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トヨタ、ランドクルーザー “70”シリーズを発売

カテゴリ:新車 / 2014年08月25日

 
 

トヨタ自動車は2014年8月25日、ランドクルーザー“70”(ナナマル)シリーズの国内販売を10年ぶりに復活させ、期間限定で発売した。中部地区で発表会が行われたトヨタ博物館からリポート。

10年ぶりに国内販売が復活

ランドクルーザー“70”シリーズは、名車ランクル40(ヨンマル)シリーズの後継車として、1984年に発売。以来30年間、トヨタきってのヘビーデューティ本格4WD車として世界中で販売されてきた。その累計生産台数は、ランクル全体の約790万台のうち約146万台。日本国内での販売は、ディーゼルエンジンの排ガス規制などが理由で2004年に終了していたが、世界生産台数は2013年に過去最高を記録するなど近年は増える傾向にある。目下の主力市場はオーストラリア、中近東、アフリカなどで、鉱山や農漁業等でのワークホースとして、あるいは赤十字などによる災害・紛争地域での人員・物資の輸送手段として、絶大な信頼を得ている。

 

新型ランドクルーザー70 バン

そのナナマルが今回、国内で10年ぶりに“復活”したのは、一つにはファンの強い要望に応えるため。オーナーが所有する従来70シリーズの車齢が10年以上となり、販社からも復活を願う声が上がっていたという。また、トヨタとしても70シリーズの誕生30周年を機に、世界各地で活躍している70シリーズの良さを国内のユーザーにも知ってもらいたいという意図があるという。

シャシーはほぼ従来通り。新たにピックアップを設定


新型ランドルクルーザー ピックアップ

という事情で、約10年ぶりに国内で販売されるランクル70だが、車体まわりの基本設計は、ほぼ従来通り。すなわち、伝統のラダーフレーム構造、フロントがリジッド&コイルスプリング、リアがリジッド&リーフスプリングのサスペンション、パートタイム4WDというメカニズムを踏襲。「通常の乗用車をはるかにしのぐ耐久性基準」(小鑓 貞嘉チーフエンジニア)をクリアした車体になっている。

 

インストラクターによる同乗走行。平地の周回路では、軽く試乗も出来た。MTながら運転しやすいが、小回りはやや苦手か(最小回転半径は6.3~7.2メートル)

一方で内外装デザインは若干アップデート。海外仕様で行われてきたマイナーチェンジを反映して、エアバッグやABSも標準装備。インパネはオフロード走行時に車体の姿勢を把握しやすい水平基調のデザインになっている。

また、今回は4ドアバンに加えて、国内で初設定となるダブルキャブピックアップトラックを用意。後者はロングホイールベースに、最大5人乗りのキャビンと最大積載量600kgの荷台を備えている。

 

オプションで電動ウインチも用意。ワイヤー長は約34mで、3本掛けなら3トンまで対応
(photo:トヨタ自動車)

ボディサイズは、バンが全長4810×全幅1870×全高1920mmで、ホイールベース2730mm。ピックアップはそれより全長が460mm長くなり、全長5270×全幅1770×全高1950mm、ホイールベースは450mm長い3180mm。最低地上高は、バンが200mm、ピックアップが225mmとなっている。

 

対地障害角(バン/ピックアップ)はアプローチアングルが33/35度、ランプブレークオーバーアングルが26/27度、ディパーチャーアングルが23/25度

走破性に関しては、パートタイム4WD(すなわち4WDモード時は前後直結)に加えて、フロントおよびリアに電動デフロックをオプションで用意(5万4000円)。対地障害角も十分に取るなど、メカニカルな方法で高い悪路走破性を確保している。TRCやVSCなどの電子制御デバイスは、従来モデル同様、装備していない。

また、オプションでフロントバンパー内部にビルトインできる電動ウインチ(18万6840円)も用意し、スタックからの脱出などにも対応可能としている。

エンジンは4リッターV6ガソリン。ミッションは5MTのみ

エンジンは、国内販売終了時の4.2リッター直6ディーゼルに代えて、FJクルーザーや現行プラド用とチューニングは異なるものの、基本設計は同じ4.0リッターV6ガソリン「1GR-FE型」(70の場合は231ps、36.7kgm)を採用。ミッションは海外仕様と同じ5MTのみ。

FJクルーザーやプラドはレギュラーガソリン仕様だが、ランクル70はプレミアムガソリン仕様になり(もちろんレギュラーも使用可)、JC08モード燃費は6.6km/Lとなっている。

海外仕様からの変更は、燈火類や反射板など、わずかとのこと。今回のモデルには、30周年記念の専用エンブレム(ボディサイド両側)や専用本革キーボックス、専用本革車検証入れなどが備わる。

2015年6月までの期間限定販売。価格は350万円~


ピックアップはスチールホイール&チューブ式タイヤが標準(バンはアルミホイール&チューブレス)
(photo:トヨタ自動車)

生産はトヨタ車体(株)の吉原工場(愛知県豊田市)。販売チャンネルはトヨタ店で、月販目標は200台。2015年6月30日までの生産分で受注終了となるので、計画通りであれば10ヶ月で計2000台を販売ということになる。

前述の通り、今回発売されるのは、4リッターV6ガソリン、5速MT、パートタイム4WD仕様のみで、価格(消費税8%込)はバンが360万円、ピックアップが350万円。いずれも乗車定員は最大5人で、商用車(1ナンバー)登録になる。ボディカラーには全7色を用意している。

ランクル200とプラドに特別仕様車を設定


一番手前は、ランドクルーザー特別仕様車「ZX“Bruno Cross”」

なお、今回同時に、ランドクルーザー(200系)の特別仕様車「ZX“Bruno Cross”」(Brunoはイタリア語でブラウンの意)と、ランドクルーザープラドの特別仕様車「TX“Argento Cross”」(Argentoはイタリア語で銀の意)も発売された。前者は4.6リッターV8ガソリンエンジンと6ATを搭載し、スーパークロームメタリック塗装のアルミホイールやプレミアムナッパ本革のシートを特別装備したもので、価格は684万3273円。

 

ランドクルーザープラド特別仕様車「TX“Argento Cross”」

プラドの特別仕様車は、2.7リッター直4ガソリン・4ATモデルをべースに、シート表皮やルーフレールをシルバー×ブラックの配色とし、ホイールに専用ダークグレーメタリック塗装を施したもので、価格は5人乗りが334万9963円、7人乗りが350万5091円。

デイズのコメント


(photo:トヨタ自動車)

10年前に販売休止となったクルマが甦るというのは、まさに前代未聞の出来事。10年間、海外で販売が続けられ、なおかつ海外ではマイナーチェンジ(主に安全系)を繰り返してきたゆえの奇跡だろう(区分としては商用車ということもあるが)。それにしても基本設計が30年以上前に行われたクルマが未だ通用するということは、クルマで進化した部分は結局、燃費と安全性だけということなのか、と思えてしまう。

 

(photo:トヨタ自動車)

■外部リンク
トヨタ自動車>プレスリリース>ランドクルーザー“70”シリーズを期間限定発売 (2014年8月25日)

■過去の記事
新車試乗記>モデリスタ ランクル ネオクラシックPX10 (1997年10月掲載)

 

(photo:トヨタ自動車)