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東京モーターサイクルショー 2010・私的リポート

カテゴリ:スタッフコラム / 2010年03月27日

 
 

東京ビッグサイトで3月28日(日)まで開催されている「東京モーターサイクルショー 2010」の初日に取材で行ってきました。ま、仕事的にはいろいろあったのですが、モーターデイズでは珍しい2輪車イベントの取材だったので、今回はあくまでワタクシ的な視点(4輪業界目線)で、ショーの様子をリポートしちゃいます!

2輪のモーターショーはアツい!


足を止める人が多かったモトグッツィのブース

昨年の東京モーターショー(4輪車)が輸入車ブランド軒並み撤退、という淋しい状況だったことに加えて、相変わらずの不況、若者の二輪車離れ、厳しくなる排ガス規制、雑誌不況による2輪車専門誌の苦況(MOTO NAVIは4月末にまた次号が出るらしい。期待!)、そして自動車メーカーに対するバッシングなどなど、業界にとっては逆風吹きまくりの昨今、東京モーターサイクルショーの雰囲気はどうだったかというと、これが初日の金曜日にも関わらず、かなりの大盛況でした(と思います)。「え、金曜の昼間なのに、みんな会社ズル休み?」みたいな。

 

1600cc並列ツインの「サンダーバード」(左)を昨年から投入したトライアンフ

普段、4輪車の取材が多いだけに、とにかく4輪のショーとの温度差が印象的。趣味性が高いだけに、2輪はとにかくアツい。まずお客さんの目の色が違う。でもって、みんなすごく楽しそう。でもって印象的なのが、各ブーススタッフの対応で、こちらもかなりアツい。少なくとも私が話を聞いた広報や説明員の方は、とにかくプロダクトについて「自分の言葉で語る」方が多い印象。4輪はいろいろ情報発信が規制されていて、言えること言えないことが分かれてる気がするんですが、2輪はけっこう開けっぴろげ? なせいでしょうか。というかお客さんがすでにマニアックだから、それに負けない人選で来てるんでしょうね。

サプライズはグッツィの「V12 LM」


世界中で引っ張りだこのMoto Guzzi V12 LM。「ショーが終わったらすぐに(イタリアに)シップバックします」」とのこと

ショーの目玉は人によって違うと思いますが、個人的にはモトグッツィのコンセプトモデル「V12 LM」がヒーロー! V12って言ってもV型12気筒じゃなくて、Vツインの1.2リッター(1151cc)だから。昨年11月のミラノショーで話題になったもので、デザインはドゥカティの初代モンスターを手がけたミゲール・ガルーツィ、そして同じくドゥカティのデザイナーだった奇才ピエール・テルブランチという2大巨匠の共作。グッツィ独特の縦置き90度Vツインとシャフトドライブを土台に構築した、めっちゃカッコいいデザインで、多くの人があっけにとられて見てました。

 

ナンバーもちゃんと付く!? ちなみにタイヤパターンはグッツィの鷲マークになってます

細部に凝るのがまたイタ車らしいところ。タンクからシートカウルまでは一体で、クルマのボンネットみたいにワンタッチで跳ね上がるし、片持ちシャフトドライブのスイングアームはダンパー・スプリング一体型という不思議な構造(どうやって動く?)。おまけに小型バックカメラを左右のシリンダーヘッドに1個ずつ付けて、バックミラー部の液晶モニターに映し出すという、グッツィしかできないアイディアで、笑いもとっちゃう?という芸のある一台。でもってナンバーステー付で「公道走行も考えてます」というオチもあるなど、サービス精神は本当に旺盛です。

 

グリーゾに専用色や革シートをおごった限定車「Griso 8V SE」。

それから横にあったGriso(グリーゾ)の限定車も良かった。排ガス規制のおかげで、日本市場ではラインナップが限られて苦労しているグッツィですが、とにかくこのまま「縦置きVツイン道」を貫き、頑張ってほしいブランドです。

CB1100は3大チューナーの直管風マフラーが競演!


