Published by DAYS since 1997 from Nagoya,Japan. 名古屋から全国に発信する新車試乗記や不定期コラム、クルマ情報サイト

ホーム > MOTOR DAYS ピックアップニュース > CLS発表会およびスマートEV試乗会を名古屋で開催

CLS発表会およびスマートEV試乗会を名古屋で開催

カテゴリ:新車 , 東海地区の情報 / 2011年02月24日

 
 

新型CLS 350 BlueEFFICIENCY

メルセデス・ベンツ日本は2011年2月24日、先週18日に発売した新型CLSクラスの名古屋エリア発表会を、ウエスティンナゴヤキャッスル(名古屋市西区)で開催した。また合わせて、国内で実用テスト中のスマート電気自動車の試乗会も行った。

デザイン一新。アグレッシブな方向に


リアフェンダー前部の盛り上がりが最近のメルセデス流。Cd値(空気抵抗係数)は先代より約13%向上して0.26

2005年に日本で発売された初代CLSは、先代Eクラス(W211型)をベースに、「4ドアクーペ」とうたう流麗なスタイリングをまとって登場。世界では累計17万台以上、日本でも1万3000台以上を販売するヒットとなり、「4ドアクーペ」ブームの先駆けともなったモデルだ。

6年ぶりのフルモデルチェンジで登場した2代目CLSは、初代の路線を引き継ぎつつ、現行Eクラス(W212型)をベースに、デザインやメカニズムを一新。デザインに関しては流麗なだけでなく、顔つきをスーパースポーツの「SLS AMG」のようなアグレッシブなものにしたり、リアフェンダー部に現行Eクラスのような盛り上がりを付けたりと、独自の方向に進化している。

 

ライト類はすべてLED化。ただし日本では法規の関係でデイライトとして常時点灯はしない。もちろんポジションランプとしては点灯可

外観で目を引くのが、ウインカーも含めて片側で最大71個のLEDを散りばめたフルLEDタイプのヘッドライトアッセンブリー、「LED ハイパフォーマンスヘッドライト」だ。ヘッドライトはロー/ハイ共にLEDで、しかもLEDでは世界で初めて、対向車と先行車を検知して自動的にロー/ハイを切り換える「アダプティブ ハイビーム アシスト」を実現している。そしてもちろん、左右の光軸可変も行う。

新型3.5リッターV6は直噴で、バンク角は60度に変更


新開発の3.5リッターV6直噴

「CLS 350 BlueEFFICIENCY」には、新開発の3.5リッターV6直噴エンジンを採用。これはバンク角を従来の90度から、V6では振動面で最適な60度に変更して、バランサーシャフトを廃止した完全ブランニューのユニットだ。

さらに「BlueDIRECT テクノロジー」呼ばれる直噴システムを、メルセデスのV6ガソリンエンジンで初めて採用し、最新世代のピエゾインジェクターでリーンバーン(希薄燃焼)を可能としている。

結果、燃費は欧州テストモードで33%向上。最高出力は一気に34ps増の306psに、最大トルクは2kgm増の37.7kgmに強化された。変速機は従来通り「7G トロニック」こと7速ATだが、アイドリングストップ機構に対応した改良型となっている。

「63 AMG」は5.5・V8直噴ターボと7速AMG スピードシフトMCT


新型CLS 63 AMG (パフォーマンスパッケージ装着車)

高性能モデルの「CLS 63 AMG」は、すでにCLやSクラスの「63 AMG」に搭載されている新世代の5.5リッターV8直噴ツインターボを採用。従来の6.2リッターV8自然吸気エンジンからダウンサイジングを図りつつ、最高出力を+11psの525ps、最大トルクを+7.1kgmの71.4kgmにパワーアップしている。さらに「AMG パフォーマンスパッケージ」(110万円)を追加すれば、それぞれ557psと81.6kgmに増強することも可能だ。

 

室内は主に横方向に拡大。肩のまわり(前席では+21mm、後席では+13mm)や肘のまわり(前席では+8mm、後席では21mm)が拡がり、先代にあった閉塞感がなくなった

