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三菱 デリカ D:5新車試乗記(第843回)

Mitsubishi Delica D:5

(2.2L直4ディーゼル・8AT・384万2640円~)

フルモデルチェンジではないけれど
エンジン改良、ミッション換装、
安全装備も新採用!
超マイチェンした新型デリカに試乗!  

2019年04月25日

 
 
 

キャラクター&開発コンセプト

従来型ディーゼル車をベースに大幅改良


新型デリカ D:5

2018年11月に先行受注を開始、2019年2月15日に発売された新型「デリカ D:5」は、2007年1月に登場した従来型をベースに、初めて大幅な改良を施したモデル。

プラットフォーム等はキャリーオーバーのため、三菱自身もフルモデルチェンジとは謳っていないが、内外装デザインを変更したほか、2012年末に追加設定した2.2Lクリーンディーゼルエンジンを大幅改良、さらに先進安全装備やアイシンAW製8速ATを採用するなど、内容的には大幅な進化を遂げている。

デリカ誕生50周年の節目


初代デリカコーチ(1969年)

初代デリカ(乗用のデリカコーチ)は1969年に登場しており、今年は生誕50周年。1979年には2代目「デリカ スターワゴン」に進化。1982年に追加された4WDモデルが当時としては画期的で、デリカの方向性を決定づけた。さらに1986年に登場した3代目が、当時のRVブームを背景に大ヒット。1994年に登場した4代目「デリカ スペースギア」でも、独自のファンを獲得した。

 

3代目デリカ スターワゴン(1986年)

こうした、ミニバンでありながらSUVでもある「唯一無二のオールラウンドミニバン」というユニークなキャラクターを受け継ぎつつ、FFベースのプラットフォームで2007年に登場したのが5代目デリカ、すなわちデリカ D:5だ。

 

生産はこれまで通り、岐阜県の南端、加茂郡坂祝町にある「パジェロ製造」が担当。その名の通りパジェロと同じ場所で生産されている。月販目標(初年度)は1500台。もちろん、国内専用車だ。

■過去の試乗記
三菱 デリカ D:5(2007年3月掲載)

 

価格帯&グレード展開

384万2640円からスタート。ガソリン車は従来モデルを継続


新型デリカ D:5 アーバンギア

新型デリカ D:5は、2.2L直4ディーゼルターボエンジン・8速AT・4WD車のみで、価格は384万2640円~421万6320円。新型には内外装をより都会的な印象とした「アーバンギア」も新たに設定されている。

一方、ガソリン車については、従来モデルの2.0L直4・FF車および2.4L直4・4WD車(ミッションはいずれもCVT=無段変速機)が継続販売される。こちらの価格は、244万9440円~321万8400円。

 

パッケージング&スタイル

デザイン変更には理由がある

新しいフロントデザインは、三菱車共通のデザインコンセプト「ダイナミックシールド」や縦型LEDヘッドライトを採用したもの。そもそも今回、外観を含めて大幅改良せざるを得なかった理由の一つが、歩行者衝突安全対策。従来モデルのフロント形状では、歩行者の頭部および脚部の保護性能をクリアできなかったからだ。

 

そこで新型では、ノーズを伸ばしてバンパー形状を変更。出来る限り全体のバランスを取りながら、昨今売れ筋の高級ミニバンも意識して、都会的な方向にシフトした。さらに、専用のフロントメッキグリルやバンパー等で泥くささを払拭した「アーバンギア」も新設定している。車両価格が400万円台ともなると、高級感が必須という判断だろう。

 

ボディサイズは、アルファード/ヴェルファイア(全長4900mm台、全幅1850mm、全高1900mm台、ホイールベース3000mm)ほど大きくないが、それでも全長4800mm、全幅1795mm、全高1875mm、ホイールベース2850mmと堂々たるもの。

最小回転半径は5.6m。取り回しはイマイチかと思いきや、意外に運転しやすく、小回りも普通に効く。大きさを感じることは、ほとんどない。

 

インテリア&ラゲッジスペース

インパネ全面変更。質感にも注力


前方視界は良好。エンジン始動ボタンや電動パーキングブレーキも新採用された。

インパネデザインは完全に刷新。艶消しのウッド調パネルや、ステッチ風の意匠が入ったソフトパッドの質感に感心するが、一番目を引くのはセンターコンソールの一番上に陣どる大型10.1インチのナビディスプレイ(全車ディーラーオプション。約27万円)。今やこのくらいのサイズは珍しくないが、場所的に存在感があり、視認性もいい。

 

