Published by DAYS since 1997 from Nagoya,Japan. 名古屋から全国に発信する新車試乗記や不定期コラム、クルマ情報サイト

ホーム > MOTOR DAYS ピックアップニュース > トヨタ、プロボックス / サクシードをマイナーチェンジ

トヨタ、プロボックス / サクシードをマイナーチェンジ

カテゴリ:新車 / 2014年08月06日

 
 

トヨタは2014年8月6日、商用バンの「プロボックス」と「サクシード」をマイナーチェンジして発売した。内容的には、パワートレインやプラットフォーム前半を刷新するなど、いわゆるビッグマイナーチェンジになっている。中部地区での発表会が行われた中部経済産業局(名古屋市中区三の丸)からリポート。

CVTを採用し、2015年燃費規制に対応

プロボックス / サクシードは、カローラバン / カルディナバンの後継として2002年7月にデビュー。「ビジネスカーの革新」を謳うなど、商用バン専用にボディやプラットフォームを設計した画期的なモデルだった。以来12年間、目立ったマイナーチェンジもなく、商用バン市場の63%を占めており(2014年上半期、トヨタ調べ)、今やライバルは日産AD / ADエキスパート(OEM車としてマツダ ファミリアバン、三菱ランサーカーゴ)くらいしかない。

今回、12年ぶりにモデルチェンジした第一の目的は、2015年燃費規制をクリアすること。そのためにはパワートレインの刷新が必要となり、具体的には1.3リッターエンジンを従来の2NZ-FE型から、新しい世代の1NR-FE型(95ps、12.3kgm)に換装。また、変速機については1.5リッターエンジン(1NZ-FE型で、FF車の場合は109ps、13.9kgm)搭載車も含めて、従来の4ATおよび5MTを廃止し、CVT(無段変速機)を全車に採用した。併せてパワーステアリングは従来の油圧式から、電動式に変更されている。

 

これにより、JC08モード燃費は、1.3リッター車の場合、従来の15.4km/Lから17.6km/Lへと約14%向上。1.5リッター車の場合は、従来の15.4km/Lから18.2km/Lに、そして1.5リッターの4WD車は従来の13.4km/Lから15.8km/Lへと共に約18%向上した。これにより全車エコカー減税対象車となったほか、モード燃費ではライバルの日産AD(1.5リッター・FF車が17.4km/L、1.6リッター・4WD車は13.0km/L)を上回ることに成功している。

プラットフォーム前半を刷新しつつ、アッパーボディはキャリーオーバー


プロボックスの最上級グレード「F」

パワートレインの変更のため、ボディ前半には現行ヴィッツ等と同じプラットフォームが採用された。これにより、最新の歩行者保護対策にも対応。フロントのデザインも“ツール感覚”を重視したグリルレス風に変更されている。

一方でボディ後半、すなわちAピラーから後ろのアッパーボディやリアサスペンション周辺は、積載性や操縦安定性で定評のあった先代モデルのものをキャリーオーバー。よってプラットフォーム(前半)は変更されたが、リア外観はほとんど変更なしという、異例のモデルチェンジになっている。

 

シャシー性能も全体に底上げされた。フロントサスペンションの一新に伴い、前後のスタビライザーを強化してロールを抑制し、代わりにスプリングやダンパーのセッティングや細かなパーツを変更。フル積載時の操縦安定性を確保しながら、乗り心地の向上が図られた。

また、シートも新開発で、耐久性の高さ(へたりの少なさ)はそのままに、クッション形状やウレタンの変更、運転席リフターの調整幅アップ(31mm→60mm)などにより、座り心地を向上させている。また、休息時にも配慮し、リクライニング角度を水平に近い76度に拡大した。

ボディサイズや荷室はプロボックス/サクシードで共通に


ボディサイズは全長4245mm×全幅1690mm×全高1525~1530mm

全長は、先代のプロボックスが4195mm、サクシードがそれより約10cm長い4300mmだったが、新型ではボディが共通となり、その中間値である4245mmに統一。全幅の1690mmやホイールベースの2550mmは従来通りだが、最小回転半径は0.1メートル増えて4.9メートルとなった。全高は1525mm(4WDは1530mm)で、もちろん機械式立体駐車場もOK。

また、荷室長と最大積載量は、先代プロボックスが1810mmと400kg、先代サクシードは1830mmと450kgという具合に差別化されていたが(前身であるカローラバン、カルディナバンの名残り)、新型ではフル積載する機会が減っている昨今の使用状況を踏まえて、1810mmと400kgに統一された。それでも荷室には従来プロボックス同様に、みかん箱なら38個まで積載可能になっている。

 

荷室まわりは先代とほぼ同じ。荷室長は1810mmを確保

先代の途中まであった5ナンバーの乗用ワゴンはなく、新型は4ナンバー商用のみとなった。ただし最上級グレードの後席は、分離式ヘッドレストのダブルフォールディングタイプ(座面クッションの脱着も可能)になっている。

なお、日産AD / ADエキスパートのボディサイズは、全長4395mm×全幅1695mm×全高1500mm(4WDは1545mm)、ホイールベースは2600mmで、全長は新型プロサクより150mm長く、ホイールベースは50mm長い。最大荷室長は1830mm、最大積載量は450kg(4WD車は400kg)となっている。

引き出し式テーブルを大型化。紙パックも置けるドリンクホルダーを設置


ダッシュ上面も停車時に物が置けるようにフラットになっている

新型プロボックス / サクシードで注目すべき点は、一新されたインパネのデザイン。先代でインパネシフトがあった場所には、1リッター紙パック飲料が置けるセンタートレイ(照明付)が新設された。

また、ステアリングの左側には、携帯やスマホなどを置けるマルチホルダーを設置。さらにダッシュボードにはA4バインダーを横向きに置ける棚を用意した。

 

また、先代にも引き出し式のテーブルはあったが、新型ではノートPCやお弁当が置けるように、幅で80mm、奥行きで35mm拡大。標準サイズのiPadがちょうど置けるくらいの大きさになった。

さらには、今回からパーキングブレーキを足踏み式に変更したことに伴い、シート横にカバンを置けるようになるなど、ビジネスマンにとっては至れり尽くせりの仕様になった。

価格は131万7600円~。月販目標は合わせて4200台


ボディカラーには全6色を設定。写真は新規設定のライトグリーンメタリック

価格(消費税8%込)はプロボックスが131万7600円(1.3リッター・CVT車)からスタート。先代4AT車比では約10万円のアップとなった。1.5リッター車のみのサクシードは143万7382円から。VSC&TRCは全車標準になった。

販売チャンネルは従来通りプロボックスがカローラ店で、サクシードがトヨタ店とトヨペット店。生産もこれまで通り、ダイハツの京都工場(京都府乙訓郡大山崎町)で行われる。輸出はなく、完全に国内専用車。

月販目標台数は先代(デビュー時)はプロボックスが5000台、サクシードが2000台の計7000台だったが、新型はそれぞれ2600台、1600台の計4200台。

デイズのコメント

先代のインパネも画期的だったが、今回は大絶賛。先代の時も思ったが、このインパネのままの乗用車を出せば、一定の支持は絶対に得られるはず。「カッコいい」より「機能的」であることを求める人は、少なくないはずだ。というか、クルマの場合、機能性こそがカッコよいとも言えるのでは。

■外部リンク
トヨタ自動車>プレスリリース>プロボックスならびにサクシードをマイナーチェンジ (2014年8月6日)

■過去の記事
新車試乗記>トヨタ サクシード ワゴン (2002年8月掲載)