変速機も最新のCL/Sクラス「63 AMG」と同じで、7速の「AMG スピードシフトMCT」となる。これは7Gトロニックをベースに、従来のトルクコンバーター部分を湿式多板クラッチに置き換えたもので、今のところ他社ではあまり例がないメルセデス・ベンツ独自のもの。DCTがMTのギアボックスをベースにAT化したものとすれば、これはその逆でATのギアボックスをベースに、MT的にロスのないものにした、という感じか。ちなみにメルセデスでは目下、「SLS AMG」だけがDCT(7速)を搭載している。

このCLS 63 AMGにもアイドリングストップ機構(ECOスタート/ストップ機能)が搭載されており、やはり燃費は欧州テストモードで先代比30%以上を達成しているという。10・15モード燃費はCLS 350共々追って発表される予定だ。

価格は「CLS 350 BlueEFFICIENCY」(左・右ハンドル)が930万円で、「CLS 63 AMG」(左ハンドルのみ)が1625万円。実際のデリバリーは6月頃からの予定だ。

スマートの電気自動車にチョイ乗り

i-MiEVに通じる文句なしの走り


日本にはとりあえず3台ほど導入したというスマートのEV。これはそのうちの1台

発表会の後には、日本を含む世界各国での市販を目指して、現在実用テストを行っているスマートの電気自動車「スマート フォーツー electric drive」の試乗会が行われた。

試乗時間はわずか10分ほどで、名古屋城の周辺に限られたが、モーターによるスムーズで力強い走りは、十二分に体感できた。試乗車は左ハンドルだったが、運転操作は基本的にi-MiEVなど他の電気自動車と同じで、コツや慣れはまったく必要ない。誰でも違和感なく運転できる。

ガソリンスマートとは別物


名古屋城のお堀沿いを走る電動スマート

モーターの最高出力は30kW(40ps)、最大トルクは120Nm(12.2kgm)で、i-MiEVのちょうど3分の2ほど。i-MiEVほどの感動的な速さはないが、トルクが強力なので実際のパワー感は同等だ。街中に限れば、動力性能はガソリンスマートに遜色ないが、最高速はリミッターで100km/hに制限されるらしい(i-MiEVは128km/h、2代目スマートは145km/hでリミッター作動)。

デイズにある通常のスマート(2代目の初期型)と比べて特に感動的だったのが、加速・減速(アクセルのオン/オフ)、あるいはセミATの変速に伴うピッチングが、ウソのようにないこと(もちろん電動スマートには変速機もない)。ホイールベースの短さをまったく感じさせない乗り心地、そしてバッテリーの床下搭載による重厚感は、本当にまるで別のクルマのようだった。もちろんエンジンの振動やノイズはなく、静粛性も問題なし。

市販予定は2012年以降

 

左はバッテリー残量計(いわゆるSOCを表示)、右は出力計のようで、加速中は右に振れる

バッテリーはテスラモータース社製のリチウムイオンで、容量はi-MiEVとほぼ同じ16.5kWh。気になるフル充電時の航続距離はヨーロッパ測定値で135km。実際のところ、日本の路上でも100kmくらいは余裕で走るようだ。

また充電時間は欧州での220V電源で、20%→80%なら約3.5時間、0%→100%なら約8時間とのこと。日本の場合だと、200Vで8時間、100Vで16時間だという。

実証テストは、2009年12月からドイツ・ベルリンでスタート。現在では欧州各国に加えて、米国でも始まっているという。今後は日本を含めて世界各地の1500台程度で実証テストを行う計画で、市販予定は「2012年以降」となっている。

デイズのコメント

先代から6年でフルモデルチェンジしたのは、ベースとなるEクラスのモデルチェンジに合わせてのこと。それに加えて、先代のデザインは欧州テイストで、おとなしすぎた、ということもあるようだ。つまり今回の新型CLSは、SLS AMGにも似たフロントマスクで押出感を強めて、特に北米市場で存在感を示す、ということに主眼がある。日本でもこのクラスは「強そうなもの」が好まれる傾向にあるので、まあ正解ということになるだろう。東京ではすでに100台以上の受注があるとのことで、ヒットした先代よりさらに好まれそうだ。