ファブリック仕様のシート生地(写真)は、エンボスを施した立体感のある仕立てで、座り心地もいい。また、メーカーオプションの本革シート仕様も、ダイヤモンドタイプのキルティング仕上げで高級感がある。

7人乗りと8人乗りがあるが

セカンドシートには、2人掛けキャプテンシート(7人乗り仕様)とベンチシート(8人乗り仕様)の2種類があり、試乗車は後者。最近はウォークスルーできる7人乗り仕様が増えているが、デリカの場合はフルフラットにできる8人乗りが今でも人気だ。あくまでもRVとして購入されているからだろう。

セカンドシートの座り心地や広さは文句なしだが、サイドウインドウに収納式サンシェードが備わらないのが少し残念。

サードシートも十分に快適

これまで通り、サードシートの作りは立派で、座り心地はセカンドに遜色ないレベル。足元は広いし、外の景色もよく見える。当然ながらウォークスルーできない8人乗りだと、乗り降りはそれなりに面倒で、それがイヤなら7人乗りを、ということになる。

 

サードシート使用時の荷室容量はミニマムで(写真はサードシート最後端の状態)、スーツケースなどの大荷物を積む場合は、サードシートを前にスライドするか、あるいは横に跳ね上げることになる。さらにセカンドシートも一番前に寄せれば、最大荷室長は1610mmだ。

 

とはいえ、このサードシートの跳ね上げ操作が、やってみると少々難儀だ。まず、サードシートの前後スライドを所定の位置にし、ロックを解除。そこからシートを持ち上げるのだが、跳ね上げた状態を維持しながら片手でフックを引っかけるのが一苦労。女性など腕力に自信がない人は自分でやる気にはなれないだろう。このあたりは正直、設計年次の古さを感じる部分だ。

 

基本性能&ドライブフィール

尿素SCR採用の大幅改良版エンジン

試乗したのは、電動運転席シートや電動リアゲートが標準の「G-Power パッケージ」(408万2400円)に、約60万円分の販売店オプションを装着した仕様。

2.2L(2267cc)の直噴ディーゼルターボは、2012年末に投入されたユニットの大幅改良版。形式名こそ同じ「4N14型」だが、エンジン主要部品の約5割を変更。具体的には、次世代インジェクターの搭載、燃焼室の設計変更、ピストンやクランクシャフトなどのムービングパーツの軽量化(約17%)、エンジンマウンド変更などの静粛性向上対策のほか、尿素水溶液「AdBlue」を排ガス中に噴射して窒素酸化物(NOx)を還元・浄化する尿素SCRシステムを三菱車で初めて採用している。最高出力は従来型と同じ145psだが、最大トルクは5%(20Nm)増えて380Nmを発揮。車重は試乗車で1960kgだ。

トランスミッションは、従来ディーゼル車は6速ATだったが、新型にはアイシンAW製の8速AT(もちろん横置きタイプ)が奢られた。1速は約8%ローギアード化、8速トップは約18%ハイギアード化し、合計約27%ワイドレシオ化。さらにパドルシフトも備わる。

 

今回新しく採用された始動ボタンを押すと、ククッと小気味よくスターターが回り、すぐに火が入る。気になるアイドリング音は……ガソリン車と間違えるほどではないが、十分に静かだし、音質が意外に心地いい。ターボラグ無しでスムーズに発進し、エンジンを唸らせることなく軽々と加速する。安心感もあるし、乗り心地もいい。運転も意外にしやすい。

サスペンションは従来通り、フロントがストラット、リアがマルチリンクだが、ここもコイルスプリングの配置やショックアブソーバーを変更。また、パワステも従来の油圧式から、上級車に使われるデュアルピニオンタイプの電動パワステ(EPS)に変更されていて、自然な操舵感がある。

電子制御4WDシステムも改良


最大斜度45度の登坂キットを登る新型デリカ D:5。こういう状況でも改良型エンジンと8速ATが活きる

駆動方式は従来通り、FFベースの電子制御4WD。基本は前輪駆動だが、滑りやすい路面では、リアデフ直前の油圧多板クラッチが作動してリアを駆動する。オイルの粘性を利用したビスカスカップリング式4WDのように受動的で(滑ってから反応する)、なりゆき次第のトルク配分ではなく、電子制御で能動的にトルク配分することができる。

とは言え、デリカの場合はインパネの大型ダイアルで、駆動モードをFF、4WDオート、4WDロックの3種類から選択することが可能で、乾燥路を普通に走るだけなら、FFのままでまったく問題ない。新型はFFでも安心感があるし、燃費も4WDオートより若干良くなる可能性がある。実のところ今回の試乗では、ほとんどFFのままで走ってしまった。

 

