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日産 マーチ A#新車試乗記(第 回)

Nissan March A#

1992年02月26日

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今度のマーチは相当出来がいい。なにせ、9年ぶりのモデルチェンジだ。前モデルとは比較にならないほど進化して当然だろう。前モデル同様、これから九年間作られ続ける予定のロングライフ・モデルだ。

日産の中では最小クラスのマーチだが、ニューモデルからは1リットルモデルに4速AT、そして新たに開発された1・3リットルにはNCVTと呼ばれるベルトドライブ無段階変速機が装備されている。スバルやフィアットでも採用されているこの無段変速機は、独自の高周波音が発生するのがネックだったが、NCVTではかなり改善されているという。早速このNCVT装備の1・3リットルA#に試乗してみた。

クリープ現象が発生しない構造のNCVTは、最初ややとまどいがあるが、加速感はリニアで、過去のこのタイプにあった、エンジンの回転にスピードが追いつかないという違和感が解消されている。

独自の高周波ノイズは停止寸前の速度域で少し気になるが、通常はほとんど気にならないところまで抑えこまれている。当然の事ながら、変速ショックは全く無く、なかなか気持ちのいい走りだ。

ゼロヨン加速は18秒台との事なので、街中で動力性能に不満を感じることはまずないだろう。最高速度も時速170km/hをマークするという。5リンクとなったリアサスはコーナーでも良くふんばる。きびきびと走るのが楽しい動力性能だ。

内装ではシートの出来が特筆ものだ。厚さがたっぷりあって、アイポイントが高めのシートは、フランス車を思いおこさせ、文句なしに座り心地がいい。シンプルながらも安っぽさを感じさせないインテリアも好感が持てる。

室内は確かに広くなっている。フットスペース、ヘッドクリアランスともに大人4人が乗ってもつらくはないだろう。が、日本ではこのサイズに4人乗るということ自体をあまりしないはず。欧州発売を見込んだパッケージングとも言えそうだ。

新型マーチは品質、動力性能などハードの面の仕上がりがすごくいい。またスタイルだって悪くない。だが、日本ではこのクラスの購買層は、若い女性や主婦といったところだ。だからどうしても「可愛い」というイメージがつきまとう。新型マーチもそうしたイメージが強いのはちょっと残念だ。

ヨーロッパでは古くから小さな高級車が存在し、大人に乗られているのだが、日本では残念ながら大型車志向が強い。マーチはかつての大衆車以上の広さや乗り心地を獲得してるのだから、ほんとは女性ばかりでなく、もっと多くの人に乗ってもらいたい車だ。街中を走り回るにはこの位のサイズがぴったりだし、地球環境のためにも小さな車が望ましいのはいうまでもないのだから。

そこでひとつ注文。内装を渋めのボディカラーと豪華な(できれば革張りの)内装を持った大人向けのマーチを作ってもらえないだろうか。かつて日産が発売したBeー1などのパイクカーシリーズは、旧マーチがベースだったが、それを越える何かがあったため爆発的に売れたのは記憶に新しい。きっと大人の男性でも乗れる小型車は成立するはずだ。今度のマーチはそうした下地は十分に持っている。大人が買える車、そのためには、まずグリルのデザインを変えるべきだろう。日本でパルサー、プリメーラと同じである必要はまったくないはずだ。

MEMO

新型マーチは三ドアと五ドアの2つのボディを持つ。エンジンは1リットル(58馬力)、1・3リットル(79馬力)で共に新開発の4気筒EGIツインカム16バルブ。旧型にあった加給器付モデルは設定されない。エアコンは一部を除き標準装備。

フル装備のA#は127万8000千円。また現在販売グレードの六割位を占めている1リットルのi・zは、4速オートマで88万5000円。旧タイプより若干高くなったが、依然として軽自動車の強力なライバルだ。

公式サイトhttp://www.nissan.co.jp/MARCH/

 
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