Published by DAYS since 1997 from Nagoya,Japan. 名古屋から全国に発信する新車試乗記や不定期コラム、クルマ情報サイト

ホーム > MOTOR DAYS ピックアップニュース > トヨタ、オーリスをマイナーチェンジ

トヨタ、オーリスをマイナーチェンジ

カテゴリ:新車 / 2015年04月06日

 
 

トヨタは2015年4月6日、マイナーチェンジした「オーリス」を発売した。目玉は、トヨタブランド車初の小排気量ダウンサイジングエンジン、1.2L直噴ターボ「8NR-FTS」の採用になる。中部地区での発表会が行われたトヨタ産業技術記念館(名古屋市西区)からリポート。

新開発の1.2L 直噴・直4ターボを採用


エンジン上部に水冷式インタークーラーを配置。後方排気なのでターボチャージャーは裏側になる。エンジン開発者によると「やはりノッキング対策がたいへんだった」とのこと

オーリスは、2006年にデビューした欧州戦略用ハッチバック車。2012年にはフルモデルチェンジして2代目に進化している。今回発売されたのは、2代目のいわば後期型だ。

今回最大のニュースは、トヨタブランド車では初となるダウンサイジングターボエンジンの採用。レクサスを含めれば、NX200tの2.0Lターボ(8AR-FTS)に続く2例目になる。

 

製品企画本部 チーフエンジニアの安井慎一氏

新しいオーリスに採用されたのは、新開発の1.2L(1197cc)・直列4気筒・直噴ターボ。エンジン形式名は「8NR-FTS」。116ps/5200-5600rpm、185Nm(18.9kgm)/1500-4000rpmというスペックは、VWの1.2 TSIエンジン(105ps、175Nm)を上回るもの。圧縮比は10.0で、指定燃料はもちろん?プレミアムになる。

搭載グレードは、価格的には最上級グレードの「120T」のみで、トランスミッションはCVT(無段変速機)のみ。「6MTの搭載は?」という質問には、欧州には当然あるが、MTで乗るには高回転で伸びのある自然吸気1.8Lの方がいいとのこと。

気になるJC08モード燃費は19.4km/L。ちなみにゴルフ 1.2 TSIエンジン車(7速DCT)のJC08モード燃費は21.0km/Lだ。

内外装デザインをブラッシュアップ


120Tの内装

デザイン面では、最近のトヨタ車にならって低重心感を強調する「アンダープライオリティ」に則り、主にフロントまわりをブラッシュアップ。主力グレードにはLEDヘッドランプが採用された。全長は55mm伸びて4330mm。全幅は1760mm。

内装はセンタークラスター、メーターなどの意匠を変更して質感を向上。120Tに関しては、東レのウルトラスエード、本革、合皮を組み合わせた専用シート表皮や、木目調インパネ加飾を採用して、最上級グレードに相応しい特別感を演出している。

 

120Tの内装

シャシーに関しては、従来の1.8L車に加えて、新設定の1.2Lターボ車にもダブルウィッシュボーン式リアサスペンションを採用(1.5LのFF車はトーションビーム)。なお、1.8Lの「RS」には引き続き6MTが採用されている。

「トヨタ セーフティ センスC」を上位グレードに標準装備


トヨタ セーフティ センスCのセンサーユニット(単眼カメラ&レーザーレーダー)
(photo:トヨタ自動車)

また、一足先に発売されたカローラ フィールダー/アクシオに続いて、レーザーレーダーと単眼カメラを使った普及型の先進安全装備「Toyota Safety Sense C」も採用。「120T」と1.8L車(「RS」と「180S」)に標準装備し、「150X」にはオプションで用意される。

作動範囲は約10~80km/hで、自動ブレーキ作動時には約30km/h分の減速を行う。また、車線逸脱を警告するレーンディパーチャーアラート(LDA)、ハイビームとロービームを自動で切り替える「オートマチックハイビーム(AHB)もセットで装備される。

ただし、カローラ フィールダー/アクシオ同様、ミリ波レーダーによるレーダークルーズコントロールや80km/h以上の速度域で有効なプリクラッシュセーフティ機能は用意されていない(80km/h以上でも警告は行う)。