シフトレバーの左側に駆動モードの選択ダイアルを配置。走行中でも容易に操作できる。

一方、濡れた路面や高速道路、ワインディングなどでは、4WDオートで走ったほうが安定感があり、何より「安心感」が増す。これには、新たに採用された「ヨーレイトフィードバック制御」も効いているはず。その気になれば山道でも、アクセルを積極的に踏み込み、後輪で路面を蹴る感覚を味わいながら走ることができる。

 

1輪はもちろん、対角線上の前後2輪が浮いても、残りのタイヤが駆動力を発揮する。

また、深雪路や泥道などを走る時には、4WDロック(Lock)を選ぶ。4WDロックと言えば、クロカン4WD車では前後直結(50:50)を意味するが、デリカD:5の場合はそうではなく、「前輪と同じくらい、後輪にもしっかりトルク配分するモード」くらいを意味する。スタックからの脱出にも有効だ。

なお、新型では車輪が空転するほど滑りやすい路面でも、積極的に駆動力をかける制御を、従来の4WDロック時のみから、4WDオート時にも拡張したという。これはおそらく、せっかく用意した悪路走行用モードの威力を、ちゃんと使ってもらうための措置だろう。

 

タイヤが浮いた状態でも、電動スライドドアの開閉がスムーズにできる

開発者によると、実際の悪路走破性は従来モデルと同等か、エンジン(トルク増大)やミッション(1速のローギアード化)、そして電子制御が強化された分、それ以上とのこと。そして登坂性能の高さ、対角線上のタイヤが浮いた状態でも、軋んだり歪んだりしないボディ剛性の高さなどは、デリカならではの性能だ。

なお、アプローチアングルは21.0度、ランプブレークオーバーアングルは16.5度、ディパーチャーアングルは23.0度と、同クラスSUVに遜色ないレベル。最低地上高は先代の215mmから185mmに減っているが、これは樹脂製アンダーカバーを含めるか含めないかの違いで、実質的には大差ないという。

約1500rpmで100km/h巡行。ACCは0~135km/hまで対応


ACCの設定画面。最高135km/hまで設定できる

新型で嬉しいことの一つが、高速道路での直進安定性が格段に高まったこと。エンジン音もまったく気にならない。車速がおおよそ80km/hに達すると8速トップに入り、約1500rpmで100km/h巡行。風切り音やロードノイズが静かなのは、遮音材、制振材、吸音材の大幅増量に加えて、高遮音タイプのフロントウィンドシールド、吸音フロアカーペットのおかげか。高剛性ボディも音・振の抑制に効いているはず。

また、新型には全車速対応の、つまり渋滞時には停止まで制御を行うACC(アダプティブクルーズコントロール)も装備された。設定速度の上限は135km/hと、いま風に引き上げられている。

さらに、最上級グレード「P」には、斜め後方の死角をレーダーで監視する「後側方車両検知警報システム(レーンチェンジアシスト付)」も標準装備される。あえて言うなら、車線維持のための操舵支援機能もあってよかったが、クルマ自体の直進安定性やライントレース性が高いため、特に必要は感じなかった。

試乗燃費は11.3~13.4km/L。WLTCモードは12.6km/L

今回は約200kmを試乗。参考ながら試乗燃費は、一般道や高速道路などを走った区間(約80km)が11.6km/L。一般道を普通に走った区間(約30km×3回)が11.3km/L、12.7km/L、13.4km/Lだった。車重約2トン(1960kg)の4WDミニバンとしては十分満足のゆく燃費では。

ちなみにWLTCモード燃費は12.6km/L(市街地9.9km/L、郊外12.7km/L、高速道路14.2km/L)で、JC08モード燃費は13.6km/L。

 

使用燃料は、もちろん軽油

燃料タンク容量は64Lと大きいので、実質10km/L台としても600km程度は無給油で走れるはず。軽油はレギュラーよりも1割以上安いので(今回給油したガソリンスタンドでは、ハイオク149円、レギュラー138円、軽油120円)、中・大型ミニバンとしては最も経済的な一台、と言えるかもしれない。

ただし、エンジンオイル交換などと併せて、1万~1.5kmごとに尿素(約16L)の補充は必要だ。補充口は荷室のカーペットをめくったところにある。

ここがイイ

唯一無二の存在、今風のアップデート

唯一無二の存在であるデリカが、その良さを継承したまま、今風にアップデートされたこと。新型車にあって欲しい先進安全装備が一通り備わり、ディーゼルエンジンもずいぶん改良され、変速機にはこのクラスでは現在最高レベルのアイシン製8速AT(調達コストはそれなりに高価と思われる)が採用された。

