Published by DAYS since 1997 from Nagoya, Japan. 名古屋から全国に発信する新車試乗記や不定期コラム、クルマ情報サイト

ホーム > 新車試乗記 > トヨタ アルテッツァ AS200

トヨタ アルテッツァ AS200新車試乗記(第72回)

Toyota Altezza AS200

 

1999年04月30日

 
 
 

キャラクター&開発コンセプト

操る楽しさを追求したFRスポーツセダン

AE86レビン/トレノ以来のトヨタの小型FRスポーツ、アルテッツァ。昨年の10月に満を持して登場し、98-99日本カー・オブ・ザ・イヤー及び本サイトでのカーオブザイヤーを受賞した話題のスポーツセダンだ。すでに読者の中でこのクルマを購入した人も多いだろう。発売と同時に爆発的な人気を得て、たちまち中古車市場ではプレミアムが付くほどになり、一時は販売台数7000台オーバーとカローラ・セダンを抜くほどだった。現在はこの人気も落ち着いてはいるが、当初目標の4000台を越す、順調な売れ行きを見せている。

そんなアルテッツァではあるが、話題に上るのはいつも4気筒モデルのRS200。今回はこのRS200の存在の大きさに隠れ気味の、もうひとつのアルテッツァ、6気筒モデルAS200を試乗してみた。

ワインディングロードからタウンドライブでも「操り、走る」心地よさを堪能させてくれるというコンセプトは4気筒モデルと同じ。クロノグラフ調メーターや17インチホイール(Zエディション)等、随所に個性が強調されるのも同じだ。

ただ、走りによるキャラクターが明確化されており、4気筒モデルがスポーティー路線、6気筒モデルがエレガント路線に振られている。また、4気筒モデルが国内専用なのに対し、6気筒は欧州へIS200として輸出される。

価格帯&グレード展開

6気筒モデルは4気筒モデルに比べて約15万円安い、ミッションに4ATの設定しかないのが残念

価格的には4気筒が上に位置するが、どちらが上、下というのではなく、4気筒と6気筒の違いはあくまでキャラクターの違いということをまず覚えておきたい。

6気筒エンジンを搭載するRS200は、6MT/5ATを搭載する4気筒モデルAS200に対して、4ATのみとなる。これに17インチアルミ、TRCなどをセットにしたZエディションが設定される。

価格はAS200が207万円、AS200・Zエディションが237万円。ちなみにRS200(6MT/5AT)は240/224万円で、同Zエディションが250/254万円となる。

パッケージング&スタイル

AS200でもスタイリングに差別化はされていない

全長4,400mm 全幅1,720mm 全高1,410mm ホイールベース2,670mmのボディサイズは現代の水準から考えるとコンパクトな方で好ましい。前オーバーハングが短く、絞り込みながらつりあがっていくフロントマスクは最近のトヨタの手法だ。下手にディテールをいじらず、全体的にクリーンな仕上がりがスパルタンな雰囲気と軽さを醸し出している。ただ、BMWのようなアイデンティティを持ち続けていけるような部分があるのかというとやや疑問。

4気筒、6気筒どちらを選ぶか迷うところだが例えばAS200のベーシックモデルなら207万円。アルテッツァで一番安いが、廉価モデルという印象もなく、アルミやラジオこそ付かないが、これは後で自分の好きな物をつければいい。はじめからスポーティーな装備を望む人は30万円支払ってZエディションということになる。カーナビだけはポップアップ式の純正の方がおさまりが良さそうだ。

photo_3.jpg

インテリアの方は男性的な感じで適度にタイトながら、窮屈な感じはしない。造りや素材、各スイッチ類の使いやすさ、物入れなど申し分ない。ただ残念に思うのは例のクロノグラフ調のメーターや金属調のシフトノブ、メタル調のダッシュボードの色などかっこいいと思うのだがどうも質感が感じられない。例えばメーター等がそれだ。結局グラフィックが往来と同じでは見た瞬間のときめきは希薄なのである。

ポジションはごく普通のセダンと同じようにとれ、誰が乗ってもスポーティーなドライビングを楽しむことができる。ドライビングの為にあえてパーキングブレーキを助手席側にしている配慮もうれしいところ。

基本性能&ドライブフィール

エンジンの回転は軽々としている。ベースになっているのはもう16年も前にデビューした1G系とよばれる旧型だが、可変バルブタイミング、可変吸気システムの新採用の他、燃焼室形状の変更、冷却系の改良、フリクションロスの軽減など様々な改良により10%以上の性能の向上を達成。160馬力と今ではたいしたことのないパワーながら、スムーズに回るエンジンの恩恵で、トルクとパワーが必要十分あるという印象となる。これくらいのパワーだとけっこうフルスロットルを踏むこともできるので、妙な緊張感なく性能をのびのびと発揮させることができる。レギュラーガソリンでいいというのも嬉しいところ。

ミッションは4速ATしかなく、ステアリングのシフトボタンもないが、パワーにマッチしていてこれで十分と感じた。ゲート式のシフトレバーは、引いてD、右に倒して3、そのまま下げて2、左に倒しながら引いて1というふうに、まるでMTのようにカチカチとうまく切り替えられ、これならマニュアルゲートやシフトボタンは必要ないと思う。

高速ではフルスロットルをくれてやると、いわゆる息の長い加速を楽しめる。150km/hを超えたあたりでも安定して、気持ちのいいクルージングだ。制限速度がなければ180km/hあたりでも不満はないはず。つまりはアウトバーン仕様ということになる。4気筒はやかましくて、文字どおり話にならなかったが、これならロングツアーも文句ない。実用性の高いのはこっちだろう。

ここがイイ

4気筒があまりにあざとくFRのスポーツ性を打ち出しているのに対し、6気筒はセダン本来の実用性と、それなりのスポーツマインドをうまく調和している。実際、4気筒は実用セダンというより、スポーツ専用車といってもいい。AE86に家族を乗せる人はいないだろう。セダンとして使う意志があるなら、迷わずこちらがオススメだ。

ここがダメ

せっかくあるんだから5速ATやら、6速MTやらは用意して欲しいところ。いろんなインプレを読むと、6気筒+6MTがベストと言われているが、実際そうだと思う。売れる数はしれていると思うが、せひ設定を望みたい。楽しい走りが実現するならクラッチ操作はまるで気にならないのだから。

総合評価

photo_2.jpg

ようするに6気筒モデルは打倒BMW、メルセデスのためのトヨタのリーサルウェポンなのだろう。ヴィッツでフランス車を徹底的に研究し(というかマネをし)、アルテッツァでBMWを代表とするコンパクトスポーツセダンを研究しつくした(やっぱりマネッこではあるが)トヨタは欧州市場にいよいよ本気で参入する算段だ。日産がルノーとああなってしまった以上、日の丸クルマはトヨタとホンダしか残らないだろうから、ぜひ頑張ってもらいたい。別に右翼ではないが、日本車がなくなっちゃうというのは、何か寂しいと思う。またマネを悪とも思わない。マネは成長の大事な要素だからだ。いいクルマなら文句を言わずに乗りたい。とにかく、乗って楽、走って少し楽しい、値段安い、おそらくリセールバリュー高いとなれば、買って損はない。4気筒は飽きて我慢できない時が来そうだが、6気筒なら諦めて乗り続けることもできそう。それが強みだろう。

100点満点で…

90点

 

公式サイトhttp://toyota.jp/

 
 
 
 
 

トヨタ 最新の試乗記10件

最近の試乗記一覧