179万円からスタート。120Tは259万円


左が1.8Lの「RS」、中央が「120T」、右が「150X」。ボディカラーは全7色

欧州向けにはハイブリッド車、ディーゼル車、そしてステーションワゴンの「ツーリング」もあるが、日本向けはガソリン車のハッチバックのみ。

価格は1.5L(CVT)の「150X」が178万9855円~、1.8L(CVT)の「180S」が237万6000円、1.8L(6MT)の「RS」が246万0437円。1.2Lターボ(CVT)の「120T」が259万0037円。

ちなみにゴルフ7の1.2Lモデルは264万円からスタートする。120Tとの差は約5万円だ。

 

海外でも生産されるが、国内向けの生産はトヨタ自動車の高岡工場(愛知県豊田市)。また、ターボエンジンは下山工場(愛知県みよし市)で生産されるが、ターボユニット自体は外部から供給を受ける。

販売チャンネルはネッツ店で、月販目標は初代(2006年)の3000台、2代目デビュー時(2012年)の2000台に対して、今回は1000台。120Tに関しては、内1割ほどを見込むという。

なお、グローバルでは欧州市場を中心に年間16万台を目指す。また、これとは別に米国ではサイオンブランドでも投入される。

「RS」と「120T」にプチ試乗

【RS】6MTながら運転しやすくて快適


RSは今や貴重な6MTだが、運転は教習車並みにイージー

それぞれ短時間ながら、1.8Lの「RS」と、注目の「120T」に試乗できた。

RSは今や貴重な6MT。エンジンはハイオク仕様の1.8L(144ps、180Nm)。カッチリとした座り心地のシートに腰掛け、クラッチペダルを踏み込むと、その踏みごたえの軽さに拍子抜けする。軽やかで雑味のないエンジンサウンドが耳に心地よい。低回転でも粘りがあるので発進はイージーであり、加速もスムーズで気持ちいい。決して刺激的でも、際立って速くもないが、毎日の足として快適に乗るにはちょうど良さそう。シフトはスコスコ決まり、リアダブルウイッシュボーンの乗り心地も良い。

【120T】自然吸気1.8L~2.0L的なトルク感


120TはCVTのみ。感覚的には妙にトルクフルな自然吸気エンジン車みたい

一方の120Tは、CVTということで、運転はさらにイージー。知らなければ自然吸気の1.8L~2.0Lと間違えそうだが(ターボの作動音はほとんど聞こえない)、2000回転くらいでアクセルペダルを踏み込んだ時のトルク感は、やはり直噴ターボならでは。

また、ステアリングをいっぱいに切ってゆっくり走る時も、DCTよりスムーズなのはCVTならでは。パドルでマニュアルシフトした時の反応も、CVTとしては悪くない。一方で、DCTのようなダイレクトな伝達感や、電光石火の変速感がないのは、VW等の競合車に譲る部分か。とはいえ、ハイブリッド車や自然吸気エンジン車では味わえない乗り味は確かにある。

 

DAYSのコメント


RSにはハニカムグリルや専用エンブレム等が備わるが、120T(写真の青)の外装は下位グレードとほぼ同じ。写真のアルミホイールはメーカーオプション。見分けるには、内装かエンジンを見るのが手っ取り早い

トヨタの中では、ハイブリッドと自然吸気エンジンの間に位置するという、ちょっと微妙な説明になる低燃費ダウンサイジングターボエンジンを搭載。1.8Lエンジン車より高額な1.2Lエンジン車という、これまでのトヨタヒエラルキーにはない異端のクルマだ。

DCTではなくCVTになるが、ウンチクではなく実際に乗って「走り」を確かめてほしいということで、販売網であるネッツ店には2店に1店の割合で、この120Tの試乗車が用意されるという。欧州車ディーラーの客対応に疲れた欧州車ユーザーを呼び込もうという戦略だ。さてどうなるか、これはちょっと楽しみなところ。

■外部リンク
トヨタ自動車>ニュース>新型オーリスを発売(2015年4月6日)

■参考記事
新車試乗記>2代目トヨタ オーリス RS “S パッケージ”(2012年10月掲載)
新車試乗記>初代トヨタ オーリス 180G Sパッケージ(2006年11月掲載)