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「トヨタ・プラグインHV」8台で実証実験へ

カテゴリ:クルマ関連ニュース / 2007年07月26日

 
 

初代プリウス発売から10年。サステイナブルな自動車社会のために、トヨタが次なるハイブリッド展開を打ち出した。それが家庭用電源で充電できるプラグインハイブリッド車(実験車両はプリウスベース)だ。

EV走行可能距離は13km


(写真:トヨタ自動車)

プラグインハイブリッド車とは、外部から電気の供給を受けてバッテリーに溜め、基本的にはその電力で走り、足りなくなったらエンジンをかけて通常のハイブリッド車として走るというもの。今回、国土交通省から公道走行可能とする大臣認定を取得した実験車両「トヨタプラグインHV(TOYOTA Plug in HV)」には、トランク部分にプリウス1台分(6.5Ah)のニッケル水素電池を追加(計2台分=13Ah)。モーターのみでの走行(EV走行)可能距離を13㎞(10・15モードによる走行)としている。

一見短く思える距離だが、月1000㎞走る人の一日平均走行距離は30㎞程度だから、もう少し電池が改良されれば、チョイ乗り中心の使い方ならほぼEV走行で事足りる、ということになる。この実験車両でも日本の場合だと、1日あたり25㎞走行の場合(内13㎞はEV走行)、通常のハイブリッドプリウスと比べても13%のCO2削減ができ、日中の電気で充電して8%、深夜電力で充電すれば41%の燃料代節約が可能という。

100Vでも3時間で充電

実験車両は今後主流になるであろうリチウム電池ではなく、現行プリウスのニッケル水素電池を使用しているが、これは電池特性がよく分かっていることからテストしやすいため、という。電池の開発が進んだ将来は、リチウム電池が利用されると思われる。

トヨタの瀧本副社長は「バッテリーとEV走行の最適値を見つけたいための実験。得られた最適値と新しい電池の開発時期で実用化が決まる」と言い、当面3年の期間実験を続けるが、出来るだけ早く結論を出す方針だ。テスト車両は日本各地の公道で、トヨタのスタッフだけでなく電力会社など外部のスタッフによっても走らされる。また欧州や米国でもテストされる予定だ。

充電は家庭の電源で可能で、200Vなら1.5時間、100Vでも3時間で満充電が可能。このため、将来的にはガソリンスタンドならぬ電気スタンドをインフラ整備すれば、目的地で用を足している間に充電してさらにEV走行を続けることが可能になる。このため充電コネクターの規格統一なども現在進められている。もちろんベースが普通のハイブリッド車ゆえ、たとえ電池が切れても止まってしまうことはない。

最高100km/hまでEV走行


(写真:トヨタ自動車)

このトヨタプラグインHVに短時間だが同乗試乗した。プラグインHVは通常のハイブリッド車と異なり、EVスイッチを押さなくても急加速をしない限りエンジンはかからない。こうした制御が普通の(EV走行できる条件が限定的な)プリウスとは大きく異なる点。いわゆるエコ走行風にアクセルを踏めば、街中から高速(100km/h以下)まで、ほぼEVで走ることが出来るという。見慣れたプリウスのディスプレイ表示はプラグインHV用に変更されており、より電池状態が分かりやすいように改良されている。

ハイブリッド車がベースである利点は、バッテリーが強力でエンジンの始動性が高いこと。この点では初期点火が難しいバイオ燃料にも適した特性を持つという。従ってプラグインHVにバイオ燃料を入れることで、さらにエコな効果を拡大することも可能。バイオ燃料は最終的に必要量の10~30%程度しか供給出来そうもないと言われており、その意味でもプラグインハイブリッド車との相乗効果が期待される。


(モニター写真:トヨタ自動車 ※2枚とも)

また、家庭用電源で充電する場合、将来的には家庭内とクルマをLANでつなげることも可能で、様々な情報をやりとりすることも出来る。これにより課金などに関しても、電力会社との間で調整が可能になるだろう。

瀧本社長は、将来的にハイブリッド車はチョイ乗り中心の利用に適したプラグインタイプと、長距離高速利用の非プラグインタイプの2タイプになるだろうという。いずれにしても、あとは電池の開発次第。瀧本社長は「いい電池が突然できたりするとうれしい」とし、提携企業あるいは自社での今後の開発に期待をかけた。

(写真:トヨタ自動車、DAYS)