ACCは135km/hまで設定できるし、ナビディスプレイも10.1インチが理想的な位置に収まる。乗り降りはしにくいものの、乗ってしまえば運転しやすく、操縦安定性もまぁ問題なし。さらにミニバン随一の悪路走破性は、それを必要とする人にとっても、必要としていない人にとっても、こういったクルマが好きな人には大きな魅力だろう。

ここがダメ

「ミニバン」としての使い勝手はいま一つ。「先行車発進お知らせ機能」がないこと

細かい話で恐縮だが、2列目、3列目のサイドウインドウに収納式サンシェイドが付かなかったのは残念。また、サードシートの跳ね上げ操作など、昔ながらのシートアレンジ一つ見ても、ミニバン(生活便利品)として考えると基本設計の古さは否めない。また、小柄な人の場合は、アシストグリップをつかまないと運転席に乗り込めないなど、乗降性も今どきの「ミニバン」らしからぬ部分。もちろん言うまでもなく、そういった質実剛健さ、SUVっぽさがデリカの良さでもある。

先進安全装備は一通り採用されたものの、「先行車発進お知らせ機能」はないこと。最近のトヨタ車(トヨタ セーフティセンス)、スバル車(アイサイト)、ホンダ車(ホンダセンシング)、それに今ではスズキやダイハツの軽自動車でもおなじみの機能だが、なぜかマツダ車、日産車、三菱車には付いていない(OEM車を除く)。たとえ赤信号で止まっている時でも運転中は前を見てなさい、ということだと思うが、できれば付けて欲しかった。

総合評価

コモディティ化した「ミニバン」商品の中で

先代のデリカD:5に乗ったのはもう12年前のことなのか。以来、売れ続けてきたということは、ジムニー同様に普遍的な価値があったからだろう。先代は誰からも「カッコいい」と好評だったスタイルと、唯一無二の「オフロードを走れるミニバン」ということで、近年の波乱に満ちた三菱の歴史の中でも順当に売れてきたモデルだ。モデルチェンジもせず、安定して売れてきたゆえ、三菱にとってはドル箱とは言わないが、確実に儲けを出してくれる商品だったと言えるだろう。そうした中で、ビッグビッグマイナーチェンジともいえる新しいモデルが登場し、昨今求められる安全装備などに対応したわけだが、内容的には完全にキープコンセプト。と言うより、変える必要がなかったと言えそうだ。

 

まず、ミニバンという乗り物だが、これはもうコモディティ化してしまった商品だろう。同クラス車同士なら、小異はあっても外観やパワートレインくらいしか差別化できるところはないと思われるが、デリカは違う。圧倒的な悪路走破性を持つがゆえに、商品力には大きな差がある。実際にその性能をフルに使うかといえば、まあほとんど使わないと思われるが、この走破性こそがデリカを完全に突き抜けたものにしている。従来モデルのままでも、まだ売れそうだったが、新しい安全基準には対応せざるを得ないから、こうなったわけだ。

ビッグマイチェンでここまでできるのであれば、今後は他の車種もこのやり方でモデルチェンジしてもいいのでは。せっかく売れているクルマで、フルチェンジして賭けに出る必要はないと思う。D:5もパッケージングは昔のままだから、以前も気になったAピラーの視界の妨げはやはり今回も気になったし、ミニバンとして見れば室内高もあまりなく、デビュー時と同じシートアレンジも素晴らしいとは言いづらい。しかし、それらはあくまでも相対的なものであり、実際に使って、それらが大きな不満になるかと言えば、そんなことはないだろう。それよりも全体の個性にこそ価値があり、昨今の商品としては、それこそが最も重要な部分だ。

30年以上続くデリカ4WDの価値


2代目デリカ スターワゴン4WD(1983年)

子育て時代には2代目デリカの4WDに乗っていて、子供とキャンプへでかけたりしたものだ。初代パジェロと同じ4WDシステムにミニバンのボディを組み合わせたものだったから、オフロードでもかなりちゃんと走れた。今は閉鎖されてしまった河原のオフロードコースで子供を乗せて遊んだりもした。しかし、いわゆる「亀の子」となってしまい、その場に一晩置いて翌日に牽引車で行くと、カンガルーバーにつけていたキャレロのフォグランプをすっかり盗まれていた。仕方ないので安いPIAAを買った。まあそんな記憶も、もはやいい思い出である。

経験から言えば、子育てに便利なのはミニバン、と断定してもいい。そして子供と一緒にアウトドアへ出かけるのは、今も昔もお父さんの憧れだろう。そのツールとしてのデリカ4WDの価値は、もはや30年以上持続している。アウトドアでは車中泊もするはずだから、シートをフラットにしやすい8人乗り仕様がよく売れるのは、今も昔も当然だ。そしてそんなデリカで育った子供が、その子供をデリカで育てる、すでにそういうサイクルに入っている。

