今回は昨年、名古屋シネマテークで観た中で衝撃的だったある映画祭について書かせていただきます。
その名も「ガンダーラ映画祭」。ネーミングからしてキてます。広告に辛酸なめ子の漫画を起用する辺りも実に素敵。僕の心の琴線は弾かれっぱなしです。今思えば、なめ子の漫画は完全に私をガンダーラへと導いていたのでした。
ガンダーラと言ってもゴダイゴとは関係ありません。タケカワユキヒデは出てきません。この映画祭のコンセプトは「探偵ナイトスクープ」だそうで、新進気鋭の映画監督たちに20~30分くらいのドキュメンタリー(もしくはドキュメンタリーっぽい)作品を作らせるという企画なのです。
私のように辛酸なめ子の漫画に釣られ、予備知識ゼロで足を運んだ者にはそのありがたみがいまいちピンと来なかったのですが、当日は監督達による舞台挨拶もありました。この時は知る由もなかったのですが、そこには私の大好きな映画「リアリズムの宿」(原作:つげ義春)の山下敦弘監督(愛知県出身。代表作「くりいむレモン」「リンダ・リンダ・リンダ」他)もいらっしゃったのでした。
山下監督の作品は「子宮で映画を撮る女」というタイトルで、国際的な映画祭で受賞した女性監督が映画を撮影していく中で暴走し、仲間割れをしていく様子を山下監督がドキュメントとして記録していくという内容。しかし、実はこれはドキュメントに見せかけたフィクションで、こういうものを「フェイクドキュメンタリー」と呼ぶそうです。役者は自然体を演じ、時折入ってくるインタビューや説明的な字幕も完全にドキュメントのそれ。あくまでドキュメントという体で話は進んでいくのです。ハンディカメラで撮った映像は粗くはありますが、それがまたリアリティを底上げさせています。中にはかつての「電波少年」が持っていたゲリラ感、反骨精神を彷彿させる作品もあり、全体を通して非常に強烈な体験となりました。このフェイクドキュメンタリーの存在を知らなかった私にとって、これらの作品は正しく斬新。全く新しい世界が垣間見えた、ガンダーラに出逢えた・・・ような気がしました。
そもそもドキュメンタリーであるか否か、フィクションであるか否かの境界線など非常に曖昧なもの。どんな作品でも100%フィクション、100%ドキュメントということは有り得ないと考えます。ドキュメントとして見せつつも、実は「やらせ」であることを開き直っている、というフェイクドキュメンタリーのスタンスは逆に潔さすら感じさせます。
そしてもう一つの収穫は、ビデオ一つあれば映画(映像作品)を作ることができる、という事実(極論です)。「何を撮るか」という最も重要な部分が欠落したまま、ただ「撮りたい!」という欲求ばかり駆り立てられました。デイズに入社し、マイパソコン、マイカメラ、マイカーが自分にとっての三種の神器であり、当面の三大物欲でありましたが、今そこに彗星のごとき勢いで「マイビデオカメラ」が食い込んできているのを感じずにはいられません!
モーターデイズでは先日、初の試みである動画をアップしましたが、今後も続けていくであろうこの動画撮影にも非常に興味が沸いてきてしまったのでした。反省点も多々あった初撮影でしたが、この反省を活かしつつ、次回はもうちょっと進化した映像をお届けできたらと思います。
ちなみに映画の後は小倉トーストでもなく、あんかけスパでもなく「味仙本店」の台湾ラーメン(大盛り)にキマリです。
(鷲尾康彰)
http://www.imagerings.jp/
ガンダーラ映画祭を主催したイメージリングスのHP。ガンダーラの続編、その他の企画にも期待しています











