愛知県ITS推進協議会、第81回会員セミナー「自動運転社会を見据えた都市のあり方」を開催

カテゴリ:講演・セミナー / 2020年02月04日

 
 
 

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愛知県ITS推進協議会は2019年12月16日、「自動運転社会を見据えた都市のあり方」をテーマに、第81回会員セミナーをウインクあいち(名古屋市中村区 ウインクあいち)1101会議室で開催した。

講演には、早稲田大学理工学術院教授の森本章倫氏と計量計画研究所理事兼研究本部企画戦略部長の牧村和彦氏の2名が登壇した。

【講演1】「自動運転社会における都市計画」

講師:早稲田大学 理工学術院 教授 森本 章倫氏

森本氏は早稲田大学大学院理工学研究科を卒業後、早稲田大学と宇都宮大学で助手、マサチューセッツ工科大学(MIT) 客員研究員、宇都宮大学大学院教授などを経て、2014年に現職に就く。交通計画と都市計画を専門とする。「自動運転社会における都市計画」をテーマに講演した。

冒頭で、人口減少によって引き起こされる問題と日本のコンパクト化政策など、人口減少社会に対応した都市「コンパクトシティ」を紹介。宇都宮市の取り組みをもとに、次世代交通システムを活用した環境にやさしい未来都市の創造について話した。次世代の交通として、自動運転技術開発の行方と街づくりからみた自動運転車への期待、国内外でのLRT(次世代型路面電車システム)導入事例、東京都や福井県で行われたサービスカーとしての自動運転の社会実験など、最新の研究を報告した。

続いて、早稲田大学の学生と共に実施した新宿でのタクシー乗降調査と自動運転に対応した未来の街路空間について説明した。「タクシーは乗客がいれば駐停車禁止の場所でも停車することがあります。道交法に違反しない停車をしたタクシーは全体の1割ほどでした。法令を遵守することが義務付けられると予測される自動運転車は、タクシーのようにどこでも乗客を拾うということはないでしょう」と調査結果を紹介した。現在の都市構造では道路種別や交通量によって自動運転車が乗降できる空間は限られているため、自動運転車の普及させるには都市構造を変えなければならないという。道路上の乗降空間の用意と輸送密度を上げるための解決策として、情報通信技術などの新技術を活用した持続可能な都市「スマートシティ」にも言及した。冒頭で紹介したコンパクトシティの特徴を併せ持った、コンパクトでスマートな街づくりの提案でまとめた。

【講演2】「CASE時代の次世代交通計画」

講師:一般財団法人計量計画研究所 理事兼研究本部企画戦略部長 牧村 和彦氏

都市・交通のシンクタンクに従事し、将来のモビリティビジョンを描くモビリティデザイナーとして活動している牧村氏は、「CASE時代の次世代交通計画」をテーマに講演した。

自転車利用の促進と公共交通の改善で自動車分担率の軽減を図るロンドンの交通戦略2030、ヘルシンキのWhim、2024年までにエッフェル塔周辺エリアから自動車を排除するパリの都心庭園計画、デジタル世代に対応したロサンゼルスの交通戦略、ニューヨークの交通革命など、海外での実例を数多く紹介。「若者の自動車離れといわれますが日本に限ったことではありません。自動車大国といわれるアメリカでも若者の自動車熱が冷めてきています。運転免許を取得する16歳の割合が1980年代からほぼ半減しています」と話し、海外の自家用車事情についても紹介した。

講演の後半では、効率的な輸送体系の確立と良好な交通環境の創造を目指し、道路・航空・海運・水運・鉄道など複数の交通機関を連携させた交通施策と歩行者ファーストの街路空間を取り入れた次世代交通計画を紹介。これからの交通施策は長期的な戦略にもとづき、ハード指向の都市デザインプロセスから仮想空間指向のプロセスに見直していく必要があるいう。最後に、CASE時代の次世代交通計画には、人間中心の交通計画、交通網形成+街路再配分+MaaSの一体化、モビリティ革命をけん引する先行投資、タクティカルトランジットの発想が必要であると語った。


 
 
 

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