ヨシムラブースにあったホンダ CB1100。金曜午前はつや消し黒、午後はこのチタン製マフラーを装着して展示

もう一つ、今回のショーで目玉だったのが、昨年の東モでデビューし、この3月に発売されたホンダのCB1100。ホンダ久々の「冷却フィンがカッコイイ」空冷4発の新作。これが何と予約殺到状態で、すでに納車は最速で6月とか。実は私も先日ドリーム店に寄って、実車をチェック&カタログをもらいました。

でもって、当ショーでの見モノが、CB1100用に登場してきたアフターパーツ。注目は何と言っても、あのヨシムラがCB1100用に、直管風?手曲げショートマフラー(近日発売、価格未定)を発表してきたこと。つや消し黒の極太「鉄製」マフラーで、もちろん触媒&騒音規制対応済み。大手を振って乗れる直管です。

ちなみにヨシムラの人によると、一緒にチタン製メガホン風マフラー(写真)もあって、性能はこっちの方が上(性能は出しやすい)とのこと。でも「もうCB1100を注文済み」みたいなお客さん(40代から上、50代、60代が多いという)は、だんぜん直管の方に興味を示すらしい。この気持ち、分かります。

 

モリワキ製マフラーを装着したホンダ CB1100。ホンダブースにて

すでにCB1100にはホンダ純正アクセサリーとしてモリワキ製の直管風?マフラーも発売されているので、ここでも師弟対決?は続いている、といったところでしょうか。

さらに、写真撮るの忘れちゃったんですが、無限とホンダ・ドリーム店がコラボして作った、つや消し黒の左右2本出しタイプも、かなりカッコいい。個人的には4into1タイプの集合管の音より、多少バラけた音の方が好きなので、無限製がイイかも、と思います。加えてCB750「K0」(ケーゼロ)みたいな4本出しも欲しいところ。

ホンダ>ドリーム店>無限テクニカルショップカスタム仕様車

BMWの「S1000R」に新規ユーザーが注目


フラットツインを積んだ「HP2 スポーツ」。限定だけど、れっきとした市販車

他のメーカー、国産のヤマハ、スズキ、カワサキはもちろん、輸入車のハーレーダビッドソンやドゥカティ、MVアグスタ、アプリリア、ビモータ、トライアンフ、KTM、ハスクバーナなんかも展示車が多くて見応えがありましたが、中でも勢いがあったのがBMW。今や水平対向2気筒に加えて、並列2気筒や並列4気筒もあるし、駆動伝達にシャフトもベルトもチェーンもやるし、オンからオフまで全ジャンル制覇を狙うBMWモトラッドです。

 

お立ち台の上は「S1000R」。スーパースポーツでも、BMWらしい安心感が売りらしい

今回の目玉はSBK(スーパーバイク選手権)のホモロゲマシン、昔風に言うとレーサーレプリカ、今風に言うとスーパースポーツの「S1000RR」。999ccの並列4気筒(193ps、日本仕様は156ps)、普通の前テレスコピックサス、後ろ両持ちスイングアーム、チェーンドライブと、要するに日本製スーパースポーツにありがちなスペックで、日本での評価は「BMWらしくないじゃん」かな、と思いきや、BMWジャパンのスタッフによると「今までのBMWユーザーとはまったく違う、『スーパースポーツ』というものに対する思い入れの強いお客さまからの注目がスゴイ」と興奮気味。今までのBMWが完全に対象外だったスーパースポーツ乗りも、こういうのが出てくると急に「ビーエム」が気になってくるわけで、まさに「乗ってナンボ、走ってナンボ」のモーターサイクル市場ならではの反応かな、と思いました。

緩やかな前傾から、さらに楽なポジションへ


並列2気筒を積むF800Rの特別仕様車「クリス・ファイファー エディション」

一方で面白かったのは、BMWと言えば売れ筋はツアラー系、と思いきや、最近はデュアルパーパス系の「GS」が増えているというBMWスタッフの話。それは「オフロードを走りたい」からではなく、ヨーロピアンタイプの緩い前傾より、もっと楽な姿勢で乗りたい、というユーザーが増えているから、とのこと。これも分かる話です。GSはウインドウプロテクションもしっかりしてるから、高速でも楽なんですよね、多分。

 

そういえばホンダのCB1100の話を聞いたホンダ・ドリーム店の人も、CB1100にアップタイプとロータイプと2種類あるハンドルのうち「(後から発売される)ローハンドルを待たずに、ポジションが楽なアップハンドルを注文される方が多い」と言ってたっけ。時代はやはり「前のめり」系から、確実に「レイドバック」系に向かってるようです。
(DAYS 丹羽)