Published by DAYS since 1997 from Nagoya,Japan. 名古屋から全国に発信する新車試乗記や不定期コラム、クルマ情報サイト

ホーム > MOTOR DAYS ピックアップニュース > スタッフコラム「ジャパンカップに行ってきた」

スタッフコラム「ジャパンカップに行ってきた」

カテゴリ:試乗記予告 , スタッフコラム / 2010年11月02日

 
 

自転車レース「ジャパンカップ」の取材に行ってきた


ジャパンカップの見どころ、古賀志林道の頂上を上ってくるチーム ガーミン・トランジションズ

さて、またもや2週続けて休んでしまった新車試乗記ですが、進行担当の私は決して遊んでいたわけではありません。先週は名古屋からはるばる栃木県・宇都宮まで新幹線を乗り継ぎ、アジア最高峰の自転車ロードレース「ジャパンカップ」の取材に行っておりました。

「モーターデイズの人が、なぜ自転車レースに?」と思うかもしれませんが、これは別件のお仕事。しかしもともとワタクシ、小学校高学年から高校生までは自転車一筋。初めて自転車レースに出たのは、高校生の時で(今から25年くらい前)、今はなき「三河サイクルマラソン」(という名称だったと思う)という公道レースでした。確か名古屋市郊外をスタートし、お化けで有名な伊勢神峠(標高800メートル)を越えてまた帰ってくるという、計150kmくらいのレース。順位は何百人かのうちの、真ん中くらいだったと思います。ただしその後の私はというと、お決まりのパターンで、オートバイ、そして4輪に行ってしまい、自転車からは遠ざかる一方。その後、長い長いブランクを経て、ようやく何年か前に再び鈴鹿サーキットで行われる自転車レースに毎年出るようになりました。ま、実はここ数年は諸事情があって、再び全然乗っていない日々が続いていますが。

サポートカーは全てスバル車


ずらりと並ぶエクシーガ。7人乗りなので、こういったイベントにはいろいろと便利

そうは言うものの、実は本場欧州の自転車レースはもちろん、生で本格的な自転車ロードレースを見たことはこれまで一度も無かったので、今回の取材はちょっと楽しみでもありました。なにしろジャパンカップは、ツール・ド・フランスにも出場する海外トップチームが参戦する、国内最高峰のレースですから。

 

大会車両のエクシーガとシマノレーシングのサポートカーを務める先代レガシィ

でも今回紹介したいのは、レースそのものではなく、「ジャパンカップ」で活躍していたクルマの話。その土地柄のせいか、今年のジャパンカップで使われている十数台(何十台?)の先導車やサポートカー、大会スタッフカーは、全部スバル車。スバルの冠イベントではないものの、印象としては全くそんな感じで、レース開始直前のスタート地点でも、しっかり「アイサイト」のデモをやっているくらい。ちなみに普段、クルマを目の敵にしている?ハードコアな自転車乗りの方も、歩行者や自転車も認識して緊急ブレーキを踏むこのアイサイト搭載車なら、好感が持てるのでは。

WRCばりに飛ばすサポートカー


国内有力チームの一つ「チームニッポ」のサポートカー(先代レガシィ)

さて、自転車ロードレース観戦の初心者にとって、それ以上に衝撃的だったのが、レースコースで激走するスタッフカーやサポートカーの姿。そもそも今まではこの私、いくら元は公道とはいえ、一周14.1kmのコースを10周半もするこの周回レース、コースへの立ち入りは厳しく制限されると思ってたんですが(実際、下り坂などスピードが出て、危険な区間は立ち入り不可になる)、実際にはぜんぜん普通に人や自転車が通ってOKなのにビックリ。

 

栃木県警の白バイ(ホンダ VFR800P)。こういうイベントには欠かせません

じゃ、選手が来るときはどうするかと言うと、まずその前に、露払い役のレガシィ(エクシーガだったかも)が、拡声器を使って「危ないです! 道を空けてください! ありがとうございます! 選挙カーではございません! 先頭はチーム○○○」などと連呼しながら、レースコースを激走してきます。すると観客は、コース脇にいそいそと待避。イン側ではなく、選手の邪魔にならないアウト側に陣取るのが、この時のお約束です。

タンデムのオートバイもローリング!?


