トヨタは2007年9月18日、ランドクルーザーをフルモデルチェンジして発売した。報道発表会ならびにオフロード試乗会が開催された「さなげアドベンチャーフィールド」(愛知県豊田市)から速報。
フルフレーム構造を踏襲。前サスはコイルに
新型「200系」ランドクルーザーは先代100系(98年1月発売)を継ぐ約10年ぶりの新型。トヨタブランドの旗艦SUV、そして「世界のランクル」にふさわしく、開発テーマは「The King of 4WD」。伝統である走破性、耐久性、信頼性を進化させたという。
一新されたシャシーはランクル伝統のフルフレーム構造を踏襲しつつ、ねじり剛性を約1.4倍、曲げ剛性を約1.2倍に向上。前サスペンションも形式こそ同じダブルウイッシュボーンながら、先代のトーションバー式からコイルスプリング式に変更。リアは従来通り4リンク式リジッドだ。
4.7リッターV8エンジン「2UZ-FE」(288ps、45.7kgm)と5速ATも継続だが、吸気VVT-iの追加等で出力をアップ(+53ps)。フルタイム4WDシステムには、レクサスLSハイブリッドにも使われた新型トルセンLSDを使っている。車重は2460~2500kgで、10・15モード燃費は6.6km/Lだ。
言わば極悪路用のクルーズコントロール
昨今のトヨタ車同様、電子制御デバイスの進化が200系ランクルの目玉だ。代表的な技術が、「クロール コントロール(Crawl Control)」と「キネティック ダイナミック サスペンション システム(KDSS)」の2つだ。
全車標準となる「クロール コントロール」は、アクセル操作の難しい極悪路で使うもの。スイッチで「クロールコントロール」をオンにすれば、あとは自動的にスロットルとブレーキを最適制御して誰でも安全に走破できてしまう。つまり極悪路用のクルーズコントロール、とでも言うべきものだ。実際に会場である「さなげ」のオフロードコース(写真のモーグルのほか、林間のかなり激しいコースも含む)で、試してみたが、まったくもってフールプルーフに走り切れた。走行速度は1~5km/hの範囲で3段階選ぶことができる。
油圧でスタビライザーを制御
「キネティック・ダイナミック・サスペンション・システム(KDSS)」は、油圧システムによって前後スタビライザーの働きを機械的に制御し、舗装路では通常通りに、悪路走破時にはスタビを事実上無効としてサスペンションストロークを確保するもの。なお、このシステムは海外向けプラド(レクサスGX470)ですでに採用済みらしいが、日本では初となる。エアサスに比べて低コスト、シンプル、信頼性の高いことがこのシステムのメリットのようだ。
なお最低地上高は225mm、アプローチアングルは30度、ランプブレークオーバーアングルは25度、ディパーチャーアングルは20度となっている。
価格は470万円~540万円
生産はトヨタ自動車・田原工場(愛知県田原市)とトヨタ車体(2004年より旧アラコと統合)の吉原工場(愛知県豊田市)。販売は主にトヨタ店で、目標販売台数は月間700台。10月からは海外でも発売し、世界販売が本格化する2008年には年間10万台を目指す。なお従来あった100系の国内向け高級モデル「ランドクルーザーシグナス」(元々は海外向けレクサスLX470)は販売終了となった。
全車3列シート8人乗り仕様で、価格はベース車の「AX」が470万円。KDSS、電動レザーシート等を備えた「AX“Gセレクション”」が540万円。G-Book Alpha Pro対応HDDナビは53万1300円のオプション。
DAYSのコメント
ランクルは世界のランクルだが、高級車ランクルではない。そこがちょっと辛いところのよう。高級SUVとしての乗り心地を得るために足の改良をしながら、あえてエアサスでなく金属バネとスタビライザーの可変システムを採用するあたりに、最高級SUVとしての顔と、最も信頼のできるオフローダーとしての顔を両立させることの苦労が垣間見える。しかしその方向性の中では、持てるすべての技術を投入したという感じの渾身の作。いよいよ「誰もが簡単に」とんでもないオフロードを走れる時代がやってきた。
(Photo:DAYS)