 

写真は3代目デリカ「スターワゴン」(左)と4代目デリカ「スペースギア」

また、過去にデリカで子育てした世代は、リタイア後の遊びツールとして、またデリカを欲する時が来ている。新しいデリカD:5なら、車中泊しながら日本中を旅行できるはずで、その際にもタフな4WDはありがたいし、高速移動も昔のデリカとは雲泥の差であることに感動するはず。新型をベースにしたキャンパーも、今後カスタムビルダーが作るだろう。

乗っていた2代目デリカは、5MTのガソリン車だったが、オンロードでの走りは本当に悪かった。燃費もはっきりと覚えていないが相当悪かったと思うし、D:5の2.4Lガソリン車でも7~8km/L程度の燃費だった。しかし、今回の出来のいいディーゼルエンジンは、燃料代を当時のクルマの半分以下に抑えてくれる。これに安全装備と、新東名の速度域でも使えるACCまで装備されているので、ミニバンとしてはもはや何も不満はない。フロントグリルのデザインは好みが分かれるかもしれないが、先代の良さを活かしたまま、商品性が大きく上がっており、デザインとは関係なく売れると断言できる。むろん大ヒットする類のクルマではないが。

大事なのは「唯一無二の存在」

今後のクルマに必要なのは、多少の欠点はあっても唯一無二の存在感があることで、それこそが商品力となるだろう。ジムニーがヒットしているのも、そういうことのはず。ただ、そういうクルマはロングテールで売れる、あるいは売らなければいけないわけで、そのビジネスモデルにメーカーが対応できるかどうかが課題だと思う。三菱は幸か不幸か、現在の様々な状況の中でロングテールビジネスができる規模感ゆえ、デリカは幸いにもこうした形で登場することできた。ゴーン問題で揺れ動くルノー・日産・三菱という巨大グローバル企業連合の中で、三菱がどうなっていくかによっては、これが最後のデリカとなることも考えられなくもない。ミニバンは世界市場では不人気で、これほどまでに売れるのは、なぜか国内市場だけなのだから。買うなら今、である。
 

 
 

試乗車スペック
三菱 デリカ D:5 G-Power Package(8人乗り)
(2.2L直4ディーゼルターボ・8AT・408万2400円)

●初年度登録:2019年2月
●形式:3DA-CV1W
●全長4800mm×全幅1795mm×全高1875mm
●ホイールベース:2850mm
●最低地上高:185mm
●最小回転半径:5.6m
●車重(車検証記載値):1960kg(1090+870)
●乗車定員:8人

●エンジン型式:4N14
●排気量:2267cc
●エンジン種類:直列4気筒DOHC・4バルブ・直噴ターボ・ディーゼル・横置
●ボア×ストローク:86.0×97.6mm
●圧縮比:14.4
●最高出力:107kW(145ps)/3500rpm
●最大トルク:380Nm (38.7kgm)/2000rpm
●カムシャフト駆動:タイミングチェーン
●アイドリングストップ機能:有り
●使用燃料:軽油
●燃料タンク容量:64L

●トランスミッション:8速AT(アイシンAW製)

●JC08モード燃費:13.6km/L
●WLTCモード燃費:12.6km/L
●市街地モード(WLTC-L):9.9km/L
●郊外モード(WLTC-M):12.7km/L
●高速道路モード(WLTC-H):14.2km/L

●駆動方式:4WD(電子制御多板クラッチ式)
●サスペンション形式(前):マクファーソンストラット+コイルスプリング
●サスペンション型式(後):マルチリンク+コイルスプリング
●タイヤ:225/55R18 (Yokohama Geolandar SUV GO55E)

●車両本体価格:408万2400円
●試乗車価格(概算):469万0353円(オプション込み)
※オプション合計:60万7953円
※オプション内訳:有料色(ウォームホワイトパール) 4万3200円
以下、販売店オプション:デリカ D:5オリジナル 10.1型ナビゲーション 27万1728円(付属品込み)、フロアマット(吸・遮音機能付) 9万7178円、エクステリアパッケージA(フロントアンダーガーニッシュ、リアアンダーガーニッシュ) 9万6984円、エクステリアパッケージC(エンジンフードエンブレム、テールゲートスポイラー) 6万3979円、マッドフラップ 3万4884円
●ボディカラー:ウォームホワイトパール

●試乗距離:約200km
●試乗日:2019年4月
●車両協力:西尾張三菱自動車販売

 
 
 
 
 

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