TVクルーなどを乗せたメディア関係のオートバイ。先頭はBMWのK100か。BMWは他にR1150RSも走ってました

その後に続くのが、2台の白バイ(定番のホンダVFR)。ただしマラソンと違って、トップクラスの自転車選手が走るスピードは、標高差が185メートルもある(そこを10周半するので、標高差の合計は2000メートルに達する)ジャパンカップのコースでも平均40km/h近くと劇ッ速なので、白バイもかなり攻めてます。とはいえ、栃木県警から選び抜かれた白バイ乗りだけに、さすがそのライディングには安定感あり。

 

こちらは発売されたばかりのドゥカティ・ムルティストラーダ 1200

そして70名くらいから成る参加選手が通り過ぎる前後には、主にメディアクルーが乗ると思われる二人乗りのオートバイが4、5台、やはり激走しながら通り過ぎます。タンデムで重量が増えた分、コーナリングではかなり深くバンクさせてます。バイクの種類は国内外のツアラー系ビッグバイクばかり。おそらく性能や積載重量に余裕のあるバイクじゃないと、このペースで約4時間も走り続けるのは難しいはず(途中で交代してるかも)。なので、こういったマシン選択は必然なんでしょう。割と新しめのマシンから、中にはちょっと旧いカワサキのGPZ900R(ニンジャ)とか、ヤマハのXJR1200とかもいて、重装備で使い込まれた車両が多かったです。

走り抜ける選手と応援する観客が近い


マヴィックのサポートカーはエクシーガ。スクーターの方はスズキのスカイウェイブ

その後を、転倒時やメカニカルトラブル時に備えて、スペアのロードバイクを積んだサポートカーのレガシィが10台くらい、やはりWRCばりの勢いで舗装林道をかっ飛んで行きます。さらには、プロ自転車レースには付き物の通称「イエローカー」、スペアタイヤ&ホイールをルーフに満載したマヴィック(自転車ホイールの老舗メーカー)のサポートカーも走ってゆきます。黄色のマヴィックカラーに塗られてますが、これもスバル車(エクシーガ)。どのチームにも平等にスペアを補給する、いわゆるニュートラルサービスを行うクルマです。ちなみにメディア関係者がコースを移動する時に使う「乗り合いタクシー」?にも、7人乗りのエクシーガが使われてました。

 

自転車もサポートカーもけっこう飛ばしてます。観客との距離に注目

そして御神輿のように通り過ぎる選手の一群に応援を送る観客の様子は、本場のツール・ド・フランスみたい、と言うより、クルマ好きっぽい感想で言うと、まんまWRCのモンテカルロか、ツール・ド・コルスみたい。猛スピードで走る選手と観客の近さで言えば、北海道で今年も行われたラリージャパン(WRC格式は今年が最後とも言われている)とは相当な差があります。

モータースポーツも街に出るべき


ブッチギリで優勝したダニエル・マーティン選手(アイルランド、ガーミン・トランジションズ)。後続の2台はオフィシャルとサポートカーで、いずれも現行レガシィ

そんなわけで、自転車レースそのものも迫力でしたが、クルマ&バイク好きにとっては、その影で活躍するエンジン付の乗り物にも興奮を覚えたわけでした。

それにしても、欧州ならいざ知らず、日本でこういった「公道イベント」が成功しているのは本当に素晴らしい。「宇都宮と言えば、餃子の街」ですが(実際レース期間中も市内の餃子店はかなり賑わっていた)、これからは「宇都宮と言えば、自転車レースの街」という風にも覚えたいものです。

 

応援を受けて激走! 周回の合間には、こんなシーンもありました

実は今年のジャパンカップでは、初の試みとして宇都宮市の中心部で、メインレースの前日にクリテリウム(短い周回路で争うレース)も行われました。元F1ドライバーの片山右京さんも出場したせいか(自転車での速さもそうとうなもの)、新聞やテレビでは、メインレースよりそちらの方が大きく取り上げられたようで、やはりそうなると、モータースポーツもサーキットばかりではなく、もっと街に繰り出した方がいいんじゃないかと、強く感じました。

そう言うと、ほとんどの人は「そんなのは無理!」と口を揃えるけれど、F1をはじめ、海外には公道レースって、実はけっこう多い。せめて自動車の街、名古屋には頑張ってもらいたいし、もっと意識を高く持って欲しいと思います。まずは名古屋城のお堀を周回する自転車ロードレースあたりから、始めてみるのがいいかも。(DAYS 丹羽 圭)