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トヨタ ハイラックス サーフ新車試乗記(第44回)

Toyota Hilux Surf

 

1998年10月09日

 
 
 

キャラクター&開発コンセプト

軽快で今風の2WDローダウン仕様を追加

SUVの中でひときわ都会的イメージの強かったハイラックスサーフ。今回のマイナーチェンジでは、内外装の変更、グレード体系の整理、安全装備の充実など盛りだくさんの内容。その中で一番興味深いのが、新グレードとして「スポーツランナー」がラインアップされたことだろう。エアロパーツ、ローダウンに加えて、駆動方式は2WD(FR)なのだから、SUVのトレンドが伺えるというもの。

今やSUVの本場アメリカでも2WDが主流で、特にベンツ・Mクラス、リンカーン・ナビゲーター、そしてレクサス(日本名ハリアー)をはじめとするプレミアムSUVが大人気だという。そんな事情もあり、2WDモデルは北米向けには以前から投入されていたが、国内でも「街乗り中心に使うから4WDはいらない」というニーズの増加に対応してとうとう投入となった。

価格帯&グレード展開

価格は229.8万円からというロープライスが魅力的

スポーツランナーは2WD専用モデルとなっており、2.7リットル直4エンジンと3.4リットルV6エンジンが用意される。オーディオレス仕様となっているが、専用エアロパーツ、オートエアコン、キーレスエントリー、プライバシーガラスをはじめ主要安全&快適装備は標準であり、2.7リットル車が229.8万円、3.4リットル車が250.8万円というロープライスが魅力的だ。

また4WDモデルには、ガソリンの2.7リットル直4と3.4リットルV6、ディーゼルの3.0リットル直4インタークーラー付きディーゼルターボのエンジンが用意され、それぞれに装備の有無によるSSR-XとSSR-Gがラインナップされる。なお、オーバーフェンダー非装着のナローボディはラインナップから外された。

パッケージング&スタイル

今回のマイナーチェンジの変更点

外観上では、ヘッドランプのマルチリフレクター化、フロントグリルおよびフロントバンパーをボリューム感あるデザインとすると共にリアライセンスプレートガーニッシュにメッキを施すなど、洗練されたイメージを強調。ボディカラーは新色5色(シルバーメタリック、ホワイト、ダークグリーンマイカ、ブルーメタリック)を追加し、全7色とした。

内装では、ハザードスイッチ、時計をセンタークラスター中央部に配置したほか、オド&トリップメーターを液晶表示化するなど、視認性と使用性を向上。木目調パネルを従来のセンタークラスター部に加え、メータークラスターにも拡大採用し、高級感を演出。装備面では、バックドアガラスの昇降がキーレスエントリーでの遠隔操作が可能となり、使い勝手が向上した。

安全面では衝突安全ボディGOAを採用したほか、前席シートベルトをプリテンショナー&フォースリミット付きとした。このほかに、運転席に加え助手席にも点滅式シートベルト非着用警告灯を全車に採用した(ただ、これ重い買い物袋などの荷物を載せても点滅します)。また補助確認ミラーは車両の直前部と助手席側の車両側面部の視界をカバーする2面鏡式に変更されている。

エンジンでは、3.0リットルディーゼルターボが全車インタークーラー付きとなり、最高出力145PS(従来型比 インタークーラー無し+15PS、有り+5PS)最大トルク35.0kgm(従来型比 インタークーラー無し+5.5kgm、有り+1.0kgm)となった。

と、まあマイナーチェンジとしては定番の内容だが、メッキ部が太くなったグリルをはじめ、高級感は増したものの、若々しいイメージが後退しているような気も。今まで、GOAを採用していなかったいうのは意外といえば意外。(プラットフォームを共用するプラドはGOAを採用している)

ドレスアップを施したスポーツランナー

フロントスカート、サイドマッドガード、リアバンパーマッドガードなど、専用エアロパーツを採用すると共に、車高を4WDモデルに対して65mm下げている。いわゆるローダウン仕様だ。また、4WDモデルに比べてオーバーフェンダーも小さく、背面タイヤの設定もない、実にスマートな印象となっている。専用ボディカラーにホワイト(フルカラー)、およびブラックとシルバーの2トーンカラーを設定し、今時のドレスアップカーのトレンドを強く意識している。

気になったのは左フェンダー先端に付けられた補助確認ミラー。サーフ以外のオフロード四駆全体にいえることだが、結構、これがデザインの妨げになっている。メーカーの自主規制で、車高200mm以上のクルマに付けるというものだが、スポーツランナーの最低地上高は195mmなので、なくても許されそうな気もするのだが……。 先週、紹介したホンダ HR-Vのように若い世代から注目されるのかどうか注目したい。 

