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電動スポーツバイク「ネイティブ S」「ネイティブ Z6」を発売

カテゴリ:東海地区の情報 / 2010年10月30日

 
 

株式会社ユニオート(本社:岐阜県羽島郡)は2010年10月22日、米国エレクトリック・モータースポート社の電動スポーツバイク「ネイティブ(Native) S」(写真)と電動スクーター「ネイティブ Z6」を発売した。価格はネイティブ Sが105万円、ネイティブ Z6が73万5000円となる。

マン島TT出場マシンの市販バージョン。最高速度は112km/h


今回発売された電動スポーツバイク「ネイティブS」

2001年にカリフォルニアで設立された米国エレクトリック・モータースポート社は、電動バイクのほか、電動ATVや船外機なども開発しているEVメーカー。2009年のマン島TTでは、伝統のマウンテンコース(60.725km)を一周するタイムで競う電動バイクレース「TTXGP」に参戦し、平均速度約106km/hでクラス優勝している(なおその年の上位プロクラスでの優勝記録は平均速度約140km/h)。

岐阜県で自動車の輸入・販売を行うユニオートが今回発売した2台の電動バイクのうち、「ネイティブ S」の方は、マン島で走ったモデルの市販バージョンと言えるもの。搭載するモーターは最高出力19.6ps(14.2kW)、最高速度は112km/h、航続距離は最大96km(65km/h定速走行)となっている。

 

またモーターやギア比は、低速型や高速型など数種類ある中から「ミニ四駆感覚で」選べるほか、Windows PCにつないでスロットル制御等のセッティングが可能というのも売りの一つだ。満充電に要する時間は、AC100V電源で約4時間半だという。

車体はタイカワサキの125~150ccクラスがベースとのことで、電動バイクに多いスクーター風ではなく、完全にロードスポーツ風。前後ディスクブレーキ、倒立式のフロントフォーク、アルミ製スイングアーム、前後17インチタイヤなどを備える。シート高は750mmだ。135kgという車重はバッテリーを積むことを考えれば決して重くはない。

なお今回発売されたネイティブは、軽二輪(125cc超、250cc以下)扱いのモデルとなるが、原付2種(50cc超、125cc以下)での登録も可能だという(電動バイクの場合、出力による区分が50cc超はないため)。

【試乗インプレッション】原付スクーターに余裕で勝つ。EVならではの爽快感あり


スロットルの下にある赤いボタンを押すと走行可。ちなみにリアブレーキはフットのみで、左側にレバーはない

この「ネイティブ S」に、ユニオート本社で試乗することが出来た。操作方法は、他の電動バイク同様に簡単で、まずメインキーをひねってオン。さらに一種の安全装置だろう、スロットルグリップ手前の赤いボタン(正確にはレバー)を押すと、走行可能になる。それでも当然ながらまったく無音だが、通常のバイクであればすでにエンジンが掛かった状態なので、不用意にスロットルを捻らないように注意が必要だ。

 

右端の赤っぽい液晶パネルがバッテリー残量計だが、トリップを回して走行距離を確認する方が残量の目安としては確実だ

モーターらしく、やはり出足は「グンッ」と力強い。その後はほぼ無音のまま、電動バイク特有の感覚で一直線に速度を上げる。試乗車は低速型モーターと低速ギアを組み合わせた仕様だったため、トップスピードは約65km/hあたりだったが、速さは原付スクーターに比べて、出足から最高速付近まで一枚上手という感じだ。当然ながら走行中でも排気音は一切ない。風の音だけを耳にしながら走るのは、なかなか爽快だ。

この後、電動スクータータイプの「ネイティブ Z6」(こちらは73万5000円)では、高速型モーターも試せたが、これなら確かにカタログ値に迫る100km/hは出せそうな感じだった。ま、そのあたりはプログラムの設定次第でもあるのだろう。

車体関係は問題なし。航続距離は20~40kmくらいか?

見るからにしっかりした車体からうかがえるように、シャシー関係そのものは、ほとんどまったく問題なし。ギア付のエンジン車のようにトラクションを掛けて車体を安定させる、みたいなことは難しかったが、そのあたりも乗り方次第だろう。バッテリーの重さは、まったく感じない。

そんな風に調子に乗って予定よりも長く試乗していたら、バッテリー残量計が徐々に下がると共に、パワーダウンが始まり、やがてパタッと反応しなくなって止まった。後で知ったのだが、ネイティブが搭載するBMS(バッテリー・マネージメント・システム)は、電池残量が20%以下になると出力を自動的に半分に落とすのだそうだ。

今回走行できたのは、最初に満充電ではなかったこともあり、しかも常に全開走行だったため、約20km程度だったが、ユニオートによれば満充電であれば40kmくらいはいくだろう、とのこと。ちなみにこれまで、EVにはi-MiEVや電動大型スクーターのベクトリックスなど、大小いろいろ乗ってきたが、ガス欠ならぬ「電気切れ」は初めての経験だった。

これからは2輪EVレースが盛り上がる?

走行中、頭を駆けめぐったのは、誰もが考えつくことだが、これでレースをやると面白そう、とか、ヤマハのセローみたいなデュアルパーパス車にして、野山を静々とトレッキングしてみたい、なんていうこと。

特にレースをやるなら、騒音がまったくない電動バイクのワンメイクもいいが、しばらくは「打倒ガソリン車!」みたいな目標を掲げて、原付や80~100ccくらいの4ストロークエンジン車と混走させるのが面白そう。来年にはネイティブのモタードタイプも出るようだが、KTMなどが打ち出しているようにモトクロッサー的なモデルも当然面白いだろう。ユニオートでも、ネイティブSを使った電動バイクレースの開催を提案中だ。

 

また海外では、2010年からはマン島TTに正式なレースとして「TT ゼロ」クラスが設けられ(前年同様、マウンテンコース1周のタイムで争う)、電動バイクでは未達成の平均速度100マイル/h(160km/h)に目前まで迫るなど、にわかに盛り上がりを見せている。EVレースの世界は、比較的手軽で始めやすい2輪から盛り上がってゆきそうな予感だ。(DAYS 丹羽 圭)

 

■ネイティブ S
・車両本体価格 105万円
・シート高:750mm
・車両重量:135kg
・最高出力:14.2kW(19.6ps)
・最高速度:112km
・走行可能距離:96km(65km/h定速走行、最大値)

 

・バッテリー種類:リチウムイオン
・充電時間:約4時間30分
・タイヤ:前:90/80 R17 後:100/80 R17
・問い合わせ先:ユニオート (058-248-5590)

 
 
 

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