ(知らなければバッテリーの存在には気づかないだろう)。3人掛けできる点も含めて、セダンとして不満なく使えそう。

ハンドリングをちゃんと試す機会はなかったが、ボディの剛性感、そしてステアリングフィールやブレーキフィールの良さは実感できた。ボディは基本的にはスチール製だが、外板や足回りの多くをアルミ製とするなど、“お金のかかった”作りになっている。

未来のクルマはカッコいいはずだが


ホンダにとってはレジェンドと並ぶ旗艦セダンでもあり、内装の質感は上々

総じて、運転席はほどよい高級感に包まれ、後席も広く、乗り心地もいい。加速やハンドリングに鋭さはなく、走りのホンダというイメージは強くないが、「高級セダン感」が心地よい。ただ、フロントグリルまわりのデザインは、どうしてこうなるのだろうと言いたくなる。未来のクルマはカッコいいと思いたいが、どうもそうならないのはなぜなのかなあ、と悩ましく思うところ。

販売はリースのみで、価格は766万円。国内の計画台数は初年度200台の予定。

 

外観は5ドア風だが、容量約400Lのトランクは独立型(トランクスルーなし)。ゴルフバッグは3つ搭載可能とのこと。写真では見えないが、上部に後方視界確保用の小窓がある

後席はシートクッションのサイズや形状も良好で、とても快適
 

各ブースのレポート

マツダブースの主役は「G-Vectoring Control」


マツダブース

会場内のブースも駆け足だが、いくつか回ることができた。国内の主要4輪メーカーは全て出展しており、トヨタは新型プリウスの、ホンダはクラリティFCの、いずれもカットモデルを展示して張り合って?いた。

個人的に面白かったのは、新しいコンセプトの制御技術「G-Vectoring Control(ジー・ベクタリング・コントロール、GVC)」の説明をメインに据えたマツダ。GVCは、例えばステアリングを切ると、それに応じて自動的にエンジン出力を絞り、最大0.05Gという微小な減速Gを発生させて前輪の接地荷重を増やすことで、ステアリングの効きや正確性を向上させる、というもの。

 

説明員によると、運転が上手な人の走らせ方を研究した結果、生まれた技術だという。電子制御で積極的に曲げたり安定性を確保するものではなく、あくまでも「接地荷重のコントロール」をするだけ、というのがマツダらしい。

ただしユーザーには、よくある電子制御デバイスと似たようなものだと誤解されるようで、特にクルマ好きからは「そんなものつけないでくれ」と言われるのが目下の悩み?らしい。

 

ジェイテクトは電動パワステやLSDなど


市販車に採用予定だという新開発のラックパラレルタイプ電動パワステ

地元のジェイテクトは、主力商品である電動パワステ、トルセンLSD(トルク感応式LSD)、電子制御4WDシステム、新開発のハブなどを出展。電動パワステは、国産車に多いコラムタイプから、欧州車(プジョー、シトロエンなど)向けが多いデュアルピニオンタイプ、そして最新のラックパラレルタイプ(写真)まで展示。説明員がそれぞれの特徴を丁寧に解説してくれた。

 

トヨタなどのFFベースのオンデマンド4WD車で広く採用されているジェイテクトの「ITCC」電子制御4WDシステム。目新しくはないが、カップリング部分の開発者がいて細かい疑問に答えてくれた

「ITCC」のライバルはハルデックスの電子制御4WDシステム。どちらも多板クラッチ式だが、ハルデックスは油圧、ITCCは電磁クラッチとボールカムで制御を行う
 

サンスターは歯磨き粉だけじゃない

サンスターと言えば歯磨き粉だが、バイク業界では高性能ブレーキディスクや各種スプロケットで有名。そして自動車や電機部品向けの工業用接着剤でも高いシェアを誇る。アンケートに答えたら歯周病予防に効く「G・U・M」をもらいました。

 

ドア閉め音の安っぽさにお悩みの開発者に

東陽テクニカは、ドアの閉まり音を改善するための開発ツール「ドア開閉エネルギー解析システム」(アメリカ製)を展示。「欧州車のような質感の高い音を実現するには、ドアが閉まるスピードだけではなく、エネルギー量も計測しないといけません」とのこと。

 

その他いろいろ


三菱ケミカルホールディングスのブースにあったメルセデス・ベンツCクラスの「高性能ガラス長繊維強化ポリプロピレン」(商品名ファンクスター)製インパネ・コア(ダッシュボード)。高剛性で成型性が高く、従来樹脂より軽い

ヤマハは販売好調のMTシリーズを展示し、ここだけモーターサイクルショー。YZF-R1の1000cc 4気筒エンジンを搭載した最新にして最強のネイキッドモデル「MT-10」(手前)も披露
 

試乗会には最新エコカーのほか、ホンダ S660(CVTと6MT)、マツダ ロードスター、アルトワークスといったお楽しみも用意

第2展示館では「モノづくりを支えるニッポンの“知恵・技・匠”と称して、日本各地の要素技術を展示。藍染のウッドパネルには、某メーカー開発者も興味津々
 

■外部リンク
人とくるまのテクノロジー展2016 名古屋

 
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