若者向けにはなったが、新鮮さは薄い

photo_3.jpgスポーツランナーの内装には、カーボン調インパネ、ホワイトメーターを採用し、スポーティーさを演出。低価格が魅力でもあるグレードなのだから、ジャージか平織りのシート地を採用したほうが、さらに低価格を実現できたと思う。

シートポジションは低く、インパネがボリューム感あるデザインなので前方直前の視界は良いとはいえない。また床面が高く、ボディサイズの割には居住性は平凡。しかし後席の足元空間は余裕たっぷりだ。また、昇降するバックガラスが遠隔操作でも行えるようになり、使い勝手はさらに増している点も見逃せない。

基本性能&ドライブフィール

軽快さを増した走り。2.7でもパフォーマンスに不満はない

スポーツランナーのエンジンはオンロード志向のスポーツモデルという性格を反映して、ガソリン仕様のみ。2.7リットル直4(150PS/24.0kgm)と3.4リットルV6(180PS/30.0kgm)が設定される。試乗したのは2.7リットル直4のほう。

もともとサーフは硬めのサスペンションで、やや荒っぽい乗り味となっている。これは、スポーツランナーでも同じことがいえる。それでも2WD、ローダウン化されたことで、いくぶん軽快になり、腰高なロール感は減少されているようだ。また、ピッチングや突き上げも気になるほど激しいものではない。低回転からの十分なトルクと車重が軽くなっていることもあって、予想以上にメリハリのある加速を発揮し、街乗りではこれといった不満は生じない。また、オーバーフェンダーが小さくなっている(全幅はスポーツランナーが1720mm、4WDモデルが1800mm)こともあり、気分的な負担も軽い。

コーナリングでの安定感は高いが、アンダーステアは強い

高速巡航は法定速度内でのゆったりと流す程度なら何の問題もない。バランサーシャフトが採用されているので4気筒ながら騒音・振動の不満はない。が、高回転域でのスムーズさがイマイチで(日常走行で高回転域を使うケースはあまりないので欠点とはいえないが)、そこからの中間加速が少々鈍い。また、ローダウン化によって操縦性は向上しているものの、大きなアンダーステアとトラクション抜けが気になる。タイヤは一応、4WDモデルの265/70R16マッド&スノーに対して、スポーツランナーは235/60R16ラジアルに履き替えているのだが。やはり車高を下げて乗用車に近づいたといっても、クロカン的な慎重な走りを肝に銘じておく必要はありそうだ。また、2WDによって滑りやすい路面でのトラクションが低下していることも間違いない。しかし、雪道でスタッドレスタイヤかチェーンを装着して慎重に走った方がいいのは2WDでも4WDでも同じであり、逆に4WDより車重が軽いのは、いろいろな面でメリットが多い。一概に4WDよりも不利とはいえないだろう。

ここがイイ

もともとサーフはトラックがベースのモデル。原点を考えれば2WDが存在しても何ら不思議ではない。今やアメリカで売れるRV車は大半が2WDで、日本でもRAV4、パジェロミニ、ハリアーと徐々に2WDのSUVが増えている。こうした背景から生まれたスポーツランナーは、今のニーズに合っているといえるだろう。2WDとしたことで車重は軽くなり、燃費も良くなる。それに価格が大幅に安くなったことは、ターゲットである若い層には嬉しいはずだ。

ここがダメ

デビューからまだ3年、でも何となく古さを感じてしまうのは、ここ3年でRVがいかに大きな変貌を遂げたか、という表れなのだろう。2WDで十分と思いつつも、大きな挙動の乱れを感じてしまうとやはり4WDが欲しくなってしまう。

総合評価

photo_2.jpgSUVの二駆化は時代の流れ。しかし正直なところ、こんな意味のない行為も他に例がないのでは。四駆は四駆の機能のために設計され、その性能にこそ四駆として存在価値があったはず。それをユーザーニーズというオブラートに包んであいまいに二駆化することは、こうしたクルマの市場性を一時的に維持できるものの、クルマとしての存在を揺るがしてしまっている。いずれにしろそう遠くない将来、クロカン四駆はごく一部を除いて日本の市場から消えていくはず。大ブームとなったサーフだが、ここは潔く早急にフルチェンジして、新しいコンセプトのオールラウンドヴィークルに生まれ変わってもらいたい。クルマとしての使い勝手は悪くないのだから、今の中途半端な殻を脱ぎ捨てるべきだろう。

 

公式サイトhttp://toyota.jp/

 
 
 
 
 

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